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東京バレエ団「ラ・バヤデール」 6月12日
2015/06/15(Mon)
東京バレエ団のバヤデールは過去3回くらい見ているのに、1幕がニキヤが死んでしまうところまで続いているという事をすっかり忘れていた私。 キャスト表だって開演前に見ていて、パ・ダクシオンのダンサーだってちゃんとチェックしているのに、それが何幕かってのはスルーだったんですよね・・・。  自分はちゃんと最初から着席でしたが、間に合わなくて階段に座りながら見ていた人たちにはここまで1幕が長いと気の毒ですね・・・。 


コジョカルのニキヤは幸薄そうではあるけれど、清楚で可憐な乙女。 先に出て来たシクリャローフもいつまでたっても少年っぽさを持ち続けているけれど、彼より年上のコジョカルもいつまでも愛らしい小鹿のコジョカルのままだなぁ。 踊りはとても安定していて、回転などの軸もまっすぐで、シクリャローフのサポートもいらないくらいのぶれのなさ。 一つ一つの動きが丁寧で音楽にもよく合っていて磐石でした。 

シクリャローフの全幕はひょっとすると初めてかな? マリインカの公演では好みのバレリーナのお相手役として出ない限り見ることはないからなぁ。 この秋の公演ではヴィーカの愛の伝説で見る予定ですが・・・。 
雰囲気的に戦士ではないけれど、優柔不断というか流されっぱなしのダメ男ぶりはなかなか(笑)。 初日はちょっとと聞いていたコジョカルとのコンビもこの日はさほど問題なかったように思います。 サポートは、コジョカルがやはり彼には小さすぎるのかリフトなどではしゃがみすぎてラインが綺麗に見えなかったり、ポジションとるのに必死だったりというのもありましたが、以前ガラなどで見た時よりは上手くなっていて安定感も増していたと思います。 踊りは少し乱れたところもありましたが、幕が進むに連れて安定。 しなやかで柔らかい踊りは綺麗でした。 指先足先まで綺麗に伸びていましたし、エレガントな身のこなしでしたね。 背中のしなり具合もすごくって、頭が床につきそうなほどの体の柔らかさに正月のレベデフのアリを思い出しました。 
演技の方は、ガムザッティへの思いは最初からあまりないような、ともかく事が勝手に進んで行き、自分の中での気持ちも覚悟もまったく整理できていないという感じ。 婚約式ではガムザッティにいつわりの微笑を見せる余裕すらなく、ニキヤの踊りも直視する事はもちろんできずに一人下を向くばかり。 全体を通じてニキヤへの愛情も私にはそれほど伝わってこなくて、なんとなくすべてにおいて幼いソロルでしたかね? 見た目や醸し出す雰囲気が大いに関係しているんだろうけどなー。  

ガムザッティの奈良さんはラジャの娘としての高慢さや華やかさにもう少し強さがあるといいと思うのですが、少しおとなしかったかな。 クラシック演目ではチュチュでの正統派よりもキャラクテール的な踊りという印象が強いのですが、しっかりした踊りだったと思います。 ただポール・ド・ブラが好みではなく、シクリャローフと組んで踊るとその腕の動きの美しさの差がけっこう気になりました。
奈良さんが良かったのは、伝わらない思いがもどかしく悲しみと苦しみしかないような3幕の長いソロ。 ま、なんというか、婚約式の時からすでに幸せからは見放され、ニキヤとはまた違った薄幸感&絶望感が漂いまくっていましたが・・・。 ソロルの気持ちが自分に向いていない事をわかっていても、藩主の娘としての矜持をみせて凛としているガムザッティもいますが、奈良さんガムザッティはソロルの方を向き、無言で愛を求めるかのように訴え、あるいは責めるように見つめ続けてプレッシャーをかけまくる感じで、あれでは端から身の置き所のないソロルをさらに追い詰めてしまう。 男らしい強さをほとんど感じさせないシクリャローフだったので余計に そう見えてしまったのかもしれませんが。
話を元に戻しまして、3幕のソロはソロルの愛を得られないまま迎えた結婚の儀の空しさと悲しさに苦しみながら舞う姿が悲愴感に溢れていて、思わずニキヤよりもガムザッティに感情移入させられてしまうような見事な踊りでした。 

