マールイ「くるみ割り人形」 1月30日の感想
2010/02/07(Sun)
最初にマールイの兵庫県立芸術文化センターでの公演がアナウンスされた時は、白鳥その他だったので、そーか、白鳥と眠りか・・・、 でもここならひょっとしたらバヤデルカも~~~なんて勝手に期待していたのです。
そしたら「くるみ」・・・。 まさか1月にガラ形式以外で「くるみ割り人形」を上演するとは思ってもいなかった。 で、さらにキャストが出てみれば多分ピーテルでも大して踊ってないし、日本では一度も踊った事がないと思われるペレンだったし! ついでにどーやら王子はくるみ王子デビューのマラトらしい・・・だったし。
なわけで、ちょっとおっかなびっくりな気持ちもあったマイ・ラストマールイでしたが・・・、 楽しかったです♪


<1幕>
男の子たち、マスロボエフやペトゥホフなど馴染みな顔が多いのですが、やや低めの身長の男性ダンサーの若手が少ないって事なんですかね? ピエロを好き勝手にいじくりまわしてやりたい放題で楽しそうにしてましたけどね・・・(笑)。

ペレンのマーシャ、髪は中央分けで、両サイドは細かく分けた髪をねじってとめて白いリボンを二つ。 それが子供っぽいんだか、かえって大人っぽいんだか??(笑)。 まぁ、踊りこんで体に染み込んだ役ではないし、合ってるキャラじゃないと思いますが、なるべく素直な子供らしい可愛らしさを出そうと頑張っていたと思います。 フリッツとのやりとりは優しいお姉さんだったり、ちょっと気が強かったり・・・。
しかし、1幕のマーシャってやたら舞台上を走りまくる役なんだと改めて思いました。 

今回1幕での私的白眉は二つ。
まず、お父さん役のマラーホフさんの素晴らしさに惜しみないブラヴォーを!!  スターバウム夫妻を中央に招待客の大人たちが繰り広げる優雅なダンスシーン。 マラさんの指先、足先まで細やかな神経が配られた美! セミョーノワに向ける適度に甘く、適度に温厚で凛々しい表情も何とも言えず麗しくて、凄いオーラを放っていました。 舞台上のマラさんは、クリスマスパーティーを催して招待客すべての人を温かく迎えるホストのスターバウム氏以外の何者でもなかった感じ。
子供たちがコロンビーナやピエロの踊りで盛り上がっている時も、マラさんは見守る両親たちに話しかけたり微笑を向けたり、後ろの盛り上がりは半端じゃなかったですね。 そんなマラさんに絶妙な演技で答えていたのがノヴォショーロワさんでした。 なんかね、ほんとに見応えありすぎでしたよ、こんなシーンが・・・。

ポドショーノフのドロッセルマイヤーを見るのは久しぶりだけれど、かなり難しいあの意味不明な振付をすっかり自分のものとして楽しませてくれますね。 

トルマチョフのくるみ割り人形はさすがにもう名人芸ですね。 年齢的にはそろそろあのサラセン人の踊りの部分のハードな踊りなどがきつくなってくる頃かもしれないけれど、愛らしくて健気なくるみ割り人形だったなぁ。 ちょっとした仕草でマーシャの事が好きなんだってのがよくわかる。

ねずみの王様のヴェンシコフ。 気合入りすぎ・・・(笑)。 でもいぃなあ、その気合が気持ちがいい。 あぁ、しかし、クリギンの正当な後継者だったチェスノコフが今でも懐かしいんだよなぁ。 大好きだったのにな(悲)。 
ねずみさんたちも動きがとてもシャープで、ここのねずみは本当に好き! 最初に出て来たねずみは誰なんだろう? とっても上手くて、あそこでの掴みって大事なんですよね。
マーシャとくるみ割り人形がねずみたちに追い込まれるシーン、自分だって怖いのにそれでも勇気を出してくるみ割り人形の前に立ち両手を広げて守ろうとするここのマーシャはいじらしいよね。 ペレンのランプの投げ方がけっこう直球でこわかったっす(笑)

