世界バレエフェスティバルBプロ 8月14日の感想(第3部&第4部)
2012/08/17(Fri)
<第3部>


「マーラー交響曲第5番」より"アダージェット" 
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:グスタフ・マーラー
エレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディン

一瞬にしてエレーヌ・ブシェの世界に引き込まれたような気がします。 たぶん、自分がアダージェットから感じ取るイメージと彼女の表現や音取りがぴたりと合っていたからだと思うのですが。 ノイマイヤーがこの曲で表現したかった事と曲が持つイメージを完璧に一体化させて彼女の体で語りかけているように感じました。 
Aプロではロングスカートだったから分からなかったけれど、エレーヌ・ブシェは腰高で手足の長い抜群のプロポーションの持ち主なんですね。 きっとクラシック作品を踊っても素晴らしいのだろうなと思わせるムーヴメントの美しさにうっとりでした。
ブシェに目が釘付けだったせいで、ボァディンの印象は薄いのですが、息も合っていて同じ空気を作り出せる人だったと。


「シェエラザード」 
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:ニコライ・リムスキー=コルサコフ
ポリーナ・セミオノワ イーゴリ・ゼレンスキー

アラビアンナイトというよりマイクロネシアンナイトととでもいいたいようなポリーナちゃん、なんて健康的なゾベイダなんだ・・・。 ブラにハーレムパンツで腰をくねらせれば雰囲気はそれなりだけれど、そそられるような妖艶さは感じないんだよね~~。 ま、今踊らなくても、キャリアの終盤に踊ってみてもいいわけですからね、乞う期待!って事で!!
ゾベイダがそんなだから、シャリアール王がハーレムパンツ穿いているのか?というくらい偉そうな(笑)ゼレの金の奴隷も理性を保ったままお仕事してます・・・って感じですかね? 海賊の時よりも体が軽くよく動いているようだし、しっかりした回転も跳躍も綺麗でした♪ ともかく、このフェスでゼレが見られただけでハッピーです。


「アザー・ダンス」
振付:ジェローム・ロビンズ/音楽:フレデリック・ショパン
オーレリ・デュポン ジョシュア・オファルト

20分近かったかなぁ? でも飽きる事はなかったです。
オーレリは高雅な白百合のような美しさ。 小粋でエレガントなダンスも素晴らしかったです。 また時折見せるお茶目な表情も魅力的で、曲の合間にオーレリに何やら言葉をかけられているピアニストの男性は役得だなぁなどと思ってしまいました。
ジョシュアも端正な踊りが美しく、ブーツ姿もよく似合う美脚な彼は王子姿もさぞに様になるだろうなと。

  
「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
ナターリヤ・オシポワ イワン・ワシーリエフ

普通のメドーラとアリには見えなかったけれど、彼ららしい圧巻のパフォーマンスでした。 
ワシーリエフのあっけに取られるほど高い跳躍と永遠に回っていられそうな軸ぶれのない綺麗な回転+旺盛なサービス精神にはひたすら感心。 オシポワはチュチュではなくて、膝丈ほどの淡いパープルのスリップドレス。 ちょっとオーレリのドレスと色とデザインがかぶっちゃった感があるけど可愛らしかった。 あれで、顔芸なしで踊ってくれればもっといいんだけど・・・。 ヴァリはポリーナちゃんがガムザッティだったからどうするのかなと思っていたら、意表をついてメドーラの花園のヴァリを持ってきました。 あれだったらチュチュの方がいいかもしれないけどな~。



<第4部>



「ル・パルク」
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ/音楽:ヴォルフガング・A.モーツァルト
ディアナ・ヴィシニョーワ  ウラジーミル・マラーホフ

長い黒髪を降ろして白のロングシャツをスポンと被っただけのヴィシがとても可愛らしく見えてしまった。 もっと本能のままにマラーホフ演じる男に絡んでくるのかと思ったけれど、意外にも官能性が薄い。 マラーホフもヴィシ演じる女に欲望をそそられているようには見えず、二人の関係はエロティシズムの解放というより精神性が高いというか魂の呼応のように見えました。 


「コール・ペルドゥート」  
振付:ナチョ・ドゥアト/音楽:マリア・デル・マール・ボネット
スヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・メルクーリエフ

中東っぽい音楽に自分の中のテンションが上がる(笑)。 好きなんですよね~、この独特のリズムと裏悲しい音と妙な緊張感が。 
音楽を全身で聞き、何かちょっと憑かれたように切れよくスピーディーに踊るザハロワが素晴らしかったです。 身体表現の美しさはため息もの。 スレンダーな彼女の美しいラインを損ねることのないロングスカートとロングスリーブの衣装も効果的で彼女によく似合っていた。
メルクーリエフはAプロ同様あまり見せ場がないというのがとても残念だったけれど、ザハロワからの絶大な信頼も納得の安定感。
実はこの作品、家に帰ってプログラムを読み返すまでナチョ作品と気づかなかったのですが、ザハロワのおかげかもしれないけれど、これは好きだなと・・・。


「ジュエルズ」より"ダイヤモンド"
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ウリヤーナ・ロパートキナ マルセロ・ゴメス

ロパートキナのダイヤモンドを見るのは2006年のマリインカのロパートキナガラ以来。 ロパートキナとダニーラが踊ったジュエルズの「ダイヤモンド」はあれ以来、自分にとって特別な演目となり、ロパートキナ以外のダイヤモンドはダイヤモンドではない・・とさえ思うようになってしまいました。
下手奥から姿を現すロパートキナ。 まるで天界から女神が降り立ったような神々しさ。 決して触れてはならない神聖でミステリアスな雰囲気は変らないのだけれど、柔らかなオーラを纏い、パートナーのゴメスに向ける眼差しも温かい。 それにしても何と完璧なフォルムなのだろう。 細く長い手足が描き出す軌跡は繊細で美しさの極み。 ロパートキナ自身があのチャイコフスキーの旋律を生み出しているのではないかと思わせるほどの音楽性。チャイコフスキーの旋律をあれだけ美しく纏える人も他にいないだろうな。


「オネーギン」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
マリア・アイシュヴァルト マニュエル・ルグリ

揺さぶられる思いに流されそうになりながらも必死で理性を呼び起こし想いを断ち切るタチアーナと、押さえられなくなった激しい恋心をタチアーナにぶつけ彼女の心を求めようとするオネーギン。 あまりにも切ない二人。
とても素晴らしかったです。 素晴らしかったのですが、わりと短い間にこの二人のオネーギンを見すぎて見慣れてしまったかなぁという思いもあります。 昨年のルグリガラの初回の上演に自分でも驚くほど感動してしまい、それが大きすぎたのか、それ以降はどうしてもそれを超えられないでいる私。


「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
ヤーナ・サレンコ ダニール・シムキン

Aプロではトップバッターを務め、Bプロではトリを飾るフレッシュな二人。 とはいえ、サレンコももうフェスの常連なんですよね。
二人とも派手さはないけれど、手堅い踊りながら要所にスーパーテクニックを織り込んで会場を盛り上げていました。



フィナーレのカーテンコールの後は最終日恒例のてぬぐい投げ。 ダンサーたちも皆楽しそうですねぇ~~。 私はサブセンの6列目だったのですが、残念ながら飛んで来ませんでした。 大半がもう少し前の席までしか届いていませんでしたが(球技に勤しんで来た人なんていないでしょうしねぇ)、肩の強い男性でけっこう飛ばしてたダンサーがいたみたいでした。 誰だろう? 野球が好きなマシューとか?? 

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