法村友井バレエ団「バヤデルカ」 10月7日
2016/10/11(Tue)
レニングラード国立バレエが毎年2ヶ月近い冬公演を行っていた時代、バレエ団としては何度も「バヤデルカ」を上演したのに、シヴァコフがソロルにキャストされた事は一度もありませんでした。 ほとんどがルジマトフでコルプが2度ほどだったと思います。 光藍社さんのアンケートには何度も何度もリクエストしたのですけどね・・・。  なので、バレエ団自体の公演があるのかないのかというような状況になってしまい、もうシヴァのソロル全幕なんて見られないだろうと諦めて久しかったこの夏に法村友井バレエの「バヤデルカ」に客演と聞いた時の嬉しさと言ったら!! Dream comes trueです♪
シヴァコフ自身もプログラムに「今回は私にとって特別な興奮する来日なのです。 と申しますのは私は日本で数多くのバレエ作品を踊りましたがバヤデルカは初めてとなるからです」とメッセージを寄せているように、待ちに待った日本でのソロルだったのだと思います。 シヴァの好きな役ですものね!


以下大阪から戻り、時間を見つけながら継ぎ足し継ぎ足し少しずつ書いた感想です。 書きなぐりで纏まりがなく恐縮ですが、この先あまりまとまった時間が取れないのでアップしてしまいます(最近はいつもこんなですけど・・・)。 週末あたりに思い出した事があれば付け加えたり文章を直したりするかもしれません。


昨年夏の来日でチェックしているとは言えシヴァも体型の変わってくるお年頃(笑)、劇場では教師としての活動が主になってきているだけにちょっと心配していましたが、ほぼ問題なしのすっきり体型に一安心♪ 
衣装はシヴァがマールイでソロルを踊っていた時の衣装なのかな?  良く似合っていたけれどやはり鬼門の被り物・・・のターバンが・・・、大きすぎやしませんかね? 
出の寺院前でのシーン、シヴァのムーブメントが柔らかく美しいなと思いました。 特にアームスの動きが綺麗でした。 ニキヤを想うときめいたような優しい顔とマグダベアに向けるきっとした表情、どちらも「あ、シヴァだ!」でした。 ニキヤとのパ・ド・ドゥでもサポートをしっかりしながら自身のラインも気を配られた綺麗なものだったと。 
しかし、2人のパ・ド・ドゥをカーテン全開でかなり長い時間大僧正が見ているんですよね・・・。 そういえばマグダベアがニキヤに伝えたソロルからの伝言を内容までしっかり聞いてしまっているようだったなぁ。

ニキヤの法村珠里さんは初見ですが、モスクワ・バレエ・アカデミーに2年間ほど留学した後プロのダンサーとしてバレエ団で数々の主役を踊り、受賞暦も多く、近いところでは2015年に文化庁芸術祭優秀賞を受賞しているバレリーナです。
比較的小柄なためシヴァコフとの身長差はかなりありますが、技術がしっかりしているダンサーなのでシヴァもサポートでそれほど大変なようには見えませんでした。 1幕の神殿前のソロで微笑を浮かべて踊るニキヤはあまり見た事がありませんが、大僧正の告白に対してはやや嫌悪を持ってきっぱりと。
終始踊りはとても安定していたので物語を安心して見ていられました。

さて、再びシヴァ。 1幕2場のラジャの屋敷あたりからは俺様ソロルぶりがヒートアップ(笑)。 ラジャからガムザッティを妻にするようにと言い渡される時に腕組みをして偉そうに話を聞いていたソロルは初めて見たかも(笑)。 自分にはニキヤが・・とうろたえて、それでもガムザッティの美しさに驚き・・・というところはなんというかちょっと段取りくさくて、このあたりになってくるとやはりマールイのバレリーナ相手にもっと自然な演技をするだろうしヴァを見たかったなと思わなくもなかったです。
ニキヤが屋敷にやって来てガムザッティへの祝福の踊りを踊っている間は、迷う心のままというか動揺を隠せず、すみの方へ隠れてみたりニキヤを見ていたりと落ち着きがありませんでしたが、その時も腕組みをしていたような・・・。 でも不安な時につい肘に手をやってしまう事ってあるなぁ、自分も。

大僧正がやって来て人払いをし、ソロルとニキヤの関係をラジャに密告するシーン。 ガムザッティとアイヤがすぐに戻って来て思いっきりそばで聞いていたのがなんとなく違和感だったのですが、どこの席からも見えて、話の展開が分かり易いっちゃぁ分かり易いですね。 


