新国立劇場バレエ団によるバレエ オープニング ガラ 10月1日の感想
2011/10/02(Sun)
20111001新国立


<第1部>

『アラジン』から「序曲」「砂漠への旅」「財宝の洞窟」
振付:デヴィッド・ビントレー 音楽:カール・デイヴィス

アラジン:八幡顕光
プリンセス:小野絢子
魔術師マグリブ人:マイレン・トレウバエフ

オニキスとパール:さいとう美帆、高橋有里、大和雅美、江本拓、菅野英男、福田圭吾
ゴールドとシルバー:西川貴子、丸尾孝子、貝川鐵夫、清水裕三郎
サファイア:湯川麻美子
ルビー:長田佳世、厚地康雄
エメラルド:芳賀望、寺島まゆみ、寺田亜沙子
ダイヤモンド:川村真樹


「アラジン」は今年5月の公演で初めて全幕を見たのですが、その時とほぼ同じキャストじゃないかと。 あの時は、1幕の最後に置かれたこの財宝の洞窟でけっこうお腹いっぱいになっちゃって、その後の肝心な2幕3幕でなんとなく集中力が途切れちゃったのですが・・・。 こうやって単独で上演しても、ほんと、見応えのある場面ですよね。
砂漠から洞窟の入り口に立ち、その不思議な洞窟の中に入って行くアラジンの冒険心を掻き立てるようなあのセットが非常にお気に入り!
八幡さんはアラジンをすっかり自分のものにしているので、アラジン的にはちょっと中途半端な場面でも、しっかり役に入っていられるのがいいですね。
マイレンも怪しくしたたかなマグリブ人になりきってましたが、当人比ではわりと濃度薄め? この日の公演では踊りが見られなくてとても残念でした。

オニキスとパールは仮面をつけているので誰が誰やらわからないのがじれったいのですが、みなさん、切れがあって颯爽とした踊り。 このメンバーですから、磐石なはずです!
ゴールドとシルバーは本来格調高くいくところなんだろうけど、それなりに無難に。
サファイアの湯川さんが良かったです。 しなやかに柔らかく、うっすら色香も漂い、回転なども安定していてとても目を惹く踊りでした。 
ルビーはやたらリフトの多いパートですが、長田さんと厚地さんの息もぴったりで安心して見ていられました。 厚地さんはかなり線の細いダンサーですが、リフトのサポートの安定感は抜群なので、長田さんのポーズも毎回キレイに決まってました。
ダイヤモンドの川村さん。 新国でチュチュ姿の一番映える人といったら間違いなく彼女でしょうね。 立ってポーズをとっているだけで、圧倒的なプリマの輝き。 踊りのラインも相変わらず美しかったけれど、若干足元が乱れていたようでさほど好調という感じではなかったかな。  


<第2部>

「眠れる森の美女」第3幕よりグラン・パ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ 音楽:ピョートル・チャイコフスキー
オーロラ姫:小野絢子
デジレ王子:福岡雄大


二人とも最初はかなり緊張していたようで、固かったと思います。
小野さんのオーロラは堂々たるものでしたが、好みの問題で駄目でした。 あまりに直線的なスパッとした動きがどうにも見慣れているオーロラの舞からはほど遠く、振付自体もかなり違うので、まぁ、仕方ないです。
福岡さんはサポートにまだ安定感がなく、二人での流れに流麗さを失わせてしまうところがありましたが、ソロは素晴らしかったです。 動きが柔らかく美しく、足音もほとんどしないしスピード感のある跳躍も綺麗。 途中細かな回転ではやや大味になったところもありましたが、今後はこのバレエ団を背負っていける人だと十分に思わせる出来だったと思います。
ただ、この二人の組み合わせってどうなのかなぁ・・・。 菅野さんの方が小野さんには合うかなぁなんて思ったりして。


「ロメオとジュリエット」第1幕よりバルコニー・シーン
振付:ケネス・マクミラン 音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ジュリエット:本島美和
ロメオ:山本隆之


パゴダの王子を降りた山本さん、大丈夫かなと思っていましたが、無事踊りきれて良かったです。 本島さんも頑張っていたとは思うけど、体のしなやかさが足りないのと音楽を纏えないのがこのPDDだけという上演にはちょっと辛いかな・・・。  


