オールスター・バレエ・ガラ プログラムA 7月23日
2016/07/31(Sun)
「カルメン組曲」より
振付:A.アロンソ
音楽:ビゼー/シチェドリン
ウリヤーナ・ロパートキナ、アンドレイ・エルマコフ


なんとも往生際が悪いというか・・・、こんな事を願ってはいけないのだけれど、最後の最後までロパートキナのパートナーが急遽ダニーラに変わったりしないかしら!と願いつつサイトをチェックしつつ迎えた初日でございました・・・。 
ロパートキナは彼女らしい凜とした雰囲気に妖艶さが入り混じるようなカルメンで、もうちょっとすれた強さのようなものがあれば尚良かったとは思いますが、ロパートキナですものね。 細かいステップにも大胆な動きにも肢体の美しさが生きている踊りはさすがです。 ただエルマコフの演技と踊りがあまり冴えなかったのでドラマという意味では物足りず、念願のロパートキナのカルメンなのにいまいち感動がなかったのが残念。 


「ジゼル」よりパ・ド・ドゥ
振付:M.プティパ
音楽:アダン 
ニーナ・アナニアシヴィリ、マルセロ・ゴメス


登場したジゼルに一瞬誰?と思ってしまったほどニーナの身体が厚い。 チュチュは膨らませないで自然な形に落としておいた方が重量感が軽減されたのではないかと。 そんなヴィジュアルのせいもあり、精霊というよりもまだこちら側から去ることのできないマリア様的な母性と慈愛に満ちた生身のジゼルに思えました。 それでも彼女の動きは柔らかくてとても綺麗でした。
そしてそんなニーナをしっかりとサポートしてジゼルとして舞わせたゴメスの献身には背筋を正したい気持ちに。 バレリーナをサポートする男性ダンサーの鏡の中の鏡のような人ですね。 ゴメス自身はサポートだけに力を使い果たしたわけではなく、きっちりアルブレヒトとしてそこに立っていたし、踊りにも余裕があり、大きなジャンプにも関わらず着地の足音がとても静かなのには感心させられました。 
通常のパ・ド・ドゥにジゼルとアルブレヒトの別れのシーンを付け足して物語性を強く持たせたのも効果的だったと思います。


「Tango y Yo」
振付:E.コルネホ
音楽:ピアソラ
エルマン・コルネホ  


自作であるだけに彼のチャーム120%という感じでしたが、特に動から静へのムーヴメントの転換がとても綺麗だったのが印象的。 帽子の使い方も小粋でかっこいい。


「トリスタン」よりデュエット<トリスタンとイゾルデ>
振付:K.パストール
音楽:ワーグナー
スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒン  


個人的にはこの日の白眉。 
細く長く美しい手足、整った美しい顔立ちと、神様もこれ以上与えるものはないでしょうというくらいの完璧な容姿でこれほどのパフォーマンスを見せられたら、もうため息しか出てきません。 しなやかな肢体での表現は圧巻でした。 これほど音楽と一体になって、振付と音楽を自分の身体に取り込んでしまったようなザハロワは初めて見たような気がします。
ロブーヒンも優しく堅実なサポートとしっかりした踊りで素晴らしかったです。 


「レクイエム」より
振付:K.マクミラン
音楽:フォーレ
アレッサンドラ・フェリ
(ソプラノ:安藤赴美子) 


マクミランが敬愛するジョン・クランコを追悼して創作したソロ、パ・ド・ドゥ、群舞など7曲からなる1幕バレエの第4曲で、ソプラノ独唱(慈悲深いイエスよ)に振付けられた作品との事です。
フェリはまるで純真無垢な少女のようで、純粋な祈りの気持ちがそのまま鎮魂の踊りとなっているようでした。 ただ席がかなり前の方だったせいか、ソプラノの音量が若干大きく感じ、時々そちらに気を取られてしまいました。 もう少し後ろだったら気にならなかったかな?


