ミハイロフスキー劇場バレエ「ジゼル」 1月7日
2015/01/28(Wed)
レベデフはほとんど素のままのようなくったくのないアルベルトで、ともかく何不自由なく育った素直な好青年は、ジゼルへの気持ちも男女の恋愛という意識がちゃんとあるのだろうか?と疑いたくなるほどの無防備で天使のようなニコニコ笑顔。
彼の踊りは本当にソフトで柔らかいですねぇ。 そしてすぅっと伸びる長い腕や足先のラインがとても綺麗。 2幕のミルタに踊らされるシーンでは前日のサラファーノフ同様、重力を感じさせない素晴らしいアントルシャ・シスを見せてくれました。 でも余力を残して止めちゃったのはミルタからは許されなかったはず!(笑)。
演技は型どおりなものにやんちゃテイストを加えた感じでした、が、もしかしてジゼルのお墓に懺悔に現れたとき、沈痛通り越して泣いてました?! ぼんぼん若様だからそれもありか・・・だけど、けっこうびっくりな表現でした。 そういえば、昔シヴァコフがインタビューで、今のレベデフくらいの年にアルベルトを踊った時には大切な人・ものを失う本当の悲しみがわかっていなかったというような事を言っていましたが、まだ若いレベデフには難しい役ですよね。 年齢を重ねるとともにこれからどんなアルベルトを演じていくのか、楽しみです。 そういう一人のダンサーの表現の変化を見られるのも、かつてのように、毎年の来日があればこそなので、是非是非また来年も再来年もずっと来て下さいましね、皆さん! 

ソボレワは細い。 身長も高いのでよけいそのか細さが強調され、お顔だちもどことなく幸薄そうでまさにジゼルです。 アルベルトに対しても始めのうちはなんとなく気後れしているように遠慮がちなのだけれど、得意の踊りを披露したあたりからアルベルトに向ける視線にも恋心が見えるようになりました。 演技はややだんどりっぽくはありましたが、アルベルトが自分を騙していた事にショックを受け取り乱しながらバチルダにぶつかりその反動で踏みつけた剣を拾い上げ・・というような流れはとても自然で上手かったと思います。 ただ、自分の演技に一生懸命になるあまり、レベデフとの連携はあまりよくなかったというか(レベデフ@アルベルトもかなり取り乱していたので、それぞれが別々に大騒ぎしていたようにも見えてしまいましたが)、最後にアルベルトが駆け寄る前に事切れてしまったのは、そういう打ち合わせだったのか成り行きだったのかわからず。 
2幕はまさにこの世のものでない感じで、精霊というか幽霊というか・・・。 復活の回転は軸ぶれがなくスピードもあって素晴らしかったですが、その後のヴァリがかなり雑で勢いがありすぎ。 ソボレワは肘から指先までが異常に長いので速い動きだと残像も手伝ってややうるさい感じにもみえるのですよね。 脚であれ腕であれ、長すぎるものを速く美しく動かすというのは大変なんですね。  その後はウィリらしい雰囲気と重さを感じさせない踊りが良かったと思います。 

オマールはそれほど押しが強くはない純情路線のハンスでした。 ジゼルに意中の人がいると知ってちょっとショックうけちゃうような・・・。  ソボレワとレベデフのジゼルとアルベルトにはこのアプローチで良かったんじゃないかと思います。 ただ、なんであんなに胸をはだけるんだか・・・。 やさぐれたハンスじゃないんだからもう一つボタンは留めて欲しかったです。  
2幕の踊りはキレもあって良かったです。 なりふりかまわないミルタへの命乞いも真に迫ってました。 しかし、ミルタの足首を掴むハンスは初めてみたような・・・(それに対するコシェレワの不快感顕わな表情がまたツボ!)。

ペザントの2人。 ヤフニュークはこの日の方が踊りはさらに磐石さを増し、マールイにいてくれてやっぱり嬉しいと思える魅力的なダンサーであると改めて思いました。 なんたってハンサムだしね~~♪ イグナツェワは衝撃のデビュー(笑)の昨日ほどのインパクトはないですが可憐で上手なダンサーですね。      なんだけど・・、踊り的には文句はないし、普通に満足なペザントなんだけど・・・、ヤフニュークだとどうしても思い出されるドラマティックな素晴らしいペザントがあるので、脳内で無意識に比較してしまうのですよね・・・二日とも。 言わないお約束になりつつある事も充分承知ながら、サビーナとのめっちゃくちゃhappyでぱぁ~~っとそこら中に花が咲いたようなPDDの記憶が強烈すぎて本当に困ったものです。 あぁいう舞台に巡り合えたのは幸なんだか不幸なんだかわかりませんが、舞台が人に与えるものの大きさをしみじみと感じます。 

公爵様とベルタはこの日の方がなにやら親密でわけありな感じでしたが、ちょっと地味で素朴なソボレワがジゼルだとそのへんの説得力は弱いかな? 
バチルダはダブルキャスト。 マトヴェーエワのバチルダが見られるとは思っていなかったので嬉しいびっくりです! 上品で優美で美しい(って意味がだぶってますが、それくらい素敵だった)!! アルベルトが村娘にちょっかいを出した事など大して気にする様子ではなく、気がふれてしまったジゼルを本気で心配している優しいバチルダでした。  

