アシュケナージ指揮 シドニー交響楽団 with キーシン
2011/11/22(Tue)
13日(日)にサントリーホールにウラジーミル・アシュケナージ指揮シドニー交響楽団とエフゲニー・キーシンのコンサートを聴きに行きました。
だいぶ経ってしまいましたが、備忘録的に。


ブラームス:交響曲第1番 ハ短調Op.68
   - 休憩 -
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調Op.16 (ピアノ:エフゲニー・キーシン)

アンコール by キーシン
   グリーグ:自作の歌曲によるピアノ曲3「君を愛す」op.41-3
   グリーグ:人々の生活の情景「謝肉祭より」op.19-3
   グリーグ:自作の歌曲によるピアノ曲第2集「詩人の心」


キーシンのCDは何枚か持っているのだけれど、彼の生演奏はまだ聴いた事がなかったので、今回の来日では是非聴きに行きたいと思っていました。 キーシンのリサイタルにも惹かれたのだけれど、コンチェルトはなんと22年ぶりとの事だし、シドニーのあの美しいオペラハウスを本拠地としているオーストラリアのオーケストラのブラームス1番というのにも興味があったので、この日をチョイス。

オーストラリア初のプロのオーケストラは1906年に設立されたメルボルン交響楽団で、その後各州都ニュー・サウス・ウェールズ州立管弦楽団、タスマニア交響楽団などが創設されたそうですが、戦後の1946年から州や地方自治体の助成金も加わった事で、オーケストラのより安定した運営が可能になり水準も向上したのだそうです。

以下が、現在の各州都を本拠地とする代表的なオーケストラとの事(公演プログラムより)。

 ニュー・サウス・ウェールズ州:シドニー交響楽団(1932年創設)
 ヴィクトリア州:メルボルン交響楽団(1906年創設)
 南オーストラリア州:アデレード交響楽団(1921年創設)
 西オーストラリア州:西オーストラリア交響楽団(1928年創設)
 クィーンズランド州:クィーンズランド管弦楽団(1947年創設)
 タスマニア州:タスマニア交響楽団(1923年創設)

とまぁ、前置きが長くなりましたが、オケも会場も暖まっていない状態でいきなりブラームス1番というプログラミング自体ちょいと無謀だなという気がしないでもなかったですが、ゆったりと重々しく始まった第1楽章、日本ツアーですでに何度か演奏してきているのでオケの方たちはすぐにブラームスの世界に入り込んでいたようでした。 出だしのティンパニがもうちょっと強いほうが好みではあったなぁ。
コントラバス8台の大編成のオケが奏でるボリューム豊かな旋律は迫力がありましたが、メロディラインの輪郭が音量に負けてぼやけて聞こえる事もあったかな。
2楽章のヴァイオリンソロ、コンサートマスターのDene Oldingさんはわりと淡々と演奏する方でしたが、ホルンとよく響きあっていたと思います。
3楽章は軽快で明るかった。 アシュケナージさんの表情も楽しそうでしたねぇ。 ま、3楽章に限らず、明るいブラ1でしたね。 自分が普段よく聴いているのがフルトヴェングラー&BPOというのもありますが・・・。 
4楽章は、出だしのピチカートやホルンのソロもいいのですが、山を下ってきた水の流れが大海に注ぎ込むようなイメージを受ける、ベートーヴェンの「歓喜の歌」に似ているとよく言われるメロディーが現れるところからがとても好きなのです。 ベートーヴェンの交響曲の重圧から解き放たれたブラームス自身の安堵と喜びのようにも感じられます。 コーダに向かっての各楽器が歌い上げは良かったのですが、大ラスの大音量が少し雑に聞こえてしまったのが残念。 
それでも、アシュケナージさんに率いられての渾身の演奏は聞き応えありました。 

そしてキーシンのグリーグ。
透明な氷の硬質な輝きを連想させるような第1楽章冒頭のキーシンのピアノの音。 なんて美しいのだろう。 後半のカデンツァも流麗でした。
第2楽章、北欧の澄み切った夜明けを告げるようなクリアなキーシンのピアノの音が次第にクリスタルの小さな粒が散りばめられていくような繊細な響きに変わる。 キーシンの紡ぐ音を慈しむように寄り添うオケも良かったです。
第3楽章はダイナミックだけれど柔らかく気品のある演奏と、頻繁にアシュケナージさんを見やっていたのが印象的だったな。 オケもよく合わせていたと思います。 ブラ1から変ったコンサートマスターはボーイングも派手でしたが、一生懸命メンバーを引っ張りながらの熱演に好感。

