マールイ「ライモンダ」 1月30日(シェスタコワ&シェミウノフ)の感想
2009/02/26(Thu)
今夜も今ひとつ心もとない感じの序曲で幕が開く・・・。
スロースターターなんだよなぁぁ。

<1幕>
目の前に広がる美しい絵画のような世界を昨夜に続き今夜も見られる事を心から幸せに思う。 そしてつくづくマールイの舞台が自分にとって掛け替えのない特別なものだと実感する。

ライモンダのシェスタコワは1幕はかなり不調のようだった。 不調というより故障か体調不良じゃないのかと思うほどで少し暗めの表情も気になった。
んで、やっぱりここのグレーベージュのボディスはあまり良くないかも。

友人たちはこの日も優雅な踊り。 コシェレワとミリツェワの優しい笑顔が私たちを物語の世界へといざなっているようだった。

ここのワルツは本当に響きが美しい。
コール・ドも昨日よりはだいぶバタバタ感がなくなっている。 これはこの日を通じて言えた事だと思います。 本国でもしばらく踊っていなかったライモンダを、この来日メンバーで二日目にはかなり調整してきたところはやはりプロだなぁと感心します。

多くの人が下がりライモンダの周りに4人の友人たちだけになると、彼らへの気兼ねなさからか、ライモンダの表情も和らぎ、改めてジャンのいない淋しさを募らせている様子。 

夢の場。
長いマントの騎士姿が良く似合うマラト@ジャンが現れる。 
シェスタコワとマラトの並びは昨年のコルプゲストの白鳥以来だけれど、シェスタコワがこんなに小さく見えるとは・・・。 頭が飛びぬけて小さいから余計にそう感じるのかな?
始めのうちは二人の息が若干合わないようなところがあったけれど、破綻なく。

ヴァリエーションのマリア・ドミトリエンコとヴァレリア・ジュラヴリョーワ。 2人とも良く踊っていたと思うけれど、まだなんとなく魅力的な踊りじゃないのよね・・・。
コール・ドは昨日より位置取りは良くなっていたと思います。

マラトもプハチョフに負けないくらい腕や脚の動きが綺麗だった。 腕は本当に綺麗になったよね。
シェスタコワは昨夜のペレンのくっきりとしたラインとはまた違った、優しい感じのラインだけれど、幻想の場に良くあった儚さも感じられて良かったと思う。 ただ、リフトされた時にきっと結んだ口元が何か痛さを我慢しているような表情でもあり、3幕まで持つのだろうかと心配になった。 夢の場の終わり、ジャンが姿を消していく時、最後の最後までジャンに寄り添っていたのが印象的だった。

ジャンの姿が消えていった辺りを、まだ名残を惜しみながらみつめていたかっただろう時に目の前にいきなり現れたアブデラフマン。 シェスタコワのライモンダは本当にアブデラフマンが恐そうで、何でこんな人が現れるのかとただただ逃げ惑い、ついに恐怖のあまり失神する。


<2幕>
今日もプロームは貴族の一人。 今日こそグラン・パに入ってよね・・・。

ライモンダの青い衣装は本当に美しくてバレリーナが引き立ちますね。 シェスタコワも一幕とは違い顔にも輝きが戻っている。
館に乱入してきたアブデラフマンに気づき、困惑と不安に襲われるライモンダ。
オマールはアブデラフマンの衣装を着けていてもスレンダーだ。 彼の身体の細さと顔立ちのせいか神経質で性急で悪な感じを受けてしまう。 シェスタコワの表情も本当に嫌そうで悲しそうだったので、昨日の官能カップル?とは全く違う薄幸のヒロインとその元凶な2人。
一幕の最後ではちょっと失敗してしまったリフトもここでは磐石で、リフトされているシェスタコワのキープも素晴らしく、徐々に調子を取り戻してきている。

ミリツェワのヴァリもコシェレワのヴァリもそれぞれ昨日同様良かったけれど、2人で踊るところは今日の方が断然見事な揃いっぷりだった。

ライモンダのヴァリ。 音楽にきっちり合わせた柔らかい動きでの両足ポワントの移動が特に良かった。 表情もとても明るくなったし。

サラセンのコール・ドたちの踊りは今日も元気良く、昨日と同じ顔ぶれのソリストは、また見られて幸せ!という感じ。 クズネツォフにはほんとに唸りますわ!

バナデロス。 昨日はいたんだかいなかったのか気づかなかったけれど(すみません・・・)、コリパエフを発見♪ なんかねー、一人だけやっぱ空気が違うというか、なんだか森の中のくまのプーさんみたいにほんわかなんだな(笑)。
カシャネンコ! いーなー彼のこういう踊り。 ピーテルで見たロミジュリのティボルト役でキーレキレの踊りに目を奪われ、新春のくるみのカバリエでのピンクの衣装の似合わなさとダメダメなサポートに開いた口がふさがらず・・・。 そんなカシャネンコがモストバヤ相手に呼吸を合わせて生き生きと踊っていてとってもいー感じ。 またモストヴァヤがかーわいいんだ! 背中の反り加減も素晴らしい。

