バレエの巨匠たち Aプログラム 8月2日
2016/08/11(Thu)
もう少し時間が経ってしまいましたが(っていつもの事ですが)、デニス・マトヴィエンコのダンサーデビュー20周年記念ガラ、「バレエの巨匠たち」に3日間すべて行って来ました。 コンテ中心のプログラムでしたが、A,Bプログラムは第1部で充分な時間を割いてクラシック作品の一部を上演、第2部のラストをクラシックのグラン・パ・ド・ドゥで〆てくれたので、コンテがそれほど好きではない自分にとってもバランス的にはほど良かったです。


<第1部>

「白鳥の湖」第1幕2場より
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
振付:マリウフ・プティパ
ジークフリート:デニス・マトヴィエンコ
オデット:アナスタシア・マトヴィエンコ

ロットバルト:ミキタ・スホルコフ
小さい白鳥:カテリーナ・ディデンコ、アナスタシア・寺田
        マリア・ドブリャコワ、イーナ・チョルナ

デニスは昨年マールイの正月公演で組み慣れない大柄なボルチェンコ相手にジークフリートを踊った時よりは愛妻がパートナーとあって全然調子が良さそう。 湖畔のシーンだとサポートだけかと思いましたが、このガラ仕様の王子のメランコリックなソロで丁寧な踊りを堪能。  一方アナスタシアは美人でプロポーションも良く、アラベスクなどの静止のポーズは綺麗だったのですが、ポール・ド・ブラや足の運びに繊細さがなく時に乱暴で、彼女の踊りからは情感があまり感じられず、期待したようなしっとりと大人なジークフリートとオデットの恋物語ではなくて残念。 王子の視線は熱かったんだけどなぁぁぁ。  
ロットバルトのスホルコフは線は細いけれどほどよいダイナミックさがあって良かったです。 欲を言えばジークフリートの後ろで彼を翻弄しようとしている姿にはもう少し悪魔的凄みが欲しかったですが、ロットバルトを配してくれて良かったなと・・・。 
コール・ドは16人と少なめでしたが、空間が目立たないようにフォーメーションが工夫されているようにも思えました。 昼間もキエフの公演があってマチソワなので大変ですね。 若干ばらけ気味なところもありましたが4羽の白鳥はよく揃っていたと思います。 今回のコール・ド、キエフの割には小柄なダンサーが多いような?



<第2部>

「ウィスパー」
音楽:フレデリック・ショパン
振付:エドワード・クルグ
デニス・マトヴィエンコ、アナスタシア・マトヴィエンコ 


愛がテーマとの事ですが、こちら含め、プログラムにもっと作品内容の解説が欲しかったと思う作品がいくつか・・・。
2人の息はぴったりで、アナスタシアもコンテは普通に良かったです。


「シェヘラザード」よりアダージョ
音楽:N.リムスキー=コルサコフ
振付:ミハイル・フォーキン
ファルフ・ルジマトフ、エレーナ・フィリピエワ


フィリピエワがこの一演目だけなのは淋しいですが、彼女も昼間の公演で踊っていますしね。 彼女は少し前よりも体が絞れているように見えました。 動きも相変わらずしなやかで音取りも上手いし衰えないですねー。 同じくルジの肉体も衰えを感じさせませんが、さすがに跳躍などのスケールは小さくなったと思います。 初日だからか?エロティシズムの濃厚さは控えめだったかと。


「ゴパック」
音楽:V.ソロヴィヨフ=セドイ
振付:ロスチスラフ・ザハロフ
ヴィタリー・ネトルネンコ
  

チェボタル怪我のための代役だそうですが、最初の2回のジャンプのダイナミックさと高さが素晴らしかった。 最後までスタミナが切れることもなく若さでつっぱしった感じのゴパックでした♪


「スパルタクス」よりパ・ド・ドゥ
音楽:アラム・ハチャトリアン
振付:ゲオルギー・コフトゥン
イリーナ・ペレン、マラト・シェミウノフ


この2人のサビーナとクラッススのPDDは何度か見ていますが、舞台が比較的狭い会場だったので、今回文化会館の広いステージでマラトが心置きなく動けているのが見られて良かった♪ 二人の揺ぎ無い信頼感による磐石としか言いようのないパートナーシップで、投げる方も投げられる方も、支える方も支えられる方も思い切りの良いダイナミックなパフォーマンスを披露していて見事でした。 2人の表情もいいし。 しっかしペレンがマラトの肩に手をかけて倒立したままマラトが床に開脚していくラストシーンは何回みてもその究極のアクロバティックな振付にぞくっとします。 ペレンの体のコントロール力は本当に素晴らしいです。


「Escape ~終わりなき旅~」
音楽:ゾーイ・キーティング
振付:コンスタンティン・ケイヘル
ファルフ・ルジマトフ、デニス・マトヴィエンコ 


当初予定の作品から変更になった作品でプログラムには解説がなく、キャスト表の裏にも特に補足もないため、何を表現した作品なのかはさっぱりわからず。 
舞台上には大きな白いビニールが所狭しとあちこちに敷かれていて、照明を当てられ演出の一部であったり、デニスに巻き付けてがんじがらめにするようだったり、ルジが怪しげにたなびかせてみたりと、なかなか効果的。 特に最後に上手から強い光を浴びたルジのシルエットが映し出されるのは印象的でしたね。
デニスとルジは2人とも上半身裸で濃い臙脂?と白のトレーニング系?パンツ。 こうして2人並ぶと2人の筋肉のつき方が違うのもわかって、というか年も考えるとルジの肉体は異常なほどですね・・・。 同じ振りの時の二人の踊りのスタイルの違いも興味深い。 デニスは音楽のままにフリースタイルな躍動に溢れルジは美を崩さない。 Escape 終わりなき旅というタイトルに無理やり結びつけると、ルジ演じる人なのか心の闇なのか、から逃げようとして逃げ切れない永遠に続くデニスの葛藤といったところ?? 

