デンマーク・ロイヤル・バレエ団「ロミオとジュリエット」 5月24日の感想①
2009/05/27(Wed)
ラブロフスキーとグリゴローヴィチ版は見たことがないけれど、一番好きな「ロミオとジュリエット」はマクミランで次がクランコ。 マールイのヴィノグラードフ版も結局は気にいってしまった。 そんな自分がとっても楽しみにして見たノイマイヤー版は・・・、輝かしさ、性急さ、持て余すエネルギー、いたらなさ、良くも悪くも若さを前面に押し出した作品という印象でした。 

ロレンスが人生経験を重ねた熟年の神父ではなく、常にロミオの日常にもかかわりを持つ同年代の友人である事と、物語を分かりやすく説明するために配置された旅芸人の一座がこの版での独自性だったように思う。

ユルゲン・ローゼの舞台装置は舞台奥に設置した二階建ての回廊のようなものを非常に効果的に利用したシンプルでセンスの良いものだった。

<1幕>
ロレンスが登場して、ロザラインに会うためにやって来てキャプレット家の側で転寝してしまったロミオを起すというオープニングはとっても新鮮。 ロミオってそーいう奴なんだ!と分かりやすいし(笑)

ロミオのクロボーはやや体の線が細いながら均整の取れた体型ですっと伸びた脚が印象的な長身ダンサー。 ベンヴォーリオのステーゲルもほぼ同じような体型。 マキューシオのエガトが2人よりやや劣る。

ロミオ、マキューシオ、ベンヴォーリオの3人は何事も深くは考えず、真っ只中にある輝かしい青春期を謳歌する毎日で、腕、足、腰の動きが独特な彼らの踊りはそれを見事に表していると思う。 なんともお気楽で脳天気な男たち・・・。
軽快な踊りで一番目を引いたのはステーゲルだった。 エドガが他の2人より半テンポ遅れて見えたのはもともとの振り付けなのか? 

広場のごった返し様は目が疲れそうなくらい。 

一目でそれと分かるティボルト。 脳天気組とは違い、渋ぶって凄みをきかせているアンちゃんという感じ。 男臭さが漂ってますね~~~。

キャピュレット、モンタギュー両家の若者たちがどこからともなく現れる。 どっちにも上半身裸な奴がいるのはなぜなんだ?(笑) キャピュレットがブラウン、モンタギューがブルーの差し色で区別。
フェンシングの剣?でのチャンバラぶりは軽快で見応えありました。 ここでは特に死人は出なかったようだけれど、キャピュレット公とモンタギュー公まで剣を交える大騒ぎとなったからかヴェローナ大公が現れて両家の争いを厳しく諌める。 大公役のエリアソンが威厳があって精悍でかっこいい!

バスタオル一枚を体に巻きつけて登場したジュリエットは溌剌として屈託のないお転婆な少女。 バスタオル姿とグリンデルの落ち着いた面差しのせいか、少し大人の階段を登り始めた感じではある。 母親からはあきらかに呆れられている様子で夫人の深~~いため息が聞こえてきそう。

キャピュレット家での舞踏会。 初めて見る作品の場合、あの曲をどのような演出で使うのかというのがとても楽しみ。
夕闇のような薄暗さに照明が落ち、キャピュレット家の人々の姿が建物や柱の影から黒いシルエットとなって次々に現れる。 お洒落だわ、でも肝心のダンスがあまり記憶に残っていない・・・。
華やかな舞踏会に登場というのに、階段の下段で足を踏み外すわ、花は落とすわ、レディーとは言いがたい(笑)。
パリスのクピンスキー、物腰柔らかで端整。 しっかし、長身で足が長くしかも美脚なダンサーが次から次へと出てくるのには感心してしまう。 北欧の人って(プログラム買っていないのでダンサーの出身などは知りませんが・・・)背の高い人が多いですね。 眼福!
ここだったか3幕だったか忘れてしまったけれど、キャピュレット夫妻とジュリエットが3人手を繋いで踊るシーン、夫人のリンストロムの鋭角に高く上げられた足の動きが素晴らしかった。