2幕の婚約式、ラジャ、ガムザッティがそれぞれ輿に乗って登場した後にソロルが象に乗って登場。 またまた腕組みして大きくて立派な象さんの上から挨拶をするソロルのえっらそうな事!(笑) 

ガムザッティの今井沙耶さんは2015年の全日本バレエコンクール女性シニアの部で1位を取った若手で期待のホープとの事。 彼女も小柄で珠里さんよりもさらに華奢ですかね。 何不自由なく育った気位の高い小娘(ご本人が若いだけにね)といった感じかな?
2幕の婚約式での踊りはシヴァと組むと若干シヴァに頼りすぎな面も見えましたが、イタリアンフェッテやフェッテ・アン・トゥールナンなども綺麗に回っていたソロは良かったです。

シヴァのヴァリ。 体の軸が安定していてブレがなく音楽もよく捉えた良い踊りでした。 ジャンプの高さやダイナミックさは以前と比べればなくなりましたが、その分丁寧でラインが綺麗になった気がします。 マネージュはスピードがあ って爽快でした。

2幕の最初のうちはガムザッティとの結婚は避けられぬ運命と、ニキヤの事は忘れたかのようでしたが、ふいに舞姫のポーズを取るソロルの気持ちはやはり揺れ動いているのでしょう。 そんなソロルに不安げな今井さんのガムザッティ。 

続くニキヤの踊り。 彼女を直視することができず暗い顔で視線を落とすソロル。 ラジャ、ガムザッティ、ソロルが並ぶ天幕の下は気まずい空気が流れそれぞれが神経を尖らせている様子。 不安と嫉妬とプライドがぐちゃぐちゃになっているガムザッティがソロルに何度も視線を送るのは常套ですが、ラジャもソロルの心の内を探るように頻繁に様子を伺っていました。 ソロルが煮え切らない暗い表情でガムザッティの手に口付けするのを見たラジャが立ち上がりアイヤに花籠を持ってくるように言いつけたその瞬間、ひょっとしてラジャは、ニキヤを始末すると大僧正には言ったものの、もしソロルがニキヤの事などもう眼中になく自分の娘に夢中になっていたのなら、愛娘の婚約祝いのめでたい日にわざわざたかが舞姫なんぞを殺してケチを付けなくてもいいと思っていたのではないか?と今まで思った事もない事が頭によぎりました。 それってソロルの優柔不断こそがニキヤを死に追いやった、まさにその決定的瞬間だったという事??
花籠をもらって嬉しそうに踊るニキヤを落ち着いて見ていられないソロルは支柱を掴み立ち上がる。 シヴァからは目が離せなかったのでニキヤの踊りは最初からあまり見られず・・・。
蛇に噛まれガムザッティを責めるニキヤを無視するように早々にガムザッティを連れて退席するラジャ。 ほんと、早かったですね。 ソロルは一人取り残され、大僧正から受け取った解毒薬を手に自分を見つめるニキヤの視線を自分にはもう何もできないと悲痛な面持ちで受け止めるしかない。 絶望したニキヤは解毒剤を捨て息絶える。 彼女に駆け寄り抱きしめながら嘆くソロル。


ニキヤの死にショックを隠せず動揺しながら部屋に戻って来たソロルにマグダベアが水タバコを勧める。 ここまでみっちりたっぷりだった法村版バヤデルカですが、ソロルを慰めるマグダベヤの踊りだけはありませんでした。 どんな蛇ダンスかけっこう期待していただけに残念(笑)。

影のコール・ドは24人で2段のスロープを降りてきますが、音楽のテンポが少し遅い。 この3幕2場の幻影の場は終始音楽が遅めだったのですが、特に精霊たちのシーンは四分音符がみな付点四分音符的長さというか・・・、ちょっと間延びした感じで静謐な世界に漂う独特の緊迫感のようなものがあまり感じられなかったのが残念でした。 編曲もマールイなどで耳に馴染んでいるバージョンとは少し違うものなので、おや?あれ?とかちょっぴり違和感。 もちろんあくまでも個人的な好みの問題ですが、音の記憶ってけっこうやっかいですね。 そんなゆぅ~っくりな音楽でもダンサーたちはしっかりとアラベスクパンシェでスロープを下って来ました。 地上に降りてきてから少しグラグラしている人もいましたが、全体的には揃っていて綺麗だったと思います。 
影のトリオもみな充実した踊りで良かったです。