王子の登場。 実はすっごく心配というか、どうすんだ?と思っていたのはトルマチョフとマラトのあの交代シーン。 いつもは結構二人がくっついた状態でゆっさゆっさしながら回って代わっていたと思いますが、今回かなり離れてあっさりだった(笑)。
マラトは鬘をつけているのと多分緊張しているのとで、あの身長じゃなければ別人かと思いました。 しっかし彼の膝下ってのは棒っきれのように細くてまっすぐなんだよな・・・。 上半身はそれなりにたくましいから膝に負担かからないのかと心配になるくらい。
王子に起こされたマーシャ、急に目の前に現れた素敵な王子様に驚き恥じらいながらも嬉しそうにするペレンの様子がとてもキュートでした。 今までの彼女の役だとキュート!ってのがあんまりないからねぇぇ。 
ここのPDDがと~~っても美しく幸福感に溢れていて良かったです。 1幕のもう一つの白眉。 なんつーか、少し緊張したマラトのとっても丁寧な踊りとサポートとペレンの余裕のある伸びやかでくっきりしたラインの踊りが、いい具合にマーシャの夢の中の幸せな出来事というように感じられて、ちょっと感動的だった。 ここのマーシャの踊りというのもテクニック的にかなり難しそうですね。 以前何かのインタビューでシェスタコワがオーロラも大変だけれど、テクニック的に一番難しいのはくるみのマーシャで、だからマーシャが一番好き(彼女らしい発言だと思った)と言っていましたが、納得!でした。
王子から再びくるみ割り人形に代わり、雪が降る中を楽しそうに踊ったり走ったり。 二人が降り積もる雪をすくい上げてぱぁ~~と投げるところ、好きなんです。ペレンが途中までゆっくり上げた両腕を最後は勢い良くパッとやっちゃうのも子供らしくって可愛い。


<2幕>
ねずみ軍団にさらわれた人形達を助けに再びねずみと戦うくるみ割り人形。 1幕のカーテンコールでもふんぞり返ったまま不敵な態度だった割にはくるみ割人形に踏みつけられてあっさりとやられてしまったねずみの王様@ヴェンシコフ。 熱演お疲れ様でした♪

スペインのニキータ、やっと顔を覚えられた・・・かもしれない。 フィニッシュで手をついてしまったのは惜しかったけどノリノリで良かったです。 パルフョーノワはここの踊りは問題ないですが、チュチュが似合いそうもない体型というのがちょっと気になった。 
アラビアはセミョーノワ。 悪くはないですが、インパクトは弱いかなぁ。 ノヴォショーロワって本当に凄いんだなと改めて思ってしまいました。 演じているんじゃなくて、彼女の場合はどんな役でも舞台にいる時はそのキャラとしてそこで生きているのですよね。
この日のディベルティスマンでは中国の二人が一番の出来だったように思います。 特にクズネツォフはさすがの踊り。 上手いし安定しています。 思わず手が痛くなるくらい拍手しちゃったよ!
パストラルも上手くまとまっていましたが、こちらは12月に見たクリギナ、クズメンコ、クズネツォフがあまりに良かったからなぁ・・・。
トレパックはただただお疲れ様でしたという感じ。
で、何気に好きなのが花のワルツが始まる前のコロンビーナとピエロの踊り。 「始まるよぉ~。 しー」ってやるコロンビーナが可愛いんだよね。

花のワルツ。 実は会場入りするまではここの4人のカバリエに昔のようにシヴァが入ってくれるんじゃないかって期待していたんです。 だってプーちゃんだってこれをまだ踊ってくれるんだし。 でも残念ながら・・・。 コリパエフの代わりにシヴァだったらオール98年組でペレンをしゃちほこできたのにねぇぇ。 もうここは優雅に楽しそうに踊っているオーリャとプーちゃんしか見ていませんでした。
マーシャと王子のGPDD。 優雅に華やいでいた空気にちょっとピリッとした緊張感が混ざったかな。 マラトがもの凄く緊張しているのがわかります。 本来そういうのがわかっちゃいけないんだろうけど、あの(笑)ロットバルトと同一人物かと思うとその緊張感がかわいそうで思いっきり応援モードになってしまいました。 一方ペレンは堂々としたもので、ヴァリでの輝かしさはまさにお菓子の国の女王金平糖の精。 彼女のキラキラとした優しい笑顔でマラトの緊張もほぐれていったようです。 リフトは完璧だったし、このペアならではの思い切りの良さもありました。 マラトのタランテラは親子祭りと同様ピルエットでしたが、彼の長~い足がぶんぶん回ると速度がゆっくりめでも迫力がありますね。 

ワルツが終わり、再びスターバウム家の広間。 ツリーの後ろに王子に高々とリフトされた(本当に高い)マーシャのシルエット。 ツリーの前にはドロッセルマイヤーとくるみ割り人形。 二人の姿にほのぼのした気持ちで幕が降りる。



