ミハイロフスキー劇場バレエ「ジゼル」 1月6日
2015/01/25(Sun)
当初はアンジェリーナ・ヴォロンツォーワとサラファーノフ主演で、見たい気持ちはあったものの、正月休みあけで仕事が片付けられるか自信もなかったし、一応夫持ちだし(笑)、その後は平日3連荘だったのでチケットを取っていなかった公演。 ペレンに変更という事で、ならば!と買い足した公演でした。 それでもけっこう迷ったのですよね~。 彼女のジゼルって絶対何かがあるからな(苦笑)。

舞台装置&衣装は旧版のもの。 ピーテルで28日からジゼルの公演があるので日本からの船便での戻しは間に合わないし。 個人的には新版の衣装はジゼルや他の村娘たちのスカートの色や重そうな質感が好みでないので、こちらの方で良かったです。 でも過去2回新版の衣装だったペレンはまたあの衣装なのだろうか?と気になった彼女の衣装は、白基調でウエストだけブルーのよくある普通のジゼル衣装だったのですが、わりと豊かな胸の胸元開きすぎで見えちゃうんじゃないかと冷や冷や・・・。 急遽当番で自分の衣装が間に合わなくてヴォロンツォーワの衣装?とも思いましたが、2幕は完全に彼女の衣装だし、やはり1幕の衣装も本人のですよね。 あぁいうのって本人や周りはあまり気にならないものなんですかね? 病弱の村娘ジゼルであの色香のある健康体はないよなぁ。
という事で1幕はあまり物語りに入り込めませんでした。 主役オーラは半端じゃないし踊りは安定していて上手いし、ポーズは綺麗だし、感情表現もすごく自然になってサラファーノフとのやり取りも良かったのでちょっと残念だったなぁ。 
とはいいつつ、すっごく心に残っているところもあって、ジゼルがバチルドのドレスの美しさにみとれてついつい手を触れ、今まで触れたことのないような生地の感触と美しさにうっとりしているシーン、美しく柔らかな表情は清らかな少女のようでとっても印象的でした。 また狂乱のシーンも内から壊れていきあちらの世界へ足を踏み入れようとしているのが感じられて良かったですが、西洋人形がバラバラになりそうなオカルト的恐さもあったのは彼女の華やかに美しい顔立ちの成せる仕業なのか・・・。 
2幕のジゼルはまだあちらの世界には行ききってなく、アルベルトへの想いとともに温もりも残していそうなジゼル。 ミルタたちに殺されそうになるアルベルトを守るため必死になるあまりの悲愴な表情とアルベルトに向ける慈愛の表情も良かったな。 彼の命を守り愛しぬく事でようやく心を無にして旅立っていけるという物語が感じられました。
踊りは2幕もとても安定して丁寧で美しく良かったです。 リフトされている時の体のラインや腕の動きも綺麗でした。 

1幕のサラファーノフのアルベルトはいいところのお坊ちゃま風。 どうにもあの短髪のせいでいつまでたってもイメージ的に坊ちゃんなんだよな・・・。 踊りは綺麗だしちょっとした動作にも品があります。 ともかく美人のジゼルに夢中で思いっきりときめいちゃっているアルベルトでしたね。  ただジゼルに夢中ではあっても正体がばれジゼルに突き詰められると顔を曇らせながらも無理に繕うとはせずジゼルを押しやってしまう。  こういうアルベルトは初めて見たかな? 騒ぎになってからは自分はどうしたらよいか分からずただおろおろするばかりで、去ってゆくバチルダたちを小走りに追いかける足を止め、うつむく姿のなんとも情けない事。 あそこまでシュン・・・としちゃっていたアルベルトも初めて見たかも。 狂乱の果てに死んでしまったジゼルを見て初めて自分のした事の重大さに気づき、お前のせいだと掴みかかってくるハンスと言い争いをしながらも罪の意識に襲われ呆然とする。 サラファーノフの最後の演技もとても上手かったですね。 
2幕ではなんといってもミルタに踊らされるシーンで見せたアントルシャシス。 いったい何回飛んだのでしょう? 手を下に下げたまま反動もつけずにただひたすら音楽が切れるまで飛び続け、もうこれまでというように力尽きて倒れていたのが見事でした。