ロザライン目当てで舞踏会に忍び込んだロミオは、気づけばいつの間にかジュリエットに心奪われ少し遠巻きに彼女を追う。 我慢ならなくなったかのようにジュリエットの前に進み出るロミオ。 グリンデルのジュリエットはよくわからないけれど、なぜか心が弾み、ドキドキするというような表情でロミオから目が離せないでいる。  ダンスに興じる人たちの中で急速に互いへ惹かれていく運命の恋人たち。

ティボルトにアイマスクを外され、正体がバレながらもキャピュレット公の大人の振る舞いで屋敷から無事に退散したロミオたち。 ロザラインに全く興味を示さなくなったロミオを訝しむマキューシオとベンヴォーリオと別れ、一人キャピュレット邸に潜むロミオ。

バルコニーのシーン。 ジュリエットの立つバルコニーに駆け上がって行ってしまうロミオは初めて(笑) 手をつなぎ階段を駆け降りてくる二人。 
ここはそれぞれのソロがほとんどなく常に体を寄せ合い2人で踊っている(と、記憶してますが、怪しいかも)。 アクロバティックなリフトに加え、ジュリエットを抱きかかえて走りまくるロミオの負担はかなり大きいかも。 ただ、リフトの際にほんの一瞬だけれど2人とも流れが止まる事があり、この種の振付をこなす事の難しさを感じる。 
熱い思いに身をまかせ突っ走るように過ぎてしまったこのシーンはノイマイヤー版の流れには合っていると思うけれど、個人的には美しい音楽を最大限に活かすような、もっとロマンティックな、せめてここだけでも出会いの幸福感をじっくり感じ取れるようなものであって欲しかったようにも思う。
全体を見るにはうってつけながらオペラグラスを使わなければ表情が分からなかった席だったので、自分の見方もあまり良くなかったのかもしれない。 


キャスト

キャピュレット家
キャピュレット夫人:ギッテ・リンストロム
キャピュレット公:モーエンス・ボーセン
ジュリエット:スザンネ・グリンデル
ロザライン:エイミー・ワトソン
ヘレナ:セシリー・ラーセン
エミーリア:ディアナ・クニ
ティボルト:マス・ブランストルップ
乳母:イェッテ・ブックワルド
ピーター:イェンス・ヨアキム・パレセン

モンタギュー家
モンタギュー夫人:ルイーズ・ミヨール
モンタギュー公:フレミング・リベア
ロミオ:セバスティアン・クロボー
ベンヴォーリオ:アレクサンダー・ステーゲル
バルタザール: オリヴィエ・スタロポフ

キャピュレット家の使用人
サンプソン:アルバン・レンドルフ
グレゴリー:クリスティアン・ハメケン
ポットパン:バイロン・マイルドウォーター
ルチェッタ:エレン・グリーン
グラティアーナ:ブリジット・ローレンス
カミーラ:ヒラリー・ガスウィラー
ウルスラ: ホリー・ジーン・ドジャー
ネル:マティルデ・ソーエ
スーザン:エリザベット・ダム

モンタギュー家の使用人
アブラハム:ジェイムズ・クラーク
アンジェロ:グレゴリー・ディーン
マルコ:エリアベ・ダバディア
シルヴィア:エスター・リー・ウィルキンソン
フランシス:レベッカ・ラッベ
マルガレータ:サラ・デュプイ
ポーリーナ:レナ=マリア・グルベール
リヴィア:アマリー・アドリアン
マリア:ジュリー・ヴァランタン

僧ローレンス:コンスタンティン・ベケル
エスカラス(ヴェローナ大公):エルリング・エリアソン
マキューシオ:モーテン・エガト
パリス伯爵:マルチン・クピンスキー

娼婦
イモーガン:キジー・ハワード
ヴィオレンタ:マリア・ベルンホルト

旅芸人の一座
イザベラ: ティナ・ホイルンド
ヴァレンティン:ジャン=リュシアン・マソ
ルシアーナ:アナスタシア・パスカリ
ラヴィニア:ジョルジア・ミネッラ
アントーニオ:クリストファー・リッケル
ビアンカ:キジー・ハワード
セバスティアン:セバスティアン・へインズ
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