11月19日 バーミンガム市交響楽団コンサート
2013/11/26(Tue)
バーミンガム市交響楽団
指揮:アンドリス・ネルソンス

ベートーヴェン:バレエ音楽「プロメテウスの創造物」序曲
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 作品15(ピアノ:エレーヌ・グリモー)

   --- 休憩 ---

ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 作品98

<アンコール>
エレーヌ・グリモー:ラフマニノフ 絵画的練習曲≪音の絵≫Op.33より 第2番 ハ長調
オーケストラ:エルガー 朝の歌




何度も挑戦したベルリンフィルのチケット入手に敗退しなければ、連日となるので足を運ばなかったであろうこの公演。 (しっかし私は4回も落ちたのに、連日のようにベルリンフィルのコンサートに通っていた人もいるんですよね・・・。 世の中不公平だ・笑)
考えてみればプログラムは好きな曲ばかりだし、注目を集めるネルソンス&グリモーも実際に聴いてみたかったので、機会に恵まれたのを素直に喜ぶ事としました。 
ネルソンスは1978年ラトヴィアのリガ生まれ。 2008年にバーミンガム市交響楽団の音楽監督に就任してすぐに音楽批評家たちから高い評価を得、2010年のウィーンフィルの来日公演では療養中の小澤征爾さんの代役として指揮者を務めるなど活躍はめざましく、2014/2015年シーズンからはボストン交響楽団の音楽監督に就任する事が決まっているそうです。


ベートーヴェン:バレエ音楽「プロメテウスの創造物」序曲
イタリアの舞踏家ヴィガーノ夫妻の依頼で作曲したバレエ音楽の幕開けに演奏された曲。 ギリシャ神話の巨人プロメテウスが人間を創造してゆくまでを描いたバレエだそうですが、1801年の3月に初演されて好評を博したもののやがて忘れ去られてしまったと。 本編は16曲あるそうですが、今ではこの序曲のみがよく演奏されるとの事。
以前レオノーレ序曲のCDを捜していた時に購入したハーディング&ドイツ・カンマーフィルのアルバムに収められていたので聴いた事はありますが、生演奏は初めてでした。
ここしばらくサントリーホールでのコンサートが続いていたのでオペラシティの厚い大きな塊のような音の聞え方が最初は少し気になったのですが、弦の音色は明るく華やぎがありました。 流れるように軽快な演奏のこの序曲はコンサートのオープニングにぴったりでしたね。


ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 
エレーヌ・グリモーはブラームスなしでは生きていけないというほどにブラームスを敬愛しているピアニスト。 私もブラームスは一番好きな作曲家なのでブラームスを盲目的に愛するピアニストでこの曲が聴けるのはとっても嬉しい。 グリモーは10月にネルソンスと組んだブラームスピアノ協奏曲第1番(バイエルン放送交響楽団)、ピアノ協奏曲第2番(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)の2枚組CDをリリースしたばかりです。 
厚みは感じるけれどベートーヴェン同様やはり明るさのあるオケの音色。 出だしの、トリルが多く胸騒ぎを覚えるような旋律も明快に流れていったような気がします。 ネルソンスは大きな体でダイナミックに動きながら思いのままにオケから音を引き出している感じ。 腕をこねくり回すような仕草がユニークで、王道中の王道のようなチェコフィルのイルジー・ビエロフラーヴェクさんの後だけに余計に個性的な姿と映りました。
グリモーの演奏を生で聴くのは初めてですが、しっかりしたタッチの硬質の音が美しい。 1楽章は途中オケの音に隠れてしまいそうなところもあったけれど、後半からはバランスが良くなったように思います。 鎮魂の響きを感じさせる静かな旋律が美しい2楽章ではグリモーもブラームスの魂と心を合わせるように丁寧に一音一音を紡ぎだしているようで、素晴らしい楽章でした。 グリモーは自分が演奏していない時もオケの音をよく聴き、身を委ねながら音楽を全身で感じ取ろうとしているようでした。 一転して3楽章はクリアで力強いタッチの情熱的な演奏で、オーケストラとの掛け合いもほどよい緊張感を保ったままエネルギッシュに盛り上がりました。 

演奏後は客席からの拍手が鳴り止まず、何度も何度も客席に応えた後にアンコールのラフマニノフ。 粒立ちの良いキラキラと輝くような音色に、今度はグリーグのコンチェルトを聴きたくなりました。 
グリモーはこの後アメリカ、ヨーロッパでコンサートが続きますが、フィルハーモニア・オーケストラとバーミンガム市交響楽団とのツアーでまたネルソンスと共演。 しかも3月のウィーンのコンサートでベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を弾く以外はすべてブラームスの1番か2番というプログラムという徹底振り。


ブラームス:交響曲第4番 ホ短調
オペラシティは客席がかなりフラットなので、後方ブロックの前の方でもぎっしりと配置されたステージ上の演奏家は手前の人たちくらいしか見えない。 序曲とこの交響曲は右手のコントラバスは7人だったのだけれど、他の弦楽器は何人編成だったのだろう? オケの音はとてもボリューミーでした。
円熟した落ち着きの中に淋しさと暗さが漂うイメージのある曲ですが、さらに熱が入って饒舌になったネルソンスの指揮のせいか、とても生気の感じられる充実した演奏でした。 けっこうテンポを揺らしていて情感たっぷりの演奏でもあったけれど、弦の響きは常に安定して艶やかで、3楽章の管楽器群と4楽章のフルートも良かったです。日数も経ってしまったので後はすでに記憶が薄く・・・。

4,5回ほど繰り返されたカーテンコールの後でようやくアンコール。 その前にネルソンスが英語で観客の来場に感謝を述べました。 自分たちの公演期間中、ベルリンフィルのコンサートと重なっている事は多分承知しているでしょうから、そういう日に自分たちの演奏を聴きに来てくれてありがとうというような気持ちがあったのかもしれませんね。 そして、自分は日本語は喋れないけれど彼は上手いからとヴィオラのチーフ?に日本語で通訳をさせていました。 彼はアンコール曲を紹介した後に「ホンジツハマコトニアリガトウゴザイマシタ」と結び、会場の温かい笑いを誘っていました。
「朝の歌」は瑞々しく軽快で明るい演奏。 ベートーヴェンとエルガーを聞くに、ブラームスよりはこちらのような曲の方がオケには合っているのではと思いつつ、いつまでも会場を離れたくないような大満足の演奏会でした。
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