ミハイロフスキー・バレエ「白鳥の湖」 1月3日
2016/01/16(Sat)
ペレンのパートナーがレベデフからサラファーノフに変ったときには本当にこの2人で踊るのかなとちょっと疑ってました。 というのも昨年の日本公演以降、キャストが組まれていても変更になったりと2人でクラシックの主演はしていなかったはずなので。 それもあってか、少しかみあわないようなところもありましたかね・・・。

4人の男性貴族はモロゾフ、マスロボエフ、ニキータ、ナザロフだったと思いますが、ニキータはニコニコ笑顔で好感は持てますが、相変わらず頭と上半身揺らしすぎ。 もうこれが自分の踊りになっているのでしょうが、4人並ぶと目立つんだよな。 
過去には主役を務める舞台もあったモロゾフとマスロボエフは、今はセカンドソリストとコリフェという違いはあれど、ほとんどの演目で同じポジションを担い息の長い活躍をしているダンサー。 踊る場を求めて移籍をしたプハチョフやバレエ学校での指導も始めたシヴァコフ、移籍したタッチキン内でやはり指導的役割が増えているというルダチェンコなど、同い年のそれぞれのダンサーの今を思うにつけ、いつの間にか長い時間が流れたのだなぁとしみじみしながら目の前のこの2人にいつまでもマールイでその踊る姿を見せてね!とエールを送らずにはいられなくなりました。 ほんとーに心から!!

トロワはキャスト表のザパスニコワからイリーナ・ジャロフスカヤ(初見)に変更。 
ミリツェワちゃんはしっとりした大人っぽい雰囲気の中にもキラキラ感があり、踊りも軽快で心身ともに調子が良さそうな感じ。 ジャロフスカヤは細面の美人で踊りもそつなくこなしていました。 
準主役系でしか見られなくなったヤフニュークですが、安定感があって力強さもありながらしっかりノーブルな彼の踊りは今も健在。 彼の王子もまた見たいなぁ。

道化もクズネツォフからトルマチョフに変更。 昨日のくるみ割りでなんとなく本調子ではないように感じたので体調不良だったりするのかとちょい心配。 トルマチョフは道化を万全のテクニックで踊るのはもうきつい年齢だと思いますが、ソフトに品良くベテランの味を出してくれました。
ペトゥホフも品のいい温厚そうな家庭教師で道化のあしらいも優しかったですね。

サラファーノフは所作も踊りも非常にエレガントで端正な正統派王子。 友人や臣下の人たちとも自然に打ち解けているソフトなムードの中にも少し距離を置いているような身分の違いがさり気なく感じられるのもいい。 二十歳の祝いに弓を贈られても、結婚の話を出されても大袈裟な感情表現をするわけではなくとても落ち着いた王子。 オデットと出会って彼女と恋に落ちていく過程もそのままの流れで静かにゆっくりと。 
ペレンは丁寧に踊っているけれど、以前ほどタメを作らず輪郭もはっきりしなくなっているように感じました。 伝わってくる気持ちも以前よりやや弱かったように思いますが、抑え気味な演技のサラファーノフとのバランスは取れていたような。

コール・ドは揃っていなかったです。 同じポーズをとったときの顔、腕、足の角度が不揃いだし、ムーブメントのタイミングもそれぞれ。 この版のフォーメーションでは仕方ないのかもしれませんが、コール・ドが一定の形を取った時に身長差を考慮せずかなりでこぼこなラインになる事が多いので、それだけでも雑然とした感じを受けてしまいます。

3幕のディベルティスマンは皆さん素晴らしかった。
ナポリのニキータの笑顔、明るくて楽しそうでいいよねー。 オスマノワとのコンビもばっちり。 ハンガリーのセミョーノワとヴェンシコフももう鉄板で、ハンガリアンな雰囲気漂いリズミカル。 ポーランドも長身のダンサーたちの踊りが大人なニュアンスで美しく。
スペインは切れのあるオマールと長身ラインが綺麗なカシャネンコの2人ともかっこよくて、どうしても男性二人ばかりに目がいっちゃうんだな。
貴族役でマスロボエフ、ミリツェワ、モロゾフ、アンナさんが下手奥にいて、上手奥にはヤフニュークもいたりしてなんて贅沢な布陣! みんな、お上品に歓談しているんだけど、舞踏会の様子に反応するような振りして別の事話してたりして(笑) 

