アリーナ・コジョカル ドリームプロジェクトAプロ 7月22日
2014/07/27(Sun)
2012年の公演が非常に質が高く楽しく素晴らしいものだったので、第2回の今回もとても楽しみにしていた公演です。 前回と比べると出演者のゴージャス感が減った感は否めませんが、都さんの特別出演やこの企画でなければ見られないような作品もあり、やはり期待度は高かったです。


◆第1部◆

「オープニング」
振付:ペタル・ミラー=アッシュモール 音楽:アレクサンドル・グラズノフ
アリーナ・コジョカル
オヴィデュー・マテイ・ヤンク、ロベルト・エナシェ、堀内尚平、クリスティアン・プレダ、ルーカス・キャンベル


幕が開くと、そこには星空の下、願いをかける一人の可憐な少女が・・・。 まるでジュリエットのような愛らしいコジョカル。  ルーマニア国立バレエの5人のダンサーたちが次々に現れコジョカルをサポート。 
グラズノフの音楽も耳に優しく素敵なオープニングではありましたが、豪華な出演者総出による前回の「ラリナ・ワルツ」があまりに素晴らしかったので、若干物足りなかった気はします。 でも、甘んずる事なく違ったアプローチでというのもいいですね!!


「エスメラルダ」
振付:マリウス・プティパ 音楽:チェーザレ・プーニ
日高世菜、ダヴィッド・チェンツェミエック


ダヴィッド・チェンツェミエックは2008年にロイヤルに入団、ソリストまで昇進したそうですが、今年3月にルーマニア国立バレエ団にプリンシパルとして移籍しダンサー。 ロイヤルの来日公演で見ていたのかな? 日高さんは2011年にルーマニア国立バレエに入団、今年の2月にプリンシパルに昇進という事でルーマニア国立バレエのプリンシパルペア。
アダージョは2人の息があまり合っていないような、特にチェンツェミエックが硬かったような気がしましたが、後半に向かって良くなったと思います。 日高さんはとても腕の長くプロポーションに恵まれたダンサーで、自分のカラーというようなものはまだなかったけれど、お手本のようにきっちりきっちりと踊っていたのが印象的でした。


「ラプソディー」より
振付:フレデリック・アシュトン 音楽:セルゲイ・ラフマニノフ
吉田都、スティーヴン・マックレー


プレゼンスといい作り出す世界といい、この2人はやはり全く違いますね。 一瞬たりとも2人から目を離せないほど惹きつけられるものがあります。 2人の息もよく合っていたし、交わされる視線が幸せに満ちているようでこちらも思わず微笑みを返したくなってしまいます。 
都さん、見るたびに思いますが全く衰えをみせないですね。 ピルエットなどもマックレーのサポートも要らないほどに安定していて速度も速い。 音楽性に溢れたステップも相変わらず素晴らしい。


「HETのための2つの小品」
振付:ハンス・ファン・マーネン 音楽:エリッキ=スヴェン・トゥール、アルヴォ・ペルト
ユルギータ・ドロニナ、イサック・エルナンデス


ドロニナはロシア生まれ、エルナンデスはメキシコ生まれで共にオランダ国立バレエのプリンシパル。 オランダ国立バレエの常任振付家であるハンス・ファン・マーネンの作品で音楽はテンポのよい前半がスヴェン・トゥールの「イリュージョン」で後半がペルトの「詩編」。 
2人とも体のコントロールが見事で、前半は2人の間の駆け引きが小気味良く表現され面白く見ていたのだけれど、動から静にガラッと雰囲気が変った後半はこちらの集中力が続かず・・・。 


「眠れる森の美女」より グラン・パ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ 音楽:ピョートル・I. チャイコフスキー
ローレン・カスバートソン、ワディム・ムンタギロフ


振り付けがプティパとなっているもののロイヤルバージョンですから、個人的にはあまり好きではありません。 アダージョのフィッシュダイブ連続もパッキーン感じで好みにあらずなんですが、カスバートソンのオーロラは輝くばかりの美しさでしたねぇ。 気品は兼ね備えているのだけれど、屈託のない明るさと大らかさもあって。 彼女のヴァリでのポール・ド・ブラの音のとり方が素敵でした。 それだけでなんとなく幸せな空気に包み込まれるような気持ちになりました。
ムンタギロフはすっかり少年っぽさが抜けて体も引き締まってずいぶん大人の男性になったような・・・。


〈本日の特別プログラム〉 「アイ・ガット・リズム」
振付:スティーヴン・マックレー 音楽:ジョージ・ガーシュウィン
スティーヴン・マックレー


真央ちゃんがSPで使っていた曲で、なんとなく懐かしい。 マックレーはリズム感抜群で軽快な動きのタップダンスで才能豊かなエンターティナーぶりを遺憾なく発揮。 タップのステップにバレエのステップが上手く合わされていて本当に素晴らしかったです。 


