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ボルチェンコとマラトの白鳥
2010/01/09(Sat)
マールイは大好きだから、自分が愛していて大切に感じているものがなくなってしまうと本当に悲しい。 でも、数多くの公演に足を運んでいると、時々涙が出そうだったり、ふぅぅ~っと幸せな気持ちになるくらい懐かしいものに出会える事もあるんですよね。 去年、白鳥で家庭教師役のブレクバーゼさんと再会した時もそうだった。 今日はツァル!!
1幕湖畔で出てきたロットバルトは今までの衣装(カシャネンコもマラトも新版)でした。 そして3幕、翼をたたんで立っていたロットバルトを見た時、なぜだかとっても嬉しかったのでした。 前述二人は新しい衣装でしゃがみ込んでいて振付も違ったので、あー、今日はボヤルチコフ版が見られる!と。


さてっと、前置きが長くなりましたが、初めて行った新宿厚生年金会館のステージは狭いです。 一応コール・ドは24人乗れましたが、きつきつな感じ。 
初見のマラトの王子、1幕1場であんなに王子が舞台上にいる事ってありましたっけ?と思うほどずっといたような気がします(笑) 今では慣れちゃったけれど、初めの頃はトロワの踊りと同時に何で王子がいなくなっちゃうんだと思いましたからね・・・。 マラト王子はずっと見ているのかと思ったら途中ではけていきましたが、踊っている3人の後ろを歩いて去って行くのもなぁ・・・。 新版がこうなのかしらね? 常にみんなに気を配り、事あれば話しかけようとする臣下目線の王子様。 良い意味で主役の存在感があり、彼の陽性オーラが生かされて舞台が華やいだ感じでした。
トロワは磐石! ロマチェンコワは安心して見ていられます。 ヤパーロワちゃんもそつのない踊り、というのは彼女あたりになると褒め言葉にはならないかな? ただ以前のような踊る喜びみたいのがあまり感じられないんだよね。 ヤフニュークも好調を維持。 3日と4日ほど完璧ではなかったけれどやはり上手くて美しい! 
でも王子との乾杯のシーンは、この3人だとマラトのでかさが異様に目立つので、大きい子チームにした方が視覚的には落ち着きますね。 それでも長身のマラさんがいたからまだ良かったけど。

ボルチェンコの白鳥も初見。 去年のガラのメドーラブルーチュチュよりはだいぶ体が絞れているように感じました。 1幕2場はまだ動きも演技もかたかったかな?? 後ろに上げた足や何気ない腕の動きがぞんざいなところもあったし、体操チックに見えてしまうところもありましたが、表情はついていました。 彼女の顔立ちのせいでその表情が儚いというより険しかったり苦しそうに見えちゃうのがかわいそうな気もしたのですが・・・。 
2幕のオディールは生き生きと踊っていて良かったです。 ちと怖いくらいの表情と見得きりがありましたけどね(笑)  アダージョの振りはペレンとほぼ同じだったので、やはりこれが新版の振付なのかと。 好きじゃありません。 考えてみれば、今日の主役ペアは新版のファーストキャストなんですよね・・・。 32回転は最後ちょっと速度が緩みましたが、その他、テクニック的には問題なく足は強そうですね。 ピルエットも一人で回っている分には綺麗なので、グランアダージョや黒鳥PDDのサポートつきで傾いていたのはマラトの責任かと・・・。 マラトもリフト系は磐石ですが回転のサポートはタイミングやパートナーとの間隔がまだ危ういです。
マラトのヴァリは舞台の狭さのせいなのか彼の力量に合わせたのか、振付がかなりはしょられていました。 通常2回のアントルラッセもマラトだと1回しかできないスペースだったしね。 あの狭さは彼には気の毒。 11日の大きい子チームのトロワもやりにくいだろうなぁぁ。 もちろんこのスペースできちっと踊ってくる人たちですけどね。
3幕はボルチェンコもオディールで落ち着いたのか1幕2場よりは雑な感じがなくなりました。 途中でみせたシェネが綺麗だったなぁ。 ただ、指先爪先まで常に神経が行き届いているというフォルムではなく、踊りにメリハリも無いので、その辺が今後の彼女の課題かと。 まだ、シェスタコワ、ペレン、ステパノワ、コシェレワたちとは差が歴然としている。 マラトに関しては、正直な気持ちを言えば、本人がやりたければそれでいいけれど、もし別の方向に進みたいと思っているのならそうさせてあげればいいのにという感じです。 確かにボルチェンコをリフトするんだったらマラト以上の相手役はいないとは思いますが・・・。 