ツァルのハンスは前回2009年よりも(2010年のジゼルも見ていますが、その時の記憶があまりなく)、恋する純情ハンス度は落ち、恋する熱血ハンスに変貌していたように思います。 要するに演技がさらに濃くなったという事なのですが(笑)、野暮ったい髭付きでもハンサムだし、美脚だし、男っぷりは最高でした♪  ジゼルが死んでしまったあとは放心状態で、声をあげて泣き喚くことすらできないというほどのショックで、最後は地面につっぷしたまま動けず。  
2幕でジゼルのお墓を訪ねたハンスは愛しそうにお墓に触れていましたが、その姿はジゼルに心から詫びているようにも見えました。

ペザントはヤフニュークと初見のヴェロニカ・イグナツェワ。 ヤフニュークは落ち着いていて流石の上手さ。 で、びっくりしたのがイグナツェワ。 小柄で可愛らしく、まだコール・ド・ダンサーのようですが、回転の軸もぶれず、なんと強靭な足をもった上手いバレリーナなのだろう。 音楽に乗って可憐に踊りながら突き刺さったようなポアントで静止したポーズが今でも目に焼きついています。 NY公演のパリの炎のミレーユとミストラルたちが踊るシーンでチュチュ姿で見事なジュテをするバレリーナの写真を見て誰だろうと思っていたのですが、この子に間違いないと思います。 いい子が入ったなぁ。

コール・ドもまたかなりメンバーが変ったのかな? やはり知らない顔が増えました。
一幕でジゼルとアルベルトが横に一列になった女の子たちの両端に位置して踊るシーン、ペレンが一番低いというわけではなかったけれど、ほとんどの女の子がペレンより身長が高くてびっくりでした。
タンバリン隊に、ちょっとコリパエフに似たダンサーがいましたね。 コリパエフは元気でやっているだろうか?

ベルタはアンナさん。 彼女も全然変らない。 また来日してくれて本当に嬉しいです。 ジゼルを失った後、悲しみと怒りと悔しさに狂いそうになりそうな気持ちを抑えようとして自分と戦っているようだった姿が印象的でした。
マラさんの公爵様は穏やかな威厳があり、セミョーノワのバチルダは美しく温和な娘でしたが、身分の違いははっきりと漂わせていましたねぇ。  
ペトゥホフもアルベルトを思いやる従者を好演。 いい落ち着きが出てきたように思います。

ミルタのコシェレワは登場のシーンのパ・ド・ブレがとても綺麗でした。 彼女らしく、こちらも少し体温を感じさせるようなミルタで、顔つきよりもハンスやアルベルトに体ごとぐいっと迫るときの様子が恐かったです。 そして夜明けが迫りアルベルトを殺せないまま去っていかなければならない無念が瞳と噛み締めた口元から伝わってきました。
2幕のコール・ドは初日という事もあってかいまいち揃っていませんでした。 あの交差のシーンもいろいろばらばらで神秘的な世界というわけにはいかなかったですねぇ。  

ジゼルとアルベルトの別れのシーン。 ありったけの思いをこめてアルベルトを抱きしめるジゼル。 ペレンの安堵と哀しさが入り混じったような表情が良かったです。 この日はドルグーシン版にはないはずのアルベルトがジゼルを抱きかかえるシーンがあり、別れの切なさがじわじわと伝わってきました。
ジゼルが消え、彼女を永遠に失ったことを知ったアルベルトは、罪の重さと深い後悔にいたたまれなくなったのか、ジゼルの墓を叩き続け墓に顔をうずめるようにして幕。  静かにジゼルに詫びていたハンスの姿と対照的な幕切れでした。





ジゼル: イリーナ・ペレン
アルベルト: レオニード・サラファーノフ 
ミルタ: イリーナ・コシェレワ
森番ハンス: ウラジーミル・ツァル
ぺザント・パ・ド・ドゥ: ヴェロニカ・イグナツェワ、アンドレイ・ヤフニューク
ベルタ(ジゼルの母): アンナ・ノヴォショーロワ
バチルド(アルベルトの婚約者): オリガ・セミョーノワ
公爵 :アレクセイ・マラーホフ
アルベルトの従者: ロマン・ペトゥホフ
ドゥ・ウィリ :ワレーリア・ザパスニコワ、アンナ・ナウメンコ
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コメント
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M様