木村さんの大僧正はエロ坊主さが若干増したような・・・(笑)。 まぁ、ともかく一つ一つの演技がわかりやすいというかアクション大きめでしたね。 今回はラジャの屋敷から去る時にソロルの肖像画にがんを飛ばすのは意外と控えめでしたが(最初見た時は笑った笑った♪)、3幕の結婚式でガムザッティが差し出す手になかなか手を重ねられないでいるソロルに向かい、「えーい、さっさと腕を出せ、お前はこの女と結婚しなくてはならないんだよ!!!」とばかりに凄い形相でソロルの腕を掴んでガムザッティの手の上に叩きつけるようにしていたのがツボでした(笑)。   

幻影の場のコールド、マカロワ版は24人なんですね。 32人と違ってステージに隙間ができてしまうのがちょっと淋しい。 地上に降りてくる際のアラベスクはもうちょっと足を上げてキープしてくれるのが好きだなぁと思って見ていましたが、降り立ってからのダンサーたちの揃いっぷりは素晴らしく、高く足を上げた姿勢でグラグラとふらついているダンサーがいなかったのも見事でした。 ヴァリエーションの3人もみな良かったです。 昨秋のドンキで精彩を欠いていた渡辺さんは復調したようだし、川島さんは余裕すら感じさせる踊りでした。

ブロンズ像は最近の活躍が著しい梅澤さんでしたが、1幕から若干間延びがちでずっと遅めだった音楽がここに来て普通の速さに戻り、少しせわしない感じでした。 こここそもう少しゆっくりめにしても良かったのに。
あと、絶対に突っ込まずにいられないのがパ・ダクシオンの男性の罰ゲームとしか言いようのない衣装。 どうしてそこだけウルトラマンの世界なんだ???

さて、最後にあくまでも個人的な印象ですが・・・。
なんとなくコジョカル@ニキヤとシクリャローフ@ソロルという恋人同士が自分的にはしっくり来ていなかったのと、物語上のニキヤ、ソロル、ガムザッティのそれぞれのキャラ作りがうまくはまっていないような気がしていたところに、最後の女としてあまりに切なすぎるガムザッティの舞姿に、ニキヤよりも彼女に同情してしまい、かな~りすっきりしない複雑な気持ちでの幕となってしまった今回のバヤデールでした。





ニキヤ(神殿の舞姫):アリーナ・コジョカル
ソロル(戦士):ウラジーミル・シクリャローフ
ガムザッティ(ラジャの娘):奈良春夏
ハイ・ブラーミン(大僧正):木村和夫
ラジャ(国王):永田雄大
マグダヴェーヤ(苦行僧の長):岡崎隼也
アヤ(ガムザッティの召使):川淵瞳
ソロルの友人:森川茉央
ブロンズ像:梅澤紘貴

【第1幕】
侍女たちの踊り(ジャンベの踊り): 川島麻実子、三雲友里加

パ・ダクシオン:
村上美香、岸本夏未、沖香菜子、河合眞里
渡辺理恵、小川ふみ、伝田陽美、政本絵美
森川茉央、和田康佑

【第2幕】
影の王国(ヴァリエーション1):岸本夏未
影の王国(ヴァリエーション2):渡辺理恵
影の王国(ヴァリエーション3):川島麻実子

指揮: ベンジャミン・ポープ
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

この記事のURL | バレエ鑑賞記 2015年 | CM(2) | TB(0) | ▲ top
コメント
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ボクはねえ、シクリャローフのロミオが見たいかなって思ってるの。だけど、いまの今まで、シクリャーホフかと思ってた!世紀の大発見?
この週末はちょこっと出かけて、カナダ・ナショナルの眠りを見に行っちゃったんだよ。ヌレエフ版だからね、ちょっと違うかなと思ったけどパリのと同じだったみたい。
王子様を4人とも見られるのかなと思ったけど、4回見たら半分寝ちゃいそうだから、2回だけにしたんだもん。プリンシパルが一人を除いて、ことごとく降板だったしなあ。
2015/06/22 21:32  | URL | シロジャビ #-[ 編集] ▲ top
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シクリャーホフ? なんかマラーホフと合体しちゃった感じ?
ロミオはまんまなイメージなので合っているんじゃないかな? パートナーもソーモアでスウィートなロミジュリ?
私は月曜日なのでパスしちゃったんだけど。
だけどシロジャビ君、今度はCNBで眠りなんて相変わらずアクティブでハイソなウサギさん!!
お目当てはマッキー??
ルンキナも移籍して外からの注目度もアップしている感じですが、日本人ダンサーも多く活躍しているバレエ団ですよね。
来日公演してくれないかなぁぁぁ?
2015/06/23 08:26  | URL | M #il9tusdg[ 編集] ▲ top
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