マリインスキーバレエ「愛の伝説」 11月27日
2015/11/30(Mon)
マリインスキーの「愛の伝説」、2日とも見てきました。
キャストの違いはもちろん、見る側としての初回の緊張と2度目の慣れ、座席(同番12列違い)の違いなどもあって、二つの舞台の印象はけっこう異なりますが、見応えのある作品ですし生で見られて本当に良かったです。 
ともかく1日目はロパートキナが舞台にいる限りはロパートキナ集中!だったので、力が入りすぎてしまいました(笑)が、2日目は話の展開もダンサー登場のタイミングなどもわかっているので落ち着いて、また全体を見る事もできた感じです。

ロパートキナのラインのなんと美しく鮮やかなこと。 音楽をしっかり捉えた腕や脚の動き、全身のポーズがすべて美しく、クリアなラインが一つ一つ目に焼き付けられていくようでした。 気高く威厳のある女王バヌーでしたが、クールではあるけれど、恐れ、怒り、嫉妬、悲しみなどが全身から伝わって来ました。 また、2幕の始め、一人フェルハドへの思いに悩み苦しみながら舞台奥の小さな空間で膳を組んだような姿ですら、威厳があり目を離せない。 次第に体をくずし、物憂げに脚などをさすっている姿ときたらそれはもう悩ましく・・・。  バヌーは1幕から3幕まで踊りもかなり多いんですね。 背筋にそうとう負担がかかりそうな独特の動き、そしてスピーディーな踊りが多い中にクラシックバレエ的なピルエットやグランフェッテなども組み込まれていて、2幕の後半はかなり辛いのではないかと思いました。 ただ、愛の伝説の独特な舞踊言語の中に唐突にグランフェッテというのが少し不自然な気もしましたが・・・。 ソロで踊っている時間も長いので踊り手次第では見ていて飽きそうです。 しかし、ロパートキナの身体能力も衰えないですね。 3幕のフェルハドとのPDDで立っているエルマコフのウエストベルトを掴んだだけで倒立というアクロバティックな振付を完璧に美しくこなしたのには驚きました。 本当に素晴らしい! 

シリン役のシャプランは昨年マールイに半年ほど在籍し、当初今年のマールイのジゼルにキャストされており、あの当時はマールイでレベデフとのペアを見るのを楽しみにしていました。 マリインスキーに移籍後も順調にレパートリーを増やし主演数も増えていたので、この来日公演では一番注目しているダンサーです。 涼しげで可愛い顔つき、スレンダーなラインは好みのタイプ(笑)。 かなり長身ですが、それでもまだロパートキナの方が背が高いのですね・・・。 シリンもかなり踊りが多いですが、頑張っていたと思います。 ただロパートキナと同じ空間に立ち主役として渡り合うには、当然の事ながらまだまだ荷が重過ぎる感じでした。 前日の疲れもあるのか安定感に欠く場面もちらほら。  

フェルハドのエルマコフ、こんなにどっかんとガタイがよかったでしたっけ? この青い中途半端ソロルみたいな衣装がいまいちよろしくない?? 柔らかでダイナミックな踊りは良かったしサポートも万全ですが、控えめというか押し出しが弱いのが惜しいというか・・・。 姉妹二人から愛される愛憎劇の主人公なので、そのドラマを色づけるような強くはっきりとした表現が欲しかったです。

で、そんなエルマコフとは全く正反対で滅茶苦茶強烈な印象を残したのが宰相役のスメカロフ。 今となっては皆ベテランですが、彼もワガノワ98年組なんですよねー。 女王への激情も強く深く痛々しく、濃い表現にキッレキレの迫力あるダンスが素晴らしかったです。 さすが元エイフマンダンサー。 

怪しげな魔術をかける托鉢僧はプー(元マールイのアルテム・プハチョフ。 12月のアカデミーの来日で会えるといいなぁ!!)兄ドミトリー。 白塗りなんで顔があまりよく分かりませんが、横顔なんかはプーちゃんにやっぱり似てる。 
フェルハドの友人4人で顔と名前が一致するのはトカチェンコだけですが、開脚は綺麗に開いて軽快、ピルエットも安定していて彼が一番上手かった。
道化のポポフはバネのある跳躍も高速回転も良かったです。

コール・ドの踊りもてんこ盛りでした。 
なかでも金銀財宝を渡すという女性コール・ド16人とバトーエワの黄金の踊りは、リズムが狂うようなステップと複雑なフォーメーションがクラシックバレエとは全然違っていて難しそうで変わっていて新鮮(笑)。 
男性コール・ドも見せ場が多かったですね。 1幕で3人+3人、8人、8人、6人がめまぐるしく入れ替わり立ち替わり現われては踊り、音楽もヒートアップし宰相も加わってどんどん迫力を増していく様は見ごたえたっぷりでした。 マリインスキーなので勇壮ながらも品があるのですが、これがボリショイだったらどこまでワイルドにパワーアップするのかとボリショイでも是非生の舞台を見てみたいと思いました。 その3人+3人の将校?役でそれぞれ一人ずつ気に入ったのですが、キャスト表には出てないしプログラム見ても誰なのか分からないしでちょっと悔しい。

オーケストラの演奏も良かったです。 弦は柔らかく美しく金管も安定していたし、特にトランペットの表情付けが豊かで素晴らしかったです。 現代音楽にありがちな不協和音などがなく、単調に感じられるメロディーはあったものの、標題音楽的というか映画音楽のように分かりやすく聴きやすい音楽だったのが良かったです。



シリン(王女):クリスティーナ・シャプラン
フェルハド(宮廷画家):アンドレイ・エルマコフ
メフメネ・バヌー(女王、シリンの姉):ウリヤーナ・ロパートキナ
宰相:ユーリー・スメカロフ
托鉢僧:ドミートリー・プィハチョーフ
フェルハドの友人たち:エルネスト・ラティポフ、ワシーリー・トカチェンコ
           アレクセイ・ネドヴィガ、アンドレイ・ソロヴィヨフ
シリンの友人たち:石井久美子、スヴェトラーナ・イワノワ
           クセーニャ・オストレイコーフスカヤ
黄金の踊り:ナデージダ・バトーエワ
踊り子たち:アナスタシア・ペトゥシュコーワ、エカテリーナ・チェブキナ
道化:グリゴーリー・ポポフ
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コメント
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こんばんは。

私も愛の伝説見ましたよ。

ロパ様、三年後もやれるんじゃないでしょうか?

後進も育ってないですしw
2015/12/02 20:07  | URL | DA #-[ 編集] ▲ top
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DAさん、

こんばんは。
ロパートキナ、本当に圧巻でした。
夏のフェスガラで見せてくれたタンゴなどまだまだ多くの引き出しもありそうですし、少しでも長く現役を続けて欲しいです。
そして是非次回のマリインスキーの来日でも踊って欲しいですね!
2015/12/03 22:49  | URL | M #il9tusdg[ 編集] ▲ top
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