ブーリン家の姉妹
2009/04/20(Mon)
「ブーリン家の姉妹」
原題:THE OTHER BOLEYN GIRL (2008年 米 115分)
監督:ジャスティン・チャドウィック
出演:ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン、エリック・バナ、ジム・スタージェス
鑑賞日:4月11日 (DVD)

ブーリン

16世紀のイングランド。新興貴族のトーマス・ブーリン卿は一族繁栄のために才気あふれる美しい娘アン(ナタリー・ポートマン)を国王ヘンリー8世(エリック・バナ)の愛人に差し出すことを目論む。ところが、王の心を捉えたのはアンの妹で凡庸だが気立ての良いメアリー(スカーレット・ヨハンソン)だった。一家は宮中に移り住み、メアリーは王の子を身籠る。一方、妹に栄誉を奪われたアンは一時フランスへ追放されるが、やがて呼び戻され、大胆にも王妃の座を狙って策略を巡らすのだった。 (goo映画より)

エリザベス一世の実母であるアン・ブーリンについては、ヘンリー8世の2度目の妻で後に処刑されたという事を知っていたくらいで実際にどういう人物だったのかという事にはあまり関心がなかったのだけれど、この映画で見る限りかなり自信家で野心家な人物らしい。 映画のアンは自分の美貌も武器にしているけれど、実際のアンは背が低く痩せていて色黒黒髪というその時代の美人の条件を満たさない女性だったようで、逆に色白、金髪、豊満だったメアリーの方が容姿的には優れていたのだそうです。

ブーリン1


ある程度の家柄の家長がその家を守り繁栄させていくために、子供の縁組に賭けるというのは洋の東西と時代を問わないのですねぇ。 子供の頃から商家に嫁がせるにはもったいないなどと言われ、父親の頼みの綱だったアンが自尊心の強い娘に育つのも無理はないし、実際アンは才知にはたけていたのだろうけど、プライドと傲慢さが最後には仇となり身の破滅を招く。 そんなアンの言動は見ていて哀れというよりどこか愚かしく感じてしまう。 知的だけれど控えめな女性を演じる女優というイメージが強かったナタリーがアンを好演。 
スカーレット・ヨハンソンは役柄によってはあまり好きな女優ではないけれど、彼女はこういう無垢で芯が強い役の方が実は合っているような気がします。
弟ジョージ(実は兄という説あり)でさえ一族繁栄の道具である事には変わりなく、望まない相手との愛のない結婚を強いられる。 その上にアンと姦通したという無実の罪をきせられたまま処刑されてしまうという彼の悲運を、演じたジム・スタージェスの甘いルックスが色濃くさせていたように感じました。 どこかで見た顔と思ったら「ラスベガスをぶっつぶせ」で天才的な数学力を持った主人公を演じた彼なんですね。 若手で期待の英国俳優との事。   
家の繁栄と権力のために手段を選ばない父親や叔父、運命に翻弄されていく姉妹弟の中にあって現実を静かにみつめていた母のエリザベスの印象も思いのほか強いです。 クリスティン・スコット・トーマスって、相変わらずいい女優さんですねー。
監督がこの映画の中でヘンリー8世をどういう人物として描写したかったのかはわからないけれど、エリック・バナだとどうしても女性への執着心もそれほどいやらし~くは見えず、黙っていれば賢王に見えてしまい、多くの側近を処刑した冷酷な内面は感じられなかった。 苦悩っぷりはとっても様になってましたけどね。

敬虔なカトリック教徒だったヘンリー8世が最初の妻のキャサリンと離婚をするためにローマ教会からイングランド国教会を独立させたり、彼の娘のメアリー1世がプロテスタントを迫害してブラッディ・メアリーと呼ばれたり、メアリーの後を継いだエリザベス1世はプロテスタントとカトリックの中道路線をとったりと、この時代の宗教が社会に与える影響力も興味深いです。 ケイト・ブランシェットの「エリザベス」をまた見てみたくなってしまった。

話を戻すと、チューダー朝色濃いセットや衣装もとても豪華で素敵でした。 時代物をみる楽しみってこれもあるんだよな。 でも女性たちのあの衣装、重いんでしょうね!
さらにポール・カンテロンの弦の音の美しさが強調されたオーケストラの音楽が庶民が夢見る宮廷社会の華麗さと重苦しさの両面を見事にバックアップしていたように思います。

この映画の原題である「THE OTHER BOLEYN GIRL」。 嫁ぐ準備をしているメアリーをアンとジョージが訪ねた時に、アンが自分の事として言っているのですが、どちらとも主人公と取れる二人なのでこのフレーズもどちらにも当てはまりそうですね。 同名の小説はメアリーの視点で書かれているそうなので時間があったら読んでみたい!
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コメント
- こんにちは~♪ -
こういう重厚な歴史劇っていいですよね~。
中身はドロドロなんですけど、それでも、こういうふうにして歴史は回ってきたんだな~とか、いつの時代もどこの国でも権力者に群がる人たちは大変そうだな~とか分かりますしね。
庶民で生きるのが一番幸せなのも~と思ってしまうわ。
2009/04/22 15:54  | URL | ミチ #0eCMEFRs[ 編集] ▲ top
-  -
ミチさん、こんばんは☆

こういう映画を見ると、自分の知っている歴史上の人物たちには想像以上に多くの人がかかわっていて、知られざる事実がたくさん隠れているんだろうなと興味をかき立てられます。
平和な社会の中での自由というのがこの世で一番贅沢なものなのでしょうね。
2009/04/22 22:38  | URL | M #il9tusdg[ 編集] ▲ top
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