ウィーン国立バレエ「ウィンナー・ガラ」 4月25日の感想
2012/04/30(Mon)
東京文化会館: 1階7列11番

「バッハ組曲第3番」
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:ヨハン・セバスティアン・バッハ
マリア・ヤコヴレワ ‐ ロマン・ラツィク
橋本清香 ‐ ミハイル・ソスノフスキー
マルタ・ドラスティコワ ‐ アレクサンドル・トカチェンコ
アリーチェ・フィレンツェ ‐ ドゥミトル・タラン
澤井怜奈 ‐ ダヴィデ・ダト


アブストラクトバレエでは好みの範疇の作品でした。 バッハの音は好きだし、曲調をよくとらえた振付だったと思います。 ダンサーたちもみなよく動いていましたが、男性がウエストのあたりで水平に体を伸ばした女性を抱える静止のポーズが印象的。 
橋本さんはスタイルも良く早い動きが音楽にシンクロしていてとても良かった。 こういう踊りでは存在感抜群のソスノフスキーとのコンビも良くて個人的には第1ペアよりも好印象。
その第1ペアのヤコヴレワとラツィックのプリンシパルペアももちろん上手かったのですが、スローテンポな「G線上のアリア」を踊りのラインで見せるにはヤコヴレワの音楽性がいまひとつ十分ではなかったように感じた。 スローな音楽に合わせゆっくり美しく動くというのは難しいものだと改めて思わされました。


「アンナ・カレーニナ」より パ・ド・ドゥ
振付:ボリス・エイフマン 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
アンナ:イリーナ・ツィンバル  カレーニン:エノ・ペシ

エノ・ペシのカレーニンは線が細いせいかややヒステリックな印象もあったけれど、十分に役になりきっていて踊りからもカレーニンの複雑に揺れ動く感情がきちんと伝わって来た。 イリーナ・ツィンバルも袖から小走りで出てきた瞬間からアンナで、そこにはいないヴロンスキーへの想いやカレーニンへの後ろめたさや拒絶感のような感情の表現が素晴らしかった。 エイフマンダンサーのようなキレキレでスピード感のある迫力とは違うものだったけれど、妙に心に迫ってきたなぁ。
  

「マリー・アントワネット」より
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:ジャン=フィリップ・ラモー、ルイ・ミゲル・コボ、アントニオ・ヴィヴァルディ
マリー・アントワネット:オルガ・エシナ
ルイ16世:ロマン・ラツィク
運命:キリル・クルラーエフ


これは2幕もののバレエだそうで、ガラで披露されたのは作品の冒頭と2幕の最後の部分の抜粋との事。
赤いロングコートを颯爽とかっこよく翻しながらダイナミックに踊る運命役のクルラーエフがとても良かっただけに、その後の展開にも期待したのだけれど、アントワネットとルイ16世の踊りは何を見ても同じようなバナ節でパッとせず。 怯え拒むアントワネットと無垢に愛を求めるようなルイ16世に戸惑ううちに、その長さに厭きてしまい・・・。 アントワネットの影なるキャラも登場する全幕で見たらどうなのかは分かりませんが、この抜粋の仕方そのものに無理があったんじゃないですかね?


「スキュー ‐ ウィフ」
振付・衣裳:ポール・ライトフット、ソル・レオン 音楽:ジョアッキーノ・ロッシーニ
イオアナ・アヴラム、ミハイル・ソスノフスキー、デニス・チェリェヴィチコ、マーチン・デンプス

プリミティブな雰囲気を漂わせ、痙攣したような動きや身体能力の限界を追求したような困難な振りてんこ盛りで面白かったです。 でもこのロッシーニの曲を聞けば、浮かんでくるのはシュブックのザ・グラン・パ・ド・ドゥなので、頭の中では目がねをかけてバッグを口にくわえてバレリーナが人差し指を上げながら腕をぐるぐる回している姿だったりする・・・。
客席が前の作品でテンション下がったまま切り替えが上手く行かず、この作品に笑いきれなかったような気がしたのが残念というかダンサーに気の毒でした。

‐休憩‐

「グロウ ‐ ストップ」
振付:ヨルマ・エロ 音楽:ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト、フィリップ・グラス
オルガ・エシナ、イリーナ・ツィンバル、リュドミラ・コノヴァロワ、アリーチェ・フィレンツェ、仙頭由貴、アンドレア・ネメトワ、
キリル・クルラーエフ、リヒャルト・ザボ、ウラジーミル・シショフ、アッティラ・バコ、エノ・ペシ、イゴール・ミロシュ


プリンシパルを5人も注ぎ込み、ソロやデュオやトロワと様々にパターンを変えながら次々とダンスが繰り出されるテンポの速い作品で上演レベルも高かったと思います。
クルラーエフの切れのあるダンスがここでも目を惹きました。


「イン・ザ・ナイト」
振付:ジェローム・ロビンズ 音楽:フレデリック・ショパン
ナタリー・クッシュ ‐ 木本全優
アレーナ・クロシュコワ ‐ ロマン・ラツィク
ニーナ・ポラコワ ‐ マニュエル・ルグリ
イーゴリ・ザプラヴディン(ピアノ)


