「ディアナ・ヴィシニョーワ 華麗なる世界」Bプロ 第3部
2013/09/03(Tue)
<第3部>

「眠れる森の美女」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ルドルフ・ヌレエフ/マリウス・プティパ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
メラニー・ユレル、マチアス・エイマン 

ドリーブ組曲では気になったエイマンの腕の動きはこちらでは気にならず、エレガントな王子様でした。 パリオペの衣装ってゴージャスで美しいのだけれど、好みとしてはごてごてしすぎで、そこに装飾いっぱいのヌレエフ版の踊りなので若干目にしつこく感じてしまうのですよね・・・。 ユレルは落ち着いて気品のある素敵なオーロラ姫でしたが、踊りがやはり安定しない。 そしてあまり幸福感のないGPDDでした。 エイマンが時々思い出したようにユレルに微笑みかけていたけれど、ハンブルグペアのハートマークが見えそうな結婚式の後なので余計につらかったような。


「チーク・トゥ・チーク」
振付:ローラン・プティ 音楽:アーヴィング・バーリン
上野水香、ルイジ・ボニーノ 

水香ちゃん、足は細くて長くて綺麗だしこの作品の小粋で大人な世界を作り出そうと頑張っていたとは思うけれど、いかんせん音感と演技力が足りないのが惜しい・・・。 一方自分の作品というくらい身に染みこんじゃっているボニーノはさすがだし変わらないですねぇ。


「ナウ・アンド・ゼン」
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:モーリス・ラヴェル
エレーヌ・ブシェ、ティアゴ・ボァディン 

久しぶりに聞いたラヴェルのピアノ協奏曲ト長調。 10年くらい前までよくコンサートに足を運んでいた好きなピアニストのCDで一時期頻繁に聞いていました。 でもそんな感傷的なムードもボァディンの赤っぽい臙脂?のレスリングウエアのような衣装でぶち壊し(笑)。 レッグウォーマーみたいなのも付けてませんでしたっけ? 胸元に赤い縁取りのある水色のユニタードのブシェはその驚異的なスタイルが一層引き立ち、足の雄弁さも圧倒的。
幾度も幾度も愛をささやきかける男の誘惑を冷たくはぐらかす女というドラマと、プツッと糸が切れたように突然去って行った男とその男を意外そうな顔をしてみつめる女という幕切れのコントラストが面白かった。 


「パリの炎」
振付:ワシリー・ワイノーネン 音楽:ボリス・アサフィエフ
アシュレイ・ボーダー、ホアキン・デ・ルース 

このハイテンションとスピードがご本家NYCBのダンスなのねと堪能させてくれた「タランテラ」とは対照的に、オシワシコンビのこの作品のインパクトが強い自分の目には若干大人しめに見えましたが、土の匂いのする力強いオシワシペアとは違った趣の、上品で正統派的な踊りがとても良かったです。 特にホアキンは超絶技巧を繰り出しながらも終始エレガントでした。 


「椿姫」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:フレデリック・ショパン
ディアナ・ヴィシニョーワ、マルセロ・ゴメス
ピアノ演奏:菊池洋子

一言で言ってしまえば、みんな違う!という印象でした。 
ピアノは演奏会レベルの素晴らしさとパッションで、特に後半はバレエの伴奏というのを超えてしまっていたように思います。 上手きゃいいってもんじゃないんですねぇぇ、難しい・・・。 
ヴィシとゴメスは高難度のリフトも激情のままの勢いを失う事もなくとても見事で、息の合った踊りはとても良かったのですが、自分のイメージではなくて・・・。 黒のコートに全身を包んで佇んでいるだけのマルグリットの姿に無言の強さを感じたのは初めてでしたが、アルマンの視線を前にしても精神的に追い詰められた明日をも知れぬ命の女の儚さや惨めさのようなものはなかったです。 ゴメスもマルグリットを深く愛しているというのは分かるのだけれど、繊細でどこか神経質でというアルマンのイメージとは違ってラテンの情熱に溢れた偉丈夫で・・・。 
こういう演劇性の高い作品の場合、個性が強く一定のイメージをもたれてしまっているダンサーが小ピースとして取り出して演じるのは難しい事なのでしょうね。 そしてそれは多分にこちら側の問題なのですが、全幕で見てみればもっとすんなり見られるのかもしれません。 


<Finale>
プロローグのフィナーレ版(笑)って事で、こちらもゴメスの演出だそうですが、もう22時を15分くらい越えてましたよ、この時点で。 なので、席を立ち岐路につく人も多く舞台を見終わった客席の一体感があまりなくて残念。 フィナーレの後に普通のご挨拶も延々と繰り返され、開放された(笑)のは22時半。 ここまで充実した時間のかかるプログラムだったら18時半開始にして欲しかったです。 全幕とは違ってガラの場合、一日働いた後だと長時間集中するのってけっこう難しいような。 基本的に平日の公演は9時半終演(どうせ伸びるし)をめどにプランをたててくれないと帰宅の問題が出る方も増えるのではないですかね?  SAYONARAと See you again の電飾看板(垂れ幕だった?か、記憶は怪しい)が降りシリーズ化を予告していましたから、次回は今回を踏まえた上で・・・、是非!
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