天使と悪魔
2009/06/24(Wed)
「天使と悪魔」
原題: ANGELES&DEMONS(2009年 米 138分)
監督: ロン・ハワード
出演: トム・ハンクス、ユアン・マクレガー、アイェレット・ゾラー、ステラン・スカラルスガルド
鑑賞日: 6月12日 (新宿アカデミー)

天使

教皇が病死し、次の教皇を選出するコンクラーベが行われようとしているヴァチカンに、400年前に弾圧された秘密結社「イルミナティ」が復讐を開始する。彼らは4人の教皇候補を誘拐。科学の四大元素“土”“空気”“火”“水”を表わす焼き印を胸に押しつけ、一時間ごとに惨殺すると予告する。さらに街を吹き飛ばすほどの破壊力を持つ反物質を、ローマのどこかに隠したのだった…。この恐ろしい計画を阻止するため、ヴァチカンは宗教象徴学者のラングドン教授(トム・ハンクス)に助けを求める。(goo映画より)

前作の「ダヴィンチ・コード」は映画を見てから小説を読んだのだけれど、今回は先に原作を読んでからの映画鑑賞だった。 先に原作を読んでしまうと物語の細部まで承知済みという他に、自分の中で主要登場人物のイメージが出来あがってしまうので、映画化されると決まったものは読まないのだけれど、原作の「ダヴィンチ・コード」が面白かったので「天使と悪魔」を読みたいという欲求に勝てなかったのだった。 ただ、原作を読んでいる時も頭の中のラングドン教授はトム・ハンクスだったし、 幸いな事にヴィットリア役のアイェレット・ゾラーがイメージそのものだったので、全体的に大きな違和感はなくすんだ。 当初はナオミ・ワッツがヴィットリアの有力候補だったとか・・・。 ワッツは好きだけれど、ちょっと違う。

ANGEL.jpg


というわけで、後は文庫本で3冊約950ページの原作をどう凝縮して映画化するのか、バチカンがどの程度撮影に協力してくれるのかというのが個人的な興味点だった。
原作では宗教と科学の対立というテーマが根底にあり、それぞれに主張があるのだけれど、映画では科学側となったセルン研究所に纏わる話がほとんど削られており、次期教皇選出のためのコンクラーヴェを軸に宗教側が大きくフィーチャーされている。 
故に原作の最後に明らかにされる運命の皮肉も描かれない。 ヴィットリアの父の存在もなく、主要人物を削ったり、原作には登場しない人物を登場させ重要な役を担わせるなど映画用に思い切って手を加えている。
その結果、緊迫感の途切れないテンポの良いエンターテイメント性の高いサスペンスアクション映画として成功していると思う。
もし自分が原作を読んでいなかったら、誰が黒幕だと推理しただろう?
本を読んだ時には最後まで分からなかったけれど、映画の場合、キャスティングやカメラワークである程度見当がついてしまうので案外早くに見抜けたかもしれない。
いかにも胡散臭そうに描かれている人物はたいていはカモフラージュだし・・・。
犯人探しと共に見応えがあったのが、捕らわれた教皇候補たちを探し求めて走り回るラングドンが導いてくれるローマ市内の名所の数々。 オリヴェッティ警部役のピエルフランチェスコ・ファヴィーノがまさしくイタリアンな風貌なのもいい。
さらにコンクラーヴェの儀式については、カトリックでもなく知識もない自分のイマジネーションでは及ばない、神聖で厳粛な面を垣間見せてもらいいろいろと映画化&映像化の恩恵をこうむった感じ。 ただ、カメルレンゴのパラシュート帰還はいただけないが・・・。 
ラストシーン、尊い命の犠牲を経てようやく上がった白い煙、サン・ピエトロ大聖堂の広場で歓喜する人々を見下ろすバルコニーに新しく選出された新教皇が姿を現すシーンは圧巻で非常に感動的だった。 

コンクラーベ(Conclave)という言葉はラテン語で「鍵がかかった」という意味なのですね。 そういえばカメルレンゴが掛けたシスティーナ礼拝堂の扉の鍵はとても立派で厳重なものだった。

トム・ハンクス、アイェレット・ゾラーのコンビはとても良かったと思うけれど、彼ら以上にインパクトが強かったのが暗殺者のミスター・グレイ。 彼のバックグラウンドがもう少し欲しかったような気もするけれど、原作よりは凶悪度が低め。 グレイ役を演じているのはデンマーク出身のニコライ・リー・コスという実力派。 現在30代半ばながら、デンマークのアカデミー賞にあたるロバート賞で主演男優賞1回、助演男優賞を3回、デンマーク映画批評家協会賞で助演男優賞を3回獲得という素晴らしい経歴の持ち主のようです。

不遜でいかにも腹に一物ありそうなスイス衛兵隊隊長リヒターは映画オリジナルのキャスト。 演じているのがステラン・スカラルスガルドだというのは最後の方でようやく分かった次第・・・。

