1月11日 キエフ・バレエ「眠りの森の美女」
2013/01/28(Mon)
過去に見たつもりでいたキエフの眠り。 それなのにあまりに記憶がなさすぎると2009年の観賞記録を調べたところ、前回はマリインスキーと重なっていたために白鳥とくるみを1公演しか見ておらず、眠りは今回が初めてでした。 はぁ~~、よかったぁぁぁ。 いや、見ていてここまで何も覚えていないとしたらいくらなんでもちょっと問題でしたよ・・・。 
以下、自分の備忘録的に。

正統派の物語り運びのキエフの眠りは、舞台装置はいたってシンプルでしたが衣装はゴージャスで明るめの色彩のものが多く舞台上は華やかです。 のっけからびっくりしたのは指揮棒を振り降ろしたとたんにトップギアだったバクランさんの指揮っぷり。 自分の席からバクランさんの様子がよく見えたのですが、まるで雷にでも打たれたような激しい動作はご本人の血圧なり血管なりを心配してしまいそうなほどで・・・。 なので無事舞台が終わってホッとしました。  

リラの精のカザチェンコ、東洋の踊りで見た時にラインの綺麗なダンサーだと思ったけれど、ミルタはロマンティックチュチュだし、ここまで完璧なラインの持ち主だとは思いませんでした。 スレンダーな全身、長い腕とまっすぐ伸びて長く美しい脚はため息が出るほどで、スタイルの良いバレリーナたちの中にあっても群を抜いて目立っていました。 スタイルが良いだけでなく、踊りは終始磐石だったように思います。 プロローグでのイタリアンフェッテも大きなラインを描いて余裕で決めてましたしね。 
母性や優しさを感じさせるリラではなかったですが、威厳も包容力もある輝かしい守護精でした。

ゴリッツアのオーロラは容姿的にも16歳の初々しく愛らしい少女というタイプではなかったですが、1幕はそうとう緊張していたのだと思います。
ローズアダージョはガチガチで、なんというか夏のクラシック・ハイライトなどで初めてこのシーンを踊るダンサーのような硬さというのかな? 4人の王子たちもゴリッツアを心配してか?妙に力が入ってしまっていたようで、かえって彼女にプレッシャーをかけていたのかもしれません。
ローズアダージョ後はしっかりと踊っていたので技術のあるダンサーだとは思うのですが、1幕の踊りとしては軽やかさがなかったかな。 まぁ、正直に言ってしまえば、体のライン、バランス、脚の美しさなどヴィジュアル的要素が自分の好みではなく、周りのコール・ド・ダンサーたちの方が綺麗に見えてしまったというのがちょっと辛かったです。 
2幕はお召し替えなしでチュチュのままのリラと並んで踊るシーンがあって、踊りがどうのこうのというより、やはり目はリラのカザチェンコに惹き付けられる・・・。 マールイのようにリラがロングドレスだったらまだ良かったのでしょうが、こうなるとオーロラとリラのキャスティングというのもなかなか難しいものですね。 
それでもデニスとのパ・ド・ドゥあたりからは、しっとりと落ち着いて存在感も増してきたように感じました。
ゴリッツァが一番良かったのは3幕のGPDDだったと思います。 ぶれのないきっちりと安定した踊りで、愛らしいというよりはしっかりとしたという印象の個性が合っていたかと。 白いチュチュも似合ってましたしね。 

デニスのデジレ王子。 登場からこんなに踊りまくるデジレ王子は初めて見たかも。 連続ジュテで颯爽と登場して続けざまに高速のマネージュ。 昔だったらオレを見ろ的なアピールと感じられたかもしれませんが、この日のデニスにはスターダンサーとしてではなく芸術監督としての必死さ、と同時に背負っているものの大きさを感じました。 フィリピエワと主演を分け合う舞台ではなかったので、ゴリッツァを引き立て引っ張りながら、自身も最高のパフォーマンスをという意気込みのようなものも伝わって来ました。 

