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サンクトペテルブルグ・バレエ・シアター「眠れる森の美女」 9月5日
2015/09/13(Sun)
9月5日のソワレを見てきました。
タッチキンの「眠り」は物語的にちょっと他の版との違いがあり、舞台を見ながらコンフューズする箇所がいくつかあって、きちんとプログラムを読んでから見るべきだったと若干後悔。
それでも最初の休憩で友人に教えてもらえたのでまだ助かりました。

<プロローグ>
序曲の途中で幕が上がると、そこは薄暗い地下牢のようなカラボスの城。 手下が大きな鍋をかき混ぜ何かを煮立てているのを見ながら満足そうに不気味な笑みを浮かべているカラボス。 落とし格子の向こうから国王夫妻(この二人、ちょっと気品に欠けるのだけれど、まぁ国王夫妻なんだろうなとは分かる)が現れる。 見ている時はよく分からなかったけれど、子供を授かれるようにとカラボスにお願いに来たらしい・・・。 カラボスは袋に入った薬を渡す。 その時に一度は夫妻が躊躇していたので何やらいかがわしく危ない薬なのかと思いきや、プログラムによれば、娘が誕生したあかつきにはカラボスの元で洗礼を受け娘が成人するまでカラボスの城で暮らさなければならないという条件付きだったので、それをとんでもないと拒否したのであろうと・・・。

夫妻はめでたく女の子を授かり洗礼式が行われている。 約束したカラボスの城ではなく夫妻の城で・・・。
白鳥に続き、眠りの式典長もルダコさん。 白鳥は演技らしい演技はないけれど、眠りの式典長は周囲への細かい気配りやコミカルなお芝居も必要となるなかなか大変な役なので、ルダコ、大丈夫なのか!と踊らなければ踊らないで心配になります(笑) 
妖精たちの衣装がそれぞれに美しく、やはり眠りは華やかでいいわぁぁと思ったのですが、いつまでたってもリラの精が出てこないのが非常に気になりました。 リラが出てこないままに妖精たちの踊りが始まって、鷹揚の精の直塚さんがリラの曲でイタリアン・フェッテを踊りだした時にはプチパニック。 プロのダンサーたちはたとえ非常事態でもあたかもそれがオリジナルバージョンのように見せてしまう技量の持ち主なので、ひょっとしたら幕が開く直前にリラのダンサーが踊れない状態になってしまい、代役も立てられないまま急遽変更したのではないのか・・・、ここは凌いでも、じゃぁ誰がカラボスから城を守って、デジレとオーロラを引き合わせるのか???なんて色々勝手に考えてしまいました。 そんな状態での鑑賞ではありましたが、直塚さんの踊りは軸ぶれもなく、シャープなラインのポーズがとても綺麗でした。 彼女は身長はさほど高くありませんが、腰の位置が高く足も長くてロシア人の中にいてもプロポーションの見劣りはありません。
祝福ムードをぶち壊すように宮廷に不穏な空気が流れ、カラボスが手下をつれて登場する。
白鳥の家庭教師でもいい味を出していたディムチク・サイケーエフのカラボスは、所狭しと舞台上を動きまくり悪態をつき放題。 洗礼式に呼ばれなかった事だけに腹を立てていたわけでなく、自分の城で執り行うという約束を無視された事に対しても怒っていたわけですね。 一方こちらはお約束どおりですが、式典長はカラボスの手下に後ろ手に押さえつけられ、髪の毛をす~~べてむしり取られて丸坊主です。 中途半端なてっぺん禿よりはまだかっこいいかも(笑) で、ルダコさんのお芝居は80点くらいかな?
18歳(16歳ではないんです)の誕生日に赤い薔薇で指をさして(糸紡ぎの針じゃないのねー)オーロラは死ぬだろうと国王夫妻に迫ったところでようやくリラの精が姿を現す。 でもね、白いチュチュなんですよ(金の刺繍が施されていてすっごく綺麗なんですが)・・・。 ライラックカラーをイメージしていただけに音楽がなければ分からなかったかも・・・。 やはりリラの精の力には適わないカラボスたちは退散しリラの踊り。 マリア・ベリカイアは2羽の白鳥を踊っていた長身のバレリーナですが、長い手足を生かした優美な踊りで良かったです。

<1幕>
オーロラは薔薇の棘で死ぬと予言されたのだから編み物の踊りがあるはずもなく、ここはパスだろうと思っていると、降りたままの幕の前に上手から式典長が現れる。 散歩?
と、向かいから誕生日パーティーの豪華な料理のために国外から招かれた料理人(だそうです)が台車に料理を乗せてやって来る。  ルダコさんが中身を検めると、18本の赤い薔薇が飾られた見事なバースデーケーキが・・・。 「あー、とんでもないものを見つけてしまった」とおろおろおたおた・・・貧血でも起したかのように座り込むルダコさん。 似合いすぎ♪ そこに現れる国王夫妻。 ルダコさんダブルパーンチで職務放棄!!  国王は怒って料理人を処刑しろというものの、これは薔薇をかたどった美味しいケーキですと試食を進められた王妃は自分で食し、事情を知らない国外の料理人が作ったケーキなのだからと国王の怒りを収めて一件落着。  舞台転換の準備に必要なのはわかりますが、このくだりが長すぎ・・・。 さらに、こういう設定なのかしらないけれど、国王の振る舞い、演技に品がなさすぎでやすっぽすぎ・・・大衆劇場の売れない喜劇役者みたいなのは勘弁です。 王妃も似たり寄ったりだし。

