キエフ・バレエ「バヤデルカ」 12月26日&27日
2014/01/06(Mon)
キエフ・バレエの「バヤデルカ」を両日見てきました。
26日は仕事を翌日回しにして来てしまったので、27日は厳しいかなーと思ったのですが、思いのほかサクサク進み、問題なく会場へ来れました。 バヤは大好きだから2日間見られて良かった~~。
キャストは主役3人、太鼓の踊り、アイヤ以外は両日同キャストでした。

キエフのバヤデルカはマリインカと同じで影の王国でお仕舞い。 衣装とセットがちょっとショボ目で、うーむ・・・というのもありましたが、やっぱり旧ソ連系バレエ団のバヤデルカは大好き!!

フィリピエワはやっぱり凄い!というのは置いておいて、個人的に一番収穫だったと思うのは、ソロルを踊ったニェダク。 まだプログラムを買っていないので、プロフィールは分からないのですが、ここの劇場の立派なプリンシパルだなと納得の踊りでした。 スター然とした輝きを放つタイプではないけれど、サポートは良いし、身のこなしや所作は常にノーブルで踊りも安定していて目に心地よい綺麗なラインを作っていました。 背も高いしお顔も光藍社サイトの写真よりは素敵だし(笑)。

目鼻立ちくっきりはっきりでちょっと肌の色が濃い目なマツァークはヴィジュアル的にはこれ以上ぴったりな人はいないだろうというくらいの超美人なインドの舞姫。 まぁ、もうちょっとアイメイクを抑えてもいいかと思いましたが、と~~~っても美しい。 演技と踊りはとても丁寧でというか思いの他おとなしめでしたかね。 ニキヤ役に関する限りは踊りでの表現と演技が少し弱いかなぁぁ。 ガムザッティがフィリピエワだったので、3幕でガムザが出て来なくなったら主役がいなくなってしまったような感じがしなくもなく・・・。 ただ、難しいヴェールの踊りも特に問題なくこなしていたようだし(しなやかさはなかったけれど)、コーダの高速でのシェネとアラベクでの後退の素晴らしさなど高い技術を持ったバレリーナだと思うので、キトリなどはつらつとした役が合うのかなという印象でした。 

フィリピエワはやはり一人だけ別格感が漂っていました。 気高い領主のお姫様の大きな瞳に見つめられたら、ソロルももうどうにも太刀打ちできませんって感じでした。 ともかく彼女は目の表情が豊かなので、その動き一つでとってもこわ~~いガムザになるのです。 踊りもきれのある跳躍や安定した回転などいっこうに衰えをみせないのが凄いです。

27日の主役3人について、初日と比べたらけっこう見劣りしてしまうかなと失礼な事を思ったりもしたのですが、そんな事はありませんでした。 というか、3人のバランスは案外こちらの方が良かったかも・・・。

ニキヤのゴリッツァは恋する若いふつーの女性という感じで特別な舞姫とか神聖な巫女という雰囲気はないのだけれど、去年の眠りの時と比べて綺麗になったなと思いました。 夏のガラのオデットでも感じたけれど、光藍社のサイトに乗っている写真の雰囲気とは変ったような。 1幕の最初の方は踊りや仕草に少し変なしながあるような感じを受けたのですが、ソロルとのPDDあたりから気にならなくなりました。 べつに媚を含んでいるわけではなく、感情をこめようとしてそうなるのかな?と。
彼女は上半身が柔らかくて踊りが綺麗に見えますね。 特に2幕の嘆きのソロは旋律の響きを体全体で上手く表現していたと思います。 3幕のヴェールの踊りは少し難易度を下げて安全策を取ったようですが、よろけたりして観客をはらはらさせるよりはいいのかもしれませんね。 

