新国立劇場バレエ団「ドン・キホーテ」 5月3日
2016/05/06(Fri)
5月3日に新国立劇場のドンキ初日、米沢&井澤ペアを見て来ました。
前回は2013年の6月で、その時は米沢さんは雄大君とのペアで見ています。 井澤さんは団員ではなかったし、ドン・キホーテは山本さんだったし・・・。 3年前のキャストを見ると全体的にだいぶ入れ替わったなぁぁぁと。

米沢さんは本当に上手すぎるくらい踊りが上手いです。 まるで日常の普通の動作のように、すべてがごく自然でこれっぽっちも力みがないのが凄いですね。 時折パからパへの繋ぎのラインが綺麗に見えない事もありましたが、決めのポーズはきっちりと。 回転系の安定感は抜群で軸は全くぶれないし、男性のサポートも全く必要ない感じ。 1幕のフェアテも速いテンポにきっちり合わせて涼しい顔して回ってました。 3幕のGPDDも見事な出来で、グランフェッテの前半、あんなにさらっとトリプルを何度も入れられてしまうと唖然としてしまいます。
キャラ的にもキトリはとても合っていてお芝居も悪くはないのですが、バジルデビューの井澤さんがまだ役を楽しむ余裕がなかったせいか? 最初のうちはやや段取り的で、若い恋人同士のエネルギッシュな生き生き感が弱めだったかなと。 
あとはドルシネアで幻想の世界の麗しの姫という雰囲気が出せれば言う事なしなんじゃないでしょうか。

井澤さんは主役どころかピンで踊るのを見るのも初めてだったのですが、とても丁寧に踊るダンサーですね。 また身体のコントロールも良く、特にピルエットのコントロールは見事でした。 1幕の途中で上手から出てきて見せた開脚ジャンプの高さと美しさも印象に残っています。 何でも一人で出来ちゃう感じの米沢さんがパートナーという事もありますが、サポートも危なげなかったですし片手リフトもきちんと決めていました。 
丁寧なダンスに通じる律儀な感じの演技にも好感は持てますが、バジルならもうちょっと弾けてくれても良かったと思います。 この辺は2度3度と舞台をこなしていけば自然に変っていくでしょうし、パートナーに刺激されてというのもありますよね。 

で、この日の自分的一番は長田さんのからっとした色気のある華やかな踊り子。 いや~素敵だったなぁ! 音感のいい人は何を踊ってもほんとに上手い!! 彼女が踊る事で音楽も倍くらい魅力的になるような踊りは本当に素晴らしいです。
マイレンのエスパーダも相変わらず存在感たっぷりに男の色気を振りまきまくる♪  爪先までね(笑)! 体の切れもよくマント捌きもメチャクチャ上手いです。 長田さんとの雰囲気もとても良くて、この2人のキトリとバジルも見たかったなぁ。

森の女王の細田さんはチュチュ姿が美しいですね。 長い手足が描くラインも美しく踊りも安定していました。 キューピッドの五月女さんはしなやかで柔らかい踊り。 3人と4人のドリアードも万全、コール・ドも揃っていて新国の夢の場はクラシックバレエの美しさが堪能できます。

その他、艶やかな美貌が舞台を一層明るくするようなメルセデスの本島さん、どうしてもノーブルさが隠せない菅野さんのガマーシュ、出番は短いながらもシャープな踊りが目を惹いた中家さん、速いテンポでもきっちりとした踊りだった第1ヴァリの奥田さん、切れのある踊りの福田さんにやっぱりこの人濃いわ!な木下さんなど、多くのダンサーがそれぞれの役をしっかりと見せてくれてやっぱりドンキは見どころ満載で楽しいですね!!
8日の絢子ちゃんと雄大君主演の舞台もと~~~っても楽しみです♪


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キトリ:米沢 唯
バジル:井澤 駿
ドン・キホーテ:貝川鐵夫
サンチョ・パンサ:髙橋一輝
ガマーシュ:菅野英男
ジュアニッタ:柴山紗帆
ピッキリア:飯野萌子
エスパーダ:マイレン・トレウバエフ
街の踊り子:長田佳世
メルセデス:本島美和
ギターの踊り:堀口 純
ジプシーの頭目:小柴富久修
二人のジプシー:福田圭吾、木下嘉人
森の女王:細田千晶
キューピッド:五月女 遥
ボレロ:丸尾孝子、中家正博
第1ヴァリエーション:奥田花純 
第2ヴァリエーション:寺田亜沙子
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コメント
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M様

 今年は新国立はすべてパスしたのですけど、米沢さんのキトリは見にいけばよかった…。小野さんもよいけど、キトリだったらやっぱり米沢さんが見たかったです!井澤さんもこのまますくすくと育つとよいですね。

 新国立パスの原因はロイヤル見たさ、というか高田さんのジゼル見たさに祭典会員になった故の財政難なのですが、そうまでした甲斐はまったくありませんでした。

 そう、ついに6月23日の謎が判明! なんと、スクール・パフォーマンスだったんです!(ソースはBallt NEWS)
 ロミジュリもジゼルも1回ずつスクール・パフォーマンスがあるんです。スクール・パフォーマンスは若手がやる事が多いので、多分、ジゼルでは高田さんでしょう。…という事は、私は見られないのです…。
 
