アリーナ・コジョカル ドリームプロジェクトBプロ 7月27日
2014/08/03(Sun)
◆第1部◆

「オープニング」
振付:ペタル・ミラー=アッシュモール 音楽:アレクサンドル・グラズノフ
アリーナ・コジョカル
オヴィデュー・マテイ・ヤンク、ロベルト・エナシェ、堀内尚平、クリスティアン・プレダ、ルーカス・キャンベル


さすがに男性ダンサーの皆さんも踊りなれてきて、Aプロの時に感じた緊張感とかコジョカルに対しての遠慮のようなものもなくなって、伸び伸び楽しげに踊っていて良かったです。


「パリの炎」
振付:ワシーリー・ワイノーネン 音楽:ボリス・アサフィエフ
ローレン・カスバートソン、ワディム・ムンタギロフ


こんな風にエレガントでさわやかな「パリの炎」もありなんですね!! 
この日のムンタギロフは眠りよりも遥かに好調だったと思います。 カスバートソンともこちらの演目の方が組みやすかったのか、気持ち的にもリラックスしているようで、余裕が感じられました。 ポーズやラインがとても綺麗でしたが、特にマネージュが足が伸びきっていて美しかったしザンレールの着地は床に吸い付くように見事に決まっていました。 たぎるような熱さというものはなかったですがこれはこれでありだなぁと。
カスバートソンもダイナミックだけれどエレガントで華やかで良かったです。


「真夏の夜の夢」より "結婚式のパ・ド・ドゥ"
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:フェリックス・メンデルスゾーン
アリーナ・コジョカル、ダヴィッド・チェンツェミエック


昨年のヴィシニョーワガラでエレーヌ・ブシェとディアゴ・ボアディンで初めて見た作品ですが、格調高くロマンティックに大人の愛を見せてくれたハンブルグペアと比べるとちょっと印象が弱かったです。 コジョカルとチェンツェミエックのダンサーとしての格の違いがそのまま出てしまった感じで、作品の世界を十分に描き出せなかったように感じました。


「白鳥の湖」より "黒鳥のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ 音楽:ピョートル・I. チャイコフスキー
ヤーナ・サレンコ、スティーヴン・マックレー 


サレンコがBプロのみで1作品だけというのもちょっと残念ですね。 ともかくバランス決めなくちゃ!という感じだった彼女を初めて見た頃とは全く違い、作品の流れのなかで自然にそういう技を見せながらプリマの風格も漂わせるダンサーになりましたねー。 腕というか手首から先の表情がすごくはっきりしていてインパクトがあったのですが、もしかしてわりと手が大きいのかしら? 32回転もとても安定していて、後半をすべてダブルで回っていました。
マックレーも彼ならではの技巧をふんだんに取り込み、素晴らしいヴァリを見せてくれました。 マネージュも速くて綺麗だったし、ザンレールの連続も音にぴたりと合っていて見事でした。 キャラ的にはちょっとダーク系の王子で、今目の前にいるオディールが先日愛を誓ったオデットと同じ姫なのかと迷っているのではなく、オディールの正体を見抜きながらも騙されているふりをするかしないか考えているような王子でしたねぇぇぇ。  黒と黒の騙しあいのPDDって感じで面白かったです♪


「ノー・マンズ・ランド」より パ・ド・ドゥ
振付:リアム・スカーレット 音楽:フランツ・リスト
アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー
ピアノ演奏:高野直子


リアム・スカーレットがイングリッシュ・ナショナル・バレエのために振り付けた作品。 「ノー・マンズ・ランド」とは敵対する両軍の最前線の間の占領されていない地域という意味で、最前線に赴く男と残された女性達の関係、彼らの思いを描いた作品との事です。
ライモンダが戦地に赴いているジャンを思うあまりの夢の場のように、愛する男を最前線に送り出した女が男を心配し、会いたい、無事に戻って来て欲しいという悲痛なまでの思いに男の同じ思いが重なると解釈すればいいのでしょうか。
体を合わせながらのPDDにもお互いを感じていながらもここにはいないという空しさ、微笑の中にも隠せない不安など、切なさ溢れるPDDでした。 コジョカルとコボーの息は言うまでもなくぴったりですが、リフトも多かったこの作品、本当に呼吸の合ったペアでないと作品の意図したものを上手く伝えられないだろうと思いました。