コシェレワのミルタは怖さが2割増しくらいかな? たおやかだけれど潔いかんじのする踊りもとても良かったです。 
ウィリたちも前日よりは揃っていたと思います。 

ジゼルとアルベルトの別れのシーン、この日はアルベルトがジゼルを抱き上げるシーンはありませんでしたが、後ろからしっかりとアルベルトを抱きしめるジゼルの姿がいじらしく印象的でした。 アルブレヒトはジゼルが残していったユリの花を集め、ジゼルのお墓に手向けながら崩れ落ちる。 二人の別れはあっけなかったですが、そのあっけなさがよけいに悲しみをそそったような気がします。


それにしてもこの日は入りが6割強程度で空席が目立ちました。 正月休み明けなので仕方がないですが、若いダンサーが主演ならではの良い舞台だっただけに残念です。 観客の多くがスタオベを送る姿にこぼれんばかりの笑みで嬉しそうにしていたレベデフに、今度はこちらが救われた感じでしたが、3年ぶりに来てくれたダンサーたちが気を悪くしないでくれればいいなぁと・・・。 
で、カーテンコールのレベデフは、オケにも満面の笑顔で感謝の意を伝えていましたが、オケにあんな熱い投げキスするダンサーは初めて見たぞ・・・。 また、ソボレワ置き去りで自分だけ上手側に行ってレベランスしちゃうし、かなりご機嫌に舞い上がっている感じでした。 ま、若いし可愛いし上手いから許しちゃうけど、パートナーに対する気遣いはどんな時もお忘れなくね~~~。 

 




ジゼル: アナスタシア・ソボレワ
アルベルト: ヴィクトル・レベデフ
ミルタ: イリーナ・コシェレワ
森番ハンス: アレクサンドル・オマール
ぺザント・パ・ド・ドゥ: ヴェロニカ・イグナツェワ、アンドレイ・ヤフニューク
ベルタ(ジゼルの母): アンナ・ノヴォショーロワ
バチルド(アルベルトの婚約者): アーラ・マトヴェーエワ
公爵: アレクセイ・マラーホフ
アルベルトの従者: ロマン・ペトゥホフ
ドゥ・ウィリ: タチアナ・ミリツェワ、ワレーリア・ザパスニコワ

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コメント
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M様

 もちろん、新国立のバヤは行きますよ~!でも、英国でのムンタギロフの人気は異常です。向こうの掲示板では、彼と高田茜さんが踊ることに非難が集中しています。まだファーストソロイストになったばかりで主役経験の浅い高田さんが何だか可哀想なぐらい。

 やっぱり美しく優秀なロシアの男性に釣り合うのは、厳しい競争を勝ち抜いた美しいうロシア人の女性なんですかね?でも、高田さんだって、これからなんですから!英国人って、批判が好きなんですね、きっと。でも、見方を変えれば、そういう厳しい中で鍛えられる日本人は幸せかも、高田さんに限らず。

 しかし、ムンタギロフが素晴らしい女性ダンサーと踊るべく、ミハイロフスキーに移籍したら、素晴らしいんじゃないでしょうかね?186cmあるので、ペレンと踊っても大丈夫!ヴォロンツォーワと可愛い役を踊ってもよさそう。ポリーナとも釣り合いがとれてよいんじゃないでしょうか。ああ、麗しいわぁ。見たいわぁ。

 若さが表に出てしまい、はしゃいでしまうレベデフ君も、外国で遠慮しながら修行したムンタ君の影響を受けて、素晴らしいダンスールノーブルとしてのマナーを身につけるかも。彼にはよきライバルが必要では?(別にムンタ君でなくともよいと思いますが…。)

 何より、レベデフに加えて若くて優秀なイケメンダンサーが増えれば、観客も喜ぶのでは?私なんて、毎年、全演目を見に行っちゃいますよ~。客席が満員御礼になれば、光藍社さんも、ホッと一息?

 …というのは、まったくもって私の願望、いや、妄想ですが…。むしろ、反対に、レベデフ君を他にとられないようにまもらなくちゃいけませんね。でも、「海賊」での、あの無邪気で楽しそうな様子を見ると、その心配もなさそうですが…。

   MIYU
2015/01/29 16:52  | URL | MIYU #-[ 編集]
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MIYUさん、やはり新国立のバヤには行かれるんですね~。 ムンタギロフのソロル、素敵でしょうね~~。 そして小野さんとどんなパートナーシップを見せてくれるかというのも気になるところです。

私はほとんどロイヤル関係の情報はチェックしないので全くわからないのですが、そんなにムンタギロフは英国で人気があるのですか? 高田さんと踊ることの何に不満で文句たらたらなのかは分かりませんが、個人が傷つくような言動は謹んで欲しいです。 クリメントヴァとの素晴らしいパートナーシップが忘れられないファンが多いのかもしれませんが、パートナーが変る事によって彼自身、新しい面を見せていくことができるのですから、プラス思考でいきたいものです。 

確かに今のレベデフには同世代のライバルみたいなダンサーは劇場の中にはいないかもしれないですね。 でも、劇場の外にはたくさんいそうなので(笑)、いろいろと競争心を掻き立てられているかもしれませんよ♪
それに劇場にはサラファーノフがいますので、彼を良きお手本として、盗めるものは遠慮せずにすべて盗み取って欲しいと思います。 やはりサラファーノフの後にレベデフを見ると、まだまだ全然違うよなぁと思ってしまうので、もっともっと貪欲に頑張って欲しいです。 最近のバレエ団はあちこちで出入りが激しいので誰がいつどこに行ってしまうか分かりませんが、生え抜きのレベデフにはずっとずっとマールイにいて貰って、マールイのダンサーとして世界各国に客演するようなスターになってくれたらなぁと思っています。
2015/01/29 23:03  | URL | M #il9tusdg[ 編集]
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