カスバートソン&ボネッリ「ロミオとジュリエット」
2013/02/22(Fri)
20日の水曜日にシアタスカルチャー『英国ロイヤル・バレエ団』の「ロミオとジュリエット」を見て来ました。
2012年3月収録ですが、当初はロミオ役にセルゲイ・ポルーニンが予定されていたのですね。 彼が突如ロイヤルを退団したのでボネッリにキャスト変更という曰く付きの公演でしたが、わたくし的にはありがたや~~というキャスト変更でボネッリのロミオ見たさに行って来たのでした。 

1幕の始まる前と(1幕と2幕の間に休憩20分)2幕の前にモニカ・メイスン、レスリー・コリア、ジョナサン・コープ、ボネッリ、カスバートソンなどのインタビューやリハーサルの映像がありました。 
剣を使った争いのシーン、ティボルトが水平に切る剣をしゃがんで避けるマキューシオに、ぎりぎり待てるところまで待ってしゃがむようにという指示を出す指導者。 マキューシオ役のアレクサンダー・キャンベルの顔は真剣そのもの。 リハ後のインタビューで「もっとがまんしていたいけれどやはり恐い。 けれど本番で頑張ります。」と言っていたアレクサンダー、うんうん、もの凄く真に迫った格闘シーンだった!
また、ティボルト役のガートサイドも、以前の稽古で上上下下の順番を間違えて相手の剣を頭のど真ん中で受けてしまい怪我をしたと言っていました。 ヨハン・コボーは割れた剣の破片が目に入ってしまったとか。 カスバートソンも、3幕が上がる前にベッドでロミオを待っていたら額に傷を負った姿でやって来たのでびっくりした事があったそうで、今回フェデリコが血だらけで来なければいいけど・・・なんて縁起でもない事を言ってましたよ。 ロミジュリの剣を使っての格闘シーン、どのバレエ団の上演でも剣で目をつついたらどうしようと、いつも見ていてとても恐いのですが、それだけではなく、あの迫力を出すために毎回ダンサーたちはそうとう危険な振付をこなしているのですね。 
そうそう、誰だったかは忘れましたが、マクミランはとても映画が好きな人で、彼の作品が世界中の映画館で上映される事を知ったらとても喜ぶでしょうと言っていました。 
この特典映像は合わせて15分ほどです。

さて、舞台の感想を少しだけ。
カスバートソンのジュリエットは最初の乳母と戯れるシーンでは子供っぽさに欠け、舞踏会でのパリスとの最初の踊りでは妙な艶かしさがあり、なんか違うかしら?と思ったのですが、ロミオと出会ってからは瑞々しい清潔感と可憐さのあるとても素敵なジュリエットを見せてくれました。 少々大人っぽく感じるのはその人の顔立ちや個性と思ってしまえばどうって事はありません。 踊りもとても良かった。
ボネッリは、明るく優しく適度に甘く適度に大人な男な、とても魅力的なロミオでした。 ロイヤルのダンサーでずっと一番好きなダンサーなので、もちろん贔屓目もたっぷりですが、まんまロミオだったな! キャピュレット家の舞踏会に紛れ込む前のマキューシオとティボルトと3人の踊り、舞踏会でのソロなど、踊りはずっと安定していてマクミランの振り付けを全く難しく見せないでさらっとこなしていたのも頼もしい。 カスバートソンとのパートナーシップもとても良く複雑なリフトもごく自然に決まっていました。
二人ともダンス以上に素晴らしかったのが演技です。 大画面に大写しなので表情がわかりやすかったというのもありますが、一つ一つのシーンでの彼らの心情が手に取るように分かりました。 もう途中からは演技ではなく、役を生きるという事すら越えたロミオとジュリエットそのもののように感じました。 特に3幕のジュリエットの部屋での別れのシーン、その後、ジュリエットが一人で過酷な運命に向かい合って決断していく様、ジュリエットの亡骸を引きずり揺さぶるロミオ、ロミオの体の温もりにほんの少しの行き違いを嘆くのも束の間、今だったら直ぐに追いつくとでも思ったように迷う事無く短剣を手にした様などは見ていて辛すぎるほどでした。 凄く凄く良かった終盤の物語、パリスを殺してしまうシーンって本当にいらないよなぁ。
(7月の来日公演でカスバートソンとボネッリの白鳥があったらどんなに良かっただろう!!!)
ティボルトのガートサイドは凄みがあって威圧的。 コルプから彼独特の毒気や色気を抜いたらあんな感じ? ヴェローナ大公のギャリー・エイヴィスはできればキャピュレット公で見たかったけれど、わずかな登場にも関わらず相変わらず存在感抜群でかっこいい。
その他の役のダンサーから役名のないダンサーに至るまで、すべての出演者が、それぞれの人物になりきって舞台上にいるというのは凄い事ですね。 誰かにフォーカスをあてると、後ろにいる、劇場の客席からだとあまり目を留めないようなダンサーたちの表情まではっきり映ってしまうのですが、誰もがヴェローナの街の人々として存在していました。 もしマクミランがこの映像を見たら、本当に心から感激するだろうと思います。 

その映像ですが、それほど違和感はありませんでしたが、舞踏会でロミオがジュリエットに初めて目を留める瞬間が映されていなかったのと(見落としてはいないと思うのですが)、バルコニーのPDD、別れの朝のPDDで見つめ合い求め合う二人の片方しか捉えていなかった部分が多かったのは残念に思いました。 この二つのシーンは多少遠めになってしまっても二人の姿を映して欲しかったです。 
この公演のDVD/Blu-rayは英国で2月25日に発売となりますが、いずれ日本版もリリースされると期待しています。 出たら絶対買っちゃうなぁ!

