ボリショイ&マリインスキー合同ガラBプロ 10月27日の感想(2)
2010/11/01(Mon)
≪第2部≫

「ゼンツァーノの花祭り」よりパ・ド・ドゥ 
振付:ブルノンヴィル、音楽:ヘルステッド
エフゲーニヤ・オブラスツォーワ / レオニード・サラファーノフ

ここのところ、サラファーノフは見るたびに落ち着いて来て、舞台上でのプレゼンスも大きく頼もしく感じられる。 パートナーがオブラスツォーワだと恋人同士というよりは優しく見守る兄のようにも見えちゃうけど。 踊りのほうも万全で、高いジャンプに美しい足捌きが印象的だった。
ふわふわ綿菓子のようにキュートで可憐なオブラスツォーワにはもうこのキャラがぴったりで! サラファーノフの手をさらっとかわすところや、じっと見つめた視線の外し方も絶妙なタイミングでわずかの時間の中にドラマがありましたね!
    

「パ・ド・ドゥ」
振付:ヤコブソン、音楽:ロッシーニ
ナターリヤ・オーシポワ / イワン・ワシーリエフ

一番びっくりしたのは、オーシポワが180度に開脚し、高く上げた片方の足に手をやった状態のまま、ワシーリエフが抱えるようにリフトして移動していた振付。 これもバレエですか!(笑) いったいどこまで彼ら仕様に変えているのか、他にも超絶技巧はてんこ盛りでしたが、ちょっとすねたりして相手の気を惹こうとしているようなオーシポワの仕草も可愛くて、素直に楽しめました。


「パピヨン」よりパ・ド・ドゥ
振付:M・タリオーニ / ラコット、音楽:オッフェンバック
アリーナ・ソーモワ / ウラジーミル・シクリャローフ

振付がつまらなかった。
ソーモワは以前と比べると作り出すライン、踊りともに良くなっていると思うけれど、音楽性だけはそう簡単には向上しうるものではなく、音楽が速くなると自分の中のカウントで踊ってしまうようで・・・。 
シクリャローフは飛ばしすぎたヴァリのラストでよろけてしまったのが惜しかった。 リフトを上げ切れなかったのはこの演目だったか、ロミジュリだったか・・・? いずれにしてもサポート、引き続き精進して下さい。


「グラン・パ・クラシック」
振付:グゾフスキー、音楽:オーベール
スヴェトラーナ・ルンキナ / アレクサンドル・ヴォルチコフ

自分の中の彼女に対するイメージからは想像がつかなかった演目だったのでとても興味があったのですが、残念ながらやはり違うよな・・・でした。
この演目に関してはテリョーシキナの美しいラインでの風格ある舞姿が目に焼きついているために、誰が踊っても分が悪いのですが、ルンキナはバランスはグラグラしているし、踊り全体にアピールするだけの余裕がないというか、あまりにあっさり踊ってしまうため、この作品の醍醐味を味わえなかった気がします。  しか~し、演奏はここまでも酷かったけど、これは本当に酷かった・・・。 特に旋律とは呼べないホルンは、こちらがルンキナに謝りたくなるほどだったもの。
ヴォルチコフはサポートは良かったですが、ヴァリでは息切れしていて、やはりこの演目をこういう舞台で踊りきるには無理があるんじゃないのかという印象でした。 


「ロシアの踊り」
振付:ゴールスキー / ゴレイゾフスキー、音楽:チャイコフスキー
ウリヤーナ・ロパートキナ

美しいロシアの民族衣装に身を包んだロパートキナがステージに現れるなり、会場の空気が変わった。 これから始まる彼女の舞のすべての動き、細やかな表情の変化までも見逃さないというような緊張感とも感じられる。
さきほどのグラン・パのあまりの酷さに、バイオリン!せめてここのバイオリンはきちんとした音楽を奏でてくれ!!と念を送らずにはいられなかった私・・・。 
前半は空気と戯れるような優雅なポール・ド・ブラ、後半は細かく美しい足裁きに感動しながら、その踊りで踊りの神様と語らっているようなロパートキナの姿にうっとりと見入ってしまいました。


「海賊」よりパ・ド・ドゥ 
振付:チェクルィギン / チャブキアーニ、音楽:ドリゴ
アンナ・ニクーリナ / ミハイル・ロブーヒン

貧相な音楽に再び萎えたけど、ダンサーの二人はとても良かったです。
ニクーリナのラインは本当に美しい。 もうちょっと押し出しが強ければいいと思うけれど、踊りはそつなくフェッテは綺麗にダブルを入れながら安定して回っていた。 
ダイナミックな踊りとメドーラへの忠誠心が溢れたロブーヒンのアリがなかなかいい! 王子以外なら意外と芸域は広いのかも。 540を2回入れたヴァリは特に良かったです。


≪第3部≫

「パリの炎」よりパ・ド・ドゥ
振付:ワイノーネン / ラトマンスキー、音楽:アサーフィエフ
ナターリヤ・オーシポワ / イワン・ワシーリエフ

Bプロでの自分たちの役目はこれ!とばかりに、オーシポワのジャンプの切れと高さ、ワシーリエフのジャンプ&回転と、これ以上のものはどこからも出ないぜ!というほど、まー、凄かったです。 バレエ会場での客席からヒューヒューというあり得ない反応もこれなら仕方ないか・・・という感じ。
フィギュアスケートでは、ジャンプの着地時に体重の5倍の力がかかるというけれど、一度、着地の体の角度が30度くらいだったりしたワシーリエフの場合はどんなもんなんでしょうねぇ?  あの太ももはフィギュアじゃなくてスピードスケート選手ばりですが・・・。