 私も6年前にペレンさんのジゼルを見ました。そして、なんて美しいお姫様のようなジゼルなんだ、とびっくりしました。アルブレヒトはヤフニュークさんでしたが、何だか引き立て役に見えてしまってました…。

 そして月日は流れ、今度は胸元が気になる、妖艶なまでのジゼルになっちゃったのですね…。はぁ、ホントにきれいな人ですわ…。

 きれい、と言えば、ロイヤルでは今オネーギンをやっていますが、ワディム・ムンタギロフ(ムンタ君?)がレンスキー・デビューしました(オリガは高田茜さん)。写真がいくつかあがっていますが、もう、これがはっと息を呑むほど美しいのです!カルロス・アコスタによるドンキのリハーサルの動画を見ても、「何、このラインの美しさ?!」です。

 やっぱりロシアバレエはすごいです!ロシアの国内事情はいろいろあるのでしょうが、尽きることのない人材、継承されて行く伝統。バレエにもいろいろあっていい、とは思うけれど、やっぱりロシアバレエは特別です。理想的な美しさを具現できるお国柄なのですね。

 サラファーノフも、これからもずっとミハイロフスキーにいてくれるといいですね。ペレンさんも、ロパートキナのように、40過ぎても踊ってくれればいいなぁ…。

 しかし、1月&2月公演の「バヤデルカ」セミオノワと、「ドンキ」ワシーリエフの相手役ってどうなるんでしょうね?フォーゲル?オシポワ?それもいいけど、何だか意外な組み合わせも楽しみですね。

   MIYU
2015/01/26 00:26  | URL | MIYU #-[ 編集]
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あの時のジゼルは私もびっくりでした。 ヤフニュークもまだ日本での主演に慣れていない時だった事もあり、ジゼルが全ての面でリードしていましたからね・・・(苦笑)。
ペレンは本当に美しい女性ですが、時々その美しさが役作りの邪魔になる事もあり、贅沢なことだよなぁぁぁなどと思っていますが、ジゼルの一幕など、ほとんどお化粧しなくてもいいんじゃないかなと思うくらいです。
ムンタギロフは2月に新国立劇場のバヤデルカに客演しますね! ロシア人的にはそれほど素晴らしいプロポーションの持ち主ではないと思うのですが(それほどにロシア人っておっそろしく地球人離れした体型の持ち主ですよね・笑)、外に出るとあのラインは際立ちますよねぇぇ。 
ワシーリエフの相手役は身長的にはヴォロンツォーワが合うのではないですかね? それに2人ともモスクワですし。 ポリーナちゃんは・・・。 できればゲストでなく劇場のダンサーを抜擢してほしいですがいまいち候補が見つからないです。
2015/01/26 22:46  | URL | M #il9tusdg[ 編集]
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レポありがとうございます!
相変わらず美しいペレンちゃんだったようで。確かに彼女のジゼルには何かある!(笑)あの美貌が狂乱したらオカルトになるかも。本当に演技派になりましたね。
コシェレワが2日ともミルタだったのですね!前回までは、彼女の性格もあり優しすぎる気がしていたのですが、年輪を重ねて怖さも出せるようになったかな?
今回のキャスティングは結構お気に入りです。ツァルがあれ以上濃くなるってちょっと想像つかないんですけど・・・。
懐かしいメンバーと、優良な新メンバーの相乗効果でさらにマールイらしさを醸し出してほしいものです!
2015/01/29 02:34  | URL | うみーしゃ #-[ 編集]
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美貌は衰えないですね! 表情も本当にとっても柔和になって、いつまでも見ていたい美しさです。 演技もすごく自然で作っている感がなくてとても好ましいのですが、こうなってくるとこちらの欲望もムクムクで、もっと劇的な舞台になるパートナーが欲しいなぁなどと贅沢な事を思ってしまったりします(笑)。 シヴァコフとのジゼルか白鳥かバヤデルカを見たいなぁぁぁ。
コシェレワは確かにシェスタコワのような冷ややかな恐さはありませんが、凜とした佇まいとちょっとした仕草でミルタらしい恐さを出していました。
コール・ドはどうなんだろうな?というのはありますが、海賊なんか見ちゃうと、あー、マールイ変わってないなと嬉しくなりました。
ともかくまた毎冬(毎年来てくれるなら冬じゃなくてもかまいませんが)来日してくれるようになって欲しいです。
2015/01/29 23:01  | URL | M #il9tusdg[ 編集]
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