サンクトペテルブルグ・バレエ・シアター「白鳥の湖」 9月3日
2015/09/05(Sat)
サンクトペテルブルグ・バレエ・シアターの「白鳥の湖」を見るのは2004年、2011年に続き3回目。 そういえば前回の震災直後の来日時、タッチキン氏の挨拶があり、今後は毎年でも来日公演を行いたいとの事だったのですが、結局4年も経ってしまったんですね。 でも招聘元が安心の光藍社さんに変ったので、これからは本当に頻繁に来日できるようになるかもしれませんね。 

プログラムによれば、来日ダンサーは44名なので、舞台に乗っているダンサーの数がやや少なめになるのは仕方ないですが、それでも一人のダンサーが何役も担当しながら上手くやりくりして舞台を盛り上げていました。 所帯の小さいバレエ団の公演はどこも大変ですよね。

ムンタギロフはおっとりと人が良く純真そうな青年王子。 王子として敬われながらも周りから親しみを持たれるタイプの御曹司ですね。 成人の祝宴で飲んでいたお酒を家庭教師に取り上げられてすごく不満そうな顔をしていたのが妙に可笑しかったです(笑)。
道化のフェドルコフはよく動き回って忙しそうでしたが、祝宴の最後の見せ場のピルエットは回転も速くぶれも少なく上手かったです。
パ・ド・トロワは3人とものびのび踊っていたと思います。 前回同様、日本人のコール・ド・ダンサーをキャストするのは日本公演用の配慮なのでしょうか? 
王妃は2007年にワガノワ卒というとても若いダンサーで13年にタッチキンに移る前はエイフマンにいたそうで長身のダンサーです。 
爺やという感じの家庭教師は前回と同じディムチク・サイケーエフ。 このバレエ団に長く所属するキャラクテールダンサーのようですね。 全体的にバレリーナよりも男性ダンサーの方が定着度が高いのか、前回ツアーに参加しているダンサーが多いようです。

コレスニコヴァの白鳥は3回目ですが、それほど変った印象はありません。 丁寧な踊りと感情に振付を合わせていくイメージの考え抜かれた身体表現。 常に白鳥を意識させる彼女のアームスの動きはとても印象的です。 ただ、彼女のオデットは自己陶酔というか自己完結型なので、自分の悲しい身の上、愛する事のできる王子に出会った喜びや不安をいずれも切々と雄弁に語っているのだけれど、パートナーとの語らいが見えない。 ムンタギロフがオデットを一生懸命追いかけているように見えてしまったのが残念でした。
一方オディールは生き生きと、ロットバルトの娘らしい魔力に満ちた妖しくふてぶてしいオディールでした。 王子が愛を誓うのを見届けて思いっきりバカにしたように高笑いをして去っていく姿が様になりすぎ。 踊りも磐石。 ヴァリではダブルで回ってのランベルセもさらりと決めていましたし、32回転はシングルでスピーディーにあっという間に回りきりました。  
2幕(舞踏会)でのムンタギロフの踊りはとてもソフトで端正。 若いんだからもう少し勢いがあってもいいのにとも思いましたが、先日のフェスも同様だったので、これが今の彼のスタイルなのかな? 

ロットバルトのドミトリー・アクリーニンは前回も同じロットバルトで見ています。 ルダコとともにバレエ団のプリンシパルですが、存在感のある踊りと安定感のあるサポートでしっかり舞台を支えていました。

そして、そのルダコさん、来日メンバーに名前はあるものの写真付きで紹介はされていないし、当日のキャスト表にも載っていないしで諦めていたのですが、舞踏会の式典長としてご出席♪ こうして見ると、身長はあるし、ハンサムなんだし、まだまだ踊る役で頑張って欲しいところです。 途中でささーっと上手にはけていったので、もしかしたらディベルティスマンで踊ってくれるかな?と期待したりしたのですが、それはありませんでした。 怪我や体調不良などでないといいですが。

白鳥コールドは18人でしたが、動きはすこしばらけていました。 小さな白鳥には日本人ダンサーが2人入っていましたが、こちらは動きも揃っていて良かったです。
大きな白鳥のリュドミラ・ミジノワはトロワを踊ったダンサーですが、可愛らしい美人で脚も綺麗なダンサーで好みです。 気に入ってしまいました。 眠りでは何を踊るのかな~~。  

最終幕もオデットの嘆きが私にはかなりじっとり重く感じましたが、ジークフリートがロットバルトを倒し、魔法から解かれてもとの娘の姿に戻れた嬉しさをかみ締めながら微笑む姿は、演技の呪縛からも解き放たれたようでとてもナチュラル。 見つめあい寄り添う二人の姿は爽やかに幸福感漂っていました。 





オデット/オディール: イリーナ・コレスニコヴァ
ジークフリート: ワディム・ムンタギロフ
ロットバルト: ドミトリー・アクリーニン
王妃:ナタリア・スミルノワ
家庭教師: ディムチク・サイケーエフ
道化:アンドレイ・フェドルコフ
パ・ド・トロワ:ミハイロ・トカチュク、直塚美穂、リュドミラ・ミジノワ

小さい白鳥:ヴァレリア・アンドロポワ、ラリッサ・ファブリクノワ、橋本有紗、直塚美穂
大きい白鳥:リュドミラ・ミジノワ、マリア・ベリカイア
イタリア:アントン・マリツェフ、橋本有紗
ハンガリー:グリゴリー・イワノフ、エリザヴェータ・サヴィナ
ポーランド:イーナ・スヴェチニコヴァ、ゲルマン・シュナイダー
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コメント
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M様