 今回のロイヤル来日公演はスクール・パフォーマンスや地方公演をあわせて15回あるようです。だからガラはなかったんですね。

 ロイヤルも最近は英国人中心のバレエ団に戻そうとする動きが非常に顕著です。私がチケットを買うのは優れた外国人プリンシパルがまだたくさんいる今回が最後かも。
 フェデリコ、サラ、ラウラは次回は見られないかもしれませんし、来シーズンのキャスティングを見ていると、ゴールディングもほどなくいなくなるような気がします。あと、ポルーニン命のオシポワも時間の問題ですね。
 
 私はもともとロシアバレエのファンなので、再び少しずつ軸足をロシアに移そうかな、と思ってますが、そのロシアでもいろんな動きがあるようですね。

 バレエも時代に合わせて変化して行くのは仕方がないけど、大好きな世界がどんどんと壊されて行くのは悲しいです。

 ミハイロフスキーもレヴェデフを死守して欲しいですね。そして、これまで通り、質の高いクラシックバレエをたくさん見せて欲しいです。

   MIYU
 
2016/05/11 00:37  | URL | MIYU #-[ 編集]
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MIYUさん、

米沢さんのキトリは彼女のはまり役の一つだと思います。 彼女の技術力は驚嘆のレベルですが、なんであんなにあっさり出来ちゃうんでしょうね。
でも絢子ちゃんのキトリもとってもチャーミングでしたよ! 彼女のキトリは今回初めて見たのですが、お姫様役の彼女とは全く違う顔が見られて良かったし、なんといっても雄大君とのコンビは他のペアを寄せ付けない素晴らしさだと思います。 感想は後日アップするつもりですが・・・。
井澤さんもこれからまだまだ伸びていくダンサーだと思うので、王子役なども今後は期待できそうです。

ロイヤルの謎はそういう事でしたか。 
ロミジュリとジゼルは脇キャストの見所が比較的淋しい演目なので、ご贔屓のダンサーを脇で見られるかというのもちょっと厳しいものがありますよね。 
あと一ヶ月ほどに迫りましたが、このまま無事にキャスト変更なく向かえる事ができるでしょうか?
最近のロイヤルバレエ団は自国のダンサーを中心にという動きが顕著なのですね。 カンパニーのレベルと色を維持できるだけの優れたダンサーが多ければそれでもいいのかもしれませんが、その辺はどうなのでしょう。

ロシアもダンサーの移籍が日常茶飯事になってきていますが、それぞれのバレエ団がしっかりとしたヴィジョンと優れた(人間的にも)芸術監督の下に、伝統を守りながら進んでいって欲しいと思います。 押し付けがましい言い方ですが、美しく質の高いクラシックバレエを守っていけるのは彼らだけ、彼らの責務と感じています。
2016/05/12 08:29  | URL | M #il9tusdg[ 編集]
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M様

 残念ながら、英国人だけでは、今のレヴェルも地位も保てないでしょう。こんな事をしていたら、ロホ率いる才能豊かな多国籍軍団ENBにすぐに追い抜かれてしまうだろうに…と思います。 

 しかも、美しくてクラシックもきれいに踊れる英国人NO.1バレリーナのラウレッタ・サマースケールズもENB所属なのですよね。彼女こそ、英国バレエの素晴らしい象徴だと思いますけど。
 
 ロイヤルはクラシックレパートリーをどんどんと削って演目そのものを英国人仕様にしているように思えます。まぁ、それも一つの変化なのでしょうし、無理矢理クラシックを踊らせるよりはいいのかも、とも思いますが…。

 しかし、ロシアでクラシックバレエに対する考え方が変わって来ているのには驚かされます。オシポワはロシアではキャラクターに分類されていたが故の移籍だったかと思いますが、正統派の白鳥や王子を踊る大切なダンサーが他国へ去るなんて、ちょっと昔だったら考えられなかったと思います。
 本当にシクリャローフやスコリクはドイツへ行ってしまうのでしょうか…。(urikoさんのバレエ忘備録、クシェシンスカヤの記事のコメント欄参照)

   MIYU


2016/05/13 01:43  | URL | MIYU #-[ 編集]
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MIYUさん、

どの国のカンパニーも今までのスタイルではやっていけない、劇場に人を呼び込む事ができなくなるという事情は抱えているのかもしれません。 そのために時代のニーズ、観客のニーズに合わせて変化をしていかなければならないのかもしれませんが、それが他国のダンサーを切っていくという結論に達するのかどうか??
ENBには是非是非近いうちに来日公演を行って欲しいですね!! 良い招聘元が動くといいのですが、引越し公演を日本で行うという事がどんどん難しくなってきているのでその辺も気になります。