「リリオム」より ベンチのパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:ミシェル・ルグラン
アリーナ・コジョカル、カーステン・ユング


音楽がミシェル・ルグランなんですねぇぇぇ。 こういう、PDDだけを見るには難しい作品をさり気なく支えているような・・・。
公園の回転木馬の呼び込みをしているリリオムと無垢な娘ジュリーはお互いに好意をもちながらそれを上手く伝えられないでいるというシーンのPDDだそうです。 想いを伝えたくても照れや見栄や恥ずかしさなどでうまくかみ合わず空回りしている時のもどかしい感情の表現や、すれ違いぎりぎりのところで2人の気持ちが向かい合い始め、幸せを感じていく様などの表現が2人とも上手かったです。 絶対に犯してはならないと思わせる健気で純粋な雰囲気はコジョカルならではですねー。 ユングはホントになんのとりえもないようなごろつきにしか見えないし愛想もないんだけど、最後にベンチに腰掛けたジュリーにテレながら膝枕するのは可愛かったです(笑)。


◆第2部◆

「白鳥の湖」 第2幕より
振付:レフ・イワーノフ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー
東京バレエ団


全幕だったらちょっと・・と思ってしまいそうなやや濃厚なオデットでした。 もちろんコジョカルなので暑苦しいような妖艶さはないですけれど、パートナーがコボーだったからなのか、王子に身を預けている時の表情にはドキっとするものがありました。 
で、そのコボーさんなんですが、本人は普通に優しげな微笑を投げかけているだけなんでしょうが、どーしても、「ザ・レッスン」の教師コボーの残像が出てきちゃうんですよね・・・。 いたわりの微笑が変質者のニヤケ顔に見えてしまう・・・。 困りました。
東京バレエ団のダンサーは小さな4羽の吉川さんしかわかりませんでした。 知ってる顔が急に減っちゃったなぁぁぁ。


◆第3部◆

「海賊」 ディヴェルティスマン
振付:マリウス・プティパ 音楽:リッカルド・ドリゴ
アリーナ・コジョカル、ユルギータ・ドロニナ、日高世菜、ローレン・カスバートソン
ヨハン・コボー、スティーヴン・マックレー、ダヴィッド・チェンツェミエック、
ワディム・ムンタギロフ、イサック・エルナンデス


出演者のうち多くのダンサーが参加するこういうディベルティスマンはやはり見応えもあって楽しいですねぇ。
幕開けはコジョカルメドーラとコボーコンラッドの寝室のPDD。 海賊の背景画というと入り江に船が浮かんでいるというような構図が多いのですが、今回はイスラムな建物が並ぶ海べの避暑地みたいな感じだったので最初ピンと来ませんでした。
続いてマックレーとドロニナによる奴隷のPDD。 できればギュリナーラにヴェールが欲しかったところですが、ハーレムパンツのドロニナはクラシックの技術もしっかりしているのですね。 マックレーはサポートも上手いですが、超絶技巧てんこもりのヴァリは本当に素晴らしかったです。 凄いんだけどやりすぎの嫌味な感じは全くなく、常にラインが美しく柔らかで抑制がきいています。 彼はいつもこちらの気分をわくわくさせてくれるなー。 
日高さんがオダリスクの3番目のヴァリ。 やはりきっちりした踊りです。 で、その後くらいのドロニナのヴァリがメドーラのヴァリだったように記憶しているのですが、記憶違い?? なんでギュリナーラがメドーラのヴァリ?と思った記憶があるんですが・・・。 ただその後にチェンツェミエックのコンラッドのヴァリの後に出て来たカスバートソンが踊ったソロが何だったのか覚えていない。 プログラムの表紙のコジョカルが着ているような色合いの衣装だったのはちゃんと覚えているんですけど・・・(笑)。
再びマックレーとドロニナが出てきて奴隷のPDDのコーダで〆。
そしてコジョカルメドーラ、ムンタギロフコンラッド、エルナンデスアリによるパ・ド・トロワでした。 エルナンデスのアリはメドーラへの思慕を隠さないようなアリで、ちょっとドキドキ。 踊りは控えめだったけれど良かったです。 ムンタギロフも難しげなパを披露。 体が大きいので足を真っすぐ上げてジャンプするだけでも見栄えがしますねー。
コジョカルのヴァリはガムザッティのヴァリ。 可憐でした。 
コーダはコジョカルがキープが長くくっきりとしたイタリアンフェッテを見せた後にカスバートソン、ドロニナ、日高さんも加わって4人でグランフェッテ合戦。 音楽にきっちり乗り足を綺麗に真横に上げてゆったり回っていたカスバートソンが目に留まりました。 そして男性陣もマックレー、コボー、ムンタギロフ、エルナンデス、チェンツェミエックが揃ってピルエット・ア・ラ・スゴンド合戦。 5人もいると回る方向、速度がけっこうバラバラなので、凄いんだけど、綺麗とも言い切れず(笑)。
でも本当にと~~~~っても楽しかったです。