本を読んでいた時にいったい誰が演じたら納得できるのだろうと思ったカメルレンゴ。 なんとなく頭に浮かんだのはキリアン・マーフィー、ライアン・フィリップだった。 ユアンと知った時には「え?」と思ったのだけれど、原作を読んで3年経って記憶が薄れたせいか?わりとすんなり見られました。
この記事のURL | 映画(た行) | CM(6) | TB(3) | ▲ top
<<今シーズンもあと15日・・・ (追記あり Jun.28) | メイン | ウインブルドン2009 開幕♪>>
コメント
- こんにちは♪ -
前作もこの作品も、原作の方を先に読んでいるので、どうもトム・ハンクスがイメージに合わなかったんですよね~。
ラングドン教授はもうちょっと若い感じがしません?(笑)
今回もローマのいろんな場所を観光させてもらったし、時間制限のハラハラもあったし、普通に楽しませてもらいました。
2009/06/25 11:35  | URL | ミチ #0eCMEFRs[ 編集] ▲ top
-  -
ミチさん、

やっぱり先に原作を読んでしまうとそういう事って避けられないですし、けっこうな障害になりますよね。
ダヴィンチではイアン・マッケランが演じていたティービングの友人という事だったのでラングドンの年齢については気にならなかったのですが、長めの髪がどーにも・・・でした(笑)

ラングドンがあっさり場所を断定してしまうのはできすぎだよなーと思いながらも間一髪どうなるのか?というハラハラ感は常にありましたね!
2009/06/25 21:59  | URL | M #il9tusdg[ 編集] ▲ top
-  -
Mさん
こんにちは、
Mさんも原作を読んでらしたんですね、
わたしは読んでなかったので黒幕がユアンであることに気付くのは後半でだったんですけど(笑)
でもちょっと強引な展開でしたね~
原作のほうがいいんだろうな、っていうのはわかりましたv-8
トムサンクスも次回作出る気満々ですよね(笑)
2009/06/26 16:54  | URL | mig #-[ 編集] ▲ top
-  -
migさん、

もし原作を読んでいなくて素直な目線で(笑)見ていたら、誰が黒幕なのか多分パラシュートのヒーローになるくらいまではわからないと思います。
原作でもどんでん返し的な意外性はありましたが、きちんとストーリーがありましたから、やはり時間の限られた映画化というのは難しいものですね。

ハンクスはこの役をかな~り気に入ってるみたいですが、監督は次回作を作るってもう決めたのでしょうか?(笑)
2009/06/26 23:59  | URL | M #il9tusdg[ 編集] ▲ top
- こんばんは -
原作を読んだのが、かなり前だったので、やや忘れつつあり、新鮮な感じで鑑賞ができました。
原作者から、「原作を気にせずに撮ってみたら」と言われたからなのでしょうか?結構設定が変わっている事には流石に気がつきましたが、やはりカメルレンゴについては、もっと詳しい過去の描写が欲しかったですね。
2009/06/29 00:25  | URL | yuki@レンタルだけど映画好き #foX799Xg[ 編集] ▲ top
-  -
yukiさん、こんばんは☆

私も原作はかなり忘れていましたが、ラングドン教授がアメリカからいきなりローマに渡ってしまったオープニングを見て多分かなり変えたのだろうな~と覚悟しました(笑) 
カメルレンゴはこの作品の中で一番インパクトの強い人物だったので映画化にあたり最も興味があったのですが、彼の複雑さは描ききれていなかったように感じました。
2009/06/29 20:17  | URL | M #il9tusdg[ 編集] ▲ top
コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top

トラックバック
トラックバックURL
→http://amlmlmym.blog15.fc2.com/tb.php/1539-6163c9be

映画 【天使と悪魔】
映画館にて「天使と悪魔」 ダン・ブラウンの同名小説の映画化。『ダ・ヴィンチ・コード』に続いてロン・ハワードが監督。 おはなし:教皇逝去にともない、新教皇を選ぶ儀式コンクラーべが開始されたが、有力候補の枢機卿4名が誘拐されてしまう。ヴァチカン当局は宗教象 …
2009/06/25 11:33  ミチの雑記帳
天使と悪魔 / ANGELS & DEMONS
{/hikari_blue/}{/heratss_blue/}ランキングクリックしてね{/heratss_blue/}{/hikari_blue/} ←please click 全世界同時公開{/atten/}日本でも大ヒット中?  前作の『ダ・ヴィンチ・コード』がわたしは全然ダメで、 劇場で観て寝ちゃったくらいだったので{/m_0162/} …
2009/06/26 16:52  我想一個人映画美的女人blog
天使と悪魔    試写会にて鑑賞
『ダ・ヴィンチコードから3年-新たな歴史の謎が暴かれる。 ガリレオの暗号が、ヴァチカンを追いつめる。 ヴァチカンに迫る危機-秘密結社イルミナティの復讐が始まる! 世界は震える。 2009年 アメリカ  2009/5/15全世界同時公開 監督 ロン・ハワード 脚本... …
2009/06/29 00:26  レンタルだけど映画好き
| メイン |