庭園での祝宴。 ガーランドワルツのコール・ドは8組でもそれなりに華やかですが動きはバラバラ・・・。 踊りこんでいるはずの白鳥でさえ揃っていなかったので、この辺を期待するのはちょっと無理なんでしょうね。 ルダコさん、帽子を取って来賓に挨拶していましたが、18年経っても髪は生えてこないんですねぇぇ。
淡いローズ色のチュチュのコレスニコヴァ@オーロラ姫の登場。 可憐というイメージからはちょっと遠いタイプのダンサーなので、ある意味怖いもの見たさのようなところもあったのですが、若干作った初々しさがあったものの笑顔はわりと普通ににこやかで違和感はありませんでした。 ローズアダージョの前半はアチチュードの足の高さも充分で、無理なくアン・オーに腕をあげる余裕ぶり。 後半のプロムナードではアン・オーにまでは持っていかずそのまま次の王子の手を取り、やや表情が硬かったですが、ぐらつく事もなく。 その後のヴァリエーション、ゴメスの影がちらついて困ったりもしましたが(笑)、しっかりして安定した踊り。 
しっかし、娘の踊りをみている国王の様子が落ち着きがなく、足を投げ出して座っていたりと本当に品も威厳もなくて・・・こんな王様初めて見たわ!
老婆が現れ、オーロラに渡したのは笛? すぐに口をつけていたように見えて、知らない人から手渡されたものにいきなり口をつけちゃうお姫様っていうのもどうかと思いましたが、その笛のようなものから一厘の赤い薔薇が出てきたような? ここがちょっとよく見えなかったのです。 そして薔薇の棘が指にささりオーロラの体に毒が回る。 ただ、その場に倒れるのではなく王子の一人に支えられ舞台下手奥にしつらえられたガゼボの中へ入って行き、そこに横たわって100年の眠りにつく事になります。 このアイディアはなかなかいいなと。
悲しみにくれる人々の前にリラの精が現われ、金の薔薇の杖を振って皆を眠りに付かせる。  一番上手の国王夫妻の隣にいたルダコから順に魔法にかけられていくのだけれど、なぜ夫妻を眠らせないのか??  不思議に思っているうちに幕がおり、降りた幕の前を国王夫妻が手に手を取り合ってうつむきながら下手へと消えて行く。
国王夫妻は民のために国を治めなくてはならないので、娘とともに眠る事ができず庭園を後にしたのだと幕間に教えてもらってようやく納得。 
まー、確かにそうなんですけど、フェアリーテイルでそこだけ妙に現実的にならなくても・・・。 この後100年もこのご夫妻が生きて国を治められるわけがなく、オーロラ以外の誰かに王位継承するわけで、そうしたらせっかく100年後に目を覚ましたオーロラが後を継げないかもしれないし、邪魔者として命を狙われるかもしれないじゃない!?

<2幕>
休憩で2幕にもルダチェンコが出てくるからお楽しみに~と教えてもらい、きっと貴族の仕切り役だろうと見当をつけていたら見事に外れてしまい、これは大変!と目を皿のようにして舞台上で輪投げに興じるダンサー一人一人をチェックしていたので(全く何やってるんだか・・・)、フロリムント王子の事はすっかり忘れていました。 すら~っとしていかにも王子然としたロヂキンが出てきて、あ、そうだ・・・と。 流石に流麗な踊りですが、目元の化粧のせいか、なんとなく陰りがある王子様ですね・・・。
で、ルダコさんは王子の登場前に、貴族の小姓に小さな弓で射られて怪我した農民?みたいな、なんでそんな役が要るの?という役で右往左往しながら舞台の後方を横切ってお仕舞いでした。 これはほんとに意味不明。
アイボリー(かな?)のロングドレス(マールイのリラのような衣装)のリラが現れ、オーロラの幻影を見せる。 ここのコレスニコヴァのチュチュの色がまったく思い出せない・・・。 淡い色だったと思うのですが、1幕と同じでしたっけ? すごく切なく辛そうで、魂はどこかにいっちゃっているような彼女の表情が印象的。 ヴァリエーションは確かなかったような。 コール・ドの踊りも短めでした。 
幻影たちが去った後、リラと王子が少し踊り、オーロラの眠る場所を教えて欲しいと乞う王子にリラは金の薔薇の杖を渡す。
一旦幕が降り舞台転換。 
え、やるの??とびっくりなまさかの間奏曲・・・・。 だってオケひどいんだもの・・・。 急遽この公演の演奏をすることになり、リハーサルも多分あまり時間が取れなかったのだろうから大変だったとは思うのですが、白鳥のときはあまりの酷さに指揮者が逃げ出すんじゃないかと冷や冷やしたくらいで、この美しい間奏曲、破綻なくできるのか・・・と恐ろしくなりました。  まぁ、なんとか演奏しきりましたけど、アニちゃんの魔法が欲しかったな。    
金の薔薇の杖に導かれ王子はカラボスの城へ行き、手下とカラボスと戦い打ち負かす。 といっても倒したのはリラの精の杖の魔力です♪ 最後はご老公の印籠なみにかざしてましたもんねー。 
王子はオーロラの眠る庭園に急ぎ、薔薇の杖で家臣たちを次々に起こし、オーロラにキスをして100年の眠りから解放する。