長身のヴァーニャはソロルの衣装がよく似合う。 ニェダクのような隙のないエレガントなラインではないけれど、キャラクテール的な要素を活かした戦士ソロルだったと思います。 
2日見ると細かいところがいろいろ違うのが分かって面白いのですが、ヴァーニャ@ソロルの位置取りは、1幕のニキヤの祝福の舞いの時も2幕のニキヤのソロの時もニキヤに背を向けて(ガムザッティが客席に近い席に座っていた)硬い表情のまま絶対に顔を合わせようとしない。 ニェダク@ソロルは1幕ではちらっと見たり、ニキヤが側にやってくると立ち上がって気づかれないようにしてみたり、2幕は大方のソロルの定位置(上手で一番客席側)に座ってしっかりニキヤの踊りは見ていました。
ヴァーニャで一番「ええっ!!」と思ったのは2幕の最後。 毒に倒れたニキヤに駆け寄って・・・、自分も床に身を投げニキヤに添い寝するようなポーズで幕が降りてしまったこと。 添い寝・・・するか??? 普通抱き上げたり、そのまま天を仰いだりするじゃない。 吹きだすような場面じゃないのですが、ちょいと呆気にとられてしまいましたですよ・・・。
あーそーだ。 2幕の婚約式(マリインカと同じで結婚式なのかな?)に象に乗って登場するシーン。 右足がずっとぶるぶる動いていたのが気になった(笑)。 高いとこ苦手なの? 

ガムザッティのキフィアク。 私は2009年の来日時は1公演しか見ていないのでオリガ・キフィアクは2007年以来かな? あの頃はテチアナ・ロゾワ、ユリア・トランジタルなどと主役ダンサーたちを支える重要な役どころで見ることが多かったバレリーナです。  今回も高慢でちょっと冷たそうな姫を好演していて、踊りも終始安定していました。
2幕のガムザ。 フィリピエワは登場の時だけグラン・パの4人組みたいなセパレートの衣装で、その後、結婚式用の華やかなチュチュに着替えていましたが、キフィアクは最初から結婚式用のチュチュでした。

2日目の舞台で客席の空気がいきなり熱気を帯びたのは、やはりフィリピエワの太鼓の踊りでした。 まー、あの音楽が流れて男性のソロダンサーが出てきただけでも気分が高揚しますが、ノリノリのフィリピエワの姿にこちらの気持ちも「きゃ~っ」とか「わぁぁ~~っ」て具合に一気に高まります。 割れ割れの筋肉美と溌剌としてちょっぴり挑発気味に楽しくてたまらないって表情のフィリピエワを堪能。 いやもうほんとにこれを見られただけでもこの日会場に来た甲斐がありました♪ 

バヤデルカの見せ場の一つである影の王国。 ツアー仕様なのか、本国でも同じなのかどうかは分かりませんが、スロープが一段しかありませんでした。 その1段のスロープもわりと緩やかで、精霊たちがゆっくりと舞い降りてくるという幻想的なシーンとしては少し物足りなかったです。 1日目は設置の仕方がまずかったのか、ダンサーが出てくるところあたりの繋ぎ目?がギシギシ音をたてていてちょっと残念でした。 2日目は全く問題はなかったです。
スロープは一段でしたが、精霊は総勢32人で、降り始めの頃こそ若干ぎこちない動きがありましたが、地上に降り立ってからは綺麗でした。 身長的に少しでこぼごしていて揃わない並びのようにも思いましたが、グラグラするダンサーも少なくよく纏まっていたと思います。 2日目はさらに良かったです。 やはり一度本番を経験すると違うものなのですね。 ダンサーのそういうものの吸収力というのは凄いな。  
影のトリオは3人ともキエフの他のバレリーナと比べても異人類的に長身で手足が長すぎるくらい長い。 なので体のコントロールや音楽にきちんと乗せながら体全体のラインを綺麗に見せるのはかえって難しいのかもしれませんが、カザチェンコはやはり上手い! カザチェンコ、グランパのセパレートの衣装のときなんて、わきの下のすぐ下にもうウエストのくびれがきているくらいに胴が短くて足が長~くて・・・・。 ほんとに驚異的なプロポーションだわ!
でも影のトリオのヴァリって、どうしてもマールイの記憶を呼び覚まさせられるのですよね・・・。 特に第1ヴァリはミリツェワちゃん、第3ヴァリはコシェレワ・・・と、なんとも辛いものがあるのです。

