ボリショイ・バレエ団「白鳥の湖」 11月20日
2014/11/24(Mon)
ザハロワの全幕は2009年の新国立劇場の「ライモンダ」以来、最後に見た白鳥は2008年のボリショイ来日公演でした。 そんなに見ていなかったんだと自分でもびっくり。 出産もありましたしね・・・。

ザハロワは上半身が薄く、肩周り、腕などもかなり細かったですが、痛々しいと思わせるほどではなくほっとしました。 直視する事さえ憚られるような神々しさのようなものは薄れたけれど、気高い美しさを持ったザハロワのオデット。 その姿からは儚げな脆さと凛とした強さが混在して漂っている。 ただ、年齢差とダンサーとしての格の違いのある王子役のロヂキンとの並びは、運命の恋に落ちていく恋人同士としては少し無理があるように感じられ、グランアダージョはザハロワの造形美のみにはっとさせられるだけでうっとりとさせられる事もなく、残念ながら物足りなさが残りました。 けれどもその後のザハロワのソロ、コーダでの踊りは素晴らしく、矜持のようなものを感じました。 
2幕1場のオディールはひたすら美しく強い誘惑者。 美しいラインを保ちながらとてもシャープで伸びやかな踊り。 ただ体力的に少しきつかったのかヴァリの後ではかなり息があがっていたようで、そんなザハロワを見ながら今まで感じた事のない必死さと気迫を感じました。 32回転は移動はしましたが、かなり速めのテンポの音楽にきっちり合わせてシングルで回り、フィニッシュも綺麗に決めて爽快! コーダもそのままの弾けたノリで会場も大盛り上がり。 素晴らしかったです!!

ジークフリートのロヂキン。 2012年2月の前回の来日公演では重要な役どころにキャストされるとは言ってもまだコール・ドだったのですよね。 成長著しい期待の若手というところでしょうか。
1幕1場の下手からのジュテの登場シーンで見せた跳躍の柔らかさを始め、彼のふわっとした高くて柔らかい跳躍はどれもとても見事でした。 跳躍だけでなく彼の踊りはソフトでエレガントですね。 好みとしてはもう少し芯がしっかりしている方がすきですが、悪くはなかったです。 でも、アームスだけは柔らかすぎるかな? もちっと男らしい表現が欲しい・・・。
2場でのザハロワとのパートナリングはやはりイマイチというかいっぱいいっぱいなんですね。 気持ち的にもサポート的にも。 リフトはきちんと決めていましたが、ザハロワがピルエットで何度も傾いていたので、もう少しサポートは頑張って欲しいです。 演技もわりと控えめでした。
ロヂキンの雰囲気が変わったのは黒鳥のPDDのヴァリを破綻なく踊り終えたあたりかな。 輪郭がいまいち温いのですが、跳躍も高く着地も乱れる事無く、マネージュもスピードがあって良かったです。 ほっとしたような満面の笑顔が印象的でした。 そこから気持ち的にも落ち着いてその後はザハロワ相手にあまり臆する事無く舞台を務め上げたように思います。
2幕2場の2人はしっとりと気持ちの通い合うものもあって良かったです。

ロットバルトのベリャコフは、前回の来日時にはロジキンと共に白鳥のワルツやライモンダのカトルなどで見ていたダンサーですが、特に記憶に残っておらず。 長身&スリムでロットバルトのタイツに施されている(鋭利な金属片というか骨というか・笑)デザインが異様に生きるシャープな動きをするダンサーでした。 ダークな雰囲気も適度にあってすべてがソフトなロジキンとの対比具合もなかなか良し。 2幕のソロも勢いがあり良かったです。

1幕1場で王子の友人としてトロワを踊ったニクーリナとクレトワは2人とも堅実な踊りで舞台に華やかさを添え、道化のメドヴェージェフもスピードのある回転の連続で会場を沸かせていました。 
ワルツには久しぶりのネッリちゃんが。 ボリショイとマリインスキーの合同ガラにも出演していた彼女がその後あまり活躍できていないようなのは残念ですが、やはり目が行ってしまう彼女はソロで踊る役で見たいです。 男性4人はみなスタイルもよくハンサムガイたちでしたが、いかんせん誰が誰なのか分からず・・・。 小さくてもいいからプログラムに写真載せて欲しいなぁと思いつつ先ほどサイトでしっかり確認致しました。 顔が好みだったのはアレクセーエフだったような(笑)。

1幕2場の白鳥たち。 席はわりと前の方でしたが、ポアントの音はほとんど聞えず、比較的良く揃っていたと思います。 最近のロシアの4羽の白鳥はあまり小さくないなぁなんて思っていたら、その後に出て来た3羽はもの凄いオオハクチョウで・・・。 ザハロワが華奢なせいでかなり肉厚に見えたのが気の毒なような。 黒髪で面長のトゥラザシヴィリは音取りが独特でしたね。
しかし、ボリショイの白鳥、いつもながらテンポが速い。 せめて湖畔はもう少しゆっくり、神秘さを感じられる程度に落としてくれるといいのですが。

2幕1場の舞踏会。 花嫁候補たちはいずれも劣らぬ美女軍団。 毎回同じ事を思ってしまう自分が情けないけれど、スペインはどうしても後ろのボーイズに目がいってしまい、ほとんどチホミロワの踊りを見ていない。 キャスト表に名前がないのでこれこそ誰が誰だか分からずですが、右から2番めのダンサーが良かったな。 

2幕2場。 ジークフリートの過ちを許し、再び心を通い合わせたオデットとジークフリートを無残に引き裂くロットバルト。 この場のロットバルトにはオデットはすでに無用の存在とばかりに即座に命を奪い、ジークフリートに絶望だけを残して消えていく。 ロヂキンの生気を失ったような顔が切なかったです。



公演が終わってから読んだフィーリンのインタビュー記事で知った事ですが、ザハロワは10月に体調を崩していたようです。 回復が順調で日本公演に間に合ってくれて本当に良かったです。 3度繰り返されたカーテンコールの最後、会場を見渡し小さく頷きながらほっとしたような微笑を浮かべていたザハロワの姿が印象的でした。 良き舞台でした。



オデット/オディール:スヴェトラーナ・ザハーロワ
ジークフリート王子:デニス・ロヂキン
王妃(王子の母):クリスティーナ・カラショーワ
悪魔ロットバルト:アルテミー・ベリャコフ
王子の家庭教師:ヴィタリー・ビクティミロフ
道化:デニス・メドヴェージェフ
王子の友人たち:アンナ・ニクーリナ、クリスティーナ・クレトワ
儀典長:アレクサンドル・ファジェーチェフ
花嫁候補たち
ハンガリー:アンジェリーナ・カルポワ
ロシア:アンナ・レベツカヤ
スペイン:アンナ・チホミロワ
ナポリ:ダリア・コフロワ
ポーランド:マリーヤ・セメニャチェンコ
3羽の白鳥:アンジェリーナ・カルポワ、オルガ・マルチェンコワ、
      アナ・トゥラザシヴィリ
4羽の白鳥:ユリア・ルンキナ、アンナ・ヴォロンコワ、
      スヴェトラーナ・パヴロワ、マルガリータ・シュライネル
ワルツ:アンナ・レベツカヤ、ネッリ・コバヒーゼ、
    アナ・トゥラザシヴィリ、ヤニーナ・パリエンコ、
    ミハイル・クリュチコフ、イワン・アレクセーエフ、
    ドミトリー・エフレーモフ、クリム・エフィーモフ
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