マリインスキーバレエ「白鳥の湖」 12月5日マチネ
2015/12/16(Wed)
スコーリクは3年前のガラの海賊でしか見た事がなかったので、彼女の全幕を見るのも白鳥を見るのも今回が初めてでした。 彼女、ちょっと顔立ちがきつく表情が恐いのでどうなんだろーとあまり期待はしていなかったのですが、ほっそりとした首と長い手脚のムーブメントで作り出される白鳥ラインがとても美しく、柔軟性のあるしなやかな踊りがとても良かったです。 時々前後に上げる脚の勢いがよすぎて優雅さや儚さを損なっていたのは残念でしたが、そういうところは今後自然になくなっていくのでしょうね、きっと。
今回は王子との間にあまり愛が感じられなかったので、愛を語れるパートナーと踊れば一つ一つのムーブメントにも感情が自然にこめられて、さらに美しく見えるようになるのだと思います。 表情だってもっと柔らかくなるでしょうし。
イケイケな感じの黒鳥。 オデットでは伏し目がちだった瞳全開でかなりインパクトが強く高慢そうな悪女。 踊りもシャープで勢いがありました。 ヴァリでは最初のピルエットダブルのあとのアチチュード・トゥールもダブルでバランスも崩れなかったですし、グランフェッテも前半ダブルを入れてあまり動く事無く回るなど技術レベルも高いようです。
王子がロットバルトに促されて愛を誓うところでは、さぁさぁさぁと言わんばかりに大きな目むき出しで見つめ、してやったりと高笑いして去って行きましたが、とっても楽しそうで、なんだか可愛かったです(笑) 踊り盛りのバレリーナののりのりのオディールっていいですよね! 

サラサラヘアーでハンサムなパリッシュはいかにもバレエの王子様なのだけれど、まだ王子らしい気品やオーラが少なく、大勢の中にいると意外に目を惹きません。 立ち姿、歩き方などもう少し美しくなるといいですが・・・。 舞台の数をこなしていないのでしょうからこの辺は仕方ないと思いますが、まだ間違えないように演技をしてしっかりパートナーをサポートしてと、それだけで精一杯な様子でした。 自分を役の中に落としパートナーと語り合って物語を紡いでいくというのはこれからですね。 踊りはロミジュリよりは良かったです。 マネージュも普通だったし、ジャンプもそこそこ高さがあったし。 そういえば、パリッシュにはオディールが投げ捨てた花は届かなかったのか、花を見つめるシーンはなくてちょいと残念♪ 

スメカロフのロットバルトは期待を裏切る正統派(笑)。 充分カッコ良く迫力もありましたが、もう少し荒々しくて濃いロットバルトを勝手に想像してました。 まぁ王子とのバランスもあるし、変に悪目立ちしないのも流石ですね。 スコーリクのサポートも万全でした。 そんなかっこいいロットバルトが3幕で息絶えた後、起き上がったスコーリク@オデットに、これっぽっちも存在を意識される事なく視線すら落としてもらえなかった(ように見えた)のは気の毒でしたねー。 
スコーリクちゃん、今まで自分を苦しめて来た悪魔が死んで横たわっているのだから、何か感じるところあるでしょー? 強すぎませんか・・・あなた。 スコーリク、なんだか気に入っちゃったなぁ(笑) 次は違う王子で見たいけれど、見たい王子がいな・・・。 あ、でもセルゲーエフが組めるのならセルゲーエフで見たいし、ズヴェレフも一応レパートリーにしてはいるんですよね。 でも次回はいつになるんだろう?? 

コール・ドは足音が少し気になり、揃いっぷりもソワレと比べるとイマイチのように思いましたが、ソワレは自分自身がそういう事は気にならない神経集中状態だったので実際には変わらなかったのかもしれません。 小さい4羽は若干乱れがありましたが、大きな4羽の印象はソワレと変わらず。

