日本フィルハーモニー チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」
2012/05/17(Thu)
<チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」>
聴き終って静かに息を吐きながら凄い曲だなとしみじみ思いました。 ラザレフさんはプレトークでの6番の説明で、「静寂を味わって下さい。 6番は1楽章と4楽章が重要で、間に挟まれた2楽章と3楽章はまさに間奏曲のようなもの。」と仰り、さらに何度も「静寂」という事を強調していましたが、その静寂を際立たせるような2幕の軽快なワルツもエネルギッシュな3幕も、間奏と片付けてしまうにはもったいないほど美しく激しくドラマティックでした。

1楽章の出だしのファゴットの音色は暗闇で何かが蠢くような不気味さ。 でもこのファゴットで、あ~これこれ、6番だ・・といつも思います。 拍手喝采だったライモンダで気を良くしているのか、出だしから指揮者とオケの息はぴったりで、ラザレフさんの細かい指示を食い入るように見つめている団員たちの表情が印象的。
2楽章のワルツはほっと一息つける流れるようなリズムが良いです。
3楽章は歯切れよく力強く勇ましく、ボリュームもずいぶん厚く、終結に向かって爆演状態となっていきましたが、 良い演奏でした。
その3楽章の終盤でアクシデントが。 ふと気づくと、第1ヴァイオリンのメンバーが次々に後ろの団員とヴァイオリンを交換してゆき、最後列の団員が一台のヴァイオリンを持って袖に消えて行きました。 どうやらそれはコンマスのヴァイオリンだったようで、4楽章が始まる前にその団員がヴァイオリンを手に戻って来て、今度は自分の前の団員のヴァイオリンと交換する事によって、無事、コンマスの手に彼の愛器を戻したのでした。
多分、弦が切れたのでしょうが、演奏中に何が起こるかはわからないものですねぇ。 このために3楽章から4楽章に移るのに時間がかかり過ぎて、一つの曲が分断されたようになってしまいました。 華々しく終わった3楽章から一転、悲嘆にくれたような4楽章が始まるまでのわずかな間と緊張感も、ラザレフさんのいう静寂の一つだったかもしれないので、つくづく残念なアクシデントでした。
6番の4楽章を聞くと今でもベルリン国立バレエの来日公演でマラーホフが演じたチャイコフスキーの壮絶な最期を思い出します。 運命に翻弄されるような弦の旋律は痛切に響き、終盤のコントラバスが刻むリズムは最期の時が忍び寄ってくるような暗さと重々しさを持っていました。 最後の音が消えた後も、ラザレフさんはまるで彼にしか見えない何かを鎮めるように指を動かしながらゆっくりゆっくりと腕を降ろしていき、ようやく指揮を止める。 ホール全体が静まり返り、呼吸をするのもはばかられるような静寂の瞬間でした。

オケのメンバーがラザレフさんの熱いロシア魂に応えた熱の入った良い演奏だったと思います。
バレエの演奏ではちょっとなぁぁぁという管に遭遇する事が多い国内オケですが、今回は弦や打に負けず劣らず、金管も木管も安定していてとても良かったです。
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