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オサチェンコ&マッキー「白鳥の湖」 6月6日の感想
2012/06/19(Tue)
東京文化会館: 1階21列5番

当初はマリア・アイシュバルトとマライン・ラドメイカー主演予定だったこの公演、アイシュバルトの足の具合が良くないという事でオサチェンコとマッキーに変更になった。
アイシュバルトとラドメイカーは以前マラーホフの贈り物で踊り的にも演技的にもとても相性が良いように感じたので、ドラマティックと言われていたクランコの白鳥をどう見せてくれるのかとても楽しみにしていました。 今回見られなかったのが非常に残念。 

ベンノを踊ったアレクサンダー・ジョーンズは2005年のロイヤル・バレエスクールの公演を見ているので、シュツットガルトの公演で見るのは初めてなのに、立派になったわねぇという心境(笑)。 開演前は、どうせまた付け髭が・・・と思っていたら彼はわりと素顔のままで、美青年ぶりとくせのないエレガントな踊りを堪能。

本当にシュツットガルトの主役級男性ダンサーは魅力的なダンサーばかりですね。
エヴァン・マッキーはハンサム、長身、スリム。 そして物腰が非常にエレガント。 フォーゲルのように村人たちと一緒だとかなり同化してしまう親しみやすい王子様というのではなく、身分の違いは常に明らかでちょっと距離感がある落ちついていてもの静かな王子。  全幕通して感情表現は抑制が効いていて(ただ若干一本調子気味な気はしましたが・・・)、醸し出している雰囲気は繊細で傷つきやすいという感じかな?   ロミオを見たいとは思わなかったけれど、オネーギンはきっと凄くいいだろうなぁと期待が膨らむ。 踊りはとてもノーブルで端正で、特に脚のラインが非常に美しいです。 踊りの美しさという面では抜きん出ていると思うのですが、ヴァリエーションなど前日の好調だったフォーゲルと比べるとまだ若干もたついて見えたところもありました。 でもこれは経験の差ですよね。 サポートもとても安定してバレリーナが安心して踊れると思います。

アンナ・オサチェンコのオデットは、アマトリアンよりはくせがないと思うし、あきらめの境地から抜け出せないというほどではなく王子に傾きかける気持ちもあったと思いますが、特にこれといって印象に残っているものはありません。 あ、ザハロワ並みのアーチを描く甲高の足はとても綺麗でした。 オディールは妖艶な感じで生き生きしていて良かったのですが、32回転でどんどん前に出てくるうちに独楽が倒れそうな感じに傾きだし、このままじゃ危ないと思ったと同時に止めてしまいました。 失敗は仕方ないですが、プリンシパルなんだから、せめて別のパで繋ぐとか間をあけないくらいのフォローは欲しかったです。  マッキーが曲のタイミングを計りながらすぐにピルエットで繋いでいたのでなんとかまとまりましたが。

各国の踊りはナポリの姫がヒョ=ジュン・カンからアンジェリーナ・ズッカリーニに変わっただけなので、特に前日と変わった印象はありませんが、パ・ド・カトルなスペインの騎士にもロシアのハンカチ姫にも目が慣れたかな?
その他、この日は王妃がトレインを踏まれなくて良かったとか、マッキー王子と王妃の方がよく話をしていたなとか・・・。 王妃は村人たちと一緒にいるマッキー王子にはとりあえず接吻はさせていたし、フォーゲル王子よりお気に入りなのかも(笑)。

最終幕。
この日は2羽の白鳥にプリンシパルのヒョ=ジュン・カンとミリアム・サイモンをキャストするという大盤振る舞い。
2羽で思い出しましたが、前日の2幕で一番印象深かったベンノが白鳥たちに弓を引こうとした場面、この日は2羽が出たところでオデットが出てくる前だったかほぼ同時くらいに王子が飛び込んで来ました。 なので、オデットの命もいとわない毅然さとかオデット危うし・・というドラマがなかったです。 こういう微妙なタイミングまできっちり決まっているわけではないのですね。
オデットと王子の哀しみのPDD。 本当にこの曲は曲そのものが聞く者の胸をかき乱すというか、悲恋モードになるというか・・・、二人が心から愛し合い求め合いながらも絶望との背中合わせで別れの時が迫っているというのが痛いほどに切なく伝わってきます。 オサチェンコもマッキーも情感があって良かったです。 特に憂い顔も麗しいマッキーは良いですねー。 次第に自分の運命をも悟って受け入れていってしまいそうな・・・。
ただ、その後、ロットバルトに向かって懇願するオデットの背中が「どうかお願いですから今度は命だけは助けてあげて」と語っているような気がしたり、王子からオデットを引き離す白鳥たちが「さ、姫様、急がないと。 もうすぐここには大水が押し寄せてきますから・・・」とせかしているように感じてしまったりと、昨日のようなまっさらな気持ちで見ることはできなかった自分がちょっと痛い。

いろいろ種も仕掛けも分かっていた2日目という事もあり、そのせいで少々ひねくれた見方もしてしまったものの、全体的に落ち着いて舞台を見る事ができました。 自分がフォーゲル好きというのもあって前日はクランコの意図する通り王子の物語という印象が強かったのですが、この日はオデットと王子の存在感のバランスが(地味目に)取れていてまた違った感じがありました。 
クランコ版「白鳥の湖」を気に入ったかと言われれば、どうだろう? 微妙かなぁ? このバレエ団の古典に様式美やロシアの白鳥たちの美しいラインを期待するわけではないので、機会があれば王子次第ではこの反則(4幕エレジーなアダージョ)付き(笑)の白鳥をまた見てみたいと思います。 ただ東京シティ・フィルハーモニックの演奏は次は勘弁だけれど。



◆第1幕 王子の城近◆

ジークフリート王子:エヴァン・マッキー
ウォルフガング(家庭教師):オズカン・アイク
家政婦:リュドミラ・ボガート
ベンノ(王子の友人):アレクサンダー・ジョーンズ
従者たち:ロマン・ノヴィツキー、ブレント・パロリン、デヴィッド・ムーア、ローランド・ハヴリカ
町娘たち:ミリアム・サイモン、アンジェリーナ・ズッカリーニ、
エレーナ・ブシュエヴァ、ダニエラ・ランゼッティ、ミリアム・カセロヴァ
王妃(摂政):メリンダ・ウィザム


◆第2幕 湖畔◆

ジークフリート王子、ベンノ
ロットバルト(邪悪な魔術師):ダミアーノ・ペッテネッラ
オデット(魔法をかけられた王女):アンナ・オサチェンコ
二羽の白鳥:ヒョ=ジュン・カン、ミリアム・サイモン
小さな白鳥:エリサ・バデネス、カタリーナ・コジェルスカ、
ジュリー・マルケット、アンジェリーナ・ズッカリーニ

◆第3幕 玉座の間◆

見知らぬ騎士:ダミアーノ・ペッテネッラ
オディール(その娘という姫君):アンナ・オサチェンコ
スペインの姫君とそのお付き:
ミリアム・サイモン
ペトロス・テティエリアン、ロマン・ノヴィツキー、
デヴィッド・ムーア、マッテオ・クロッカード=ヴィラ
ポーランドの姫君とそのお付き:オイハネ・ヘレーロ、ローランド・ハヴリカ
ロシアの姫君:エリザベス・メイソン
ナポリの姫君とそのお付き:アンジェリーナ・ズッカリーニ、ブレント・パロリン


指揮:ジェームズ・タグル
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
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2012/06/21 07:31  まとめwoネタ速neo
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