アンコールもグリーグづくし。 恥ずかしながら知っていたのは1曲目だけでしたが、いずれも本当にピアノが歌っているという感じ。 3曲のアンコールの間に何度出たり入ったりを繰り返したかわからないくらいですが、長身をもてあました子供のようなお辞儀にいーひとオーラが漂っていました♪ そうそう、アンコールをせがむ客席からの超盛大な拍手が、キーシンが弾きますよというモーションに入ったとたんにスパッと鳴り止み、いきなり静寂。 客席のこの一致団結感(笑)も凄かったですよ!
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コメント
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チケットを取る予定が気付いた時には完売していたキーシンリサイタル(笑)Mさんの記事で楽しませて頂きました♪

ピアノが歌っているという感じ>
素敵な演奏だったのですね~。生で聴いてみたいです!!

アンコールをせがむ客席からの超盛大な拍手が~客席のこの一致団結感も凄かったですよ! !>
一致団結いいですね~^^エフバレエの公演やユンディ・リのリサイタルで会場の何ともいえない一体感に感動して旦那さんに熱弁したのですが「そういうの感じたことがないから言ってることが分からない」と言われて終わりました・・・(T_T)
2011/11/25 16:37  | URL | しまじろう #-[ 編集]
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40歳の誕生日を祖国ではなく日本で迎えてくれるのですから、ファンにはたまらないキーシンからのプレゼントですよね~。 チケットがあっという間に完売というのも頷けます。
フォルテッシモだろうが、どれだけ音が重なっていようが、クリアで澄んでいるキーシンの独特なサウンドは、生演奏で聴くと本当に素晴らしいと感じます。 自分まで清められている気になっちゃいます♪
ある一つの目的の元に観衆が集っているようなシチュエーションでは、時々あり得ないくらいの一体感が生まれる事がありますよね。 そういう大勢の中に自分がいる時ってとっても幸福な気持ちになります。 旦那さま、スポーツの観戦は? 敵味方はあれど、あれも立派な一体感ですよね(笑)

そうだ! しまじろうさんのブログでショパンのピアノコンチェルトのコンサートがあったら情報をと書かれていたように記憶していますが、来年の4月にフジコ・ヘミングがベラルーシ国立交響楽団のコンサートでショパンの1番を弾くそうですよ。
なんと、オケの「白鳥の湖」(抜粋)つきです。
こちらです。 http://www.fujiko-hemming.com/world.html
2011/11/26 10:22  | URL | M #il9tusdg[ 編集]
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ピアノコンチェルトの情報ありがとうございます!!早速チェックしてきました!
「白鳥の湖」「カンパネラ」「新世界」全部聴きたい(笑)しかも私が好きなオペラシティ!!
う~しかし平日公演なのですね>< 行きたいなぁ。
情報本当にありがとうございます☆
2011/11/26 19:18  | URL | しまじろう #-[ 編集]
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お役に立ててよかったです。
プログラムもとても魅力的なので、ご都合つけばいいですね。
2011/11/26 22:54  | URL | M #il9tusdg[ 編集]
- そう、一致団結感(笑)! -
遅ればせながら・・・
この日私もその場にいました。贅沢な時を共有したんですね。おっしゃる通り、アンコールの際のあの一瞬の静寂は「一致団結」そのもの!!見事でしたね。
私はこの10月、ショッキングな出来事にあい心がズタズタになりましたが、キーシンの存在とピアノに慰められ、癒され、こうして元気でいれてます。
キーシンに感謝感謝です。
昨夜はBSプレミアムでまたキーシンをみれて、涙がでてしまいました。
音楽はもちろんのこと、人間性も優れているひとは見ていて神々しいですね。
なんだか少女時代に読んだ、レールモントフやマヤコフスキーをもう一度ひもといてみたくなりました。。
2011/11/27 19:23  | URL | うすゆき草 #-[ 編集]
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うすゆき草さん、

こんばんは。 いらっしゃいませ♪
コメントをありがとうございました。

同士!ですね(笑)
キーシンが袖から舞台に現れるたびに観客の期待の大きさそのままの大拍手ですから、それがぴったり同じタイミングで止むって凄いものがありましたよね。
キーシンの存在そのものが音楽という芸術が姿を変えたようにも感じられたあの演奏が、きっと人の心に染み渡り、癒しとなったり励ましとなったりしたのでしょうね。 私はまるで森林浴でもしたような清清しい気持ちになりました。
昨夜のBSプレミアムは録画したままで、まだ見ていないのですが、うすゆき草さんのお話を伺って、見るのをあせらず、何か特別なシチュエーションの時に見てみようかななんて思っています。
2011/11/27 23:03  | URL | M #il9tusdg[ 編集]
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