10月19日(火) 「ラウレンシア」 1幕の感想
2010/12/05(Sun)
  ラウレンシア: イリーナ・ペレン
  フロンドーソ: アントン・プローム
  司令官: ミハイル・ヴェンシコフ
  エステヴァン(ラウレンシアの父): セルゲイ・モカナコフ
  ジュアン(フロンドーソの父): アンドレイ・ブレクバーゼ
  メンゴ(バイオリニスト): デニス・モロゾフ
  Pascuara: アナスタシア・ロマチェンコワ
  Jacinta: オクサーナ・ボンダレワ
  司令官の部下: フィリップ・パーカチョフ、パヴェル・マスレニコフ
  結婚式のパ・ド・シス:
   イリーナ・ペレン、ヴィクトリア・クテポワ、オクサーナ・シェスタコワ
   アントン・プローム、ニコライ・コリパエフ、アンドレイ・ヤフニューク
  カスタネットの踊り: マリアム・Ugrekhilidze、アレクセイ・マラーホフ
  フラメンコ: オリガ・セミョーノワ、アレクサンドル・オマール、ミハイル・シヴァコフ
  指揮者: ヴァレンティン・ボグダノフ

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振付家ワフタング・チャブキアーニの生誕100年を記念してメッセレルが復刻、今年6月にプレミア公演となったマールイの最新作。 ロシアでのプレミアは大変好評、ロンドン公演も大成功で観客と関係者に大いに評価されたというこの作品を見るのを楽しみにして劇場に向かった。

以下、ストーリーを追いながらのレビューです。

<1幕1場>
緞帳にチャブキアーニのフロンドーソが映し出されるというオープニング。

舞台はスペインのフエンテ・オブフーナというのどかな農村。 
村人たちが広場に集まって来る。 女の子たちの柔らかい色調の色とりどりの衣装がとても美しい。 野菜を積んだ荷車を取り囲みおしゃべりに夢中な彼らの前にラウレンシアが現れ、その後を追いかけて来たフロンドーソが彼女に熱く愛を語るも、ラウレンシアに軽くかわされてしまう。 ラウレンシアのペレン、華やかだけれど、適度に可愛らしくお茶目でチャーミング! フロンドーソのプローム、髪を黒く染めていたので一瞬分からなかった。 ロンドンのデニスも真っ黒に染めていたけれど、チャブキアーニに敬意を表して?この役を演じるダンサーは髪を黒く染める事になっているのだろうか? いずれフロンドーソデビューするシヴァも黒髪に???

ヴァイオリニストのメンゴ、ラウレンシアの友達のパスクアラ(Pascuaraの読み方が分かりません・・・)がやって来ると村は一層にぎやかになり楽しいダンスが繰り広げられる。 パープルのスカート16人の踊りはよく揃っていて、スペインっぽい腕の動きが印象的。 本拠地だとコール・ドに知らない顔も多いけれどリヒテルとフィロソワを発見してなんとなく和む。 
続いてパスクアラとメンゴの踊り。 ロマチェンコワの上手さは今更言うまでもないけれど、お手本のようにしっかりとした踊りでピルエットは軸もまっすぐで回転も速くて本当に見事。 モロゾフも今年はロミオにスパルタクスにと順調な活躍ぶりで、踊りも安定してダンサーとして充実の時を迎えている感じ。 息がぴったり合った二人はとても楽しそうで、舞台に牧歌的な幸福感を運んでくれている。 
男女4人ずつのパ・ド・ユイットにはヤフニュークとコリパエフが。 ふわっと飛び上がるヤフニュークの柔らかい踊りはいつ見てもいいなぁ。 ただ、いつもより決めが緩くてあまり調子が良くはないような・・・。 
カスタネットを叩きながらのフロンドーソのソロ。 1幕からスペイン情緒豊かだわ。 細かいステップにジャンプにと忙しい振付。 プロームはよくこなしていたけれど、これは手足の長すぎるマラトには大変だろうなぁ。 この踊りを下手で楽しそうに眺めているペレンとロマチェンコワのツーショットもいい感じ。 いつまでも仲良しでいてね!  
ラウレンシアとフロンドーソのPDD。 うーんと、なんというか、やっぱりこの二人だと、自分の目にはどうしても恋人同士には見えないのが辛い。 初めて見る人にはちゃんと恋人同士に見えるのかなぁ? あ、二人の演技が下手だというわけではないですよ、決して! 雰囲気とか、身長のバランスがね・・・。 特にラウレンシアが飛び上がって来るようなリフトとなると、プロームにペレンは大きすぎてちょっと気の毒だ。
パスクアラの友人になるのかな? ジャシンタ役のボンダレワ。 マールイに入団直後から重要なソロを踊っているダンサーで、今回踊りを見るのを楽しみにしていた一人。 若干肉付きがよすぎる気はするけれど、踊りはダイナミックで切れ味もあって安定感も抜群。 

