5月20日 エマニュエル・パユ withフレンズ・オブ・ベルリン
2016/06/04(Sat)
エマニュエル・パユ withフレンズ・オブ・ベルリン
会場:杉並公会堂

フルート:エマニュエル・パユ
ヴァイオリン:マヤ・アヴラモヴィチ
ヴィオラ:ホアキン・リケルメ・ガルシア
チェロ:シュテファン・コンツ

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ロッシーニ: フルート四重奏曲 イ長調(原曲:4声のためのソナタ第2番)
武満徹: ヴォイス(フルート独奏)
モーツァルト: フルート四重奏曲第1番 ニ長調 K.285

--- 休憩 ---

モーツァルト: フルート四重奏曲第2番 ト長調 K.285a
ヴィラ=ロボス: ジェット・ホイッスル(フルート&チェロ)
ドボルジャーク: 四重奏曲「アメリカ」(原曲:弦楽四重奏曲第12番op.96)
(編曲:シュテファン・コンツ)



ベルリンフィルの来日公演を挟んで長崎、京都、愛知、東京、埼玉、千葉の各地で行われたこの公演、エマニュエル・パユの演奏を聴きたかったのもありますが、フィルハーモニクスのメンバーでもあるチェリストのシュテファン・コンツが参加というのもとても魅力で迷わず行く事にしました。 5月11日~15日まで行われたベルリンフィルのコンサートは11日と14日を聴いたのですが、残念ながら両日ともパユさまはオフらしく聴く事ができなかったので、このコンサート(完売でした~)のチケットを取っていて本当に良かったなと♪

ロッシーニのフルート四重奏曲は第2楽章の淋しげなメロディーが美しく、ヴァイオリンがリズムを刻みヴィオラが第2主旋律という音の組み合わせもなかなかいい感じ(小柄で快活そうなヴァイオリンのマヤ・アヴラモヴィチと縦横たっぷりで温厚そうなヴィオラのホアキン・リケルメ・ガルシアの演奏姿は真剣なんだけどなんかほんわか)。 パユのフルートは暖かく丸みのある音色。 華やかな1楽章と3楽章を持つこの曲はオープニングにぴったりですね。 
それにしてもこの洗練された曲、ロッシーニが12歳の時に作曲したとは驚きです。  

武満徹は創作活動初期からフルート作品を好んで作曲していたそうで、「ヴォイス」は交友のあったパユの恩師であるオーレル・ニコレのために1971年に書いた曲だそうです。 武満が影響を受けたという詩人、瀧口修造の詩句「誰か?まずはものを言え、透明よ!」に基づくフランス語と英語の断片を演奏の中で言葉として発しながらフルートの演奏をするという一風変わった作品。
高度なテクニック(重音奏法や特殊なタンギングなどだそうです)で演奏されるこの作品は、フルートの音として親しんでいる音色から尺八を思わせるような音まで音色と響きが様々に変わり、発想のユニークさに加えて驚きの連続でもありました。 シーンと静まり返った会場に染み入るように響くフルートの音に音(おと)は空気の中を伝わって来る振動というのがよくわかったような気がしました。   

モーツァルトのフルート四重奏第1番は、誰が聞いてもすぐにモーツァルトと分かる旋律です。 3つの楽章の明・暗・明の対比がはっきりしている曲ですが、喜びと華やぎが溢れた3楽章はとりわけ素晴らしかったです。 
曲を通してパユの溌溂として張りのある音や、柔らかく膨らみのある音がとっても耳に心地良いです。 一方弦は2楽章のピチカート演奏が印象的でしたが、3人の弦の音、すべて美しく極上の響きでした。 

1番よりも落ち着いた感じの2番もフルートと弦楽器とのアンサンブルが平和的に美しい♪ だけどこの曲、本当にモーツァルトの作品なのか、真偽のほどがわからないとされている作品なんですね・・・。

モーツァルトの後に聴くと異次元の音楽なジェット・ホイッスル。
ヴィラ=ロボスは独学で作曲を学んだブラジル出身の国民的大作曲家だそうで、その作風はクラシック技法にブラジル独自の音楽を取り込んだものとして有名なのだそうですが、何しろ作品数の多いことで知られているそうです。 10分弱の曲ですが3楽章に分かれていて、フルートとチェロが会話を交わすようだったり、それぞれ自己主張するようだったり同等な存在感がありました。 本当に独特な世界を描き出す音使いです。 中盤あたりの静かな部分は神秘の世界に入り込んだようでもありますが、それ以降フルートもチェロもアグレッシブになってからはうっそうとした密林やそこに射す光や風のような絵が浮かばない事もない。  フィナーレ直前にフルートが歌口を全部ふさいで息を吹き込む部分がこの曲のタイトルの所以なのだそうです。 
パユの華麗なフルートももちろん素敵だけれど、やっぱりコンツの相手の音を良く聞いて曲を彩っていく演奏が好きだな~~~。 

弦楽四重奏の第一ヴァイオリンパートをフルートに置き換えたドヴォルジャークの「アメリカ」。 フルートに変わる事によって軽やかさと明るさが出て、この曲の持つノスタルジックな雰囲気が少しマイルドになるような気がしました。 この曲を聴いていて改めてこの4人の奏者達の奏でる情感豊かでこの上なく美しい旋律に感動させられました。 曲が終わりに近づくのがすご~く悲しかったです。
しっかしこの曲、4人での演奏ですらとてもシンフォニックに感じられるほどに緻密で、メロディーはドラマティックで美しく素晴らしい曲ですね。  


拍手が鳴り止まない場内、アンコールは「アメリカ」の第3楽章でした。 もっともっと聴いていたかった♪
18日のトッパンホールでの個性がぶつかり合った熱血的演奏と比べると、こちらはなんとも洗練されたアンサンブルで、ともかく音が美しかったです。 ベルリンフィルという世界最高峰の一つであるオーケストラの奏者たちが、オケでの演奏を離れ、仲間同士としての親密感や自由な演奏スタイルを楽しみながら極上の音楽を届けてくれる。 その音楽を聴く機会に恵まれて本当にありがたかったです。

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