ホテル ルワンダ
2006/09/03(Sun)
「ホテル ルワンダ」
原題 : HOTEL RWANDA (2004年 米・英・伊・南ア 122分)
監督 : テリー・ジョージ
出演 : ドン・チードル、ソフィー・オコネドー、ニック・ノルティー
鑑賞日: 9月2日(DVD)


アフリカ大陸のほぼ中央に位置する国、ルワンダ。 1994年4月6日にフツ族のルワンダ大統領ハビャリマナを乗せた飛行機が撃墜されたのをきっかけに、多数派フツ族は民兵を中心に少数派ツチ族の虐殺を始めた。 ミル・コリン・ホテルの支配人のポール(ドン・チードル)はフツ族ながらツチ族の妻タチアナ(ソフィー・オコネドー)と子供達と平穏に暮らしていたが、民兵の不穏な動きに不安をいだき、家族をホテルに避難させる。 彼のホテルは仏外資系のため、国連軍が駐在し民兵も手出しが出来ない。しかし、情勢が悪化するとホテルには次々に民兵の虐殺から逃れようとする人が押し寄せて・・・

主人公夫妻は実在の人物で、最初は自分の家族を救いたい一心で政府軍関係者との間に入り、必死に東奔西走していたポールが、自分のホテルに逃げ込んで来る人たちは、たとえツチ族でも民兵に差し出すわけにはいかないと、結果的には1268人の同胞の命を守りぬいたという実話。


とても重く恐い映画だった。
映画の冒頭、ポールと運転手の載った車が街の雑踏の中を進んでいく場面、車の側を血気にはやったフツ族の民衆がデモ行進をしながら通り過ぎてゆくあの場面に、「ブラックホーク・ダウン」の民衆の暴動のシーンを思い出した。 何か一つの思想のようなものに駆られている民衆の勢いのうねりは、ジープに乗った政府軍の軍人達よりも恐ろしく感じた。 
ツチ族・フツ族の対立の問題はルワンダだけの問題ではないので、映画の最後にバスで無事にルワンダを抜け出して行った人たちが、行った先で同じような過酷な状況に遭遇しませんようにと願わずにはいられなかった。
外国人ジャーナリストのジャック(ホアキン・フェニックス)が現場責任者の忠告を無視して、危険な地域へ潜入し、虐殺が行われた様子をフィルムに収める。 その残虐な映像が世界中に流れる事によって、世界の人々の関心と救いの手が得られるに違いないと期待するポールに向かってジャックが言った 「みんなあの映像を見たら、何て酷い、とは言うだろうが、そのまま食事を続けるんじゃないかと思う」という言葉があまりにも痛烈だった。 まさしく今の私たちも、レバノンとイスラエルの報復合戦の映像などを見て同じ事をしているのだから。


ホテルに滞在していた外国人の一斉退去の日、雨の中、自分達を見捨てて安全な地に逃れていく人々に対しても、ホテルの従業員が傘をかざして濡れないようにバスの乗り口まで付き添う姿に胸が締め付けられる思いがした。 ジャックが「そんな事はしないでくれ、恥ずかしい」と言ったシーンがこの映画の中で一番堪えたシーンだった。 

正義感に溢れた実直なオリバー大佐(ニック・ノルティー)と、命がけで現地の人々のために尽くしているアーチャー(カーラ・シーモア)にも心を打たれます。

この映画をまだ見ていない人には、ルワンダでの虐殺事件の事を知る為、もう一度記憶に留める為にも是非見て欲しいし、すでに映画を見た人にも、ネットで検索すればいろいろな情報を得られるので、是非これを機会に歴史的背景などをさらに知ってもらいたいと思った。 もちろん自分もそうだけれど。 

