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新国立劇場バレエ「ジゼル」 6月24日ソワレ(小野&福岡)
2017/07/02(Sun)
大好きな絢子ちゃんと雄大君のペアはもう絶対に外せないペアだというのは何度も書いておりますが、今回初日マチネのレビューを書きながらちょっと笑っちゃう事を発見!
2013年の前のジゼルはいったいいつだったのだろうと過去のレビューをいろいろチェックしていたところ、その回答はさておき、どうやら私がこのペアを初めて見たのは2011年1月の「バヤデルカ」だったのですが、その後10月のガラの「眠り」の感想で、なんと「この2人って合うのかなぁぁ?」と暴言を吐いておりまして・・。 さらにその絢子ちゃんのオーロラを自分の好みに合わずちょっとダメとまで言ってる自分・・・(雄大君はもともと好きだった)。 なのに、その3年後の新版「眠り」をこの2人で見た時に絢子姫に陥落しているんですよ、あたくし(笑)。 それまでも何回も見ていたのにこういう事もあるんですねぇぇぇ。 へたな文章ですらなかなか書けない(だいたいこんな風に横道それてるから余計に時間がかかる)この数年ですが、後からこんな思わぬ発見があるなんて、やっぱり何か残しておくって無駄な事ではないのですねー(笑) 

さて、「ジゼル」。
絢子ちゃんも今回ジゼルは初役だったのですね。 彼女のジゼルは可憐で明るく無邪気な一面も持つジゼル。 アルベルトに対して恥じらいはあるけれど、好きという思いは全身から溢れている。 お互いに投げキスを交わすところなど、もう周りのことなど目には入らず幸せの絶頂のような満ち足りた笑顔。 これじゃぁ、アルベルトもぞっこんになりますよねぇ。 踊りは柔らかく軽やか。 
普通ジゼルは一列に並んだ村娘たちと踊りだす前に一度胸の痛みを表すけれど、綾子ちゃんのジゼルはアルベルトとハンスが言い争いをした後にもつらそうな仕草をしていました。  確かに2人のやりとりに不安と恐さを覚えて緊張しただけでもジゼルの心臓には負担になるのでしょうね。 それが1幕最後の愛する人に裏切れたショックになどとうてい耐えられないという狂乱のシーンへも上手くつながります。
その狂乱シーンは悲しさとやるせなさに心と頭がどんどん壊れていき、笑いすら出るほどに感情が入り混じって分けが分からなくなった果てにとてつもない絶望に襲われて事切れたように見えました。  
2幕のウィリ。 ミルタに呼び出されてのところも良かったですが、アルベルト登場後にすぅーっと下手から出てきてアルベルトのリフトでふわぁっと浮かび上がったあの一瞬が物凄く鮮やかに目に焼きついて残っています。 本当に空気の精のようでした。 絢子ちゃんのウィリは身は精霊と化しているけれど心はまだこの世に残っているウィリだったように感じました。 で、アルベルトをかばってお墓の十字架の前から動かないようにとアルベルトに囁く様子が何気にものすごく艶かしい・・・。 思わずドキッとしてしまいましたが、墓の前を離れて自分の後を追ってくるアルベルトにお墓に戻ってと諭すような表情は慎ましやかで・・・。 アルベルトに向ける慈愛と深い愛情に溢れる視線は最後まで変りませんでした。 夜明けの鐘が聞こえた時に見せたアルベルトの命を守りきれた安堵と別れの覚悟の表情も心に残ります。  

雄大君も前回13年のジゼル公演に出ていないという事は初役なのでしょうか? 彼のアルベルトはジゼルに心惹かれてはいるけれど貴族と村娘という住む世界の違いはしっかり意識しているアルベルトだったと思います。 この人は私の婚約者なのですよとジゼルに話すバチルドに向かってわりと悪びれずに人差し指を立てて「シーッ」っと合図してましたしね。  ただ、ジゼルが狂い始めてからは彼の中でも何かが変わっていった感じ。 自分の両腕をすり抜けるように崩れ落ち命を落としてしまったジゼルを抱き起こし激しく揺さぶり、ベルタに突き飛ばされそうになってもけっして彼女から離れようとはせず、アルベルトもまた狂ったようでした。 見かねたウィルフリードに引きずられるようにして去って行くまで迫真の演技。
踊りは全体的に余裕があって切れもありジャンプなどは滞空時間も長くフォルムも綺麗。 体もすっきり絞れていたようですし(一応毎回気にはなるのです・・・)。 2幕でのアントルシャは力みのない綺麗なもので、その後のブリゼもスピードがあって良かったです。 もうこれ以上は踊れないというフォームの乱れた渾身のラストダンスもなかなか。 サポート、リフトも全く不安なく、もうこの2人の場合はいろいろな事が自然に合うのでしょうね。 それは2幕で最大限に発揮され、この2人ならではの世界に惹き込まれました。 
ジゼルに命を救われたアルベルト、そういえば井澤さんは夢落ちとも思えるようなハッとした仕草をしていたけれど、雄大君は現実の出来事だったように思います。 ジゼルとの強く深い愛を失ったアルベルトは大きな絶望と悲しみ、苦しみの中に取り残されどう乗り越えていくのだろうと思わせられるラストでした。


その他のキャストでは
バチルドの美和ちゃんがまたと~っても美しく・・・。 アルベルトを見る目は少し怖かったですが、ジゼルには大人の振る舞いでしたね。 個人的には好きな3人の三角関係にちょっとドキドキ(笑)。

前回は長田さんジゼルのアルベルトで見ている菅野さんのハンスは無骨でちょっと理屈っぽさそうな(ファンの方すみません)、あまり同情せずにすみそうなキャラクターでした。 2幕で命乞い適わず踊らされている時の無念そうな表情とそれでも端正な踊りが印象的でした。
そういえば、マチネの宝満ウィルフリードもアルベルトの言いつけ通りに後ろ髪引かれる?事無く帰って行きました。 ここは演技が決まっているのですね。

優しいイメージのある寺田さんのミルタも常に無表情でハンスもアルベルトも見つけたからには許さないという情けのなさ。 登場時のパ・ド・ブレは滑らかで綺麗でしたが、体の動きはわりとシャープで、特に交互に動かす腕、百合の花を投げる腕の動きは空気を切り裂くような鋭さで何気に気性の荒いミルタ。 
コール・ド・はマチネ同様静かに強く美しく。
 

比較的静かに物語が紡がれたマチネと勢いがあって濃厚だったソワレ。 それぞれに味わいがありましたが、主演2人の熱演が光ったソワレは本当に素晴らしかったです。 一日でこれほどのマチソワ2公演を見られたのは嬉しい限りなのですが、たった一日で自分の新国ジゼルが終わってしまったのはとっても淋しかったです。 今度「ジゼル」を見られるのはいつになるでしょうか? できれば2018/19シーズンに、是非!  絢子ちゃんと雄大くん主演の「ジゼル」は今年の清里フィールドバレエで7月31日(月)と8月2日(水)に予定されています。

      



6月24日(土)18:00
ジゼル : 小野絢子
アルベルト:福岡雄大
ミルタ:寺田亜沙子
ハンス : 菅野英男
村人のパ・ド・ドゥ:池田理沙子、福田圭吾
クールランド公爵:貝川鐵夫
バチルド:本島美和
ウィルフリード:宝満直也
ベルタ:丸尾孝子
モンナ:寺井七海
ジュリマ:玉井るい

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