「ドン・キホーテ」第3幕よりグラン・パ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ/アレクサンドル・ゴルスキー 改訂振付:アレクセイ・ファジェーチェフ 
音楽:レオン・ミンクス
キトリ:米沢唯
バジル:菅野英男


菅野さんはキエフ・バレエの来日公演で何度か見ていて純クラ向きの端正な踊りのダンサーという印象だったので、バジル?とちょっと意外だったのですが、けれんみはそれほどないものの、安定した美しい踊りで魅せてくれました。 さり気なかった片手リフトをはじめ、サポートもとても上手いです。 女性がきっちりした技術の持ち主だったとしても、そんなバレリーナを傾けちゃったりする人もいるので、なんかとても気持ちの良いサポートでした。
米沢さんもそのきっちりしたテクニックを持っているダンサーなんですね。 軸がまっすぐで、回転系はとても綺麗でした。 グランフェッテも得意なようで、最初2回ほどトリプルも混ぜていました。 場数を踏んでいけば主役の華のようなものも出てくるでしょうし、楽しみなダンサーだと思います。  


「シンフォニー・イン・C」から最終楽章
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ジョルジュ・ビゼー

第1楽章プリンシパル:長田佳世、福岡雄大
     コリフェ:西山裕子、大和雅美、小口邦明、小柴富久修
第2楽章プリンシパル:川村真樹、貝川鐵夫
     コリフェ:細田千晶、川口藍、清水裕三郎、田中俊太郎
第3楽章プリンシパル:寺田亜沙子、輪島拓也
     コリフェ:寺島まゆみ、堀口純、野崎哲也、宝満直也
第4楽章プリンシパル:丸尾孝子、古川和則
     コリフェ:さいとう美帆、高橋有里、アンダーシュ・ハンマル、原健太


これは全楽章見たかったですね。 これだけのダンサーを揃えていながらなんともったいない!
最初に出てきた4楽章のペア、失礼ながらコリフェにさいとうさんと高橋さんを従えていては、丸尾さんにはちょっと荷が重いかなぁと。 そして古川さんが、パートナーに対してこんなに優しかったでしたっけ?というちょっとびっくりな(こちらも失礼ながら)印象の変化。 ダンスも柔軟性に秀でていて良かったです。 
すべてのダンサーが揃うフィナーレに向かって、まず第1楽章のダンサー登場。 長田&福岡ペアは眼福~~。 長田さんはいつ見ても長い腕が描く軌跡が綺麗で、音取りやニュアンスのつけ方もすごく好みというのがありますが、キラキラ輝いてたな~~。 福岡さんはもうこういう踊りは無敵な感じで柔らかいバネのきいた跳躍は本当に素晴らしいです。
川村さんは、やはり気品があってラインが綺麗。 2楽章はコール・ドも長身のダンサーを配しているので、海外のバレエ団かと見まがうくらいの壮観さ。
3楽章の寺田さんは、やや頼りない感じで、自分としてはまゆみさんで見たかった。 輪島さんはちょい地味ですが無難な踊り。
最後に舞台狭しと全員で踊る様は本当に美しく圧巻でした。 これを見るにつけ全楽章を上演しなかった事がつくづく残念に思われ、来シーズンには是非オール・バランシン・プログラムを組んでもらいたいものだと思いました。



今回のガラが平成23年度文化庁芸術祭オープニングも兼ねていたため、皇族や関係者を招いた事で一般に開放された席が少なくなり、公演を見たかった人がすべて見られなかったようなのはとても残念です。
ただ、今回の公演の内容自体は新シーズンの幕開けに相応しく、ダンサー総出の華やかで素晴らしいものだったので、来シーズン以降、日頃新国立劇場のバレエ公演に親しんでいる観客向けに劇場独自のオープニング・ガラを催してくれたらと思います。 

この記事のURL | バレエ鑑賞記 2011年 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
<<ミハイロフスキー劇場10月公演キャスト変更など | メイン | 秋です!>>
コメント
コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top

トラックバック
トラックバックURL
→http://amlmlmym.blog15.fc2.com/tb.php/2303-65200389

| メイン |