黒鳥のPDD。 ペレンは綺麗には見せているけれどなんとなくパからパへの繋ぎに神経が行き届いてないようなところもあり踊りにも切れがなく物足りなさが残る。 どうしたのかなー? 32回転は前半はダブルを入れていましたが少し不安定でした。 サラファーノフは特に凄いというほどでもなかったですが、さすがのパフォーマンス。 

そして迎えた最終幕。 
マールイのこの版の最終幕ってこんなにドラマティックな演出でしたっけ? まず、舞踏会で王子をまんまと騙して愉悦に浸ったロットバルトが、お前の運命を思い知ったかと言わんばかりの勢いでオデットを恫喝し、抱きかかえて旋回させる。 怒りと勝利宣言のような旋回。 ツァルの体中から発せられるロットバルトの矜持のようなものも凄かった。 
力なく倒れたオデットのそばに王子がかけつけオデットを起こし許しを請う。 深く傷ついたオデットに誠心誠意謝る王子。 許して欲しいというよりも今はそばにいさせて欲しいというような思いに見えた王子でした。 オデットが王子を許すまでの二人の静かなやり取りがとても切なく美しく、寄り添っては離れてを繰り返す2人の心情がひたひたと伝わってきて自分で驚くほど妙に心打たれました。 3幕までのペレンの物足りなさも一気にチャラになった感じ(笑)。 ロットバルトに立ち向かう二人の強さも十分感じられ、オデットに襲い掛かろうとするロットバルトに捨て身で挑み羽をむしりとる王子の姿も雄雄しく、なかなかに感動的なラストでした。 ツァルの激しい身もだえも見応えあり(笑)。





オデット/オディール: イリーナ・ペレン
ジークフリート王子 :レオニード・サラファーノフ
悪魔ロットバルト :ウラジーミル・ツァル
道化: デニス・トルマチョフ
王妃: ズヴェズダナ・マルチナ
家庭教師: ロマン・ペトゥホフ
パ・ド・トロワ:タチアナ・ミリツェワ、イリーナ・ジャロフスカヤ
        アンドレイ・ヤフニューク
小さい白鳥:アンナ・クリギナ、エレーナ・ニキフォロワ
        ヴェロニカ・イグナツェワ、ナイリア・ラトゥポワ
大きい白鳥:アスティク・オガンネシアン、スヴェトラーナ・ベドネンコ
        アンドレア・ラザコヴァ
スペイン:クリスティーナ・マフヴィラーゼ、マリアム・ウグレケリーゼ
      アレクサンドル・オマール、アンドレイ・カシャネンコ
ハンガリー:オリガ・セミョーノワ、ミハイル・ヴェンシコフ
ポーランド:アーラ・マトヴェーエワ、アンドレア・ラザコヴァ
       アレクセイ・マラーホフ、アルチョム・マルコフ
イタリア:ニーナ・オスマノワ、ニキータ・クリギン
花嫁候補:アナスタシア・ロマノワ、デボラ・ダヴィス、ユリア・バラグロワ
       アナスタシア・トルスタヤ、エレーナ・トゥルシナ、エラ・ペリソン
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コメント
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M様

 う~む、確かに今回のペレンは微妙でしたねぇ。オディールの髪型とお化粧も何だかちょっと似合わないような気がしましたし…。体調が悪かったのかもしれませんし、どこか怪我してるのかもしれませんし…。

 でも、「白鳥の湖」って、バレリーナがほとんど恐怖を感じる演目らしいですよ。マーゴ・フォンティンが自伝に書いていました。それに、吉田都さんも30代後半で白鳥を踊るのは止めた、と言っていたような…。

 ペレンもバレリーナとしての転機が来ているのかもしれませんね。2010年の12月から2011年の来日公演では、白鳥はとてもよかった、と私の観劇記録に残っています。一方、ロミオとジュリエットはコリパエフさんの不甲斐なさが印象に残ったようで、ペレンの演技についてはあまりふれていません。