そして他のダンサーたち。
1幕1場は最初は余裕たっぷりにいろいろなダンサーを見ていたのですが、次第にチュチュンニックばかり追いかけるようになってしまいました(笑) ソワレの感想でも書きましたが、ロミジュリのジプシーを見ているうちにシヴァに似ていると思い始めて・・・、そうなったら気になって気になって・・・。 時折すごくまじめくさった表情をするところまで似てる(笑)。 次はソロで踊ってね~~♪
トロワのラティポフは脚が綺麗でした。 王子はちょっと無理というくらいの身長なのかと思っていたらパリッシュと並ぶとほとんど身長が変わらないんですよね。 パリッシュは頭が小さいので、実際より高く感じるのかな? ラティポフは脚捌きが綺麗でなかなか端正な踊りだったかと。
ゴンチャールの踊りはちょっとパキッパキッと流れが止まりすぎるのが好みではなかったですが、クラスノクーツカヤはポール・ド・ブラがとても優雅で柔らかく上品な踊りが素敵でした。
道化のバイボルディンは道化らしい道化というか、愛嬌があって可愛くて良かったです。 ア・ラ・スゴンドもけっこうなスピードで回っていました。 1幕1場の後のカーテンコールでカーテンからひょこっと顔を出して様子を伺うように出てきたのがかーわいい♪ 2幕でオディールたちがやって来た時も、怖い人たちが来たよ~~と騒いでましたし、道化の雰囲気がマチネとソワレでこれだけ違うのも珍しいかも。
2幕のディベルティスマンはソワレとほぼ同じ。 皆さんマチソワでお疲れ様&ありがとう!


そんなこんなでソワレとは比べ物にならないほどにリラックスした観賞でしたが、スコーリクの予想以上の出来に満足した公演でした。 
テリョーシキナ、コンダウーロワ、ソーモア、スコーリクと、プリンシパルだけでも4人、さらにシャプラン、コレゴワ、マトヴィエンコなどを加えれば、白鳥の踊り手は困らないほど揃っているマリインカ。 問題なのは王子ですよね・・。 どんなにオデットが美しく舞い、切ない思いと愛を語ったとしても、同じ技術レベルの美しさでオデットに寄り添い同じ世界観を作り出せる王子なくしては、マリインスキーの素晴らしい白鳥の舞台にはならないのだから。 
ロパートキナにはゼレがいてダニーラ&イワンチェンコがいて。 テクニックに若干の不安が出てくる一方で芸術性が円熟を見せるキャリアの集大成の時期に、長年ずっと一緒に踊って来てクラシック作品でのベストパートナーと言われる同年齢のダニーラがいるというのは彼女にとっても観客にとっても幸せな事ですよね。 
そのダニーラも今は指導に回る時間が増えているという事なので、次代の王子候補を遠慮なくびしびし鍛えて、誰もがマリインスキーの伝統的なスタイルを受け継ぐ王子と認めるような後継者を育てて欲しいです。



オデット/オディール:オクサーナ・スコーリク
ジークフリート王子:ザンダー・パリッシュ
王妃 (王子の母) :エカテリーナ・ミハイロフツェーワ
王子の家庭教師:ソスラン・クラエフの
道化:ヤロフラフ・バイボルディン
悪魔ロットバルト:ユーリー・スメカロフ
王子の友人たち:ヴィクトリア・クラスノクーツカヤ/ナデージダ・ゴンチャール
           エルネスト・ラティポフ
小さな白鳥:アナスタシア・アサベン/オクサーナ・マルチュク
        アレクサンドラ・ランピカ/スヴェトラーナ・イワノワ
大きな白鳥:ヴィクトリア・ブリリョーワ/ディアナ・スミルノワ
        エカテリーナ・チェブキナ/ズラータ・ヤリニチ
2羽の白鳥:クセーニャ・オストレイコーフスカヤ/ナデージダ・ゴンチャール
スペインの踊り:アナスタシア・ペトゥシュコーワ/マリーヤ・シェヴャコーワ
          アレクセイ・クズミンローマン・ベリャコフ
ナポリの踊り:アンナ・ラヴリネンコ/アレクセイ・ネドヴィガ
ハンガリーの踊り:オリガ・ベリク/ボリス・ジュリーロフ
マズルカ:クセーニャ・ドゥブローヴィナ/エレーナ・アンドローソワ
      ナターリヤ・ドゥゼヴーリスカヤ/ズラータ・ヤリニチ
      アンドレイ・ソロヴィヨフ/ドミートリー・プィハチョーフ
      アレクセイ・チュチュンニック/エフゲニー・ジェリャービン
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