外務省のHPのルワンダの詳細がこちらこちら
ウィキペディアの解説はこちら
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コメント
- こんばんわ。 -
TB&コメントありがとうございます。
映画としての完成度は別にして、とても考えさせられる作品でした。
ひとつひとつ積み重ねられていく事実に、そして、そこに込められたメッセージに、とてもとてもショックを受けました。
いま世界で何が起こっているのか、私たちのような遠く離れた島国日本の一般庶民にも現実を知る事が出来るように、日本のメディアはもとより政府がしっかりと対応して欲しいものです。
まず、知らなければ何も始まらないと感じました。
私達に何が出来るかわかりませんが…。
2006/09/03 22:13  | URL | 耕作 #-[ 編集] ▲ top
- TB&コメント有難う御座いました♪ -
こんばんは〜♪
色々と考えさせられる、と言うか思い知らされる映画でした。
単純に「面白かった!良かった!」では片付けられないくらいにずっしり来ました。
ジャックの台詞は画面のこちら側にも突き刺さりましたし、1268人の命が救われた裏(実際はこっちが表ですよね。)では100万人もの命が奪われてたんですよね・・・
正直、かなりショックでした。
本当に一人でも多くの人に観てもらいたい作品ですね。

ではでは〜、これからもよろしくお願いします♪
2006/09/04 05:26  | URL | Aki. #msZFOyjE[ 編集] ▲ top
- 歴史を滞在しない -
歴史を滞在しないの?
2006/09/04 12:50  | URL | BlogPetのシロジャビ #-[ 編集] ▲ top
-  -
耕作さん、こんばんは。 

遠く離れている我々、たとえ近くにいてもですが、何が出来るのかと考えてみても実際は思い当たらないですよね。
ただ、おっしゃるように知らなければ何も始まらないので、せめてしっかり事実を認識しなくてはいけませんよね。 映画を好きな友人達にこの映画を勧めてみようと思います。


akiさん、こんばんは。 

ツチ族とフツ族の争いがあるのはルワンダだけではないですし、その他の紛争に巻き込まれて国を追われて難民となっている人々はアフリカには多くいるので、本当にいろいろ考えさせられる重たい映画でしたね。 ともかく私たちはこの事を忘れてはいけないのですよね。
2006/09/04 22:12  | URL | M #-[ 編集] ▲ top
- TBありがとうございました -
こんにちは♪
今公開されている「ユナイテッド93」もそうですが、オモシロかったとか感動したとかいう評価をするのはなんだか違っている気がしますよね。
あまりにも物を知らない自分を恥じつつ、それでも知る事ができてよかったと思うし、これからも忘れずにいようと心に刻む事ができました。
2006/09/05 18:13  | URL | ミチ #0eCMEFRs[ 編集] ▲ top
-  -
ミチさん、こんばんは。

感動したシーンというのは、ありますよね。 タチアナが姪っ子2人と再会したシーンなど・・・。 でも122分見終わった時にはそういう言葉は出てきませんでした。
「ユナイテッド93」も映画を製作した事自体賛否両論ありますが、まだ見る勇気がなくて迷っています。 
2006/09/05 22:19  | URL | M #-[ 編集] ▲ top
- ご無沙汰しております -
Mさん、お邪魔します。
昨日、先延ばしにしていたこの作品をやっと観ました。
暴走する民兵達のなたや
ホテル従業員達の心理の変貌など
観ていて恐怖が止まらない二時間でした。
悲しいとか怖いとか義憤とかでは解決しない重い現実があることを
しっかり見極めて心にとどめておかなくちゃと思いました。

Mさんの冷静なレビューにはいつも感動しています。
私もがんばりたいです。
2006/12/16 23:37  | URL | lime-fizz #0HzTjQFo[ 編集] ▲ top
-  -
lime-fizzさん、こんにちは。
こちらこそ、ご無沙汰しております。 

冷静なレビューなどと・・・でも、お褒めいただきありがとうございます。
ホテル・ルワンダ、本当に見応えのある映画でしたし、このような事が今でも起こっているのだという事を常に意識していないといけませんよね。 
アフリカは貧困の問題だけでなく、女性へのレイプ問題などもそうとう深刻な状況のようで心が痛みます。

いつも力作のlime-fizzさんの感想も楽しみにしています。
2006/12/17 16:27  | URL | M #-[ 編集] ▲ top
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