今日の一番は、なんといってもツァルのロットバルト。 動きはシャープでジャンプも高く、ロットバルト役に求められている事を効果的に、それでいてやりすぎる事なく演じてくれるオーソドックスタイプのロットバルト、素晴らしかったです。 
マラさんの家庭教師も舞台を盛り立ててくれますね。

今日の白鳥さんたちは、バヤデルカのお疲れか? ちょっとバタバタでした。 狭いってのもあるとは思いますが。 小さい4羽は良かったけれど、いつもフィニッシュで一人微妙に遅れるのがそこまで綺麗に揃っているだけに気になりますぅ。 大きい4羽はやっぱり大味。
2幕の各国の踊りは、マズルカが最初と最後が今までよりテンポが速く、ややバタバタした以外は皆さん良かったです。 ハンガリーでポドショーノフを見られたのが嬉しかった。 二キータはいつになっても顔が覚えられない・・・なんでだろう? 
     

オデット/オディール:エカテリーナ・ボルチェンコ
ジークフリート:マラト・シェミウノフ
ロットバルト:ウラジーミル・ツァル
王妃:ズヴェズダナ・マルチナ
家庭教師:アレクセイ・マラーホフ
パ・ド・トロワ:アナスタシア・ロマチェンコワ、サビーナ・ヤパーロワ、アンドレイ・ヤフニューク
小さい白鳥:アンナ・クリギナ、ユリア・チーカ、ナタリア・クズメンコ、マリーナ・ニコラエワ
大きい白鳥:ダリア・エリマコワ、マリア・グルホワ、ユリア・カミロワ、エカテリーナ・クラシューク
2羽の白鳥:ヴィクトリア・ザリポワ、ユリア・カミロワ
スペイン:アンナ・ノヴォショーロワ、オリガ・セミョーノワ、アンドレイ・カシャネンコ、デニス・モロゾフ
ハンガリー:ニーナ・オスマノワ、マクシム・ポドショーノフ
ポーランド:マリーナ・フィラートワ、エレーナ・フィールソワ、ユリア・カミロワ、オリガ・ラヴリネンコ
       イリヤ・アルヒプツォフ、アルチョム・マルコフ、パーヴェル・マスレンニコフ、ロマン・ペトゥホフ
イタリア:タチアナ・ゴルディエンコ、ニキータ・クリギン
この記事のURL | バレエ鑑賞記 2010年 | CM(2) | TB(0) | ▲ top
コメント
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Mさん

詳細なレポ、ありがとうござます。
ガラでは、今シーズン初見のボルチェンコちゃんでした。

首元、ウエストは細くはなってますね。太りやすい体質なので大変でしょうが、ミハイロフスキーのプリンシパルですからね。頑張って頂くしかありません。

陰ながら、応援してはいるのですが・・・。

Mさんは、ボルちゃんのオーロラは行かれるのでしょうか?もし行かれるようでしたら、ジル絶賛の、彼女のオーロラのご感想お聞きしたいです。

2010/01/10 23:35  | URL | DA #-[ 編集] ▲ top
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DAさん、

ボルチェンコも主演以外にもう少し踊れば、多くの日本の観客に親しんでもらえるのに・・・と思わないでもありません。
いろいろな役を見ることによって親近感もわいてきますよね。
彼女、去年と比べるとそうとう体は絞ってきていると思います。 オーロラを含め、プリンシパルとしてはまだ課題が多いと思うので、今後それをどうクリアしていくかですね。

2010/01/13 08:02  | URL | M #il9tusdg[ 編集] ▲ top
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