 
「赤と黒」よりパ・ド・ドゥ
音楽:エクトル・ベルリオーズ
振付:ウヴェ・ショルツ
カテリーナ・マルコフスカヤ、マクシム・チャシェグロフ 


マチルドの寝室でのマチルドとジュリアンのPDD。 どことなく不敵で挑戦的な愛と緊迫感とがとても良かったと思います。 小柄なマルコフスカヤの軽やかな踊りと長身で均整の取れた体で堂々とした踊りのチェシャグロフの対比も面白かった。リフトの多い振付でしたが、パートナーシップは万全でした。


「ボヴァリー夫人」より
音楽:セルゲイ・ラフマニノフ
振付:マイケル・シャノン
イリーナ・ペレン、マラト・シェミウノフ

  
イルゼ・リエパのために1995年に振付けられた作品で、ラフマニノフピアノ協奏曲第2番2楽章に使ったエマと不倫相手である青年のPDD。 
上品な白いキャミソールドレス?のペレンはほのかに艶やかでとても美しく、ベストスーツ姿のマラトの美青年っぷりもかなりのもの。 この上ない愛の喜びに身をゆだね幸せに浸りながらも許されない関係ゆえの切なさと苦しさからも逃れられない心のうちを二人とも丁寧に大人の演技でみせてくれたと思います。 息の合った踊りもとても良かったです。 特にペレンのポアントの細かい綺麗な動きとマラトの肩に手をかけて飛び上がった時の180度以上の大開脚のしなやかさが印象的でした。


「トゥオネラの白鳥(Black Swan)」
音楽:シャン・シベリウス
振付:マリヤ・ヴォルシャコワ
ファルフ・ルジマトフ


急遽、追加になった演目。
今年の6月にペテルブルグで初演されたこの作品の振付家であるマリヤ・ヴォルシャコワはマールイが「シンデレラ」を制作した際に、ニコライ・ボヤルチコフとともに演出・振付をした方との事です。
配られたキャスト表(最終日のCプロ)にはトゥオネラの白鳥なのに(Black Swan)とわざわざ表記がある(プログラムの紹介分などにはBlack Swanとは書かれていないのですけどね)のは?ですが、ルジのガウチョパンツもどきと肌が透けて見えるような短い胴衣は黒で、歌舞伎の隈取以上の化粧からしても、どう見ても黒鳥ですからね。 
シベリウス生誕150年の昨年はシベリウスの曲を聴く事が多く、トゥオネラの白鳥も物悲しくて暗く神秘的な旋律が気に入っていてよく聞きましたが、この作品はトゥオネラ川を泳ぐ白鳥というよりは死の国トゥオネラの死神の舞のようです。 ルジの身体の動き、特に腕の動きの滑らかさに両性具有的な印象を受けました。 ルジマトフに振り付けた作品ですが、身体のラインの美しい長身女性ダンサーが踊るのも見てみたい気がします。


「ドン・キホーテ」よりグラン・パ・ド・ドゥ
音楽:レオン・ミンクス
振付:マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴルスキー
バジル:デニス・マトヴィエンコ
キトリ:アナスタシア・マトヴィエンコ 

ウラディスラヴァ・コヴァレンコ、カテリーナ・チュピナ、キエフバレエ 

マールイのパキータでお馴染みの背景にコール・ド・ダンサー付きでとても華やかな雰囲気ですが、デニスとアナスタシアのアダージョはいま一つしっくりきていないというか、やはりアナスタシアのクラシックラインがどうも緩いというか、特にアームスがダメだわ・・・。 ピルエットやシェネなどは綺麗でスピードもあるしグランフェッテもシングルでしっかり回りきったりする技術は充分なのですけれどね。 
デニスは愛妻相手に相変わらずハッピーモードで存在感十分なパフォーマンス。 マネージュのスピードは目に鮮やかなほどだったし、グラン・ピルエットも高速で、ともかくソロは120%な勢いで観客を湧かせてくれました。 そのあまりの飛ばしぶりに明日以降大丈夫か?と思わず心配になるほどでしたが、彼のその心意気に素直に感激!! 
一週間以上も経ったので怪しいといえば怪しい記憶なのですが、名前が2人出ていたヴァリエーションは最初のヴァリ一つだけだったような。 キエフのダンサーで華は添えてくれたけどどっちなのかわからず。


フィナーレはそれぞれのペアが作品の見せ所を少しずつ踊るガラ恒例のスタイル。 和やかで皆も楽しそうな笑顔でした。 デニスの晴れやかで満足そうな表情がとっても良かったな!
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