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6月20日 五嶋みどり&オズガー・アイディン デュオ・リサイタル
2016/06/27(Mon)
会場:サントリーホール
五嶋みどり(ヴァイオリン)
オズガー・アイディン(ピアノ)

2016jun20.png


リスト/オイストラフ編曲: 『ウィーンの夜会』S427から「ヴァルス・カプリース第6番」(シューベルト原曲)
シェーンベルク: ピアノ伴奏を伴ったヴァイオリンのための幻想曲 op. 47
ブラームス: ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番 ト長調 op. 78 「雨の歌」

   ――― 休憩 ―――

モーツァルト: ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 変ロ長調 K454
シューベルト: ピアノとヴァイオリンのための幻想曲 ハ長調 D934 op. posth. 159

<アンコール>
クライスラー :愛の悲しみ
クライスラー :愛の喜び



念願叶ってやっと五嶋みどりさんの生演奏を聴く事ができました。 これまでけっこうプログラムを選り好みしていたり、みどりさんの協奏曲は聴きたくてもオケの曲がうーんでチケット代がやたら高かったり、日程が無理だったりと遠い道のりだったので、このコンサートを知った時にはやった~~!!でした♪
月曜日は通常2時間くらいの残業は付きものなのだけれど、翌日に回せるものはすべて回し、18:15からのプレトークになんとか間に合わせました。 早い時間にも関わらず、客席は半分以上埋まっていて、なんだか皆、徳の高いお坊さんの説法をありがたく拝聴するような雰囲気と言えなくもなく(笑)。 彼女は本当に特別な存在ですね。
みどりさん、インタビュアーからの質問の答えを瞬時に頭の中で整理して、とても分かり易く丁寧な口調でお答えになるんですよね。 プレトークでは主にご自分で決められた今回のプログラムについて話してくれました。 
リストはオイストラフ編曲のものをみどりさんが少しアレンジして編曲しなおした作品だそうです。 十二音技法を創始し無調音楽の代表的作曲家であるシェーンベルクを演奏する時には難しい十二音技法の事などは考えず曲のキャラクターを大切に演奏しているとの事。 また、今回選んだブラームス、シューベルト、リストは他の作曲家の曲や自分の歌曲を使って新しい曲を書くのが上手いという共通点があると。 そしてウィーンにゆかりのある音楽家が多いのでモーツァルトもウィーンで書かれたこの曲を選んだと仰っていました。 
会場で配られたプログラムにはみどりさんご自身による詳しい作品解説が載っています。 欧米でのコンサート活動の多いみどりさんですが、昨今のクラシックコンサート運営の状況は決して芳しくなく、主催者側は可能な限り経費を節約せざるを得ない状況に置かれているため、専門家などに頼めばお金がかかる曲目解説などはほとんどプログラムには載っていないそうなのです。 そんな事からコンサートを聴きに来たすべての人に少しでもクラシックを身近に感じて欲しいと考え、演奏家の立場で書いている曲目解説を無料でプログラム掲載用に提供されているのだそうです。 実にみどりさんらしいというか・・・。 彼女の公式サイトのみどり通信にも作品解説のページがあります。 


リストは洗練された遊び心と華やかさが感じられる、こちらの心も晴れやかになるような曲でしたが、一転して難解なシェーンベルクへと。 シェーンベルクはこれまで聞いた事がなく、どう考えても心の準備が必要だったのでYoutubeで予習をしました。 予想通り自分的には奇怪な旋律で幻想曲とはなんぞやと改めてその定義を確認してみたりして・・・。 自由な想像力に基づいて作曲される無限の可能性を秘めた世界なんですよね。 そこにどういう感情があるのかは分からないけれど、みどりさんの何かに憑かれたような一心不乱さに圧倒される曲でした。 
ブラームスのソナタ1番は一ヶ月前にテツラフとフォークトで聴いたばかりですが、穏やかな中にも切々とした悲しみが感じられたテツラフの演奏とは違い、みどりさんのヴァイオリンの音色は柔らかく優しく包み込むような響きが印象的。 彼女の解説によれば、この曲はブラームスが名付け親であるシューマン夫妻の息子フェリックスが24歳で早世した直後に作曲され、ブラームスの悲しみが投影されているが、落胆よりもクララへの思いやりの気持ちが全体的に感じられるとあります。 悲しみに沈む人をそれ以上傷つけないように、少しずつ手を伸ばしてそっと優しくいたわる、そんな感じの演奏でした。 ヴァイオリンに寄り添っているような優しいタッチのピアノも良かったです。  

モーツァルトのソナタはモーツァルトらしい旋律が楽しく、みどりさんの軽やかなタッチも素晴らしい。 そしてすぅーっと心が清められていくようになんとも言えない感覚を伴って響いて来たのがプログラムノートに「モーツァルトの神髄ともいえる深い感情の表現」と記されている第2楽章の落ち着いた厳かなフレーズ。 素晴らしく美しく神聖さに満ちていたような気がします。  
シューベルトも聴いた事がなかったのでYoutubeのギドン・クレーメルとヴァレリー・アファナシエフの演奏で予習。 どこか遠くから聞こえてくるようなピアノの弱音のさざめきにしっとりと重ねられていくシルキーなヴァイオリンの旋律という出だしが非常に気に入っていたのですが、オズガーの出だしは無神経なほどの単調さと強さに思われ、美しい幻想の世界が全く広がって行かないように感じられてがっかりさせられてしまいました。 みどりさんは格調高く感情豊かに歌い上げ、中盤の「私の挨拶を」の主題の変奏も自由な歌心があって聞き惚れたのですが、ピアノとの掛け合いがいま一つしっくりきていなかったような・・・。 それでもフィナーレに向けてはユニゾンも見事で力強く熱く盛り上がり素晴らしかったです。  

アンコールはクライスラーの「愛の悲しみ」と「愛の喜び」を2曲続けて。 悲しみを乗り越えればきっと喜びに出会えるという力強いメッセージが発せられていたような慎ましやかな「愛の悲しみ」とエネルギッシュで躍動感に溢れた華やかな「愛の喜び」に、会場も大いに沸きました。 

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