ミハイロフスキー劇場バレエ「海賊」 1月9日
2015/02/08(Sun)
8日の「海賊」は馴染みのマールイダンサーたちの踊りや演技は良かったものの、物語りとしての舞台の吸引力が弱く、あれが足りないここが不満・・・な思いを打ち消す事ができなかったために「マールイの海賊」としては物足りなさが残りました。 
が、二日目の舞台は・・・、何だろう? この違い。 この日だけのダンサーは最初からトップギア、連投のダンサーはそれぞれ3割4割増しな勢い。 コール・ドから主役まで舞台に乗っているすべてのダンサーが一丸となって生き生きと、役を楽しみながら物語りに生命を吹き込んだような、まさにマールイのバレエというエネルギー溢れる舞台でした。 

<第1幕>
ルジとツァルとレベデフ、前日同様アリのレベデフが一人涼しげだけれど、この組み合わせも良いですね~~。 しかし、レベデフはスレンダーだなぁ。 

ギュリナーラのミリツェワ。 出てきた瞬間に舞台がぱぁっと明るくなる華は変わらず。 しなやかだけれど歯切れの良い踊りも変わらず。 
メドーラのペレン。 舞台の奥真ん中まで進み、中央の空いたスペースからにこやかに登場。 なるほど、こうすれば衣装が他の女の子たちと一緒でも主役登場というのがわかりやすい(笑)。 出だしのソロのラインはもちろん綺麗だけれど、ほ~んのわずか、以前よりもくっきりさがなくなったような気がしました。
えー、で、この日はコンラッド@ルジとメドーラ@ペレンが出会った瞬間からなかなかに濃い芝居をしておりまして、これがじわじわと周りを炊きつけ伝染し?前日程度で充分よ!な人たちのテンションまで上げちゃった感じでしたかね?

海賊ダンスはこの日もかっこよし。 

そして奴隷市場も連日大盛況。 前日と同じポジションにシヴァ確認。 モロゾフとじっくり品定めしながら賢い商人ぶりを装っていたけれど、なかなか決められない様子(笑)。
パレスチナの踊りはこの日は完璧に諦めました。 すみません。 アルジェのクズネツォフはこの日も素晴らしかった。

ランケデムのストルコフは2011年にワガノワを卒業してマールイに入団した4年目のダンサーで今はセカンドソリストです。 ボリショイのスミルノワと同級生で2011年にロンドンで行われたガリーナ・ウラノワを偲んだガラに彼女とペアを組んで出演しているようです。
わりと長身でミリツェワちゃんとの並びもよく、オマールの切れのある踊りとは違って端正でゆったりと大きく。 奴隷商人的にはまだあくどさが足りず駆け出しという感じですかね(笑)。 ミリツェワちゃんも調子がいいようで軽快にな踊り。 ソボレワどうようコーダでは状況を受け入れたようでだんだんと目が輝き妖艶な美しさが増してきましたねぇ。 

連れてこられたメドーラの美しさに驚いてくらくらするパシャ。 マラさんのパシャが可愛すぎる・・・。 
メドーラは手当たり次第?(笑)に周囲に自分の身の上を嘆き逃げ惑う。 ペレンの思い切りのいいジュテが気持ちいい。 悲嘆にくれながらもコンラッドたちが助けに来た気配にきづき顔をほころばせるメドーラ。

海賊たちの洞窟での鉄砲ダンス。 ツァルがやはりめちゃくちゃかっこいいです。 大きなモーションでもスピードがあってワイルドでともかくかっこいい。 ペトゥホフとアルジャエフは変らずですが、今日はアンナさんがフォルバンの娘に入って熱い踊り。 彼女も今のマールイのバレリーナの中では年上の方ですが、衰えをみせる事なくいろいろな役をこなして素晴らしいです。 なんたって踊っている時の表情がいいですよね。

この日の白眉の一つがパ・ド・トロワ。 
ルジは前日よりも動きが良くて気持ちも乗っている感じです。 相手が何度もペアを組んでいるペレンなのでやりやすいというのもあるとは思いますが、基本的にこの方は同じ演目の場合、2日目にはかなりパワーアップしますよね。 しかし、いくらボルチェンコよりは小さいとはいえ、まさか最後にペレンをリフトするとは思いませんでした・・・。 脱げる引き締まった体の筋力は凄いものなのですね・・・。 
ペレンでずっと気になっていたのが体力なのですが、前半にダブルを入れた32回転の最後が少しきつそうでした。 その後の黒鳥での32回転もだいたい同じ感じでしたかね? それ以外はキラキラオーラ炸裂、ラインも美しくて良かったです。
で、なんと言ってもブラボーだったのがレベデフのヴァリでした。 体の動きがともかくしなやかでどこにも余計な力が入っていないように滑らかで美しい。 体のコントロールも見事なくらい思うまま。 中でもとりわけ素晴らしいのが跳躍のあのふわっとした感じ。 頭上から何かで吊られてでもいるようにふわっと舞い上がるんですよね。 着地も柔らかで見ていて恐さがない。 そして音感もよく、どんな速度の音楽でも音からずれない。  ヴァリのフィニッシュで状態を反らせたときの背中の柔らかさは驚愕的なほど。 多分、今の彼の踊りを一番堪能できるのがアリやバジルのヴァリなんでしょうね。 本当に魅力的でした。 お願い! ずっとマールイにいてね!!!