ジャンの帰還。
マラトは兜なし。 そうだよね。 あの長い羽根付きの兜をマラトが被るとますますアブデラフマンとの体躯の差が強調されてしまうものね。 ジャンに助けられた時のライモンダの安堵の表情がこれまた印象的。 本当にこの人無しでは生きていけないという風だった。
それにしてもマラトはこの騎士の衣装が似合いすぎなくらい似合っていて、美青年っぷりも上がりますね。 ロットバルトなんかだと、どこかに彼流の遊びが入るのだけれど、さすがにこういう役ではひたすら真剣勝負で落ち着いた雰囲気。 大きいからってわけじゃないんだけど、この人が醸し出す大切なものに対する包容力と優しさってのは、絶対的な安心感がある。

オマールもとても良かったですが、アブデラフマンがドラマを動かすという意味での存在感は圧倒的にツァルの方があったと思う。 ただまぁ、なんつーか、踊りの見せ場の多さやキャラクターアピールの強さなどで、昨日(2幕まで)はライモンダ=アブデラフマン >> ジャン みたいな感じにも見えてしまった3人のバランスは今日のほうが納まりはいいのかも?

そうそう、シェスタコワは月桂冠を優しくマラトの頭に乗せてあげてましたよ!(笑)


<3幕>
3幕はだ~~い好きなので、またまた二日連続で見られて本当に幸せ・・・という思いです。
メンバーがちょっと変わったハンガリー隊の踊りも昨日同様良かったです。 でも、なんといっても今日はソロを踊ったフィルソワです。 一つ一つの動きが丁寧でしっとり大人っぽい彼女がご主人のぺトゥホフとそりゃ~幸せそうに楽しそうに踊っている姿は、もう感動ものです♪

グラン・パのコール・ドに今日もヤフニュークがいてhappy!(笑) でも、残念ながらプロームの姿はなし! 東京公演最終日だから踊って欲しかったなぁ。 

ライモンダとジャンの登場。 やっぱりシェスタコワが小さく見える!(笑)

女性のヴァリを踊ったチーカ。 ワガノワを卒業したばかりの彼女の可愛らしさと舞台度胸の良い踊りに彼女のファンになった方も多いのでは? 私もけっこうお気に入りです♪ この日のヴァリも一年目の彼女としては立派でけっして物足りないわけじゃないのだけれど、昨夜のクリギナの素晴らしい踊りの残像が邪魔をしてくれまして・・・。

男性カトルに助っ人コリッパー投入。 ・・・・が、ヤフニューク以外の3人を全とっかえしなければ意味ないし、残念ながらMr.コリッパーも残念だったのであった・・・(悲) 頑張ろうね!
我らがヤフニュークは昨夜に続き、脇に引きずり込まれる事なく一人涼しげに美しい踊りを披露してくれまして眼福でした♪ カトルの後も、8組のコール・ドが入れ替わりで出てくるたびにヤフニュークの姿を捜し、小さい4組が大きい4組の後ろにまわってしまった時にも、誰かの後ろに隠れてほとんど顔の見えないヤフニュークの見えるパーツだけ(笑)必死で見ていた私!

ヴァリエーションを踊るシェスタコワは意外にも口を一文字に結び一貫して笑みを見せなかった。 非常に毅然とした表情で花嫁の幸福感というよりは、何かの決意とか何かへの決別という感じに見えた。 確かにライモンダも一人の女性の成長物語ではあるのだけれど、ここまでの彼女の可憐で優しげで儚げなライモンダのイメージからは、いささか異系な気がしないでもなかった。
踊りはここに至ってはもう完璧で、細かい脚の運びがとても綺麗だった。

マラトもこのくらいのテンポの曲だと、パからパの繋ぎが大柄ゆえのもっさりではなくゆったりに見えて舞台が華やかになる。 体もきっちりコントロールしていたし、綺麗な踊りだったと思います。 ライモンダのパッセの繰り返し。 先ほどのヴァリで押さえていた感情を一挙に溢れさせるような温かみのある彼女らしいコーダだった。

ドリス伯爵夫人とアンドリュー2世に祝福されたライモンダとジャンが階段を登りきり、キラキラ舞う紙ふぶきの中、正面を向きかえってのハッピーエンドまで、この日はちゃんと幕が開いたままで良かったわ!


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

2日間見て、すっかり気に入ってしまったマールイのライモンダ。
キエフのような物語性の強い(でも、あれはあれで、ライモンダの心にあるアブデラフマンへの捨てきれない恋心を白い貴婦人の魔法で消し去ってしまうってどうよ!とは思いましたが・・・笑)ライモンダもたまに見るにはいいけれど、繰り返し見るのなら、トッププリマが持ちうるすべてを出し切って踊って魅せる正統派なライモンダの方が好み。
ジャンとアブデラフマンにもっと踊りがあればなお良しだけれど、2時間半でこれだけ満足させてもらえるなら、休日にマチソワを組んでもらって公演数を多くしてもらいたいとも思ってしまう。 コール・ド・ダンサーには本当に申し訳ないと思うのだけれど、年にたった一回の全幕公演だからとことん貪欲になってしまうのです。
プリマが充実している今だから、来年また持ってきてくれたらWelcomeですが、最低でも2年に一回のペースでは見たいなぁ! 
私は硬質系が好きなのでステパノワのライモンダもとっても見たいです。 もちろんペレンもまた。 その時にはステパノワ&プーちゃん、ペレン&マラトorシヴァで是非!!