 いろいろとアクシデントはあれど、私も無事に見てまいりました。しかし、ガラガラでしたね、客席が。おかげで冷房が効きすぎて、お腹が痛くて困りました。しかも帰りは人身事故で電車が止まってしまい、痛いお腹を抱えてとほほ…でした。

 それでも、やっぱり行ってよかった。正直に言って、踊りのレヴェルは?なところもあったけど、何と言うか、自分たちの白鳥を客席に向かってしっかりアピールできてる白鳥であった、と思います。その点は、すべてが申し分なく揃いながらも、どこか白々しい新国立よりもよかった、と思います。

 コレスニコヴァは確かに自己陶酔型ですねぇ。それに、悲劇に見舞われた清純な姫にはどうしても見えず、オデットのはずなのに、「欲望という名の電車」のブランチや、「卒業」のミセス・ロビンソンに見えてしまいましたよ。それって、ムンタギロフがいかにも清潔で純粋な王子だったからかもしれませんが…。

 ムンタギロフは確かに、かなりおとなしかったですね。主役はコレスニコヴァ一人だと思って、彼女を盛り立てる事に徹していたのか、それともバレエフェスから続く暑い日本の夏で疲れ果てていたのか…。いずれにしても、故障などありませんように。

 でも、やっぱり品の良い、そして人柄の良さそうな、好感度の高い王子様でした。ロシアのバレエ団で踊る彼の姿も初めて見たので、それもうれしかったです。


 ルダコさんは少しであっても、出演されていてよかったですね。日本人の直塚さんのアラベスクもきれいでした。あのガラガラの客席ではダンサーさんも気の毒でしたけど、その割りには良い舞台を見せてくれた、と思います。

 さぁ、今度はロパートキナとコルスンツェフの白鳥です。その後はペレンとレベデフ、そして東京バレエ団のブルメイステル版が続きます。ちょっと飽きてしまいそうだけど、見比べるのも楽しみです!

    MIYU
2015/09/06 02:16  | URL | MIYU #-[ 編集]
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MIYUさん、

無事、ご覧になれて良かったです。 確かに客入りは6割強といったところだったでしょうか? 私は1階中央通路より前だったので周りはほぼ埋まっていて寒い思いをする事はなかったのですが・・・。 もう良くなられましたか?

タッチキンといえば「白鳥の湖」というくらい「白鳥の湖」の公演回数は多いですから、自分達の白鳥というのはしっかりと持っていると思います。 作品への愛着のようなものが感じられましたよね。

コレスニコヴァはカンパニーの事情から白鳥を踊っている数は誰よりも多いかもしれないので自分のオデットが出来すぎている感じですね。 一人で頑張らざるを得なかった事がこういうかたちになってしまったのかは分かりませんが・・・。 次回は今回気に入ってしまった白鳥体型のリュドミラ・ミジノワが白鳥を踊ってくれたら、そっちを見たいなと!
ムンタギロフはロイヤルでの来日できっと来てくれますよね。 所属カンパニーで踊る姿がどう映るのか、今から楽しみです。 ただ、私の場合、ボネッリloveなので(笑)、とりあえずはボネッリが来てくれる事をひたすら願います♪

MIYUさんも次はロパートキナ&コルスンツェフの白鳥なんですね! 残念ですが、おそらく日本で見られる彼らの最後の白鳥になってしまうと思うので、体調を整え、諸事情うっぱらって臨みたいと思います!
2015/09/06 22:19  | URL | M #il9tusdg[ 編集]
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M様

 私が勝手に思っているだけですが、ひょっとして、小林ひかるさんは来日公演の「ジゼル」のミルタを踊り、引退するのでは…?もうちょっとがんばって、フェデリコとラ・バヤデールを踊ってくれるといいと思うのですが…。

 もし私の想像があたっていれば、フェデリコは這ってでも日本にやって来る!それに、愛娘のJunaちゃんを日本に連れてきますよ~。フェデリコにそっくりの美形です。トリスタン・ダイヤー Tristan Dyer がインスタグラムに最近のものらしい写真をあげてます。

 そして、高田茜さんがムンタ君かフェデリコとジゼルを踊るといいですね~。ロンドンで一緒に踊るティアゴさんは、妻のネラ(ヌニェス)ちゃんにあげてしまいましょう(ティアゴさん、失礼をお許しください)。

 実は私もかなりフェデリコ・ラブなんですよ~。彼は今のロイヤルで最高のダンスールノーブルだと思います。(そしてあと数年で引退するであろう彼の後を継ぐのがムンタギロフだと思います)

 皆さんに怪我がない事をひたすら祈りましょう。

     MIYU
2015/09/07 00:48  | URL | MIYU #-[ 編集]
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MIYUさんもフェデリコ・ラブですか!!
わ~~、なんかとっても嬉しいです。

ロイヤルが来日すれば見には行きますが、自分にとって特別なバレエ団というわけではないのでロンドンでの公演の様子をチェックしたりする事もなく、あまりアップデートな状況も知りませんし、好きなダンサーも少ないのですが、ボネッリだけはずっと好きなんです。 都さんのパートナーというのもありましたが、王子もロミオも似合う素晴らしいダンサーですよね! 
フェデリコとひかるさんは本当に仲の良い幸せなご夫妻という印象で、一度くらいは日本で2人の主演の舞台を見たいなと思っているのですが、お二人とももう引退という文字がちらつくベテランでもあるのですよね・・・。
好きなダンサーが、一人、また一人と現役を退いていくのは本当に淋しいですねー。 
20代のダンサーで誰か超お気に入りを見つけねば!(笑)
2015/09/07 22:32  | URL | M #il9tusdg[ 編集]
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