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ミハイロフスキー・バレエ「ジゼル」 1月6日
2016/02/09(Tue)
ジゼル役が当初発表のポリーナ・セミオノワからアンジェリーナ・ヴォロンツォーワに変更になった公演。 ヴォロンツォーワとサラファーノフは、昨年予定されていてヴォロンツォーワが降板した組み合わせでもあります。 正直、ポリーナちゃんのジゼルをそれほど見たいと思っていたわけではないので、ペテルブルグでも組む事が多いこの組み合わせの方が安心して見られていいのかもと思いなおしました。


ヴォロンツォーワは美人というより可愛らしいタイプのダンサーなので素朴であどけなく愛らしい村娘という雰囲気です。 ご落胤ではないふつうの村娘。 踊りは病弱の娘にしてはやや元気すぎ気味ですが、(というか、本来の踊りよりもゆったり柔らかく踊ろうとして時々地が出てしまうという感じなのかな?)しっかりと安定感があり上手いです。 一幕の狂乱のシーンの始まりですでに涙ぐんでいたのが印象的なのですが、役に没頭しやすい感受性豊かなダンサーなのではないでしょうか? かなりブリブリながら演技は上手いと思いますが、いきなり感電でもしたのかとこちらがびっくりするような心臓発作の演技はやりすぎ。 
2幕冒頭、アルベルトと踊り始めた時のジャンプの着地で凄い音を立てていたのでこの先どうなるのかと思いましたが、その後はポアント音も静かで良かったです。 踊りに勢いがありすぎて精霊らしさには欠けていましたが、純粋な心を持った無垢な娘がひたすらアルベルトを守ろうとしているというのは伝わって来ました。 アルベルトもそんなジゼルの純粋な真心に自分の侵した過ちの重大さとジゼルの存在の大切さに気づいて改めてジゼルを愛おしく感じているようでした。
ヴォロンツォーワはこの後、海賊、白鳥の湖と見ましたが、結果的にはこのジゼルが一番良かったと思います。

サラファーノフのアルベルトは昨年のペレンとの舞台でのアルベルトとは少し人物設定が違ったように思います。 一言で言うと軽薄感が強い。 明らかにジゼルに対して遊びというのがわかるアルベルトでキスしようとして逃げられたのを悔しがっている様子等はゲームを楽しんでいるようでもありました。 身分がばれると取り繕うでもなくジゼルには冷たい態度を取るけれど、ジゼルの狂乱の場でいたたまれない様にジゼルの腕をとり一緒に踊るアルベルトは初めて見たような気がします。 彼女の死には愕然としショックを受けて、無我夢中でジゼルに近寄りろうとしてもベルタに突き飛ばされうろたえるばかり。 見かねた従者に引っ張られて去って行く時も混乱したままだったかと。 踊りはひとつひとつの動きが綺麗でエレガントです。 ジャンプも柔らかく高さも十分。 ちょっとぉぉぉだったのは去年と違う衣装ですかね? 中途半端な丈で裾が割れてひらひらしているあれ、れっきとしたドルグーシン版のアルベルトの衣装ですが、いくら村人っぽく見せかけるための衣装とはいえひどいなぁぁぁ。 衣装だけ取ったって、絶対ハンスの方がかっこいいじゃん!! ま、衣服だけではごまかしようの無い貴族の洗練さにジゼルが心惹かれたという説得力はありますが。
2幕では自分の軽薄な振る舞いを心から悔いているようで沈痛な面持ちのアルベルトでした。 踊りは伸びやかで柔らかく、終盤のアントルシャは細かい足捌きが綺麗で腕を降ろしたまま重力を感じさせない跳躍も素晴らしかったです。 別れのシーンも切なくて良かったのですが、最後にジゼルの墓に駆け寄りお墓を叩くのはどうも違うんじゃないかという気がして好みじゃないのです。 

ツァルのハンスは見た目相変わらず反則なくらいカッコいいのですが、今回は一段と演技が濃かったです。 ツァル贔屓の私ですらうざ!と思ったくらいだから・・・(笑)。 一幕ラストで目をむき出し口を大きく開けたまま、固まった状態で呆然としていたのも凄すぎました。 でもでも、やっぱりアルベルトじゃなくてハンスでいいじゃない!
2幕は鬼火の場面の猛ダッシュもミルタに命ぜられるままの踊りも良かったです。

ペザントのヤフニュークとイグナツェワ。 イグナツェワは初見だった昨年ほどの驚嘆はありませんが、ヤフニュークとのやりとりもさらに自然になったし、爽やかに愛らしく、歯切れの良い踊りでとっても良かったです。  彼女は昨年コール・ドからコリフェに昇進しています。 ヤフニュークも変わらず端整で踊りもダイナミックだけれど柔らかくてラインが綺麗。 しつこいですが、彼の主演の古典をまた見たいです・・・デジレ王子(旧版)とか。 
可憐なダンサーたちのよく揃っていてにこやかな踊りのパ・ド・シスは、いつもこちらの気持ちをほっこりとさせてくれて大好き。 ニキフォロワやクリギナの顔がいつまでも見られますように! 

しっかし、今回は初っ端から皆全体的に小芝居が増えて演技も濃くなっている気がしました。 どうしたんだろう?  ヤフニュークですら、周りとのコミュニケーションが多くてなんかいつもと違うと思いましたもの。 ナチョの締め付けから開放された反動だったらもうそろそろ収まる頃ですよねぇ?
で、その勢いで?若干いつもとトーンが違うお芝居だったのがアンナさん。 アンナさんのベルタは最愛のジゼルを失って取り乱し激情に駆られながらも、相手は貴族という最後の踏みとどまりがあったと思うのですが、今回はお構い無しのぶち切れ状態でした。  そうそう、マラさん公爵にワインを勧めながら急に様子が変になったりして、昔思いを寄せた事でもある相手だったのかしら? マラさんは今回特に意味ありげには見えなかったけどなぁ。 

ミルタはザパスニコワ。 今年もコシェレワのミルタを見たかったけれどこちらも世代交代の波が。 始めのうちは表情や体の動きが硬く、緊張感漂いまくっていましたが、次第に落ち着いて堂々としてきたように思います。 まだミルタとしての威厳や場のしきり感はそれほどありませんが、それなりには怖かったです。
コール・ドは白鳥よりは揃っていて群れが一丸となった怖さみたいなのは出ていたと思います。 


昨年、今年と続けて持ってきた「ジゼル」ですが、ジゼル、ミルタと初めてのキャストで新鮮ではありました。 好きな演目ですけれど、出演者も少ないので、次回来日では違う作品を見せて下さいね~~~。





ジゼル: アンジェリーナ・ヴォロンツォーワ
アルベルト: レオニード・サラファーノフ
ミルタ :ワレーリア・ザパスニコワ
森番ハンス: ウラジーミル・ツァル
ぺザント・パ・ド・ドゥ: ヴェロニカ・イグナツェワ、アンドレイ・ヤフニューク
ベルタ(ジゼルの母) :アンナ・ノヴォショーロワ
バチルド(アルベルトの婚約者): オリガ・セミョーノワ
公爵 :アレクセイ・マラーホフ
アルベルトの従者: ロマン・ペトゥホフ
ドゥ・ウィリ: タチアナ・ミリツェワ、アスティク・オガンネシアン
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