9月10日 東京都交響楽団第813回定期演奏会Cシリーズ
2016/09/16(Fri)
東京都交響楽団第813回定期演奏会Cシリーズ
 インバル80歳記念/都響デビュー25周年記念

東京都交響楽団
指揮:エリアフ・インバル
会場:東京芸術劇場

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エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調
      (チェロ:ターニャ・テツラフ)

  --- 休憩 ---

シューベルト:交響曲第8番 ハ長調<ザ・グレート>

<アンコール>
 チェロ:J.S.バッハ チェロ組曲第3番ハ長調 サラバンド



客演チェリストがターニャ・テツラフ、指揮者がインバル、生演奏では聴いた事がない曲の組み合わせというプログラムに惹かれて聴きに行く事にした公演です。 音大出の従姉にインバルと都響はとてもいいのよと言われていた事もありとても楽しみにしていました。
エリアフ・インバルは1936年イスラエル生まれの今年80歳。 エルサレム音楽アカデミーでヴァイオリンと作曲を学んだ後、バーンスタインの推薦によりパリ国立高等音楽院に進み指揮者に転向したのだそうです。 都響に初登壇したのは1991年で、以来特別客演指揮者(1995年~2000年)、プリンシパルコンダクター(2008年~2014年)を務めた後、2014年4月からは都響桂冠指揮者という立場で都響の発展に長く大きな貢献をされてきた方です。


エルガーのチェロ協奏曲は、第二次世界大戦末期にエルガーが戦争の悲惨な現実を悲観し、自身も健康を患った後に病床の妻を心配しながら作った曲という事で、曲全体に陰鬱さが漂います。  自分の中では早逝したジャクリーヌ・デュ・プレも重なるのでなおさら深い悲しみに包まれているようにも感じます。 
真紅のロングドレスに身を包んだソリストのターニャ・テツラフは、テツラフ兄と共演したブラームスのドッペルコンチェルトの熱演&名演が忘れられず、今年のトッパンホールでの室内楽コンサートも聴きに行った今気になるチェリストなのですが、何かに憑かれたような激しい演奏スタイルかなという予想に反し、旋律に込められた作曲者の思いに寄り添うように静かな情熱を湛えながらの深みのある演奏でした。 技巧的に激しさをますフレーズや曲全体が盛り上がりをみせるところなどでも激情には流されず気品を失わない一貫したアプローチ。 
オーケストラは14型。 音量はしっかりあるのに透明度の高い美音。 ターニャとのバランスも音量・音質ともに絶妙で、中でもチェロの弱音に合わせたホルン、フルート奏者の弱音の美しさは感動ものでした。 
ターニャのアンコール、バッハのサラバンドは重音が美しく崇高な響き。


「歌曲の王」と音楽の授業で習ったシューベルトの交響曲は「未完成」くらいしか馴染みがないので、コンサート前にCDで少し予習。 シューマンが「すばらしい長さ(天国的な長さ)」と評し、指揮者によってもかなり演奏時間に差が出るこの大曲ですが、都響の演奏は約55分でした。
第1楽章の出だしのホルンのたっぷりとまろやかな音が素晴らしい。 続く弦楽器の音も張りがあって明朗。 オケは16型の上に木管とホルンは倍管でそれぞれ4本なので全開になった時の音量は非常に豊かで圧倒的。 中盤過ぎにトロンボーンが主旋律を吹くあたりは大スペクタクルな冒険映画を連想させるお気に入りのメロディ・ラインです。   第2楽章はどことなく郷愁を誘われるような、また癒されるようなオーボエのソロに聴き入りました。 2楽章も耳に残る旋律が多く聴き応えはあるのですが、若干その長さも気になるような・・・。 歯切れのいい3楽章の出だしで一気にリフレッシュ。 ワルツでの木管楽器の明るく美しい音色が印象的。 第4楽章は「眠りの森の美女」第3幕の結婚式の幕開きのような華やぎに満ちた音楽で始まり、楽章を通して祝祭感が溢れているように感じます。 ブラームスの1番ではありませんが、途中、「歓喜の歌」というかベートーヴェンの音を感じる旋律もあり、ベートーヴェンの影響力と存在の大きさを改めて・・・。 スケール大きく勢いを増していく終盤ではオーボエ、クラリネット、トランペットがベルアップで雰囲気を一気に盛り上げ、ボルテージも最高潮になってのフィニッシュでした。 都響の演奏、弦も管もティンパニーも本当に素晴らしかったです! 

この日の演奏はNHK FM ”ベスト・オブ・クラシック”で放送予定(放送日未定)だそうです。 TVだったらもっと良かったのになぁ。
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