マーシャ : イリーナ・ペレン
王子 : マラト・シェミウノフ
ドロッセルマイヤー : マキシム・ポドショーノフ
くるみ割り人形 : デニス・トルマチョフ
フリッツ : アレクセイ・ラプシャーノフ
父 : アレクセイ・マラーホフ
母 : オリガ・セミョーノワ 
ねずみの王様 : ミハイル・ヴェンシコフ
コロンビーナ : マリア・ドミトリエンコ
ピエロ : パーヴェル・ヴィノグラードフ
スペイン人形 : ナタリア・パルフョーノワ、ニキータ・クリギン
中国の人形 : ナテリア・リィーコワ、アレクセイ・クズネツォフ
アラビアの人形 : オリガ・セミョーノワ、
            オリガ・ラブリネンコ、ズヴェズダナ・マルチナ、クセーニャ・ルシーナ、エレーナ・スヒーフ
パストラル : アンナ・クリギナ、ユリア・チーカ、アンドレイ・ラプシャーノフ
トレパック : マリーナ・フィラートワ、アンナ・スーホワ、ニコライ・アルジェエフ、ドミトリー・クドリャーフツェフ
ワルツ : オリガ・ステパノワ、ダリア・エリマコワ、マリア・グルホワ、ユリア・カミロワ
       アルテム・プハチョフ、ニコライ・コリパエフ、アンドレイ・マスロボエフ、デニス・モロゾフ

指揮 : ミハイル・バブージン
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コメント
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くるみオーラス、私はもう冷静な気持ちで見られなかったので(爆)、詳細感想ありがとうございます♪
まぁマラーホフパパがパーティの間うろうろしてますと、コロンビーヌやドロッセルを見逃すという困った事態にもなるんですが、暖かいクリスマスの家庭を垣間見て、とってもホットな気持ちになれました。やっぱりからみやすいのはノヴォショーロワさんなのね。と納得。
若手も見習って!
ペレンのマーシャは初見ですが、昔のハリウッド映画みたいな髪型でしたね。なんでも似合っちゃうんだなぁ。
私も、珍しくマラトが緊張してたっぽいのがわかったのでびっくりでした。くるみの王子、特にボヤリー版は難しいですよね~。どっと疲れたでしょうね~。
(普通はさ、シヴァが居ればシヴァに来るとこよね。ま・いまさらですが、順番から行ったらそうだよな、と。苦笑)
98年組男子とペレンちゃんの並びはジーンと来るものがありましたね。(ルダコさんやシヴァが居ればもっとおもしろいのに)いまさらですが。
2010/02/08 09:22  | URL | うみーしゃ #-[ 編集] ▲ top
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>かなり難しいあの意味不明な振付

そう、よくぞおっしゃってくださいました!
意味はあるんだろうけども、そう、ほんとに不可思議なあの振付、、、、それをこなす彼らってすごいですよね~。
マラト頑張りましたし、ペレンが嬉しそうだったのと、
中堅・ベテランさんたちの素晴らしい熱演で、
1月のくるみもいいもんだな、と思えました。
まー、欲を言えば、眠り&白鳥で締めてほしかったですが、芸達者さんたちの熱演を観られて満足です。
2010/02/08 19:37  | URL | おロシア人 #-[ 編集] ▲ top
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うみーしゃさん、

>くるみオーラス、私はもう冷静な気持ちで見られなかった
そりゃそうでしょうね!(笑)
今年最後なのにあんなに痺れるほど素敵なマラさん見ちゃったら・・・。

ペレンの髪型、新鮮でしたよね。 でも、時間がかかりそうで凝った髪型にも見えましたが、プロの手にかかればあっという間なんでしょうか? 今年のペレンのヘアメイク特集なんてやってくれるとけっこう楽しいかも。 そういえば、初めて見たバヤの二日目のお下げも可愛かったですね。
王子役はごまかしがきかないから、マラトも相当覚悟した上の舞台ではあったと思うのですが・・。 でも彼にとっても踊りやすそうな広いステージで良かったなぁと思います。 
いや、でも、王子もね、選ばれし者の役ですよね。 来年はそういう王子ばかりを見たいです。 ちゃんと居るんだからさ!!
2010/02/08 22:36  | URL | M #il9tusdg[ 編集] ▲ top
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おロシア人さん、

摩訶不思議な振付だけに、ダンサーによってもずい分感じが違うんですよね。 表情によってドロッセルマイヤーの本性まで違って見える事もありますし。

ペレンは今年は若手育成とビッグネームのラストステージという両極端な重責を背負っていましたから、あれはバレエ団からの贈り物でもあるんですかね? ま、しかし、ペレンに限らず、若手育成は本国だけでお願いしたいものです。
ツアーの最後の公演は、グランドバレエで一人でも多くのダンサーが出られるような演目がいいですね。 来年はいったいどんなプログラム構成なんでしょう?? 

2010/02/08 22:37  | URL | M #il9tusdg[ 編集] ▲ top
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