さてさて、この日のペレンとルジは今までで一番ラブラブ度が高かったのではないですかね? トロワが終わって海辺に向かいながらか~なりみつめ合って立ち止まっちゃったりしてましたからね~。 ちょっとびっくりよ・・・。
娘たちの扱いや盗んで来た財宝をめぐってのトラブルも前日以上にヒートアップ。 ビルバンド@ツァルだってコンラッドがいなければ立派に盗賊たちを率いていけそうな強さと血の気の多さを持っていますからね、なかなかに見応えのある内部抗争でした。 コンラッドもビルバンドを睨みつけ容赦はしないぞと拳を握りしめ、テントに入っていく最後の最後まで凄い気合の入りようでした。

後ろ手に縛られたランケデムがやってきて海賊達と策を講じる一連のシーンは前日のオマールの芝居があまりに板につきすぎていたので、ストルコフはちょっと弱かったですが、その分周りが頑張ってました。  やっぱり緊張してたのかなー? その後お酒に眠り薬を入れる時にグラスを持ってくるの忘れちゃったようで・・・。

メドーラとコンラッドの洞窟のPDDも、お二人さん幸せそうで良かったです(笑)。 メドーラがコンラッドにお酒をつごうと思ったらグラスがない・・・。 ペレンは動じる事無くにっこりと微笑みながらデカンタを渡し、ルジもご機嫌で豪快に飲み干してました。 けっこう笑えた。


<第2幕>
パシャの船のデッキ。 ミリツェワちゃん、すっかりここの女主人風です。 マラさん、ミリツェワちゃんとのPDDの時にこの日は一厘の花を持っていましたが、これがまたすっごい気遣いだったのですよね。 
オダリスクは三人三様良かったけれど、清楚なしっとり感のあるコシェレワの踊りがやはり好きです。
が、オダリスクの踊りが始まると同時に始まった下手の小宴会がもの凄い盛り上がりを見せてしまって、前日以上にオダリスクの踊りを落ち着いて見ていられない。 コシェレワのヴァリになった時にはもう「あなたたち、お願いだから止めて!!」と叫びたいくらいでしたが(笑)。 始めのうちはこのフルーツ美味しい!とにこにこ顔でオレンジやいちごを食べていたギュリナーラが、あなたはお酒を飲んで!とパシャに凄い勢いでお酒をすすめ、最後はパシャに乗りかかるようにして酒瓶から直接飲ませてましたから・・・。 ミリツェワちゃん、凄すぎる(爆) 
でもパシャも相当お酒が強いらしく、ランケデムがメドーラを連れて戻ってくるとしゃきっと立ち上がってふらふらしている様子もなかったです。 ご機嫌なパシャは何度も口をつけたいちごをランケデムに食べるよう強要。 えっ!?と一瞬真顔で躊躇したストルコフが可愛かったです。 

花園は素晴らしく、この日のもう一つの白眉でした。 ペレンとミリツェワの輝くばかりの美しさと周りじゅうを幸せにするような明るい華やぎ。 ペレンの堂々として優美な踊りにミリツェワの柔らかく音楽性のある踊りと本当に2人のプリマっぷりが素晴らしかったです。 コール・ドもにこやかに楽しそうで、スウィートなピンクのチュチュがふわふわ揺れるのがそよ風に揺れている花のようでなんとも幸せな気分になりました。

ここから先の不満な部分は変らずですが、前日と違うのはここまでノリノリで絶好調できた舞台だったのに尻すぼみであまりにももったいなさすぎ~~!!という気持ちが強かったことかな。 そして船も無事に出て良かったですけどね。
この日、今でも思い出されるシーンがあるのですが、最後にまた紗幕が降りて、ルジとレベデフの2人がこちらに背を向けたまま踊るシーンがありましたよね。 船出の前でしたっけ? あの時の2人の動きがあまりにぴったりと合っていて作り出すラインもぴったりで、すっごくハッとした記憶があるのです。


