東京バレエ団「ジゼル」 3月13日
2015/03/15(Sun)
「ジゼル」もザハロワもそれなりの回数は見ているけれど、ザハロワの「ジゼル」は見た記憶があまりなく、覚えているのは2004年1月のマールイの公演でルジと踊ったジゼル。 自分の鑑賞記録もチェックしてみたけれど、どうやらその後は見ていないようです。 という事は11年ぶり?!
あの舞台の事は持ち込んだボリショイの黄色と茶色の衣装くらいしか覚えていないような・・・。 カーテンコールの時にもらった花束からお花を一厘抜いてルジに渡していたザハロワに、「か~~~わいいー」(マールイのプリマたちには恐れ多くて絶対できない事だわ!)と思ったのもあの時だったっけ?(笑)

相変わらず折れそうに細いザハロワ。 純朴な村娘には見えないけれど、気位の高そうな姫っぽさはなく、儚げで慎ましやかなお嬢さんでした。 1幕の中盤あたりまでは連日公演のお疲れかと思われるような、なんとなく調子のいいときのザハロワの踊りではないなと感じるところがありましたが、腕の動きや体のラインは美しかったです。 狂乱のシーンはそれまでの控えめな娘のイメージを壊すものではなく、自分の心の中で沸き起こる感情と静かに向き合いながらも少しずつ気がふれていき、自分を呼ぶ遠くからの声に誘われるように、命の火を消してしまったような感じでした。 
2幕のザハロワは一幕よりいっそう儚げで透明感のあるウィリ。 ただ肉体はあちらにいってしまっても気持ちはしっかり残っていて、アルブレヒトへの純真は思いは変わっていない。 踊りは1幕におや?と思ったのが嘘のように素晴らしかったです。 復活の回転は速度が早くフォルムも綺麗。 アルブレヒトとのパ・ド・ドゥでのデヴェロッペも見事だった。 ボッレのサポート力もあって浮遊感に溢れた空中での舞い姿も美しかったです。 
ひとつだけ残念だったのは、ジゼルがアルブレヒトに騙されたことを知りバチルドにもらったネックレスを投げ捨て(このシーンも以前のザハロワだったら叩きつけるように投げ捨てていたような気がするけれど、わりとおとなしく捨てていてすごく好感持ちました)下手手前に倒れこむ前に、自分で髪飾りを外していたのがわかってしまったところ。 ここはほとんどの人がジゼルを見ていると思うので、段取りというような事が見ている側にわからないように倒れこんでからベルタが外すというようにした方が良かったなと。 ザハロワの演技がここまでとても良かったので些細な事なのですがとても残念に思えました。

ボッレを最後に見たのがいつだったか覚えていないけれど、上半身・下半身ともに年齢相応の肉がついたのか、かなり逞しいですね。 遊びなれたプレイボーイという雰囲気ではないけれど、 ジゼルに対する余裕が高い身分の者目線というように感じられ、1幕の始めの方はジゼルが好きで好きでというほどには見えませんでした。 十分楽しそうでしたけどね。 
ジゼルの墓にやってきたアルブレヒトはユリの花を墓に手向けると泣き崩れてしまう。 1幕の愛情表現よりもこんなシーンにラテン男の憚る事ないストレートな感情表現を感じたりして・・・。 ただその涙は愛する人を失った悲しみのためなのか、自分のしてしまった取り返しのつかないことへの懺悔の涙なのか・・・。
ボッレのサポートは本当に磐石ですね。 そして彼自身の踊りもゲストとしてふさわしいレベルで、特に長く続いたアントルシャ・シスは大柄な体の重さを感じさせない見事なものでした。
ラストシーン、夜明けとともに墓に消えて行ったジゼルを追いかけるように墓の十字架にすがるアルブレヒトがジゼルが残していった一輪のユリに気づき、それを拾い上げ立ち上がり朝日にかざし、天を仰ぐようにして笑みを見せる。
私には微笑んだように見えてその微笑がちょっと釈然としなかったのですが、ジゼルを見たのは夢ではなくて、彼女が本当にここに存在していて魂を通わせあえたのだという幸せな気持ちからくる笑みだったのでしょうか?  カーテンコールでもいつまでもジゼルから抜けられないザハロワとは対照的に最初から明るい笑顔を見せてましたね。

ヒラリオンは森川さん。 森川さんを役付きで見たのは初めてかもしれません。  目の辺りの雰囲気が中村獅童に似てませんか? ボッレと対峙してもほとんど引けをとらない長身ダンサーで、ちょっと強引で血の気が多い無骨者タイプの森番でした。 踊りもちょいと荒っぽいですが、一生懸命でしたね。 ミルタたちに強いられた最後の踊りで迫真の演技の末、ほぼ体水平なまま床にどんと落ちてましたが大丈夫だったんだろうか? 

けっこう嬉しいびっくりだったのがパ・ド・ユイットの男性4人。 私が見た東バジゼル史上一番踊りが綺麗に揃っていたように思います。 その昔は相手とシンクロするなんていう意識など全くないように踊っていたダンサーもいましたが、今日は気持ちもカトル&ユイットな感じで見ていて気持ちが良かったです。 梅澤君が一番安定していたかなぁ。 
女性4人も皆良かったです。 乾さんの踊りはやはりいいなと思うし、音の取り方的に好みだったのは河合さんですが、踊り的にはもう少し安定するといいかなと。

ミルタの奈良さんは、陽の方だと思うので雰囲気的に冷たいミルタにはなりきれない感じなのですが、モーションには恐さがありました。 特にヒラリオンにさぁ~踊り続けなさいと促している様子は恐かった。 パ・ド・ブレが速くて綺麗でした。 個人的にはミルタ以上に良い印象が強かったのがドゥ・ウィリの乾さんと吉川さん、2人ともヴァリがとても良かったし、静かななかにもとても存在感のあるドゥ・ウィリで、ジゼル登場までのウィリたちのシーンを完成度の高いものにしていたように思います。



ジゼル: スヴェトラーナ・ザハロワ
アルブレヒト:ロベルト・ボッレ
ヒラリオン:森川茉央
ミルタ:奈良春夏
ドゥ・ウィリ:乾友子、吉川留衣

バチルド姫:吉岡美佳
公爵:木村和夫
ウィルフリード:岸本秀雄
ジゼルの母:坂井直子
ペザントの踊り(パ・ド・ユイット):
乾友子-原田祥博、吉川留衣-松野乃知、
川島麻実子-梅澤紘貴、河谷まりあ-入戸野伊織
ジゼルの友人(パ・ド・シス):
小川ふみ、加茂雅子、伝田陽美、二瓶加奈子、政本絵美、三雲友里加

指揮:ワレリー・オブジャニコフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
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