ザヴゴロドニーのカラボスも強いインパクトがありましたねぇ。 譜面どおりに小刻みに体を動かしながらの熱演。 悪態ついて暴れまくるのが楽しくて仕方がないカラボスでした。 
そして前日にジゼルを踊っているから東京では踊らないのだろうなと思っていたフィリピエワがフロリナ王女を踊ってくれてとても嬉しかったです。 周りのダンサーとは格もオーラも違う圧倒的なプリマの存在感。 場の空気をすっかり変えてしまい3幕を持っていってしまったような気がします。 
青い鳥のイワン・ボイコは伸びやかで大きな跳躍が素晴らしく、ヴァリエーションも柔らかい足捌きが見事でした。
シンデレラとフォーチュン王子の踊りがあるバージョンは初めて見たような気がします。 シンデレラは途中で片足のシューズを王子に履かせて貰うのだけれどそれまではちょっと大変? フォーチュン王子が頭に乗せているのオデットのような小さな冠がちょいとツボでした(笑)。
宝石さんたちはみなさん、スタイル良くて踊りも破綻なく。 ダイヤモンドのチェプラソワは上手いけれどやはりバネのような足の跳ね上げが気になる・・・。 


2度の休憩を入れて3時間の作品はマールイよりは30分ほど短いですが、1幕冒頭に編み物の踊りもあったし、細かい違いはあるにしろ構成として大きな違いは2幕の最後の間奏曲がないくらいでしたかね。 ペテルブルグの優美さやたおやかさとは違った躍動感(という言葉はちょっと変かな?)と明るさに溢れた良い舞台だったと思います。 





オーロラ姫: オリガ・ゴリッツァ
デジレ王子: デニス・マトヴィエンコ
リラの精: カテリーナ・カザチェンコ
カラボス: ロマン・ザヴゴロドニー
王: ドミトロ・ルキヤネッツ
王妃: リュドミーラ・メーリニク
式典長: ヴィタリー・ネトルネンコ
優しさの精: アナスタシヤ・シェフチェンコ
元気の精: オリガ・モロゼンコ
鷹揚の精: テチヤナ・ソコロワ
呑気の精: オクサーナ・シーラ
勇気の精:マリーナ・ステパンチェンコ
4人の王子:ドミトロ・チェボタル、イーゴリ・ブリチョフ、イワン・ボイコ、セルギイ・クリヴォコン
ダイヤモンド:エリザヴェータ・チェプラソワ
宝石たち:ユリヤ・モスカレンコ、カテリーナ・メテルキナ、マリーナ・ステパンチェンコ
フロリナ王女: エレーナ・フィリピエワ
青い鳥: イワン・ボイコ
白い猫 :カテリーナ・タラソワ
長靴をはいた猫: マクシム・コフトゥン
赤ずきんちゃん: カテリーナ・カルチェンコ
狼: ワシリー・ボグダン
シンデレラ: オリガ・モロゼンコ
フォーチュン王子: セルギイ・クリャーチン
指揮:オレクシィ・バクラン
管弦楽:ウクライナ国立歌劇場管弦楽団

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コメント
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ボクもキエフの眠りを見たんだよ。だけどオーチャードじゃなくって、東京文化だよ!
結婚式のゲストの踊りはボリショイの眠りとおんなじ4組だったと思うな。だってキエフを見に行く前に、DVDを見たんだもん。シンデレラの王子の冠はね、なにかのパロディかと思っちゃった。なんだかバカ王子っぽくてイヤだなあ。だってボクは王子様の中でもシンデレラの王子様が一番好きなんだもん。
だけどシドルスキーとコールプの二人から同時に迫られたときには、どっちを取るか、このところ必死に悩んでるんだよ。

キエフのオーケストラは来日したマリインスキーのよりずっとずっと良かったなあって思うの。
2013/01/30 22:23  | URL | シロジャビ #YvEbeA.k[ 編集]
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わ! 大間違い。 
オーチャードのジゼルの時と勘違いしちゃった。 
文化会館も自分の席からはバクランさんがよく見えたけれど首から上でした。
本文も訂正しました。 ありがとうございます。 

フォーチュン王子はマントももうちょっと長い方が素敵じゃないかな?
あ、そうそう。 3幕でちょっと残念だったのはマリインカ(確か)やマールイみたいに最初にオーロラと王子がゲストのお迎えをしないこと。 お迎えの時のドレス姿も素敵だし♪ ゲストに微笑むオーロラはみなとても晴れやかな顔で美しいんですよね。

>シドルスキーとコールプの二人から
それってライモンダみたい(笑)。
フィリピエワもあの時そうとう迷ったように見えたなぁ。

私もオケはマリインカのオケより良かったと思います。
舞台とオケの関係もファミリーって感じだったもの。
2013/01/30 23:02  | URL | M #il9tusdg[ 編集]
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