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コメント
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M様

 22日に行かれたんですね。私は21日でした。その日のローレン・ワディム組はあまり合っておらず、「あれれ…?」だったんですが、22日にはちゃんと修正していたんですね。さすが、プリンシパル同士。

 ローレンはずっと病気と闘い続けているという事ですし、英国人女性唯一のプリンシパル(ロイヤルの)という事で、立場的にもずいぶんと難しいものがあるんだと思います。
 でも、明るくて、それでいてエレガントで、本当にいいですね。思わず応援したくなります。ワディムとのマノンや白鳥もうまくいきますように。

 リリオムもよかったですね。確かに彼はごろつきですが、心は優しいんだと思います。貧しい中で育ち、回転木馬の女経営者に囲われるようにして呼び込みをやり、お屋敷の女中をたぶらかしては彼女らのつつましいお給金をまきあげるリリオム。そんな生活しか知らないんですね。

 そんな彼がなぜか自分を信じてくれるユリーと出会い、愛を知ります。でもそれが原因で二人とも失業し、やがて「愛だけでは食べていけない」現実の中で悲劇を迎えます。

 女経営者に囲われている方がリリオムの生活はうまくいったかもしれません。でも彼は自分の「心」を、そしてユリーを選びました。貧しくて不器用な者同士が愛し合ったが故の悲劇でしょうか。

 それでも愛の記憶はユリーの心に残るのです。そして、それは親と同様に悲しい育ち方をした子供の心にも受け継がれます。そうでなければ、人生はあまりにも悲しい…。

 確かにリリオムはごろつきだけど、やっぱり人を惹きつける「心」を持った人だったのだと思います。
 そのあたりは全幕を見ないとわかりにくいですね。いつか見てみたい気もしますが…無理かな。

 都さんとマックレーの「ラプソディー」も素晴らしかったですね。「海賊」ディベルティスマンも本当に楽しかったです!ドロニナはあのハーレムパンツ姿で普通はメドラが踊るヴァリエーションを踊ってましたよ~。ああ、もうすべてがハチャメチャで楽しかった~!

 う~む、29日から発売のミハイロフスキーの「海賊」の単券を買いたくなってしまった…。



      MIYU
2014/07/28 13:37  | URL | MIYU #-[ 編集]
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MIYUさんは21日の公演をご覧だったのですね。
ローレン&ワディムは20日に行かれた方の感想などを拝読しても、あまり合っていないというような事が書かれていましたが、22日はあれれ?というような事はなかったです。 ローレンは最終日のトークでもとても明るくてキュートで、長くいろいろと辛い状況にいるなんてこれっぽっちも感じさせないお人柄。

リリオムは公演の前にざっとあらすじだけ確認しました。 あのシーンの前と後のドラマをノイマイヤーはどのように描き、一つのバレエ作品としたのでしょう? 私もいつか機会があれば全幕を見てみたいと思いましたが、リリオムとジュリーを踊るダンサーの力量や自分の感情を重ねられるかでだいぶ受け止め方が変わってしまいそうな難しい作品でもあるのだろうなぁと。 そういう作品に自分がついていけるかが心配です(笑)。 

ドロニナ、やはりメドーラのヴァリ踊ってたんですよね! 次から次へとダンサーが出て来たので、帰りの電車の中でメモった事ながら、すでに全く記憶に自信がありませんでした。
Bプロはオープニングを入れるとコジョカルが5演目に出演するというまさに彼女の冠ガラでしたが、プログラミングだけを見ればA,B逆にしてAプロの方を後半で見たかったなと思いました。 個人的に「レディオとジュリエット」がダメだったので、それが最後の演目だったのがちょっと残念だったのです。 あの「海賊」の華やぎで終われればなーと。

さてさて、MIYUさんが仰っている29日のミハイロフスキーの単券発売は8月の一般発売という事でしょうか?
光藍社さんのWEB会員に登録すればあさって31日からお安く購入できますよ♪ 
2014/07/29 08:30  | URL | M #il9tusdg[ 編集]
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M様

 7月31日と8月29日が入り混じっていました…。ありがとうございます!ペレンさん、肩あたりのたくましさがとれてるといいなぁ…。
2014/07/29 10:29  | URL | MIYU #-[ 編集]
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MIYUさん、

マールイの3年ぶりの来日、本当に楽しみですねー。
赤ちゃんがいると、どうしても抱っこで腕のあたりが逞しくなりますからね。
でも彼女の脚は細く長くまっすぐな美脚のままですよー。
2014/07/29 22:47  | URL | M #il9tusdg[ 編集]
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