 それが今回は、白鳥の形がちょっとあやしかった、と思うと同時に、最終幕の演技がとても素晴らしかったですものね。もうこうなったら、マクミラン版のロミオとジュリエットやマノンを踊ってもらったらいいんじゃないですか?う~ん、椿姫のマルグリットもいいなぁ。すごくきれいで素敵なんじゃないですかね~。
 あ、その時はサラファーノフじゃなくて、やっぱりレベデフでお願いしたいです。今回のキャスト変更はやっぱりとても残念でした。もちろんサラファーノフは別格のダンサーだと思いましたけどね。

 ジャパンアーツのガラは、今回は見送りました。やっぱり出演者や演目をはっきりさせずに、ただビッグネームを5、6人並べるだけでチケットを2万7千円で売るのは納得できない、と思ったのです。でも、けっこう売れちゃってますね。私はケチなだけかも。

 でも、新国立の来シーズンはシーズンチケットを買ってしまうかも。だって、ムンタギロフがロミジュリを2回、眠りを2回踊るのですから。ムンタ君ファンの私はそれで大満足。確かに長田さんと踊るのもいいかとは思いますが。


 ロイヤルもキャスト発表が遅れていますが、去年のアメリカ公演はかなりぎりぎりまでキャスト発表がなく、キャストがわからないままでチケットを売ったのではないかなぁ、と思います。

 ケヴィン・オヘアになってからは、そんな事が多いようです。それでもきっと、ムンタ君がロミオとアルブレヒトを踊ってくれる、と信じてキャスト発表を待ってます。フェデリコもくるみを降板したので心配なのですが…。がんばれ、ロイヤル! フェデリコ!

 
2016/01/17 01:11  | URL | MIYU #-[ 編集] ▲ top
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MIYUさん、

今年もよろしくお願い致します~~♪

ペレンの白鳥ですが、10日は3日よりもずっと良かったです(何かレベデフの方が踊りやすかったりするんですかね?)。 ただやはり以前のイメージを持っていると「違う」という感じはありますが、これは年齢的に考えればやはり仕方のない事なのでしょうか? 来日前に12月25日、27日のくるみを降板していたのでどこか体調が完璧ではないのかな?とも思いましたが、厳しい言い方をすれば、そういうのは観客には関係のない事ですものね。 同級生のミリツェワちゃんが2012&2015よりもずっと素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたように次回は今回は何だったの?と言える様な姿を見せてくれるといいなと思います。
(確か都さんは背中がきついと仰っていたような・・・)
そうそう、コリパエフと踊ったロミジュリですが、ペレンもピーテルでのプレミア以降ロミジュリを踊る機会がなくて久しぶりに踊ったのでコリパエフにはいろいろ助けてもらったようですが、組むのも初めてだったし、できれば初演の時のマスロボエフ(演技もリフトも上手だった)と踊って欲しかったです。 でも、あの版ももう見る事ができなくなってしまったんですよね・・・。 ナチョ版よりは全然いいのに!!

ロイヤルですが、ボネッリ、くるみ降板ですか?? たいした事ないといいのですが。 彼は前回、都さんが踊ったロミジュリの年も怪我からの回復が遅れて来日ならず、都さんはマックレーと踊ったのですよね。 今度こそは!!と念じているのですが・・・。
NBSはキャスト未定の状態でチケットの売り出しはしないでしょうが、いつにもまして直前変更の可能性大と覚悟が必要かもしれませんね。

そういえば、ロイヤルのチケット代も昨今の招聘公演事情そのままに25000円と値上がりしてしまいましたねー。 JAのガラもあの値段であの程度の情報でよく売れるなと驚きながらも他人事でしたが、わたしもロパートキナの名前が発表になった時には負けてしまいました(苦笑)。 ロパートキナ本人もそうですが、もしかしたらダニーラ♪なんていう不純な動機もあるものですから・・・。
2016/01/17 12:07  | URL | M #il9tusdg[ 編集] ▲ top
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