「ドン・キホーテ」
振付:アレクセイ・ラトマンスキー(原振付:マリウス・プティパ) 音楽:レオン・ミンクス
ユルギータ・ドロニナ、イサック・エルナンデス 


ドロニナとエルナンデスのペア、とても良いですねー。 アダージョでの片手リフトもあっさり決めていたし、二人ともとても安定していて、出だしからテンションも高いです。 ドロニナの完璧な長~いバランスも嫌味がなくてお見事。 ヴァリも音楽にきっちり乗って魅力的なキトリでした。 ただちょっと前半飛ばしすぎたのかコーダの32回転はやや疲れが見えた感じでした。
そして今回のガラで個人的に収穫だったのがエルナンデス。 Aプロでコンテを見たときは、ぼくはコンテは超得意です~~なダンサーかと思ったのですが、不意打ちをくらったようなアリのアプローチと柔らかな踊りに俄然興味が沸き、バジルも楽しみにしていました。 前半はドロニナをよくサポートしていたし、彼女にちょっと疲れの気配が見えた後半はエルナンデスが思いっきり盛り上げました。 テクニックをちゃんと見せながらジャンプでも回転でもしなやかで柔らかくて、なんつーか見ていて清清しい感じ。 
元オランダのマシューの時もそうだったけど、自分が知らないだけで、世界には才能に恵まれた素晴らしいダンサーが沢山いるんだなぁと改めて感じた事でした。


〈本日の特別プログラム〉 「眠れる森の美女」より "ローズ・アダージオ"
振付:マリウス・プティパ 音楽:ピョートル・I. チャイコフスキー
アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー、ダヴィッド・チェンツェミエック
オヴィデュー・マテイ・ヤンク、ロベルト・エナシェ 


コジョカルはスカート部分がやや大きめなピンクのチュチュ。 ルーマニアバレエの男性たちはオープニングの衣装と同じなのかな? 濃い臙脂のシャツに黒のスラックスで腰の辺りに赤い薔薇をさしてましたっけか? コジョカルはすでに4演目めですが、バランスでは腕をしっかりアン・オーまで上げて王子から王子へと繋いでいきました。 前回は四人の王子達がゴージャスだったんだよなーと思いながらプロムナードを見ていたら、音楽がおや?っという感じで繰り返され、マックレーが登場してコジョカルの手を取り、続いてムンタギロフ、エルナンデスも出てきてちょいと豪華になったフィナーレでした。


◆第2部◆

「レディオとジュリエット」
振付:エドワード・クルグ 音楽:レディオヘッド
アリーナ・コジョカル、ダヴィッド・チェンツェミエック
ロベルト・エナシェ、堀内尚平、オヴィデュー・マテイ・ヤンク
クリスティアン・プレダ、ルーカス・キャンベル


5,6年前からでしょうか? マトヴィエンコ夫妻がよくガラでPDDを踊っている作品で、素肌に黒いジャケットを羽織ったデニスがカッコよくて一度生の舞台を見てみたいと思っていたので、今回上演が決まった時から楽しみにしていました。 ロミオとジュリエットとの繋がりも気になったし。 「ロミオの死後、ジュリエットが命を絶たなかったら何が起こるのか。 クルグはジュリエットを暴力に取り巻かれた現代、男性社会でがんじがらめになった女性として造形する」という解説にさらに期待は高まったのですが、冒頭のモノクロの映像から始まってダンサーたちが出てきての踊りも含め、ステージが暗すぎて、ここのところかな~りお疲れ気味の自分には観賞自体がとても辛かったです。 「ロミオとジュリエット」である必要があったのかを感じられないまま、面白いと思えないまま、目を開けている事の辛さに負けて眠りに落ちてしまいました。
オープニングをどうするんだ!という問題はあるかもしれませんが、これをBプロにするなら第1部と第2部と逆にしてもらって、最後は出演者皆が出る海賊形式で終わって欲しかったなぁなどと思ったりして。 あるいはAプロとBプロの内容を反対にするとかね・・・。 


終演後は期間中の東日本大震災被災者への義捐金とチャリティーへの感謝ということで、コジョカル、コボー、カスバートソン、マックレー、エルナンデス参加のトーク・イベントがありました。 公演の疲れなど全く見せる事なく、期間中に観客から寄せられた様々な質問に5人とも熱心に答えてくれました。 舞台前の緊張をどうやってほぐし、気持ちをコントロールするのか、それぞれのバレエ団での今後の活動予定などといった全員に向けられた質問や個人別の質問がありましたが、エルナンデスがこういうガラに出演できるのは、新たなダンサー仲間との出会いがあり、自分にとっても非常に刺激になり勉強になると言っていたのが特に印象に残っています。
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