世界バレエフェスティバル ガラ(第1部~4部) 8月16日
2015/08/26(Wed)
なんと、バレエフェスのガラは今回初めて見に行きました。 いつもABだけだったのですよね。 今回はダニーラのAB出演が決まった時点でNBSに問い合わせたところガラも出演予定ですとの事だったので、大慌てでチケットを取りました。 本当に滑り込みセーフ状態でなんとか1階の超後方を押さえられた次第です。 舞台が遠いわ~~~。
でも、取れて良かったです! ロパートキナのタンゴしかり、この日の公演を見に行かなかったらやっぱりもんの凄く後悔したでしょうねぇぇぇ。


■第1部■ 

「ドリーブ組曲」
振付:ジョゼ・マルティネス/音楽:レオ・ドリーブ
リュドミラ・コノヴァロワ マチアス・エイマン


暗いブルーの照明に浮かび上がる2人のシルエットという幕開きがとっても好きなこの作品。 エイマンは13日より全然いい。 やはりあの日は不調だったのですね・・・。 特に足の動きがエレガントで美しく、跳躍やピルエットもいちいち綺麗です。 体重を感じさせないソフトなムーブメントもいいですねー。 逆向きになるマネージュや角度を変えていく回転もさりげなく流麗にこなしてました。
コノヴァロワにもうちょっと華やかさがあればさらに良かったと思いますが、技術のしっかりしたところを見せて安定したパフォーマンスでした。 この衣装だと彼女の厚みのある上半身もほとんど気にならなくてそれも良かった。


「三人姉妹」
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
サラ・ラム ワディム・ムンタギロフ
ピアノ:フレデリック・ヴァイセ=クニッテル


上演されたのは三人姉妹の次女マーシャとヴェルシーニンの「別れのパ・ド・ドゥ」です。 
ムンタギロフの将校姿がとても素敵ですが、帽子を脱ぐと若さが際立ち、サラとの見た目はどちらかというとアンナ・カレーニナっぽい気も。 踊りはもちろん良かったですが、まだ板についていない感じの演技がちょっとだけ惜しい!
サラ・ラムも薄いオレンジ色のハイウエストのミディドレスが華奢な体によく合って、その細く小柄な体を目いっぱい使ったダンスが情感たっぷりでとても良かったです。 演技も上手いですね。 最後にバタッと床に倒れ伏した彼女の心が死んでしまったような表情が印象的でした。


「雨」
振付:アナベル・ロペス・オチョア/音楽:ヨハン・セバスチャン・バッハ
ヤーナ・サレンコ ダニール・シムキン


いい加減な記憶ですが、サレンコのコンテって初めて見たような?? もともと身体コントロール能力の高いダンサーなのでコンテもとても良かったです。 小柄でも腰の位置が高くて足は長いしやはり日本人の体型とは違うんですよねーとしみじみ思ったのでやっぱりコンテは初めて見たのかな(笑)。
シムキンはジャンプや回転のスピードがとても速くてすべてに余裕。


「椿姫」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
マリア・アイシュヴァルト アレクサンドル・リアブコ
ピアノ:フレデリック・ヴァイセ=クニッテル


Bプロでも見たので、できれば違うものが~とも思いましたが、この日も素晴らしかったです。 ただリアブコのアルマンってどうしても狂気というか繊細すぎる神経の痛みみたいのを感じさせるんですよね。 アイシュバルトとの相性はとてもいいと思いますが、格の違うパートナーではマルグリットが大負けしちゃうかもしれない。 アイシュバルトは細やかな心情の表現が本当に上手いわ~~。

■第2部■ 

「ヌアージュ」
振付:イリ・キリアン /音楽:クロード・ドビュッシー
ディアナ・ヴィシニョワ マルセロ・ゴメス


ドビュッシーの優しい旋律に包まれながら、2人の叙情的な踊りを堪能。 ヴィシはしなやかで力強いけれどフェミニンな感じのするムーブメント。 ゴメスのサポートも万全で、2人のシンクロの動きもよく揃っていて綺麗でした。 


