5月30日 樫本&小菅&ボルケス トリオ
2016/06/09(Thu)
会場:東京オペラシティ コンサートホール
小菅 優 (ピアノ)
樫本 大進 (ヴァイオリン)
クラウディオ・ボルケス (チェロ)

2016530daishin.png


ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲
 第3番 ハ短調 op. 1-3
 第6番 変ホ長調op. 70-2

  --- 休憩 ---

 第7番 変ロ長調 「大公」op.97 
 


もう10日ほど経ちますが、5月30日にDaishin Year第3弾の“トリオ”を聴きに行きました。 第4弾の10月17日のル・ポンのチケットも無事に取れ順調に驀進中です♪。
小菅さんの演奏は初めてでした。 彼女は国際コンクールで入賞を果たした事により注目を集めたピアニストではなく、9歳から行っているリサイタル等によって実力を認められて国際的に活躍をしている最近では珍しいキャリアを歩んできたピアニストなのだそうです。
ボルケスさんも初めて。 彼は国際コンクールでの受賞歴も多い演奏家ですが、現在はシュツットガルト音楽大学の教授という指導者の立場にもあるそうです。 大進君とは子供の頃からの20年来の友人との事。  

ベートーヴェンのピアノ三重奏曲は「大公」以外は聞いた事がなく、例によってこれを機会にCDを購入して予習と思ってはいたものの余裕を持って捜す事ができず、一週間前に近くのタワレコでヴィルヘルム・ケンプがピアノ奏者である全集を見つけ溜まっていたポイントを使ってちょっとお安く購入。 急いでiPodに落として通勤途中になんとか数回聞きました。 

3番が作曲された当時の1795年頃のピアノ三重奏というのは家庭的もしくは社交的な軽いジャンルとみなされ、楽器の比重もピアノがメインでヴァイオリンとチェロは助奏的役目とされていたそうです。 ところがベートーヴェンは3つの楽器を対等に扱い、3番にいたってはシリアスで劇的な曲調があまりにも人々が思い描くものと異なるので、師匠のハイドンから出版を控えるようにと言われたとか・・・。 当時の愛好家たちがどれほど奇異に感じたのかは想像もつきませんが、確かに冒頭のユニゾンはちょっと暗く不気味。 ただその後は美しい旋律も多く,2楽章の変奏やピアノと弦の対話が印象的でした。 小菅さんのピアノは強弱に関わらずタッチが明快で一つ一つの音がくっきりすっきり端正です。
続く6番、1808年作と言われている曲を聴くと、3番とのスケールの違いは素人でもはっきり分かり、また当時として3つの楽器を対等に扱ったとしていた3番もやはりピアノの主役的役割が強かったのだと感じました。 6番は旋律の密度も一段と濃厚になって、それぞれの楽器の表現も多様になっています。 ヴァイオリンとチェロの対話をピアノが優しく見守っているようだったり、ピアノがヴァイオリン、チェロとそれぞれと会話をしているようであったりと楽器同士の対話もより親密に幅を広げています。 特に心に残っているのはヴァイオリンとチェロが言葉を交わしあうようだった大進くんとボルケスさん。 まるで仲の良い兄弟が子供の頃の楽しい思い出を語り合っているような楽しそうで満ち足りたような表情でした。  楽器の音だけでなくお互いの気持ちも響きあっているのでしょうねー。 大進君の芯のしっかりした美音も堪能できて満足です。 
6番の2年後くらいに作曲された7番が「大公」と呼ばれるのは、ベートーヴェンの弟子で生涯を通してパトロンであった神聖ローマ皇帝レオポルト2世の末子ルドルフ大公に献呈された事によるそうです。 この曲ではそれぞれソロとしての旋律の主張もほどよく感じられましたが、それでいて3人のバランスは非常に良くてアンサンブルとして常に美しく響いていたのが素晴らしかったです。 ソロで心を込めて奏でた後にまた3つの音の融合の中へと戻っていく繰り返しがとても心地よくて美しい。 各楽章の主題も親しみ易くどれも魅力的ですが、やはり出だしの優美で一気に曲に引き込まれるような旋律を3つの楽器が次々に奏でていくフレーズが一番耳に残りました。

5月は室内楽のコンサートを4回も聞きに行くという自分でもびっくりな室内楽マンスとなりましたが、演奏家たちが作曲家や作品を愛し敬い、その思いを分かち合える仲間達と共に真摯にそして自らのアプローチで楽しそうに音楽を奏でる姿に接する事ができたのは本当に幸せな事だと思います。 しかも世界的にトップレベルの演奏家たちばかりという贅沢さ。 演奏会でもらった感動と作品との出会いを大事に少~しずつでも自分の中の音楽の引き出しを増やしていけたらいいなと改めて思いました。 でも、聞く耳も肥やさなくちゃなー(笑)。


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