マグダウィアのヴィタリー・ネトルネンコの軽く飛び上がって滞空時間の長い跳躍は良かったです。 なのに全く派手さがないのがなんかキエフらしい。 ソロルと大僧正の間で困惑するさまもしっかり演技してました。 3幕でソロルにアヘンをすすめながら慰めの踊りを踊る場面、笛吹きさんの座る位置が蛇の籠に近すぎて踊り難そうだったのがちょっと気の毒。 キエフの蛇もマールイと同じ・・・。 どうやって動かしているのかなぁ?
奴隷のデニス・オディンツォフは長身スリムでなかなかイケ面だったような。 体を浅黒く塗っていなかったので、おやっ?という感じではありましたがニキヤの衣装が汚れないのはいいですね。
壷の踊りは、両脇の日本人の女の子の踊りがなかなか上手くてそちらに目が行ってしまいました。
アイヤは二日目のナタリヤ・エフレモワがちょっと不気味な感じがしたのです。 あのポーズで思いっきり体をかがめてすすすーと出てくるのがね・・・。
婚約式の捧げ物がトラではなく豹だったのにちょっとうけました。 確かにインドにも豹は生息していますものね。 
お、そうだ。 オケは2日とも良かったです。 個人的に一番心に残っているのは2幕のニキヤの踊りでのチェロの物悲しい音色。 そして毎回思うことですが、オケと舞台の一体感があってミコラ・ジャジューラさんもしっかりダンサーを見てくれています。

2日間充実した舞台を楽しむ事ができましたが、影の王国で終わってしまいニキヤとソロルの結末がこちらに委ねられるバージョンって受け取り方が難しいですね。 ニキヤがソロルを許したのかどうかもよくわからなかったし、二日とも影の王国でのニキヤとソロルの感応というのはあまり伝わって来なかったので物語性が少し薄かったなぁ。  
一昨年のマリインカの時は、コルスンツェフソロルはニキヤを追って下手に消えて行ったときにあちらの世界へと昇天してしまったと思えたし、イワンチェンコソロルはアヘンの眠りから覚めたらニキヤとの事は良い思い出にして(それも勝手だけど)、現実を受け入れて行くんだろうなというストーリーが自然と浮かんで来たんですけどね。 でも、何度も何度も見ているダンサーと一緒にしちゃいけないな。

12月26日
ニキヤ: ナタリア・マツァーク
ソロル: デニス・ニェダク
ガムザッティ: エレーナ・フィリピエワ

12月27日
ニキヤ: オリガ・ゴリッツァ
ソロル: ヤン・ヴァーニャ
ガムザッティ: オリガ・キフィアク


大僧正: セルギイ・リトヴィネンコ
トロラグヴァ(戦士): セルギイ・クリヴォコン
ドゥグマンタ(ラジャ=インドの藩主): ヴラディスラフ・イワシチェンコ
マグダウィア(苦行僧): ヴィタリー・ネトルネンコ
アイヤ(ガムザッティの召使): ナタリヤ・イシチェンコ(26日)
                  ナタリヤ・エフレモワ(27日)
奴隷:デニス・オディンツォフ
ジャンペー :オリガ・モロゼンコ、ヴァルヴァラ・ミルケヴィチ
黄金の偶像: イワン・ボイコ
マヌー(壺の踊り): マリヤ・トカレンコ
太鼓の踊り: オクサーナ・グリャーエワ(26日)
        エレーナ・フィリピエワ(27日)
        コスチャンチン・ポジャルニツキー、ワシリー・ボグダン
グラン・パ:  カテリーナ・カザチェンコ、アンナ・ムロムツェワ、
        アナスタシア・シェフチェンコ、ユリア・モスカレンコ
        セルギイ・クリャーチン、セルギイ・クリヴォコン
幻影の場ヴァリエーション: カテリーナ・カザチェンコ、アナスタシア・シェフチェンコ、カテリーナ・ディデンコ
この記事のURL | バレエ鑑賞記 2013年 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
<<アニハーノフさんのウィンナーワルツ | メイン | キエフ バヤデルカ 続き(3)>>
コメント
コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top

トラックバック
トラックバックURL
→http://amlmlmym.blog15.fc2.com/tb.php/2885-a9442c43

| メイン |