ジャーヘッド |
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2006/03/11(Sat)
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「ジャーヘッド」
原題:JARHEAD (2005年 米 123分) 監督:サム・メンデス 出演:ジェイク・ギレンホール、ピーター・サースガード、ジェイミー・フォックス ![]() ベトナム戦争に従軍した父を持つ18歳のスオフォード(ジェイク・ギレンホール)は、海兵隊にあこがれて入隊。89年、第2小隊に配属された彼はサイクス3等曹長(ジェイミー・フォックス)の指導のもと、虐待のような新兵訓練の苦痛を味わうが、やがて彼は敵の情勢を探る斥候狙撃隊員に抜擢され、フセインの不穏な動きを警戒する為にサウジアラビアの砂漠に派遣され、「砂漠の盾作戦」に参加する。 (以上DVDでーたをベースとする) この映画は、2003年にアメリカで出版され全米ベストセラーとなった「ジャーヘッド/アメリカ海兵隊員の告白」が原作となっています。 ジャーヘッドとは、高く刈り上げてお湯を入れるジャーの形をしている髪型を称して海兵隊員の呼び名となり、うすのろ、バカ、大酒飲みという軽蔑的意味も含んだ、完全志願制の海兵隊のエリート意識を皮肉っている言葉でもあるそうです。 海兵隊のみならず、軍隊の訓練所では、教官と訓練生の関係は絶対的な上下関係であり、人としての 尊厳を傷つけられるような、虫けら同然の扱いを受ける事も希ではない。 そんなところからも 戦場で敵をみたら単なるターゲットだと思って殺せというような洗脳が始まっているのかもしれない。 ワーグナーの「ワルキューレの騎行」が聞こえてきた時は何のパロディーなのかと思ったけれど、兵士たちを鼓舞するために見せていた、ベトナム戦争を扱った「地獄の黙示録」だった。 映画の1シーン、逃げ惑う人々に「殺せ〜、殺せ〜」と叫んでいる兵士たちは、もやは狂人の集団で、まるでゲーム感覚で興奮しているように見えた。反戦のメッセージを込めた「プライベート・ライアン」も「フルメタル・ジャケット」も、リアルで激しい戦闘シーンを描いているけれど、優れた戦闘シーンを撮ってしまうと、そこに好戦的要素を見出されてしまう可能性があるので、メンデス監督もその辺の事を意識してあえてあからさまな戦闘シーンを外したのだろうというコメントを読みました。 監督の意向がどうあれ、敵のいない砂漠に向かって手榴弾を投げ、戦争が始まるのをひたすら待ち、忍耐の限界と闘う兵士達の日常を捕らえたのは、斬新なアプローチだったと思う。 砂漠に来て175日で湾岸戦争開始となる。これがニュースなどでさんざん報道された「砂漠の嵐作戦」なのだけれど、兵士達は、生物化学兵器などによる後遺症が出てもクレームは起こさないというサインをさせられたうえで錠剤を飲まされた。 クエートの国境に向けて砂漠を進んでいるときに受けた味方からの誤爆、 逃げていく人たちの車の列が爆撃された後の死のロード、イラク軍によって火を放たれた油田から降り注ぐ重油の黒い雨など、きちんと報道されたかどうかわからないような事実の描写はあまりにも凄惨だった。 登場人物の中で、興味深かったのは、主人公のスオフォードではなく、彼と常に行動を共にするトロイ(ピーター・サースガード)だった。 要は、主人公より性格が複雑だからなのだと思うけれど、常に冷静で知的で常識的かと思えば、犯罪暦があるらしく、ともかく誰かを殺したいという願望を心の奥底に隠していた人物だった。 彼の心の機微を、サースガードが、あの独特な視線の定まらないような表情で上手く演じていたと思う。 あと、どうでもよいような事ですが、スオフォードが戦地に赴いている間に別の男に走った元カノが、想い出のTシャツをわざわざ戦地のスオフォードに送り返してくるってどうなのよ・・・ 振られたんだったら嫌がらせでとわからないでもないけど、おまえが振ったんだろ!! 映画館での上映は昨日で終了したはずですが、DVDがリリースされたら、レンタルなどで見ていただきたいと思います。 そしてこの湾岸戦争が終結した後に米国内で明らかになった「戦争のつけ」なるものを取り上げたドラマが、1999年にアメリカで作られた「ガルフ・ウォー」です。 内容的にもかなり繋がりのある部分が多いので、劇場で「ジャーヘッド」をすでに見られた方にはお勧めです。 私の拙文はこちら。 |
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