シクリャローフやスコリクの移籍の件は私もいくつか記事を目にしましたが、どうなのでしょうね?
ロシアにしても、昔と比べれば遥かに選択肢が増えていますし、なんといっても他国の事情が簡単に分かるようになったというのも大きいですね。
正統派って何??ってご本人たちから言われちゃいそうですよね・・・(悲)
2016/05/13 23:30  | URL | M #il9tusdg[ 編集]
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正統派って何?…と問われれば、「それはロパートキナ様だ!」と叫びたい気が…。しかし、彼女は唯一無二の人ですね。
 バレリーナの皆さんもけっこう物語バレエを踊りたがりますものね。そして、それは悪い事ではないし…。やっぱりMさんのおっしゃる通り、情報が入るようになった事で、ロシアのダンサーさんの意識も変わった、という事なのでしょうね。

 本当に、あらゆるところで事情はどんどんと変化しています。バレエ団や劇場が倒産しないように、真摯に観客の声を聞く事はとても大事な事だと思います。
 でも、自国のダンサーと外国のダンサーに対して二重の基準を使うようになったら、内部で亀裂が入ってしまうのではないでしょうか。そのあたりのさじ加減が難しいところなのでしょうね。
 まぁ、英国人はマネージメントやルール作りが天才的にうまいので、きっと何とかうまくやってくれると思います。

 今回のロイヤル来日公演では、勝手にロイヤルやNBSに期待した私が間抜けだったわけで、一人で泣いておく事にします…。
 そして、ミハイロフスキーに何かが起こる度に、Mさんがなげいておられたお気持ちがはじめて本当にわかった気がします。グローバリズムとナショナリズムの問題は常について回る問題ですし、財政的な事からとんでもない人物が関与して劇場が激変したり、それが収まった時には愛するダンサーたちに引退の時期が近づいていたりして…。
 
 バレエって、なんだかどっしりと存在するもののように思っていたけど、やっぱり無常な世の中の出来事のうちの一つなのですね…。

 しかし!しんみりするのもそこまでで、ロイヤルの公演まで後1カ月ほどに迫りました!今のところ、ラウラ以外はみんな元気です!そろそろNBSからチケットも届くことでしょう。さぁ、張り切って見に行きましょう~!

  MIYU
2016/05/14 16:33  | URL | MIYU #-[ 編集]
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ロシアのバレエ団といえば、来年の5月~6月にボリショイが来日しますね。 白鳥、ジゼル、パリの炎だそうですが、どのような舞台を見せてくれるでしょうか? 白鳥は来日公演からは外せない演目でしょうが、「ジゼル」は男性ダンサーを堪能できないのでちょっとなぁぁという気持ちもあります(笑) 新作の「じゃじゃ馬ならし」あたりを見たかったのですが。

大好きなバレエ団のあれこれに心乱されるのは確かにかなり辛かったり悲しかったりするものがありますが、そういう存在があるというのもまた幸せではあるのですよね・・・。 ただ、ダンサーたちを厳しい状況に追い込むような事だけは起こって欲しくないですね。

そしてロイヤル! ほぼみな元気との事で安心しました。 玉突きキャストチェンジだけは勘弁して欲しいし、このまま予定通りのキャストで上演して欲しいですね。 すっかり忘れていましたが、チケットってまだ手元に届いていないんですよね! 好みの席だといいけどな~~~。
ダンサーたちの心配ばかりでなく、見に行く自分たちも体調を整えて万全の状態で会場に脚を運びたいですね!!
2016/05/16 08:47  | URL | M #il9tusdg[ 編集]
- M様、MIYU様 -
こんにちは!
お二人の会話にお邪魔する形で恐縮ですが、ロシアのダンサーも移籍がポピュラーな時代になってしまった・・・という内容に反応して、私もコメントしたくなってしまいました。

サンクトペテルブルグ・アカデミー・バレエのスヴェトラーナ・スミルノーワですが、ずっと同じバレエ団で踊っていて嬉しい、と話題になっていたのに、なんと、2005年設立のussianClassical Balletのサイトに、プリンシパルとして名前が・・・!
http://www.rcballet.com/#!principals/c1474
昨年末のサンクトペテルブルグ・アカデミー・バレエでは来日されていたのですから、今年になって移籍したのでしょうか!?
一体どんなバレエ団なのか、全く知らないのですが・・・
Moscow Classical Ballet とは別ですよね。
(2013年にモスクワクラシックバレエの来日メンバーだったエカテリーナ・ベレジナの名前も、一緒にありました。)
来日の可能性はどうなのでしょうね・・・

2016/05/28 01:18  | URL | keiko #-[ 編集]
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keikoさん、

こんにちは。

サンクト・ペテルブルグにもモスクワにも日本ではあまり名前が知られていないような様々なバレエ団がありますが、一人のダンサーがいくつかのバレエ団の団員になることもあるようです。 さすがにマリインスキーとミハイロフスキーというような契約はないですが、エルミタージュバレエなどは、マリインスキーやミハイロフスキーのダンサーの名前があったりもします。 アカデミーのサイトがなぜか今日は上手く見つけられなかったのですが、スミルノワも両方に在籍なのかもしれません。
また次の来日でも踊りが見られるといいですね!
2016/05/29 13:29  | URL | M #il9tusdg[ 編集]
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