小林紀子バレエ団「眠れる森の美女」 4月26日の感想
2009/04/30(Thu)
島添さんを見るのは2005年夏の日本バレエフェスティバルで同じくテューズリーと組んだ「ジゼル」以来だし、全幕で見るのは初めてでした。
プロローグで5人の妖精やコール・ド・ダンサーを見た後に彼女を見ると、落ち着いたプレゼンス、場を支配する力など、やはり主役を踊るダンサーだなと感じました。 あまりにも華奢で小柄なので体力的に大丈夫なのだろうかとも思いましたが、全く問題ないようで、最後まで丁寧で安定した踊りを見せてくれました。 この作品を踊る際の力配分をきちんと心得ているのでしょうね。
ENBの写真のオーロラ姫同様、ローズアダージョのアチチュード・バランスは王子の手を取るたびに両腕をしっかりとアン・オーに持っていくバージョンでしたが、島添さんは体の軸もぶれがなく見事。
ただ、各幕での違いをあまり感じる事ができなかったので、1幕のオーロラに屈託のない少女らしさを感じさせるような可憐な笑顔が欲しかった気がします。

2幕、森の場面でようやく登場のデジレ王子のテューズリー。 他の貴族たちが黒基調の衣装なのに対し彼はベージュ系の毛皮のような厚いコートを纏っているため、青年王子というよりは、すでに皇太子もいる立派な国王という雰囲気でした。
見た目ではそれほど周りの日本人ダンサーから浮いているわけではないけれど、一度演技を始めると、その表情、さり気ない仕草の洗練具合が全く違うというか質が違うというか・・・、一気に惹き付けられますね♪
そのテューズリー王子とわけありげなご婦人役を演じていたダンサーもなかなか表情豊かで良かったと思います。 この辺がマクミラン版ならではなのかしら??
デジレ王子のソロは初めて聞く曲。 振り付けもマクミラン独自のもので、高速シェネ?のまま直ぐにアチチュードのようなバランスに持っていくというような難易度の高い振り付けの連続でしたが、滑らかに流れるような素晴らしいダンスでした。
その後の森の中でのオーロラ姫とのPDDも3幕のGPDDも安定していて、テューズリーらしい爪先まで伸ばされた脚での端整な踊りと磐石なサポート。 特にグランパでピルエット状態の島添えさんを少し傾かせ、片手でぐいっと引き寄せての鋭角なフィッシュダイブ3連続は素晴らしかったです。

リラの精の高畑さんは初見ですが、手足を大きく動かし、テクニック的にも不安のない良いダンサーだと思いました。 プロローグで5人の妖精と横一列になってアチチュードで決めるところでは、上げられた足も高く綺麗なラインが目立っていました。 マイムも丁寧で分かりやすく良かったですが、カラボスに対する表情が一本調子だったのは今後の課題かなと。

カラボスの楠本さんは全身を使い体当たり的なパフォーマンスに好感が持てました。 ただ、想像したほどに強烈なキャラクターではなかったので、音楽から外れる事は出来ませんが、もう少しゆったりと構えたら、より印象が強くなったようにも思います。

マクミラン版は2幕の最後、デジレ王子は誰とも闘わないのですね・・・。 カラボスの配下が出てきたかは忘れてしまったけれど、リラの精とカラボスの魔力での対決となり、デジレがオーロラに近づくのを阻止しようとするカラボスは最終的にリラの精の力に負けて倒れてしまう。 ここは2人の演技力次第でかなり印象が変わってくるように思います。 その間、デジレもなかなかオーロラにキスをしない・・・。 リラの精の最終許可待ち???

プロローグの5人の妖精はプログラムを買えなかったのでマクミラン版での名前は分かりませんが、最初の優しさの精が大森さんで、最後の勇気の精が大和さんでした。 他の3人の精の踊りも基本プティパに少し手を加えた程度の変更だったと思います。 
大森さんはゆったりと優雅でしたが、常に台詞を呟いているような口の動きが気になった。 大和さんは曲のテンポが速かったためか、シャープな振り付けが少し乱暴に感じました。 全体的にみんな元気な妖精の踊りだったかな?
リラの精を含め、それぞれの妖精にカバリエールつきで、リラの精までリフトされてました♪

3幕の結婚式。 
宝石たちは金・銀・サファイアとダイヤモンドではなく、大和さんのダイヤモンド(という名前がついているかはわかりませんが)とお揃いのチュチュの女性3人、プラス男性一人という構成で踊られました。
青い鳥の八幡さんはテクニックも安定していて良かったですが、もう少しだけゆとりが欲しいかな? フロリナ皇女は振り付けが大分変わっていたと思いますが、ちょっと硬質な踊りだったなぁ。
個人的に一番気に入ったのが白い猫。 お名前がわからないのが本当に残念なのですが、表情、特に目の使い方がとっても上手くてすっばらしく魅力的な猫ちゃん! ひょっとしてこのダンサーが2幕でデジレを誘惑していたご婦人かしら?? 

テューズリーの素晴らしさもたっぷり堪能できたし、全体的なレベルも舞台美術にも満足の良い公演だったと思います。

分かっているキャストだけ・・
オーロラ姫:島添亮子
デジレ王子:ロバート・テューズリー
リラの精:高畑きずな
カラボス:楠本郁子
青い鳥:八幡顕光
フロリナ皇女:中村麻弥
国王:本多実男
王妃:深沢祥子
5人の妖精の二人:大森結城、大和雅美
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コメント
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先日ENBの画像を探していて、こちらにたどり着き、予習?をさせて頂いた者です。

白い猫を演じたのと同じダンサーが2幕のダンサーです。
萱嶋みゆきさんというとても綺麗な方です。
ご存知ないのに、よくおわかりなので思わずコメントさせて頂きました。
2009/05/01 09:50  | URL | 杏 #Q.zvybpY[ 編集] ▲ top
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杏さん、こんばんは&コメントありがとうございます♪

眠りの衣装は本当にENBの舞台写真通りで美しかったですね。

白い猫を踊ったダンサーのお名前は萱嶋みゆきさんというのですね!
教えていただきありがとうございます。
思いっきり英国なテューズリーの演技の波長とぴったり合っていて、2人の台詞のないやり取りに思わず他のダンサーたちを忘れてしまったほどです。 白い猫の時も自分のツボにぴったりはまったので、もしかしたら同じ方なのかもと思ったのでした。

2009/05/01 23:26  | URL | M #il9tusdg[ 編集] ▲ top
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