「カルメン組曲」
振付:アルベルト・アロンソ/音楽:ジョルジュ・ビゼー/ロディオン・シチェドリン
ヴィエングセイ・ヴァルデス ダニーラ・コルスンツェフ
  

ようやくダニーラの踊りが見られんました♪ 
深緑色のショート丈の軍服系な上着に黒タイツのダニーラ。 かっこいい、足が長~~い。 押しは弱いんだろうなー、このホセは・・・と思わせる誠実そうな優しい表情ですが、踊りは端正でとても良かった(当たり前ですねー)。 ヴァルデスの赤地レースのボディに胸元あたりから赤いフリンジがつきまくっている衣装が、うらびれた劇場のダンサーみたいで品がなかったのが残念。 演技と踊りからも私は男を惑わすようなカルメンらしい魅力を感じられなかったのですが、何より二人並んで踊るシーンで体全体、腕のラインの美しいダニーラとの調和性が皆無だったのが辛かった・・・。
やっぱり二人揃っての美しいダンスを堪能した跡に、嫉妬に狂ってロパートキナのカルメンを殺してしまうダニーラ@ホセを見たかったです。 


「ル・パルク」
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ /音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
イザベル・ゲラン マニュエル・ルグリ


たっぷりの黒髪に白のロングシャツ一枚で生足のゲランがなんとも艶かしい。 自分の身体をなでおろしていくあの仕草がおそろしく官能的なのだけれど、すごく自然で厭らしさがない。  宮廷貴族そのままの雰囲気のルグリ相手にゲランがじわじわと物語の世界をつくっていくようでその凄さに圧倒された感じです。 


「さすらう若者の歌」
振付:モーリス・ベジャール/音楽:グスタフ・マーラー
オスカー・シャコン フリーデマン・フォーゲル
 

プログラムの解説にある「運命にもてあそばれ、自らとの闘いや孤独ゆえに苦悩するロマンティックな若者の姿」という精神の葛藤みたいなものは残念ながら伝わって来なかったけれど、個人的には、自分はフォーゲルのここが好きと思える踊りをたっぷり見る事ができて、とても嬉しかったです。 体躯を生かしてダイナミックながら音楽に乗ってきちんとコントロールされているクラシックなライン。 ベジャール的には良くないのかもしれませんが、フォーゲルはこういうタイプの踊りが一番良いように思います。 
シャコン(こちらも踊りを堪能)の踊りとあまりに違っていて作品としてもいいのかな?とは思いましたが、長い上演時間もちっとも苦になりませんでした。

■第3部■  16:05~17:05

「ウロボロス」
振付:大石裕香 /音楽:ヤン・ティルセン、ヨハン・パウル・フォン・ヴェストホフ、アレックス・バラナウスキー
シルヴィア・アッツォーニ アレクサンドル・リアブコ
 

2体の人形が仮面や衣服を取り去る事によって、生と感情を与えられ、お互いを思い合う男女へと変っていくというような話なのかと思って見ていたのですが・・・。 ウロボロスとは自らの尾を噛んで環となったヘビ、もしくは竜を図案化したもので、無限なるもの、また、死と再生を象徴するものなのだそうです。
振付家の意図したものは私には掴めませんでしたが、二人の人形っぷり、その後の自由を得た踊り、どちらも見事でした。 それが死と再生という事にもなるのかしら??


「白鳥の湖」より "黒鳥のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ /音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
マリーヤ・アレクサンドロワ ウラディスラフ・ラントラートフ
  

マーシャの恐い表情が、演技を通り越して心底機嫌が悪いのかと思いたくなるような仏頂面に見えてしまってちょっと冷や冷やしてしまったのは私だけでしょうか?? アダージョのラントラートフの表情もどことなく不安げに見えて・・・。 
そんな風に感じてしまったものだから、あまり楽しめなかった黒鳥PDDでした。 マーシャもラントラートフも踊りの調子は良さそうでしたけど。


「ハムレット」
振付:ジョン・ノイマイヤー /音楽:マイケル・ティペット
アンナ・ラウデール エドウィン・レヴァツォフ
  

男に想いを寄せる純真な娘と、彼女を置いて旅立とうとする心根は優しいけれど少しおつむが足りない風(を装っているんですよね? ハムレットだから・・・)の青年の別れの一齣で、いったいどういう読み替えのハムレットなのかわかりませんが、二人とも踊りも演技も良かったです。 来年のカンパニーの来日公演にはきっと参加しますよね?


