1月4日 キエフ・バレエ「眠りの森の美女」
2014/01/19(Sun)
キエフの昨年の眠りはオレクシィ・バクランさんの超~爆演快走な指揮で見たのですが、今年の指揮はミコラ・ジャジューラさんでオーソドックスな演奏でございました。

新春と多くの人の初バレエに相応しいバレエ団総力挙げての良い舞台だったと思いますが、自分的には今年もリラの精のカザチェンコに魅せられました。 昨年感じた威厳や包容力はそのままに今回の彼女のリラは善の精の深みのある温かさというようなものがより強く感じられました。 チュチュ姿の彼女の優美な踊り、長い手足を自在にコントロールして丁寧に音楽に乗せた踊りは本当に眼福です。

マツァークのオーロラは初見。 見た目の感じでオーロラというタイプではないと思っていましたが、やはり1幕は少し大人びすぎていたように感じました。 エキゾティックでくっきりとした顔立ちなので、もう少しお化粧をナチュラルにしても良かったのでは。 足の強いマツァークなのでアチチュードバランスは余裕の長いバランスかと思いましたが、ほとんど腕をあげることもなく次々と王子の手をとっていたのは意外。 ただアチチュードの足は高くキープされていて綺麗でした。 ハイライトのローズアダージョよりも、個人的にはその後にオーロラが幸せに満ち溢れた輝かしい表情で踊る軽やかなソロが好きなのですが、マツァークは踊りが少し重く表情もどことなく翳りがあり独特。 
2幕の幻影ではしっとりというか物悲しげな憂いを帯びた瞳が印象的で、一度その姫の事を心に留めたなら、もう2度と忘れられないという魅力がありました。 そして3幕のGPDDは彼女の素が生かされ、凛としたオーロラ姫の晴れやかさときっちりした踊りが良かったです。 

バヤデルカを見て王子役を見るのが楽しみになったニェダクのデジレ王子。 期待通りとてもノーブルで品のある落ちついた王子様でした。 2幕の登場シーンのジュテの高さは十分で脚のラインも綺麗。 続くスピードのある柔らかなマネージュも見事でした。 このなかなかに美味しい王子の登場シーンを去年デニスで見たときは、もしかしたらマトヴィエンコ俺様仕様なのかと思いましたが、キエフのデフォなんですね。 オーロラ同様、王子も出の瞬間で観客の心を捉えられるわけです。 あ、しかし、あのチープ感漂う中途半端な丈のマントはいただけない・・・。 なくてもいいじゃん! ニェダクは控えめですが演技もきちんとしていてオーロラへの思いの高まりを場が進むのに合わせて上手く表現していたと思います。 リラの精にもとても恭しく接していました。 踊りは終始安定していて柔らく、大きく動かす腕のラインがいつ見ても綺麗です。 サポートも問題なく、GPDDを終えた時の様子などもう立派な国の後継者という感じでした。 ふと・・・、今プーちゃんがデジレを踊ったらどんな感じだろうなんて思ってしまいましたが。 

キエフのカラボスは2幕の最後で王子と闘うわけでもないし、悪役度が低めなのでこれもありかなと思ったセルギイ・リトヴィネンコの毒気の少ないカラボス。 マイムはとてもシンプルでわかりやすく、動きがやたら滑らかでソフトで、特に腕の動きは綺麗でしたねぇ。 手下たちもわけのわからない化け物ではなく立派なねずみでちょっと可愛い(笑)。

1幕の妖精たちはこのツアーで主役以外で主要な役どころを担っているバレリーナばかりで皆上手いです。 バレエ団に何人くらいのダンサーが所属しているのかしりませんが、層の厚さを感じます。 シェフチェンコは何センチくらいあるんでしょうねー? 180近いのかな?? キリンが踊っているようだった・・・。 ムロムツェワとモスカレンコはスラッとして手脚の長~い体型がよく似ていて、ペアで使われる事が多いですが、ほんと、同じ人間として生まれるんだったらあんなプロポーションに恵まれたかったと思わずにはいられません。 キフィアクは一世代まえのラインですが、踊りはさすがにこの中では郡を抜いています。 

フロリナ王女のフィリピエワ。 太鼓の踊りでワイルドに弾けまくっていたのが嘘のように気品に溢れたたおやかな踊り。 ヴァーニャと組むのは初めて見たような気がしますが、こんなに大きな青い鳥を見たのも初めてかな? 大きいけれど細身のせいか、鳥っぽさはありましたねぇ。 ジャンプは高かったし、気負いのない踊りが良かった。
ダイヤモンドのゴリッツア。 やっぱり彼女綺麗になったしプリマの輝きが出てきたように思います。 サファイア、ゴールド、シルバーは妖精のダンサーたちなので、ここも手堅く。
シンデレラはシューズを穿くのにちょっと手間取っていたかな? あそこはドキドキものでしょうが、こういうときに劇場の指揮者だと上手くあわせてくれるので安心ですよね。 王子のペトロフスキーの出のふわっと高いジャンプが目を惹きました。 

コールドはばらつきもなく足音も小さくて良かったです。 で、ダンサーが良いだけに、あの2幕のブルーの鬘は見ていて可哀想になります・・・。 色的にもあのシーンのイメージはグリーンなんですけどね~~。 王子のマントとブルーの鬘はやめればいいのにな。 
とまぁ、最後にこれだけは言わずにいられない~~と文句を言ってしまいましたが、主役級のダンサーを始め、出演していないダンサーはいないというくらい惜しげもなくダンサーを投入してみせてくれた質の高い良い公演でした。



 
オーロラ姫: ナタリア・マツァーク
デジレ王子: デニス・ニェダク
リラの精: カテリーナ・カザチェンコ
カラボス:セルギイ・リトヴィネンコ
カタルビュット(式典長): ヴィタリー・ネトルネンコ
妖精たち/
優しさの精: アナスタシヤ・シェフチェンコ
元気の精: アンナ・ムロムツェワ
鷹揚の精: ユリヤ・モスカレンコ
呑気の精: オクサーナ・シーラ
勇気の精: オリガ・キフィアク
宝石たち/
ダイヤモンド: オリガ・ゴリッツァ
サファイア:アンナ・ムロムツェワ
ゴールド: ユリヤ・モスカレンコ
シルバー: アナスタシヤ・シェフチェンコ
フロリナ王女: エレーナ・フィリピエワ
青い鳥: ヤン・ヴァーニャ
白い猫: カテリーナ・タラソワ
長靴をはいた猫: マクシム・コフトゥン
赤ずきんちゃん: カテリーナ・カルチェンコ
狼: ワシリー・ボグダン
シンデレラ: オクサーナ・シーラ
フォーチュン王子: ヘンナージィ・ペトロフスキー
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