<3幕>
オーロラ姫とフロリムント王子の結婚式。
100年経った城は宮廷も少し豪華に模様替え。 この祝宴の席にいる国王夫妻(演じ手も違います)は1幕の国王夫妻とはどんな関係なんでしょう? 衣装もそれらしく豪華になって物腰もそれらしい。 
この人たちの踊りはないよなーと思うアラビアンやチャイナっぽい衣装のゲストも含め、結婚式のゲストはリラの精がオーロラが眠りについている100年の間に書かれたたくさんの素敵な物語の主人公たちをオーロラに紹介するために招待したキャラクターたちなのだそうです。 ほぉぉぉ、なるほど。
ルダコさんは100年経って、ようやく髪は伸びたようです♪ でもなー、やっぱり何か踊る役で見たかったな。
宝石さんたちのチュチュは皆とても綺麗で、長身でプロポーションの良いダンサーが揃っているので見栄えがします。 白鳥で見ていいなと思ったミジノワのダイヤモンドもフォルムが綺麗で良かったです。 
フロリナ王女の直塚さんの描くシャープなラインはとても綺麗です。 踊りも堅実でしっかりした技術を持ち合わせた今後楽しみなダンサーです。 青い鳥のトカチュクは脚捌きがもう少しクリアだったらとも思いましたが、力みのないいい踊りだったと思います。
その他のキャラクテールの踊りもまずまずみな良かったと。
オーロラ姫とフロリムント王子のGPDD。 コレスニコヴァのチュチュはここでは薄い山吹色でちょっと意外な感じでしたが、リラの精が純白のそれっぽいチュチュなのでオーロラも白だとダブりますしね。 踊りの方は普通でした。 というか、やっぱりオーロラは彼女に合う役ではないよなぁ・・・。 1幕の雰囲気をあまり変えずに無理に笑顔で明るい表情を作ろうとしているのか、ずっと歯が見えたままの口元がけっこう気になってしまいました。 ここは彼女らしくもっと堂々としていた方が良かったと思います。 ヴァリもちょっと笑顔が不自然すぎて踊りも?でした。 当然技術的にどうのという人ではないのだから結局キャラ違いというべきか。 ロヂキンも普通に良かったと思いますが、後半は疲れたのか?マネージュなどは少し重かったように見えました。 それぞれの踊りはさておき、2人の間にもう少し通い合う幸福感のようなものがあれば良かったなと思います。
国王夫妻とリラの精が若い2人の門出を祝福し、大団円で幕。


5日連続で6公演とタイトスケジュールでしたが、ダンサーは一生懸命な舞台を見せてくれたと思います。 客入りがそれほど良くなかったのが残念ですが(今回はバレエフェスで散財していたバレエファンも多かったかもしれませんしね!)、あまりバレエ全幕公演のない9月に来日してくれたのは嬉しかったです。 次はドンキのような明るく楽しい演目を見たいです。 お!っと思うようなゲストにもまた期待しちゃいます♪





オーロラ姫 :イリーナ・コレスニコヴァ
フロリムント王子 :デニス・ロヂキン
カタルビュット(式典長):ドミトリー・ルダチェンコ
カラボス :ディムチク・サイケーエフ
善と光の精(リラの精) :マリア・ベリカイア
優しさの精:エカテリーナ・ボンダレンコ
元気の精:リュドミラ・ミジノワ
鷹揚の精:直塚美穂
呑気の精:ヴァレリア・アンドロポワ
勇気の精:ディアナ・エルモラエヴァ

ダイヤモンド:リュドミラ・ミジノワ
サファイア:エリザヴェータ・サヴィナ
ゴールド:ヴァレリア・アンドロポワ
シルバー:ユリア・コチェマソヴァ
フロリナ王女:直塚美穂
青い鳥:ミハイロ・トカチュク
白い猫:ラリッサ・ファブリクノワ
長靴をはいた猫:アントン・マリツェフ
赤頭巾ちゃん:橋本有紗
狼:ディムチク・サイケーエフ
シンデレラ:ナデージャ・ラーシュコ
フォーチュン王子:ユーリィ・バリシニコフ
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