「シェエラザード」
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:ニコライ・リムスキー=コルサコフ
上野水香 イーゴリ・ゼレンスキー


ゼレの存在感がありすぎて、奴隷の方がゾベイダを囲っているようにも見えましたが、ゼレの金の奴隷をまた見られただけで満足です。 ゼレの年齢でこれだけのジャンプや綺麗な開脚はやっぱり凄いですね。


「ヴォヤージュ」
振付:レナート・ツァネラ /音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
ウラジーミル・マラーホフ


モーツァルトのピアノ協奏曲23番の2楽章って、あのメランコリックな美しい旋律が振付家を触発させる何かを秘めているのでしょうかね?  バレエフェスで3演目目(笑)。 しかも、マラーホフ自身はすべてをレパートリーとしているという・・・。
その時々での踊り手の過去や未来に対する思いも自然に重ねられているようで、とても好きな作品です。

■第4部■ 

「ジゼル」
振付:ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー /音楽:アドルフ・アダン
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー


お互いの切ない愛情の静かな感応が表現されたようなPDDでした。 バレエフェスで見た3演目ともにコジョカルがとても輝いていて、また素晴らしい表現者でもあったのですが、やはりコボーがこういうコジョカルを引き出すのでしょうか? ABともにほとんどサポートに徹していたコボーも綺麗な足捌きなど渾身の踊りでした。


「タンゴ」
振付:ニコライ・アンドロソフ /音楽:アストル・ピアソラ
ウリヤーナ・ロパートキナ


今、舞台上にいるのはロパートキナと分かっていても、黒シャツにスラックス、ジャケットを肩にひっかけ黒のハットを目深に被ったマニッシュでかっこいいその姿に、え~、嘘、ほんとう?! 本当にロパートキナ??と叫びたくなる(笑)。 キレのある動きにシャープなステップ、音楽性豊かなロパートキナならではのニュアンスのつけ方にしなやかな華奢な体のラインももちろん美しく、素晴らしい舞台でした♪


「椿姫」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
オレリー・デュポン/エルヴェ・モロー
ピアノ:フレデリック・ヴァイセ=クニッテル


昨年、来日時の全幕で見ているペアなので、ここまでの物語の流れも一気に蘇り、二人の美しさにひたすら酔いしれて見ていました。 オペラ座で一番好きだったオーレリを次回の来日公演で見る事は叶わないでしょうけれど、このようなガラ公演でまたオーレリとエルヴェのペアを見られる事を切に願います。 


「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
ヤーナ・サレンコ スティーヴン・マックレー


バレエフェスの大トリを飾るのはサレンコとマックレー。 文句なしの人選ですね♪ ABトリのドンキペアはそれぞれ赤いチュチュにダークカラーの衣装でしたが、サレンコとマックレーは結婚式に相応しいホワイトベースのキラキラの衣装で華やかながら上品。 
11日間3人のパートナー相手に毎日2演目を踊ってくれたサレンコには本当にお疲れ様&ありがとうです。 彼女を初めて見たのは2008年のマラーホフの贈り物のエスメとドンキで、バランスづくめのパフォーマンスにあまり良い印象を持たなかったのですが、持ち前のテクニックにキャリアと年齢を重ねて本当に素敵なダンサーになりましたよね。 マックレーのエレガンスに合わせて、しっとり品格のある踊りにトリプルなどさらっと混ぜた余裕のパフォーマンスでした。 
マックレーも凄技てんこ盛りなのですが、旋律に溶け込んで流れるようにパをつないでいくのが凄いですね。 コーダでみせた音にぴたりと合わせたシャープな開脚大ジャンプにも目を見張りました。 本当にこの人の踊りには心底惹きつけられます。 


Aプロ、Bプロ、ガラと、珠玉のパフォーマンスの数々を本当に心から楽しむ事ができました。 4時間、4時間半という長丁場が全く苦にならないという事自体、自分的には驚くべき事でした。 ここまで蒸し暑い夏もそうはないというような猛暑の東京で皆さん大変だったと思うのですが、ダンサーたちにとっても楽しく有意義な2週間となったならば私たち観客にとっても嬉しい事と思いつつ、心は第5部の初めて見るファニーガラへの期待で一杯に!(笑)
もしかしたら一番きつかったかもしれない指揮者のお二人、オケの皆さんにも感謝を!
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