カーテンコールは久々物凄い熱狂に包まれました。 何よりルジマトフがとっても満足そうだったのが印象的です。 ペレンに向ける眼差しもとても優しく、自分のパートナーとして心から称えているようでしたしね。 ペレン、ルジ、レベデフと何度も笑顔で出てきてくれて、最後にレベデフがあの極上ふわっとジャンプで登場して回転を披露。 その後にペレンとルジが出てきて、ペレンが斜め後ろに下がってスペースをつくったところにルジがピルエットで会場は最高潮に。  
ここまで出演者と観客が心を一つに、この上なく幸せな気持ちで終われる舞台もそうあるものではないですね。 
本当に素晴らしい舞台をありがとう!!
で、カーテンコールついでなのですが、光藍社さんからメドーラ・コンラッド・アリに花束が渡されてもギュリナーラにはないのです。 そこでマラさんがギュリナーラとのPDDの時に持っていた一厘の花をミリツェワちゃんに捧げていました。 マラさん、なんて優しいの!! きっと前日の舞台でソボレワに花束がなかった事を気にしていたのでしょうね。
さらについでと言っちゃなんですが、こちらのロシアのTVニュースの映像の一番最後でカーテンコールが終わった舞台側が見られます。 ルジもペレンもミリツェワちゃんも素敵な笑顔です。





メドーラ:イリーナ・ペレン
コンラッド(海賊の首領):ファルフ・ルジマトフ
アリ(海賊):ヴィクトル・レベデフ
ギュリナーラ:タチアナ・ミリツェワ
ランケデム(奴隷商人):セルゲイ・ストルコフ
ビルバント(海賊):ウラジーミル・ツァル
セイード・パシャ(トルコの総督):アレクセイ・マラーホフ
3人の娘:クリスティーナ・マフヴィラーゼ、マリアム・ウグレケリーゼ、アンナ・ノヴォショーロワ
ビルバントの仲間:ロマン・ペトゥホフ、ニコライ・アルジャエフ
アルジェリアの踊り:アレクセイ・クズネツォフ
オダリスク:イリーナ・コシェレワ、ワレーリア・ザパスニコワ、アンナ・ナウメンコ
この記事のURL | バレエ鑑賞記 2015年 | CM(2) | TB(0) | ▲ top
<<2月5日 プラハ・フィルハーモニア管弦楽団コンサート | メイン | ミハイロフスキー劇場 3月~7月公演スケジュール>>
コメント
-  -
いっや~素敵な舞台だったんですね!!状況が目に浮かびます。大好きなミリツェワとペレンが並んで、ツァルとマラーホフさんって、眼福すぎる。あああペレンの美脚で勢いある空気に突き刺すようなジュッテ!(脳内妄想炸裂破裂・・・)
オダリスクはコシェレワ、横で小芝居やめて、ってわかる。(笑)両方見たい。堪能したい。
それにしても、ミリツェワちゃんは小芝居系じゃなかったのに嬉しいですね。一緒になって果物食べて酔っ払う演技なんて♪カーテンコールのエピソードもほほえましくって、にやにやしながら読んじゃいました♪そして、レベデフは3年前に比べ、順調にすくすくと成長してくれたようですね。見たかったなぁ~DVD化希望だな!でもでも、やっぱり新版の海賊って短すぎますよねぇ。
2015/02/10 10:02  | URL | うみーしゃ #-[ 編集] ▲ top
-  -
うみーしゃさん、毎回コメントをありがとうございます♪ ちょっとでも舞台の様子が伝われば嬉しいです。
ペレン、コシェレワ、ミリツェワ、マラさん、ツァル、シヴァ・・・などなど、バレエ団にこれだけ大好きなダンサーたちがいて、彼らの活躍がこんなにも嬉しいバレエ団はやはり世界中にたった一つ、マールイしかないですよね!!
レベデフは本当に順調にダンサーとして成長しているようですよ。 なんといってもあの素直な踊りが今は非常に魅力的です。 細く長い手足で作り出すラインも本当に美しいですしね。 今度は彼のバジルやコーラスを見てみたいです♪
そして、そばにサラファーノフという願ってもない生きたお手本がいるのだから、彼から貪欲にいろいろな事を吸収して欲しいです。 マラさんのさり気ない気遣い、素敵ですよね。 すっごくタイミングよく、さっと胸(確か)からお花を取り出してミリツェワちゃんに渡したんです。 
2015/02/10 23:46  | URL | M #il9tusdg[ 編集] ▲ top
コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top

トラックバック
トラックバックURL
→http://amlmlmym.blog15.fc2.com/tb.php/2974-e9139b36

| メイン |