そんな楽しくのどかな村のひと時が司令官の出現によってかき消される。 いや~~、ヴェンシコフ、登場の瞬間から成りきり度120%くらいで、実にえらそーで暴慢で冷酷そうですごい威圧感でした。 この司令官にはドン・フェルナン・ゴメスというこてこてスパニッシュな名前がついてます。 ラウレンシアの美しさに目を留めた司令官は不敵な笑みをみせ、ラウレンシアを城に連れてくるように部下に命令する。 ラウレンシアは彼女を心配して側にいたパスクアラと捕まりそうになりながらも、フロンドーソの助けもあって上手くその場を逃げ出す。

<1幕2場>
森の小川の洗濯場に向かうラウレンシア。 ちらっと後ろを振り返りニコッと。 フロンドーソが後を追ってくるのを確かめて満足している様子。 けっこう困った娘だなぁぁぁ。 男を振り回して喜ぶタイプ??
バレエで洗濯シーンってのも・・・、なんて庶民的な作品なんだ!  ラウレンシアがフロンドーソに水を浴びせてからかい、彼に頭上高くリフトされては驚いて足をばたつかせ・・・、長閑です。 気持ちが高ぶり再び愛の告白をするフロンドーソにまたしても答えをはぐらかすラウレンシア。 
司令官が部下を連れてやって来る。 一人で洗濯をしていたラウレンシアに迫り押し倒して乱暴しようとするが、そこにフロンドーソが戻って来て司令官に勇敢に立ち向かいボウガンで脅しラウレンシアを助けて逃げ去る。

かわって娘たちが洗濯にやって来る。 メンゴとパスクアラがやって来ると洗濯も忘れて踊りに興じる娘たち。 パスクアラは村一番の踊り手なのか、娘たちがさかんに自分の踊りを見て!と踊ってみせる。 そうじゃなくて、こう踊るのよ!とでも言うようにパスクアラが歯切れの良い踊りをみせる。 ロマチェンコワのお姉さんな感じがまたとてもいいです。 嫌悪感と緊張感が漂ったシーンから一転して再びほのぼのとした場面への展開にややついていけない自分。
 
そこへ血相を変えたジャシンタが走りこんできて、司令官たちがやって来る事を告げる。 娘たちは大慌てで洗濯物片手に逃げるが、逃げ遅れたジェシンタが司令官の部下二人に捕まってしまう。 それに気づいたメンゴがジェシンタを助けようとするが、部下の一人に殴られ気絶。 ジェシンタを弄ぼうとする二人。 代わる代わるジェシンタの腕を取ったりリフトしたり、一応マノンの娼館のような踊りの振り付けにはなっているけれど、あちこち体を触りまくったり二人でジェシンタにのしかかろうするのがクラシックバレエの物語での許容範囲を越えているようなリアルさと品の無さで不快。 司令官が現れると部下二人は慌ててジェシンタから離れるが、助けて欲しいと懇願するジェシンタを今度は司令官が値踏みするような扱いをしたあげく、部下二人に好きにしろと言い放つ始末。 連れ去られる哀れなジェシンタ。 

ラウレンシアが連れ戻って来た村人たちにメンゴは介抱される。 先ほどの一件でフロンドーソの勇敢さと真の愛情に心を打たれたラウレンシアが結婚の承諾をする。 幸せに包まれた二人を温かく祝福する村人たち・・・。 ジェシンタの悲劇を目の当たりにした直後のこのシーンには言いようのない居心地の悪さを覚える。 

すると髪は乱れ衣服がボロボロになったジェシンタが足を引きずり戻ってくる。 ジェシンタの嘆きと悲しみの踊り。 しっかりとコントロールされた身体から感情がダイレクトに伝わってきて、ボンダレワの表現力の豊かさと技術の高さを感じました。 ジェシンタを襲った不幸な出来事に動揺しながらも黙って見守るしかない村人たち。 そこには、狂乱の場のジゼルのような重苦しさと悲痛さがありました。
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