ニキヤとソロルの踊りは、流石に何度もペアを組んで踊っているダンサー同士ではないので美しく切ない2人の愛の世界というわけにはいきませんでしたが、破綻なく、2人とも丁寧に踊っていました。 
シヴァはヴェールを含めサポートは万全で、ヴァリでは着地のしっかりしたトゥールザンレールを入れながらのマネージュが素晴らしかったです。 いい具合に力が抜けていて綺麗だったな。 

王国の崩壊
この日の公演にはバレエ団の演出にはない元マールイの懐かしいユーリ・ペトゥホフさんが振付けた王国の崩壊が付け加えられています。 どんな感じなのかとても興味があったのですが、ほぼボヤルチコフ版と同じでした。 というか、プログラムにはこのフィナーレはボヤルチコフ氏の依頼で以前振付けたものですとあるのですが・・・。
結婚式が始まるといつしかソロルにしか見えないニキヤの亡霊が現れ、ソロルの心は自分にはないと気づいているガムザッティをさらに不安にさせる。 ニキヤの訴えでソロルはラジャとガムザッティがニキヤを殺した事を知るけれど時すでに遅しで大僧正に結婚の誓いをさせられる。 聖なる火への誓いを破った2人の結婚が神の怒りに触れ神殿は崩壊し人々は死に王国は滅ぶ。 一人生き残った大僧正がたなびくニキヤの白いヴェールの後を追い幕。 このラストを見ながらマールイのいろいろな大僧正が浮かんできちゃいました。 けっこう好きだったのですよね、このエンディング。


全3幕休憩2回、18時半に始まった舞台が終わったのは21時40分。 法村友井バレエ団のバヤデルカはストーリーが丁寧に紡がれ、婚約式でのディベルティスマン(ソリストたちの出来栄えも良く見応えのあるパフォーマンス)等、踊りも多く内容豊か。 ダンサーすべてが一丸となった渾身の舞台で、最愛のマールイ旧版に近いバージョンという事もあり心から楽しむ事ができました。
そしてバレエ団には何よりもシヴァコフをゲストで呼んでくれた事を感謝したいと思います。




ニキヤ:法村珠里
ソロル:ミハイル・シヴァコフ
ガムザッティ:今井沙耶
ラジャ:法村圭緒
高僧:井口雅之
マグダベア:奥田慎也
親衛隊隊長:大野晃弘
アイヤ:大力小百合
黄金の神像:豊永太優
マヌー:堤本麻起子
太鼓の踊り:坂田麻由美、岡田兼宣、市田繕章 
影のトリオ:河野裕衣、神木遥、中尾早織

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コメント
- NoTitle -
こんにちは!ソロルで俺様シヴァ復活ですか!30代半ばになってもシェイプを保っているのはすごいです。特に主役級となると、毎日舞台に乗らないで維持するのって大変だと思うんですが。踊り以外のシーンも小芝居健在だったようで。大阪で民代さんと白鳥踊ったときの純粋王子を思い出しちゃいました。あのときは王妃様の登場シーンで髪直したり服の裾直したりしてたんでしたっけ。法村バレエはワガノワ流の美しいポール・ド・ブラが健在なので、マールイの演目でも安心して見ていられますよね。これからもマールイのソリストを呼んでほしいです。コシェレワと息子さんにも見せたかったですね~。
2016/10/18 02:26  | URL | うみーしゃ #-[ 編集]
- NoTitle -
うみーしゃさん、
厳密に言えば、1幕のソロルの衣装でのお腹周りが気にならない事もなかったのですけどね(笑)。
今シヴァはワガノワで教師もしているのですが、劇場でも教える立場になっていてどれほど舞台で踊っているのか・・・。 いずれにしても20代の頃と比べると運動量が減っていると思うのでこの先も数多く舞台に立つためにもなんとかラインだけは保っていただきたいなと。
今回のバヤでも上着の裾を直していましたが、王妃様のために身だしなみを整えるのではなく、上着が上がっちゃったようで(笑)。 休憩時間にマールイ仲間と同じ話題になりました。
ほんと、コシェレワも久しぶりのシヴァのソロルを見たかったでしょうねぇ。 来年の新春はキエフの来日なので、シヴァとコシェレワにはまた夏のハイライト公演に出演してもらえたら嬉しいです。
2016/10/18 22:46  | URL | M #il9tusdg[ 編集]
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