新国立劇場「アンナ・カレーニナ」 3月17日の感想
2012/03/20(Tue)
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<主な出演者>
 アンナ:長田佳世
 カレーニン:マイレン・トレウバエフ
 ヴロンスキー:厚地康雄
 キティ:本島美和
 セリョージャ:三善琥珀

2年前の公演はエイフマン・バレエからのゲストダンサーで見たので、今回は長田さんの踊りが見たかった事もあり、17日のソワレだけに行きました。
2度目という事で、あの良い意味で奇想天外な演出に驚かされることもなくじっくりと鑑賞でき、テンポの良さに吸い込まれるようにあっという間に終わってしまった舞台でした。

感情の表現が激しく濃厚で踊りはダイナミックでスピーディーでエネルギッシュだった前回のニーナ・ズミエヴェッツ、セルゲイ・ヴォロブーエフ、オレグ・ガヴィシェフと比べると、愛憎劇のドラマ性という点では少し弱かったように思います。 長田さんのアンナに家庭を捨ててまで愛に走って身を滅ぼしていくほどの危うさや自我をさほど感じなかったのと、私にはマイレンとの並びが良すぎて見えてしまい、この二人でマノンを見たかったなどと思ってしまったり・・・。 それでもどんどん惹き込まれ、このキャスティングでの物語を堪能できたし、初演でここまで見せられるのも凄い事だと思いました。

長田さんはしっかりとした踊りで音楽的で、速い動きでも軸ぶれする事なく随所に織り込まれる様々なリフトでもポーズが足先指先までとても綺麗でした。 いつ見ても彼女の腕の動きは美しいです。
厚地さんは長身なので軍服の衣装などもとても似合っていましたが、甘いマスクなのが凛然とした将校というヴロンスキーのキャラクターを少しばかりソフトにしすぎていたかなぁとも感じました。 踊りはもう少しシャープなラインが作れるといいですが、長田さんとの息はとてもあっていたし、速くて複雑なリフトもしっかりこなしていて良かったです。
今回私的一番はやはりマイレンのカレーニンでした。 アンナの不貞に対する憤慨や怒りを誰にどうぶつければいいのかと悩む様、その怒りや嫉妬によって気づかされたアンナへの愛情に困惑する様など、カレーニンの心情を夫の威厳を保ったまま上手く表現していたと思います。 キレのあった踊りが良かったのはもちろんだけれど、激しい動きがふと止まった時のポーズの美しさは格別。 コール・ドの男性たちの熱の入った踊りも素晴らしかったけれど、その男性コール・ドを従え真ん中で踊るマイレンには主役が放つ強烈なオーラがあり、改めて優れたダンサーだと感じました。 福岡さんの怪我による降板で見ることのできたマイレンのカレーニンですが、これほど踊り演じる事のできるダンサーを最初からキャスティングしなかったのは本当に残念な事です。

舞台の背景だったり、主人公たちを見つめる社会の目だったりと担うところの多かったコール・ドのダンスも前回に引き続き素晴らしかったと思います。 あれだけ複雑なフォーメーションをスピーディーに展開し、ペアも組み替えながらハードな踊りを続けるって凄いなぁと。 男性の中では、福田圭吾くんだと思うのですが、キレのあるジャンプと動きが目を惹きました。 女性では湯川さんかな。 

そしてやはり、様々な曲の旋律が各場面を引き立て、ダンサーの紡ぎだす物語をよりドラマティックに仕立てていると感じさせエイフマンの選曲は素晴らしい!! チャイコフスキーの、ベルリン国立バレエの「チャイコフスキー」を見たせいか、エイフマンのチャイコフスキーに対する尊敬の念のようなものも伝わって来ました。



ところで、中劇場の2階のロビーがプチカフェ風に変っておりました。 劇場に隣接してテニスコートがあるのですが、ナイター設備もあるコートなので、この劇場に来るといつもここから練習風景を見ているのです♪

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