ピアニスト中村紘子さんの著書
2010/05/16(Sun)
古い本ですが、ピアニスト中村紘子さんの著書「ピアニストという蛮族がいる」を読みました。 「文藝春秋」の1990年1月号から約1年半続いた連載を纏めた300頁弱の文庫本。 

私自身は特に好きなピアニストというわけではないのだけれど、母親が彼女の事を好きだったので、子供の頃からよく聞かされた名前だったし、付き合いでコンサートにも何回か足を運んでいます。 で、ふと気づくと、自分が習っていたわりには好きなピアニストがほとんどいない私。 好きなヴァイオリニストはけっこういるのになぁ・・・。 
こちらの本は朝日新聞の土曜の別刷り紙面beの「もっと本を!!再読ガイド」というコラムで1月に紹介されていたのですが、ピアニストであるご本人が蛮族呼ばわりしているのを何とも面白く感じたので、ずっと古本屋で捜していたのでした(笑)。 そして思った通り、ひっじょ~に興味深く面白かった!

巨匠トスカニーニの娘と結婚したホロヴィッツ、大きな魔法の手(マルファン症候群と考えられている)を持つラフマニノフの逸話、パデレフスキーという政治家(ポーランド初代首相)になった唯一のスターピアニスト、Mr.ドント・タッチ・ミーのグレングールド、キャンセル魔のミケランジェリの奇行伝説、タスマニアの大自然の中をカンガルーと共に裸足で走り回っていた少女がハーモニカと出会った事からオーストラリアの伝説的なピアニストへの道を切り開いていったアイリーン・ジョイスなど、中村さんが紹介してくれたピアニストの生き様は、どこか微笑ましく思わずにはいられない興味深い話が多かった。 そんな中、明治の文明開化後、日本におけるクラシック音楽の黎明期に生まれた最初の純国産ピアニストであり、それがために悲劇的な運命を辿ることになった久野久という女性ピアニストの生涯は衝撃的で痛ましかったです。
また、ピアニストたちが超絶技巧をめざし指を強化するために使用した(女史は拷問器具にも似ているとおっしゃっています)という独立上昇用横木、開離機、ドゥルデの楔の写真付き解説も大変貴重な記述だと思います。

随所に才筆を感させる中村紘子さんの他の著書も読んでみたくなりました。 次は「チャイコフスキー・コンクール ピアニストが聴く現代」 を捜してみます♪ 

                         
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コメント
- 久野久子 -
 久野久子さんのレコードを収録したCDがあります。そのCDは、『ロームミュージックファンデーションSPレコード復刻CD集 日本SP名盤復刻選集 Ⅳ』(2009年発売)のCD1です。
 久野久子さんについては、原田稔氏の『「熱情」の使徒は二度甦る -私本・久野久子Ⅰ-』(私家本)があります。
 
2010/05/22 08:24  | URL | #-[ 編集]
-  -
コメントいただきありがとうございます。

立派な復刻CD集ですね。
ジャケットが浮世絵というのが、逆にちょっと切ない気にさせられます。
著書の紹介もありがとうございました。 タイトルからなんとなく内容が想像できるような気がします。
いずれ時間ができた時に是非読んでみたいと思います。
2010/05/22 10:34  | URL | M #il9tusdg[ 編集]
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