以下キャストですが、2010年の日本公演で同じ役で見ていたキャストもちらほらと。
乳母のクリステンさんはすぐにそうと分かったけれど、キャピュレット夫人はあんな美人なのに全く記憶になく。
ジュリエットの友人は高田茜さん以外は全部同じでした。
蔵健太さんが出演していないかと目を凝らしてみましたが、確認できず。 



ジュリエット: ローレン・カスバートソン
ロミオ: フェデリコ・ボネッリ
マキューシオ: アレクサンダー・キャンベル
ティボルト: ベネット・ガートサイド
ベンヴォーリオ: ダーウィッド・Trzensimiech
パリス: ヴァレリー・ヒリストフ
キャピュレット公:クリストファー・サウンダース
キャピュレット夫人:クリスティーナ・アレスティス
エスカラス(ヴェローナ大公): ギャリー・エイヴィス
ロザライン: タラ=ブリギット・バフナニ
乳母: クリステン・マクナリー
僧ロレンス: クリストファー・ニュートン
モンタギュー公: クリストファー・ニュートン
モンタギュー夫人: サイアン・マーフィー
ジュリエットの友人: リャーン・コープ、イオーナ・ルーツ、エマ・マグワイア
             ロマニー・パジャック、アカネ・タカダ、サビーナ・ウエストコム
3人の娼婦: Itziar Mendizabal、ラウラ・マックローチ、サマンサ・レイン
マンドリン・ダンス: ジエームズ・ヘイ
            ポール・ケイ、ミハイル・ストイコ、アンドレイ・ウスペンスキー
            ジェームズ・ウィルキー、ヴァレンティノ・ズチェッティ
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コメント
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M様

 そんなによかったんですか~。私も観にいきたくなったけど、残念ながらもう終わっています。YouTubeでバルコニーpddを見たら、カスバートソンがおばさんみたいだったのでご遠慮していたのですが…軽率な判断は禁物ですね。

 ボネッリは私もロイヤルでは一番ぐらいに好きだけど、もうベテランになりかかっています。彼がいなくなったらロイヤルはどうなるか…。いくらロイヤルが未練がましくとも、ポルーニンはもう戻らないと言ってるらしいですし。

 昨日は新国立で「ジゼル」を見ましたが、ムンタギロフは踊りも容姿も素晴らしかったです!ロイヤルも彼をねらえばよいのかもしれませんが、演技面で不安があるので、今はまだクリメントヴァと踊れるイングリッシュナショナルバレエにいた方がよさそうです。彼もボネッリと同様に人柄がよさそうですので、私は好きなんですが…。エルマコフと同様、成長が本当に待たれる人材ですね。

 今年のローザンヌコンクールを見ても、どれだけバレエ界が即戦力の男性ダンサーを欲しがっているかがはっきりわかります。がんばれ、ムンタギロフ!エルマコフ!ところでズヴェーレフって…?(う~む、やっぱりロシア人ばっかりだ…。)

       MIYU
2013/02/23 16:28  | URL | MIYU #-[ 編集] ▲ top
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MIYUさん、こんばんは。

なんというか、胸にズンと来るものがありました。 
確かにカスバートソンは時々10代の少女からはかけ離れて見える時もあったのですが、それを消して余りあるほどの純粋さというか、少女の真っすぐさが漂っていたので、途中からは全く気にならなくなってしまったのです。 自分でもけっこう不思議ですけど。
相手がボネッリだったという事ももちろんありますが・・・。 
ボネッリはもう、もの言う瞳がたまりませんでしたよ~~~♪
今若手の有望なダンサーに事欠かないのはパリオペぐらいと言われていますので、どのバレエ団も必死なのですね。
でもやはり人柄というか人間性ってのも大切だと思うのですが・・・。

私も昨日の「ジゼル」を見て来ました。  まだ22歳ですから演技面はこれからいくらでも良くなるでしょうし、とても自然に貴公子然としているムンタギロフは近いうちに世界中から引く手数多になるような気がします。
ペテルブルグでは確かにエルマコフ、ズヴェーレフ(彼、どうかしたのですか?)への期待が大きいようですが、個人的にはやはりマールイのレベデフの成長が楽しみです。 近いうちにまた見られる機会があると良いのですが。
2013/02/23 23:01  | URL | M #il9tusdg[ 編集] ▲ top
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M様

 すみません、変な書き方をして。ズヴェーレフは何もしてません、ただよく名前が出る割には露出が少なくてよくわからないなぁ、と思っただけです。

 レベデフについては私は何もわかりませんが、Mさんのお勧めなら楽しみです。ミハイロフスキーが前のような品格がありながらも親しみやすいバレエ団に戻って、ついでにペレンさんも身軽になって戻ってくれて、レベデフさんと踊ってくれる日を私も楽しみにしています。

      MIYU
2013/02/24 13:51  | URL | MIYU #-[ 編集] ▲ top
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MIYUさん、

あ、そういう事ですね。
エリマコフほど露出は多くないような感じですがズヴェーレフはシンデレラの王子デビューをしたようです。 夏のヴィシの公演で期待してたんですけどね~。
レベデフは昨年1月の西宮の海賊のアリがフレッシュなエネルギー炸裂で観客に鮮烈な印象を残しました。 まさにスター誕生という感じだったので、以前のように毎年その成長が見られないのを本当に残念に思います。
ペレンも出産して2ヶ月がたちましたが、なるべく早く復帰したいと思っているようですよ~。 
そしてMIYUさんが仰るようなバレエ団に戻ってもらうためにも、次期監督が気になるところですね。
2013/02/24 22:56  | URL | M #il9tusdg[ 編集] ▲ top
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