「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:G.バランシン
音楽:チャイコフスキー
ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン


軽快で明るいはずの音楽がなぜが錘でもついているかのように重く感じられ、管のソロもどんよりした感じで、特にアダージョは踊りの振付と音楽の乖離具合がかなりストレスでした。 ジリアンとエイマンの呼吸もいまひとつ合っていないというか、エイマンが少し遠慮がちのように見えて序盤は爽快感が少し足りない気がしましたが、ジリアンの調子が尻上がりに良くなった後半は良かったです。 彼自身の踊りはさすがのエレガントさでジャンプの踏み切りや着地の柔らかさが印象的。

[休憩]

「トッカーレ」
振付:M.ゴメス
音楽:伍家駿 
カッサンドラ・トレナリー、マルセロ・ゴメス
(ヴァイオリン:小林美恵、ピアノ:中野翔太


今年6月に亡くなった、ABTのスポンサーの一人で、2012年にこの作品が初演された際にも多大なる援助をして支えたというMr.Fred Shenへのオマージュとして上演。
シャンパンゴールドのレオタード姿のトレナリーはやや小柄で身体能力のとっても高そうなダンサーです。 複雑そうなステップも軽快でリフトされた時の体のコントロールも上手かったです。  磐石なサポートぶりの上半身裸のゴメスには筋肉美を堪能させてもらいました。


「グルックのメロディ」
振付:A.メッセレル
音楽:グルック
ウリヤーナ・ロパートキナ、アンドレイ・エルマコフ
 

ペレンとマラトも最近よく踊っている作品ですね。 ロパートキナのポーズの美しさ、上品さが際立ちます。 ストールを優雅にたなびかせるロパートキナはまさしく天上の女神の神々しさでした。 
エルマコフは担ぎ手としての任務は無事遂行。 
ロパートキナが選んだパートナーという事は重々承知していても、ダニーラだったらカルメンだってグルックだって、もっともっとロパートキナが輝いたわ!!と諦めがつかない自分はどーしようもない・・・。 でも、2作品を見て、そしてすべての演目を見終わった後に心底そう思ったのでした。


「海賊」より寝室のパ・ド・ドゥ
振付:K.セルゲーエフ/A.M.ホームズ
音楽:アダン他
ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン


ジリアンのピンクのひざ丈ドレスがチャイパドと似ていたので、色なりデザインなり違えば良かったのに。 ガラで海賊のこのシーンを上演するのは珍しいですよね。 しっとり熱く互いの高まる想いは伝わって来たけれど、エイマンの雰囲気にはコンラッドがあまり合ってはいないし、リフトばかりで踊りの見せ場がなくてもったいなかったなぁ。


「ロミオとジュリエット」第3幕より寝室のパ・ド・ドゥ
振付:K.マクミラン
音楽:プロコフィエフ
アレッサンドラ・フェリ、エルマン・コルネホ 


フェリにとってはマクミランのジュリエットは自分の分身といってもいいのかもしれないですね。 プロコフィエフの音楽が流れればすぅーっとすぐその人生に入り込めるような。 ロミオへの愛情、悲しみ、切なさ、彼を失うかもしれない恐怖のようなものすら入り混じったジュリエットの感情をものの見事に振付にのせてしまっている。 年齢による衰えなども微塵も感じさせなかったと思います。 コルネホとは身長のバランスも良く息もとても合っていたのですが、彼のロミオは自分の好みではなかったので・・・。


「瀕死の白鳥」
振付:M.フォーキン
音楽:サン=サーンス
ニーナ・アナニアシヴィリ
(チェロ:遠藤真理、ピアノ:中野翔太)


ニーナの瀕死をチェロとピアノの生演奏で見られるなんて贅沢ですね。
なんと言ったらいいのか・・・、近づいてくる死に堂々と向かい合っている強さのようなものを感じてしまいました。 あぁいう波打つような腕の白鳥を久しぶりに見たなぁ。 


「海賊」よりパ・ド・ドゥ
振付:M.プティパ
音楽:アダン/ドリゴ
スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒン


この日のトリにふさわしい、なんとも華やかで輝かしく美しいザハロワのメドーラ。 ここまでチュチュはニーナの白鳥だけだったので、彼女のゴージャスなチュチュ姿にこれぞクラシック・バレエ~~と心も弾んでしまうほど。 一つ一つのクラシックラインも非常に美しく、めりはりの効いたシャープな動きも素晴らしかった。 ロブーヒンもソフトにダイナミックなアリを好演。 クラシックのパートナーとしてはザハロワは若干大きすぎるような気もしますが、サポートは万全ですね! 


フィナーレはペアが次々に出てきてそれぞれの作品の一部を踊るというよくある演出。 途中から入り乱れてしまったのでぶつかるんじゃないかとちょっとハラハラしましたが。 フェリとコルネホはBプロのル・パルクのキスシーンを早々に♪ 疲れも見せずに快速のピケターンを披露してくれて相変わらずのサービス精神旺盛ぶりを見せてくれたニーナにも感謝です。
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