5月29日 アンドレアス・オッテンザマー クラリネット・リサイタル 
2016/05/31(Tue)
会場:三鷹市芸術文化センター  
クラリネット:アンドレアス・オッテンザマー
ピアノ:ホセ・ガヤルド

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コヴァーチ: リヒャルト・シュトラウスへのオマージュ
マーラー: 私はこの世に捨てられて~『リュッケルトの詩による5つの歌曲集』
       高遠なる知性のお褒めの言葉~『子供の不思議な角笛』
ブラームス: メロディーのように
シューベルト: アルペジョーネ・ソナタ

  --- 休憩 ---

ベートーヴェン: モーツァルトの歌劇『ドン・ジョヴァンニ』
          「お手をどうぞ」の主題による12の変奏曲
カヴァッリーニ: アダージョとタランテッラ
バッシ: ヴェルディの歌劇『リゴレット』の主題による幻想曲

<アンコール>
マーラー: ラインの伝説~歌曲集『子供の不思議な角笛』
ドビュッシー: 小組曲より「小舟にて」
 


アンドレアス・オッテンザマーは昨年7月の「アンサンブル・ウィーン=ベルリン」から一年間に3回も三鷹芸術文化センターでのコンサートに出演という事になります。 三鷹はオッテンザマーイヤーですね。 何か特別なコネクションでもあるのでしょうか?  
常日頃、「クラリネットの音色」と「人の声」の親和性について想いを巡らせているというアンドレアスの今回のリサイタルのテーマはすばり!「クラリネットの声」。 クラリネットを演奏する時の呼吸法は歌を歌うときの呼吸法ととても近いものがあり、その技術的親和性のためにクラリネット奏者は自身が思い描くフレーズを可能な限り自然に表現できるのだろうと感じているとの事。

華やかに多彩な音を聞かせてくれた「リヒャルト・シュトラウスへのオマージュ」の後はマーラーからの2曲。 「私はこの世に捨てられて」はクラリネットの本質的な音をじっくり味わえるようなゆったりと心が落ち着く美しい曲。 「高遠なる知性のお褒めの言葉」は対照的に弾むようなメロディーにカッコウとナイチンゲールの歌合戦が織り込まれているユーモラスな曲。 アンドレアスもホセも茶目っ気たっぷりで実に楽しそうでした。
ブラームスの「メロディーのように」は繊細で美しい。
前半を締めくくったシューベルトの「アルペジョーネ・ソナタ」は今はなくなってしまったフレットつきでチェロを小ぶりにしたような形の6弦のアルペジョーネという弦楽器のために書かれた曲だそうです。 音域が広く、重音も高音も演奏が楽なこの楽器を4弦の現在の弦楽器で代用するのは難しいとのことですが、なるほど音域の広いクラリネットで技巧に優れた奏者にとってはうってつけの曲なのでしょうね。 この曲は3楽章から成り演奏時間は30分ほどかかるそうですが、今回は10分前後だったのでどの楽章だったのだろう?  かなり色々な曲調や主旋律が出てきたので、全曲からのアレンジメドレーだったりして? 曲自体も2人の演奏もとても素晴らしいものだったのですが、何よりデュオとしての息の合い方が絶妙だなと感じました。  2人ともリラックスして自然体で楽しみながら一つの音楽作品を形作っていくのですよね。

シューベルトでの盛り上がりそのままのテンションで後半に突入。
モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」の第1幕のドン・ジョヴァンニとツェルリーナの2重唱がベースとなっているベートーヴェンの12の変奏曲はそれぞれのアレンジがとても明快で軽快でノリもいいです。 
代表作「30のカプリス」が有名な「アダージョとタランテッラ」のカヴァッリーニはミラノ・スカラ座の第1クラリネット奏者、「ヴェルディの歌劇『リゴレット』の主題による幻想曲」のバッシも19世紀にミラノ・スカラ座の主席として活躍しながらオペラのアリアをもとに様々な曲を書いたクラリネット奏者なのだそうですが、どちらの曲も技巧派のクラリネッティストが作曲しただけに、アンドレアスのキイのタッチも非常に速く、高度なテクニックを要すると思わせる聴かせどころの多い情感に富んだ華やかな曲でした。 クラリネットの声の魅力も充分堪能できましたが、ホセのピアノも多彩な音と表現でクラリネットを引き立てたり曲の輪郭をしっかりと描き出したりと本当に素晴らしかったです。 武蔵野市で19日に彼のリサイタルがあったのですね、このコンサートの後だったら聴きに行ったのになぁぁぁ。 

アンドレアスは昨年からマーラーの歌曲をクラリネットに編曲し、音楽に新しい息吹を与え表現の新しい可能性を提示するという大きなプロジェクトを始めたそうです。 このコンサートのプログラムに組まれたマーラーの2曲もその中のもの。 アンコールではそのマーラーの歌曲の中で別のものをと「ラインの伝説」を聴かせてくれました。 この曲もメロディアスでちょっと捻りがあって素敵な曲でした。 
さらに、クラリネットを置いてステージに戻ってきたアンドレアスがホセの横に座り、譜めくりの人が座っていた椅子とピアノの椅子、ホセが使っていたクッションをあーだこーだと2人で取り合って会場を笑わせてから、ドビュッシーの 小組曲より「小舟にて」を仲良く連弾です。 座席が鍵盤を叩く指がはっきり見える位置だったので超ラッキー! クラリネットよりも先にピアノは4歳から習い始めたそうですが、まーほんとに何でもできちゃう人なんですね。 
連弾でもとっても楽しそうだった2人、素敵な時間をありがとうございました♪ 
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