「ジゼル」よりパ・ド・ドゥ
振付:プティパ、音楽:アダン
エフゲーニヤ・オブラスツォーワ / アレクサンドル・セルゲーエフ

オブラスツォーワは生身の少女を感じさせるジゼルで、一幕での可憐なジゼルが容易に想像できるけど、自分の好みではないかな。 彼女の場合、ここだけを見るより全幕で物語を紡いできた上でのこのシーンを見た方が自然に受け止められるように思いました。 それでも、セルゲーエフにリフトされ柳の枝がしなやかに風に揺れるようにたゆたう姿には目が釘付けになりました。
タイツ姿のセルゲーエフはラインが綺麗。 もうちょっと二人の間の想いが感じられると良かったけれど。 
ジゼルと言えば、ダンスマガジンの12月号の記事で、コジョカルが2幕のジゼルについて語っていた内容がとても興味深かったです。 ちょっとそれを頭に入れて見ちゃったりもしたんだけど。 


「プルースト~失われた時を求めて」より 囚われの女
振付:プティ、音楽:サン=サーンス
スヴェトラーナ・ルンキナ / アレクサンドル・ヴォルチコフ

ルンキナはこの作品が一番良かったです。 眠りから覚めたのか覚めていないのか、魂の抜け殻のような表情のルンキナ。 アルベルチーヌをほんのひと時自分のものに出来たような幸福感もつかの間、また眠りにつく彼女を見てやはりそれは叶わぬ事と絶望しているように見えたヴォルチコフが良かった。 


「ファニー・パ・ド・ドゥ(ザ・グラン・パ・ド・ドゥ)」
振付:シュプック、音楽:ロッシーニ
ウリヤーナ・ロパートキナ / イーゴリ・コールプ

正直、演目が発表になった時には、またこれを見せられるのか・・・とちょっとがっかりしたのですが・・・、意外に楽しめました。 ロパートキナの崩れ方が前回よりも自然になった分、分かっていても思わずクスッと笑ってしまえるコミカルな部分が増えたというか。 あと、2年、全く問題ないと思います。 絶対に2012年の11~12月の来日公演にも劇場の顔として参加し、白鳥だけでない別の顔をどんどん見せて下さいませ(ダニーラと♪)!! 
コルプは今回化粧が、特に目、薄かったのかな(自分の席は11列目)。 とても爽やかに見え、ころころ変わる表情も分かりやすくて良かったです。 


「ドン・キホーテ」よりパ・ド・ドゥ
振付:プティパ / ゴールスキー、音楽:ミンクス
ガリーナ・ステパネンコ / アンドレイ・メルクーリエフ

王道のキトリ! 腕の使い方など、自分の好みとは離れるのですが、小気味好くて貫禄もあって、それでいてエレガントでもあり。 踊っている本人自身が幸せというような笑顔が、見ている者まで幸せな気持ちにしてくれますね。 メルクーリエフとの息も合っていて見応えがありました。 そのメルクリ、長くなった髪を黒く染めて後ろで結んでいる。 なんでかなー? 一瞬ルジのバジルがだぶりました。 髪のせいだと思うけど・・・。 チャリティーガラで見た時よりもバジルが板に付いていて踊りも美しかったです。


「白鳥の湖」より黒鳥のパ・ド・ドゥ 
振付:プティパ、音楽:チャイコフスキー
ヴィクトリア・テリョーシキナ / レオニード・サラファーノフ

意外とガラのトリにこの演目を持ってくるってそう多くはないんじゃないのかな? しかもトリと言えばドンキなドンキの後で立派にこの日のトリ、4日間の祭りの大トリが務まってしまうこの二人が本当に素晴らしかった。 実のところ、フェッテで一度落ちたように見えたヴィーカは少し疲れていたかもしれないですが、正統派クラシックバレエっていいなぁ、やっぱり大好きだわ~と思わせてくれた二人に感謝です。 
テリョーシキナ、タンゴの脚はセクシーだったけれど、チュチュから伸びた長く形のよい脚は本当に美しい。 そして目力が強く、ほどよく悪で魔性なオディールだった。 昨年末のマリインカの来日公演で彼女の白鳥だけ見逃してしまったので、次回は絶対見なくては!
サラファーノフは惑わされ悩める王子を好演し、軽くさらっと決めてしまったトゥール・ザンレール2連続2回は見事でした。
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コメント
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こんばんわ
私は都合で最終日しか観れませんでした。が、オーシポワ。最初演目では「おっ、一味ちがうな」と思ったのですが、その後はやっぱり、「いつものヤツ」で楽しめましたね。大型選手には出来ない技ですね。
2010/11/02 23:14  | URL | たなか #-[ 編集]
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たなかさん、

最終日のみのお仲間でしたか・・・。
前回ボリショイ公演ではマーシャ祭りだったので、オーシポワの踊りを見たのは、多分前回の合同ガラ以来だったと思うのですが、夏のロンドン公演のジゼルで大好評だったりと、明らかに踊りの幅が広くなっている感じですよね。 次回来日公演は、白鳥、ライモンダ、スパルタクスですか・・・。 それだと彼女を見るとしたらやっぱりスパルタクスかなぁ?
2010/11/03 18:03  | URL | M #il9tusdg[ 編集]
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