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ライモンダ: オクサーナ・シェスタコワ
騎士ジャン・ド・ブリエンヌ: マラト・シェミウノフ
アブデラフマン: アレクサンドル・オマール
伯爵夫人シビラ・ド・ドリス: アンナ・ノヴォショーロワ
ハンガリー王アンドレイ二世: アンドレイ・ブレクバーゼ
侍従: パーヴェル・シャルシャコフ 
ライモンダの友人:
クレメンス: タチアナ・ミリツェワ
ヘンリエット: イリーナ・コシェレワ
ベランジェ: デニス・モロゾフ
ベルナール: アンドレイ・マスロボエフ
夢の場面ヴァリエーション:マリア・ドミトリエンコ、ヴァレリア・ジュラヴリョーワ
サラセンの踊り: ナタリア・クズメンコ、アレクセイ・クズネツォフ
パナデロス: エレーナ・モストヴァーヤ、アンドレイ・カシャネンコ
ハンガリーの踊り: エレーナ・フィールソワ、ロマン・ペトゥホフ
3幕ヴァリエーション: ユリア・チーカ
この記事のURL | バレエ鑑賞記 2009年 | CM(4) | TB(0) | ▲ top
<<Kバレエ ピーターラビットと仲間たち & 放蕩息子 | メイン | DVD新作リリース情報>>
コメント
-  -
ライモンダ、2日ともとても良い公演でしたねー!!
(終盤になると情もうつって大変・・・。)
カシャーネンコは誰かとからむと急に気弱になる傾向があるのかしら?パナデロスの後も、上手脇で一生懸命演技していて好感が持てました。ピーテルのはじけっぷりと比較すると、来日してから日本の舞台に少々とまどってたのかも。モストヴァヤもきらっきらでしたね~。オマールのアブデラはオーソドックス系でしたが、スーシャとのバランスはまずまずでした。アブデラの手下の朱布マスクの男性は誰だろう・・・美形な感じだったけど!(笑)
3幕のヴァリはペレンちゃんが短調と長調のタイミングで表情を微妙に変える繊細なヴァリだったのに対し、スーシャは女性としてのひとつの信念を貫いたような踊りでした。そして私的感涙はやはり、ハンガリー軍団を後ろに携えてのフィルソワたちのソロです!クールビューティなフィルソワがとても嬉しそうでたおやかで素敵でしたわ。後ろにツァル、ヴェンちゃんポドちゃん、モロゾフ、マスロボエフが散らばって配置されてたからすごーくそろってて綺麗でしたしね!!課題はグランパくらいですか・・・。パナデロスのバックも、いつもの美脚軍団を配置してくださーい!!
 音楽も気に入ってしまったのでCDを購入予定です★
2009/02/26 23:27  | URL | うみーしゃ #-[ 編集]
-  -
今にして思えば、、
どうしてペレンがプハチョフにあんなにぐいぐい月桂冠を被せていたのか非常に気になりますが、
それにしても「ライモンダ」を日本に持ってきてくれたことは、実に実に嬉しいことでしたね。
また再演してほしいです。
2009/02/27 00:30  | URL | おロシア人 #-[ 編集]
-  -
うみーしゃさん、

本当に2日間ともとても心に残る公演でした。
一ヶ月も見続けていると、今回初めて見たダンサーたちにもかなり愛着が湧いて来るのでどこを見ていればいいのやら状態になってしまいますよね。
カシャネンコはあーみえても(笑)、超若いわけですから1公演こなすたびにどんどん成長して自信をつけていくと思います。 来年の彼が楽しみですね♪
アブデラの手下はおロシア人さんもずっと気にしてらしたようですが、あの状態では見当のつけようさえなく・・・。
ハンガリーのフィルソワは涙ものでしたよねぇぇ。 きっちりソロも踊れる彼女のようなダンサーが、コール・ドを纏めていてくれた事に本当に感謝の気持ちで一杯です。
あぁ、早くみんなで帰って来て!!!
2009/02/27 23:06  | URL | M #il9tusdg[ 編集]
-  -
おロシア人さん、

プーちゃん、痛くなかったかな?というのも非常に気になるところです。 後でペレンに文句の一つでも言ってあげるといいんですよね!(笑)
新作をすぐに持ってきてくれるというのは本当にありがたいですね。 「ライモンダ」の再演も激望ですが、まだ見た事のない演目もやはり見たいなぁ。 賛否両論となるとは思いますが、ヴィノグラードフ版「ロミオとジュリエット」も一軒の価値は十分あると思うので(音楽美しいですし)、是非持ってきて欲しいです。 「リーズ」も見たいし「チッポリーノ」も!
2009/02/27 23:08  | URL | M #il9tusdg[ 編集]
コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top

トラックバック
トラックバックURL
→http://amlmlmym.blog15.fc2.com/tb.php/1402-a950922d

| メイン |