星降る夜空にそれぞれのカップルの衣装が綺麗に映えて、ここまで単色使いで味気ない衣装が多かっただけにこれだけでも目の保養になりました。 ピアノの生演奏でのノクターンずくしというのも素敵ですね~。
木本さん、恵まれたプロポーションで踊りも丁寧なのですが、ショパンの詩情とか作品を表現するという点ではまだ物足りないです。 
二組目のコロチコワ(マールイ時代にさんざんこの名前で親しんできたのでクロシュコワとは書けないなぁ)とラツィクはしっとりとした大人の感じでとても良かった。 それぞれにイヴニングドレスと軍服調の衣装もバッチリ似合ってました。 この時にはこの女性がコロチコワとは気づいていなかったので、ポール・ド・ブラがとても美しく物腰は優雅でホントに素敵なダンサーだわ~、誰なんだろう?とただうっとりと見ていただけなんですが。
ニーナ・ポラコワはルグリ先生のお気に入りなのでしょうね。 体型的にもちょうど良さそうだし、踊りやすいのかな?
去年の夏に見た時よりもルグリと踊る事に自信と余裕があるように思いました。 ルグリをまっすぐ見すえパートナーとしてしっかりとそこに存在していて情熱的で良かったです。
ルグリはもう別格だし、ミスター・エレガンスな彼があの衣装でこの演目というのは反則ものとも言えそう(笑) そこにいるだけで特別な空気と世界を作ってしまうルグリの踊りを見られるだけでも凄くありがたい事ですね。
 
‐休憩‐

「精密の不安定なスリル」
振付・衣裳・照明:ウィリアム・フォーサイス 音楽:フランツ・シューベルト
リュドミラ・コノヴァロワ、玉井るい、橋本清香、木本全優、デニス・チェリェヴィチコ

木本さんは、溌剌と思う存分動けるこちらの演目の方が良かったです。 チェリェヴィチコも力む事無くテクニックを存分に発揮。 女性3人も良かったですが、そろそろこの手の演目に飽きてきたのでこちらの集中力はなかったです。


「ルートヴィヒ2世‐白鳥の王」 〈世界初演〉
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:リヒャルト・ワーグナー
ルートヴィヒ2世:マニュエル・ルグリ
エリザベート皇后:マリア・ヤコヴレワ
湖の貴婦人:ニーナ・ポラコワ


ポラコワもヤコヴレワも役を見事に演じていて良かったのですが、構成や音楽の使い方が「アントワネット」とダブり、世界初演ながら既視感の強い振付が辛いし長すぎ。 
それでもルグリの迫真の演技と踊りは素晴らしかったです。 オネーギンもそうだったけれど、舞台に立ち曲が始まった時にはすでにその役として生きているのが凄い。 湖の貴婦人の抗いがたい魅力に惑わされ、破滅に向かって進んでいく王。 狂王というには理性を失ってはいないようなルグリだったけれど、それゆえに激しい葛藤に神経をズタズタにされたような最期だったようにも見えた。 


「ライモンダ」よりグラン・パ
振付:ルドルフ・ヌレエフ(マリウス・プティパに基づく) 音楽:アレクサンドル・グラズノフ
ライモンダ:オルガ・エシナ
ジャン・ド・ブリエン:ウラジーミル・シショフ
アンリエッテ:アレーナ・クロシュコワ
パ・ド・カトル:アッティラ・バコ、グレイグ・マチューズ、ドゥミトル・タラン、アレクサンドル・トカチェンコ
クレメンスとふたりの女性:マルタ・ドラスティコワ、マリア・アラーティ、澤井怜奈
 

このガラ唯一のクラシック演目。 
ロシア系ではなく、パリオペやロイヤルなどヨーロッパ系のバレエ団によく見られるような質感の衣装で、色使いが大変美しく、ゴージャス感と上品さ加減がちょうど良い。
エシナは美人ですねぇ。 真ん中の存在感十分で華やかで良かったのですが、ちょっと凄みのある姫だったかなぁ? ライモンダはトップレベルのダンサーでけっこう見ているだけに、踊りそのものの圧倒感はやや足りなかったように思います。 シショフは、見た目も動きもちと重かったですねぇ。 ヌレエフ版だから余計に目立ったのかもしれませんが・・・。  
第3部が始まる間際でクロシュコワが元マールイのコロチコワと分かったのでアンリエッテ役の彼女の登場が待ち遠しかったのですが、イン・ザ・ナイトとは違い可憐な感じながら、結婚式に花を添える華やぎも十分でした。 
男性カトルはあらららら・・・。 ここに木本さんやチェリェヴィチコが入ると全然違うのでしょうが。 一方よく揃っていた女性トロワはヌレエフ版オリジナルなのかな? 
コール・ドはいろんな意味でばらつきが見られ、この演目にはちときびしめでした。
 


バレエ団の全体的な印象として、クラシックベースの現代ものやコンテの完成度比べると、純クラシックはいま一歩という感じです。 ただソリストでは十分踊れるダンサーもいると思うので、個人的にはマリー・アントワネットと、バッハ、グロウ・ストップ、精密の不安定なスリルから一つ削ってもらって、代わりにクラシック作品をもう二つ入れて欲しかったように思います。 特にラインの綺麗なラツィクのクラシックを見てみたかったなぁ。 
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